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ペンシル型マンションの気になるところ [コンパクトマンション]



新築マンションの供給動向を継続的に見ていると、実にいろいろなことに気付きますが、この10数年で主に首都圏で大きく変わったのは、1物件で500戸以上のメガマンションが当たり前のように供給されるようになったことです。

かつて、大規模マンションと言えば200戸を超えるものという概念が何となく定着していたものですが、500戸以上となると「大型」のカテゴリーには収まらないような気がしてきます。そんな思いから、筆者は勝手に「メガマンション」と呼んでいるのですが・・・

一方、15年くらい前からでしょうか?コンパクトマンションというカテゴリーも生まれました。コンパクトマンションとは、概ね30㎡以上50㎡未満のマンションを指しています。30㎡未満のワンルームマンションと50㎡以上のファミリーマンションとの中間に位置づけられるタイプです。

コンパクトマンションは、大規模タワーマンションの下層部に組み込まれる形で供給されるものと、建物全体がコンパクトマンションで構成されたものとに分かれます。

後者の多くは、「全戸角部屋、多面採光、内廊下式、500㎡以下の狭小敷地」という共通点があります。

コンパクトマンションだけでなく、70㎡クラスのファミリーマンションでも「全戸角部屋、多面採光、内廊下式、500㎡以下の狭小敷地」の区分に入る物件にときどき遭遇します。

どちらも、大きな土地の放出(売り物)がない都心部に見られるマンションタイプです。

敷地が狭くとも指定容積率が大きい商業地などでは、高層にすることで一定の戸数、すなわち塊としての商品が用意できるので、中小デベロッパーを中心に積極的に用地買収を図る傾向があります。

ワンフロアに3室とか4室、多くても5室しかないマンションは、殆どの住戸が角部屋になること、内廊下式にできることなどの長所がある反面(下図は「ローレルアイ大須)平成25年8月竣工済。敷地面積 498.74㎡のもので、本文と直接の関係はありません)、エントランスホールも内廊下も狭く、豪華さからははるか遠くなりがちです。管理費も高くつくので、多くは巡回管理(管理人不在)マンションとなりがちです。

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また、狭い土地に高く積む形のマンションは、その多くが外形的には貧相なものとなりがちです。中には、デザインに注力し、小規模ながら「なかなかのもの」もありますが、滅多に見られません。ただの「ペンシルビル」にしか見えないマンションが多いのです。

次の写真は、本郷通り駒込駅付近を撮影したものですが、このように隙間なく高層マンションが並ぶと、スパンの狭い物件はビル群の中に埋没してしまい、存在感が薄らぎます。この姿を見て「うちのマンション可哀想」とつぶやいた人もありました。

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凝った作りが必ずしも良いとは言えませんが、ペンシル型マンションは存在感が薄い上に、特徴を出しにくいので、デザイン的な工夫が特に必要です。

例えば、GOODデザイン賞を取った、次のような姿は多くの人々が個性を感じるのではないかと思うのですが、読者の皆さんはいかがでしょうか?
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2008年度 グッドデザイン賞 受賞:太田紙興株式会社 (東京都)
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2008年度 グッドデザイン賞 受賞 :有限会社キアラ建築研究機関 (京都府)





筆者は、「デザイン性」はマンションの価値を左右する、とても大事な要素と考えています。
マンションのデザインとは、外観だけでは勿論ないのですが、ペンシル型マンションでは自ずと外観のことと言ってよいでしょう。

マンション全体を外から見たとき、誇らしく見えるかどうか、賃貸マンションに見えてしまわないかどうか、我が城として満足しえるのかどうか、友達に自慢できるのかどうか、頑張った自分へのご褒美として価値あるものなのかどうか、少し遠くから眺めて考えてみましょう。

工事中で確認できない場合は、類似のプロポーションのマンションを探して眺めてみましょう。

もちろん、中規模マンション、大規模マンションと比較することも大事です。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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目立つ売れ残り新築マンション [マンションの値引き販売]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。 ~~~~最近は更新回数を増やしていいます~~~


価格が上がり過ぎれば、そのマンションに手が届く人は少なくなり、供給戸数と需要ボリュームのミスマッチ状態が生じます。

このブログでは何度も述べて来たので、ご存知のことと思いますが、最近3年余の間に新築マンションは首都圏の平均では20%以上も値上がりしました。

その間、住宅ローン金利が一段と低下したことによって購買力が上昇したため、初めはさほど価格上昇の影響が出にくい状況でした。しかし、価格上昇が続いたことによって、購買力との乖離が進み、需要は減ってしまったのです。

今日は、売れ残りマンションの実態に触れながら、今後の(短期的な)市場を展望してみようと思います。

●売れ残りマンション

売れ残りの代表的なものとして、2016年11月29日現在、以下のような物件が見られます。

・SKY FOREST RESIDENCE(361戸。平成26年12月完成済み。先着順受付中)
・スカイティアラ(621戸。平成27年4月完成済み。先着順受付中)
・シティテラス国立(277戸。平成27年3月完成済み。先着順受付中) 
・シティテラス吉祥寺南(268戸。平成27年10月完成済み。先着順受付中)
・シティハウス吉祥寺南パークフロント(67戸。平成27年2月完成済み。先着順受付中)
・シティテラス平井(357戸。平成28年02月完成済み。先着順受付中)
(以上の売主:住友不動産)

・プラウドシティ阿佐ヶ谷(575戸。平成28年8月竣工済み。先着順受付中)
・プラウドシティ南山(412戸。平成28年1月竣工済み。第9期 予告広告中)
・プラウドシティ志木本町(402戸。平成28年6月竣工済み。先着順受付中)
(同、野村不動産)

・パークホームズ杉並善福寺川緑地(80戸。平成27年08月竣工済み。先着順受付中)
・パークホームズ調布桜堤通り(325戸。平成28年7月竣工済み。先着順受付中)
・パークホームズ流山おおたかの森(257戸。平成27年07月竣工済み。先着順受付中)
(同、三井不動産レジデンシャル)

・ザ・パークハウス小日向(31戸。2015年11月建物完成済み。先着順受付中)
(同、三菱地所レジデンス)

・ライオンズ竹ノ塚ブロッサムシティ(138戸。平成28年5月31日。先着順受付中)
(同、大京)


●売れ残りの象徴

住宅情報誌SUUMOでは、物件名のすぐ後ろに、「再登録受付及び先着順受付」や「第2期(販売予定)及び先着順(分譲中)」とあるもの、あるいは第〇期受付や新発売としながら、その戸数が10戸未満の物件が、売れ残りマンションの代表的なもの、もしくは販売不調物件を表すものと言ってよいのですが、最たるものは竣工して残っている物件です。

勿論、低層マンションや小型マンションでよく見られる「完成後の販売開始」という例外もありますが、殆どのケースが目標としていた竣工時の完売が達成できずに残った「売れ残りマンション」なのです。

●売れ残る原因は価格だけではない

ところで、上記以外の物件も含め、マンションが売れ残る原因はどのような点にあるのでしょうか? 1物件ごとの分析をコメントすることは憚りますので、一般的な傾向として整理しておくことにします。

1.駅から遠い(バス便など) 2.環境が悪すぎる(道路騒音など) 3.最寄り駅の「駅力」が低い(生活インフラなどが不足) 4.価格が高過ぎる 5.戸数が多過ぎる 6.品質が著しく劣る

●予備軍も多数あり

物件名は記しませんが、間もなく竣工という時期を前に、多数の未販売住戸を抱えている物件も多数あります。

12月~3月にかけて各社とも販売促進に懸命になるものと思いますが、3月決算で売上計上(売上は引き渡しベース)ができず、在庫を多数抱えてしまう売主は少なくないと予想します。

●4月以降はどうなる?

新築マンションが売れ残ってしまう原因は、駅から遠いからとか、遠隔地だからとか、数が多いからとか、間取りがよくない、グレードが低いなど、目立つ点はあるにしても、とどのつまりは「価格」にあるのです。

駅からバス便でも、価格が安ければ買ってくれる人が増えますし、数が多いために売れ残ったのだとしても、価格を下げれば短期で完売に持ち込めるものです。

駅前の便利なハイクラスの物件でも、価格が高くなればなるほど購入できる人の数が減るので、早期完売が難しくなりますが、価格を下げれば短期完売は可能です。

3月末で締めてみないと分かりませんが、筆者の予測は前年比を上回る在庫を抱えるはずなので、4月以降は、価格を下げないと早期完売はおぼつかないと見るデベロッパーが増えることでしょう。

では、新築マンション価格は短期的に見て価格が下がる方向へ向かうのでしょうか?

在庫処分に関しては間違いなく下がるでしょう。しかしながら、その統計は出て来ません。何故なら、値引き販売は水面下で行われるからです。住戸ごとの契約金額を集計するのは売主自身にしかできないのです。

広告に出て来る「値引き販売」は、氷山の一角でしかなく、相当数が値引き処分をしたなと推定はできても、外部の調査会社が把握することはほぼ不可能です。

従って、どのくらいの値下がりになるかは分からないのですが、完成後の売れ残り物件に関しては相手にもよりますが、10%前後の値引きも交渉次第で可能です。

相手にもよると述べたのは、何年かかろうが値引き処分はしないデベロッパーも僅かながらあるためです。

冒頭で紹介した物件の中には、竣工から既に1年を経過したものもありますが、これから竣工の販売不振物件も、時間の経過とともに「竣工から半年、1年の売れ残り物件」となって続々と出て来ます。

こうしたものを狙っていけば、案外お買い得マンションに当たるかもしれません。


話を戻しましょう。4月以降に新たに販売が始まる物件の価格見通しはどうでしょうk?

新発売と言っても、完成売れ残りの未発売住戸もありますが、ここではこれを含めずに述べることにします。

新発売物件、つまり1戸も販売していない物件のこととしますが、この価格は下がるでしょうか?筆者の予測は、「あまり期待できない」というものです。

最近の断片的な現象から値下がりを予測する向きもあるのですが、筆者は「高止まり」か「幾分の価格上昇が続く」というものです。

ただし、誤解があるといけないので、お断りしておきますが、マンションの市場統計は、狭い地域で見ると統計的なゆがみが出やすいこと、都心の好立地の超高級マンションが影を潜めればマクロ市場での統計数字は値下がりに見えます。バス便物件や郊外の大規模物件が大量に売り出されれば、平均は値下がりというトレンドに見える場合もあるでしょう。

売り出し予定マンションなども通覧してみたのですが、今のところは何とも言えません。

定点観測的に言うと、髙い用地費を払ったと思われるマンションが多く、建築費も下がる様子はまだないので、結局は髙い原価となってしまった商品を売り出さざるを得ないと予測します。

勿論、売り出し前の段階で十分なリサーチをするので、顧客の反応が良くないとなれば最小限の利益を確保したうえで初期の予定価格から値下げする例も出て来そうですが、元々が大きな利益率の事業ではないので、下げ幅は小さく、結果的に高止まりが限界と見るべきでしょう。

つまり、まだ当分は値下がりのは期待はできないということです。

●値引き交渉のチャンスは今

こうした実情から見て、筆者がお勧めするのは「新発売物件」を待つより、売れ残り物件の価格の引下げを期待するか、積極的に値引き交渉をするかのどちらかに方針転換した方が良いということです。

「売れ残り=悪いもの」とは限らないのです。価格さえ安かったらもっと早く売れたであろう優良物件、少なくとも水準以上の物件は結構残っています。

一度検討した物件を再度見直してみるだけでなく、希望エリアも飛び越えて探してみると存外思いがけない拾いものに当たるかもしれません。


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東京の価値あるマンション10の共通項 [マンションの資産価値]

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「価値あるマンションを求めて」――このような狙いが本ブログにはあるのですが、今日は価値あるマンションに共通して備わっている条件をまとめてみました。

ただし、これは東京圏のマンションについて言えることであって、他都市には通用しないことも多いことをお断りしておきます。


●価値あるマンション10の条件(1)「都心または都心に近い」

東京圏とは東京都と周辺都市を含めた拡大東京というイメージに捉えて頂いたらよいかと思いますが、その東京圏の職場は過半が都心にあると言えます。

都心とは、丸の内・大手町・霞が関や、副都心と言われる新宿だけではなく、いわゆるビジネス街は山手線内外に数えきれないほどあります。よくご存じの通りです。

職場に近い、大地震のときに帰宅難民にならないよう、最悪のときは歩いても帰ることができる距離に住みたいという需要は大きいはずです。

しかし、現実は都心のマンションの価格が高いので郊外に求めざるを得ない人も多いわけです。

郊外から通勤する人にとって厄介なのは、通勤時の満員電車です。長時間、満員電車に揺られて通勤するだけで疲労がたまります。
我慢する時間は短くありたいと誰もが思うことでしょう。急行が停車する駅から乗り換えなしで勤務先まで通える駅がいい。こんなふうに思っている人も多いはずです。

従って、郊外でマンションを選ぶなら、直通電車で都心と繋がる路線の急行停車駅が良いことになります。

郊外に住んでいて、郊外の都市、つまり地元に勤める人も多数います。その人たちから見れば、自分には関係ないと思ってしまうかもしれません。
確かに、都心へ一直線の幹線鉄道でなくても、職場が近ければ問題はなさそうです。
都心から見れば2時間の街でも、通勤先までは1時間以内の駅なら問題ないはずです。

しかし、遠隔地や支線・枝線の駅を最寄りとするマンションや都心から2時間もかかってしまうマンションを検討する人は圧倒的に少ないので、自分にとっては悪くないものでも、他人から見たら興味を持ってもらえないのです。

つまり、いざ売却というとき、同じ境遇にある人にしか見てもらえない、つまり小さな市場での取引になるので、価格は安くならざるを得ないのです。

できるだけ東京都心の通勤者にも候補に入れてもらえる立地が望ましいのです。

●価値あるマンション10の条件(2)「大きな駅である」

「駅力」という概念があります。
急行と各停で「マンション価格」はこうも違うという東洋経済のインターネット記事(2016年11月22日)にお気付きになった読者も少なくないと思うのですが、こんな記述があります。
「たとえば、京王線で特急が停まる調布の坪単価は309万円。一方、各停しか停まらない国領や布田の坪単価は、調布よりも都心に近いにもかかわらず、それぞれ236万円、208万円となっている。同じく京王線では、急行の停まる千歳烏山の坪単価は321万円だが、1つ先の仙川は268万円、2つ手前の八幡山は288万円だった」

この差は何によるものでしょうか?そうです。各停だけの駅は駅力が劣るのです。

駅力とは、何でしょうか?筆者が物件評価のレポートの中で必ず使う、ある種のマーケティング用語です。

簡単に言えば「駅・街が栄えているかいないか」という指標のことです。指標と言っても、いくつかの項目ごとに大雑把に5点満点で採点し、その合計数値と考えてもらうといいでしょう。

ABCの3ランクで公表している例もあります。

項目とは、①生活利便性(買い物や飲食、娯楽、医療施設、保育所などの充実度)、②当該駅の乗降客数、③賃貸マンションの賃料水準、④劇場やミュージーアム、大学などの数などから見る文化度、?公園などの緑地の多さなどです。

この指標は必ずしもオーソライズされたものではなく、各種調査機関が独自に選択して定めたものです。

マンションの価値は立地条件で決まると言って過言ではなく、立地条件が良ければ建物は何でもいいとは言えないものの、資産価値に占める立地の比重は非常に大きいのです。

「住んでみたい街ランキング」などの上位に来る街の共通点は、駅を中心に買い物や飲食、エンターテインメント、文化施設などの各種施設が豊富に揃っていることが特徴です。

具体的には「吉祥寺」や「恵比寿」、「自由が丘」、「中野」、「二子玉川」といった街が該当します。「武蔵小杉」や「横浜」といった駅・街も人気があります。住んで楽しい街・飽きが来ない街・お洒落な街とも言えると思います。

●価値あるマンション10の条件(3)「駅近である

多言は要しないことと思います。

●価値あるマンション10の条件(4)「北部より南部」

東京23区に限定して言えば、北部より、南方が高い傾向にあります。

●価値あるマンション10の条件(5)「東部より西部」

東西の比較では、東より西が断然高いのです。

●価値あるマンション10の条件(6)「高層階にある」

新築マンションの価格表を見ると、下層部より上層部の方が明らかに高く販売されています。面積が異なる部屋の比較は、専有面積で割って、坪単価または1㎡当たりの単価を算出して行いますが、その計算をしなくても下から上まで同じ面積・同じ間取りであれば、1階ごとに50万円ずつとか100万円ずつといった開差が一目瞭然です。

上の方が高いのは、日照と眺望条件などが優れているためです。工事中のマンションは眺望を確認できないので、売主がドローンなどを使って撮影した映像を見せてくれます。その姿は実物ほどではないものの、ときに感動的です。

感動的と表現しましたが、物の価値は物理的価値と心理的価値があると言われるように、この感動が価値を高めてくれるのです。同じ面積・同じ間取り・同じ材料・同じ設備・同じデザインで作られた部屋でも、主に眺望価値が買い手の心理に影響を与えるわけです。

上層階が高く分譲されるというわけですが、これは売却のときに有利に働くことを意味します。
中古物件の紹介サイトを見ると、数多くの物件で「リビングからの眺望写真」、「バルコニーからに眺望写真」が掲載されています。このアピールこそが買い手の心に響く要素であることを仲介業者が心得ている証拠です。

上層階と下層階の価格差は、中古の売買事例を見ると、分譲時ほど差が大きくないことに気付きます。従って、新築マンションを検討するときは「高過ぎる上層階」には注意しなければなりません。

●価値あるマンション10の条件(7)「大規模である」

大規模マンションには、各種の共用施設が設けられます。24時間有人管理やコンシェルジュによるフロントサービスが行なわれるのも定番です。

過剰とも思われるほど数多くの共用施設を作ってしまった物件もないことはありませんが、これらは付加価値となり、マンションの格を上げてくれます。小規模マンションでは作りたくても作れないものも多いので、大小だけ価値判断をするなら、大に軍配が上がります。

●価値あるマンション10の条件(8)「超高層マンションである」

10階建てのマンションより、20階建て以上の超高層マンションの方が高い人気を勝ち取っています。超高層マンションの方が、眺望価値がまるで違うからです。

10階までは同じですから、眺望価値が違うのは11階から上の住戸だけのことではないのかと質問されることがありますが、そうではないのです。

たとえ5階とか3階とかの低層部の住戸でも「超高層マンションに住んでいる」という違いがあるのです。

また、どの階に住む所有者であろうと、上階に設けられた展望ラウンジや屋上庭園などを差別されることなく利用できるのです。10階建てマンションでは20階の眺望を楽しむことはできません。

●価値あるマンション10の条件(9)「希少タイプの住戸である」

間取りがワイドスパンである、ルーフテラス付きの住戸である、角住戸であるといった差別化された希少住戸は、価値あるもので他言は要しません。

これらの住戸は、当然ながら分譲時には高めの価格を設定されます。これが中古市場に出ても、高く評価されます。高い評価は高い価格で買い手が付くことを意味します。

ただ、分譲時に異常なほど高値を付けたケースもあり、売却時に期待したほどではなかったということもあるようです。

●価値あるマンション10の条件(10)「管理が良い」

管理が良いとか悪いとかは、簡単に言ってしまえば、「整理・整頓・清掃・修繕」を通じてマンションを長きに渡って綺麗に保つことができる体制になっているかどうかにあります。

マンションは古くなれば、建物としての価値は当然落ちていきます。しかし、敷地内の植栽が見事に育ち、景観が優れたものに変わることで、新たな価値を加えることがあります。
このように、建物の劣化を補ってお釣りが来るような要素があれば、マンションのトータル価値は上がるのです。

また、建物の老朽化を遅らせることも条件です。「長期修繕計画」に基づき、屋上の防水は何年ごと、エレベーターや駐車設備は何年ごと、給排水管は何年ごとなどと決めて、周期的な大規模修繕や設備の交換をしていくことが必須です。

こうしたメンテナンスをきちんと行なえば、「古い割には綺麗であり、不具合も少ない、住み心地のよい中古マンション」という評判を得ることにつながり、リセールバリューも下がりにくいことになります。

中古マンションの場合は、2016/7/20の記事「中古マンション見学。管理状態はこうしてチェックする」をお読みいただくとして、新築の場合は良し悪しを判断できないので、管理人の勤務態勢が十分かどうかをチェックし、あとは入居後に管理会社の仕事ぶりをしっかり監視するしかないかもしれません。

●価値あるマンション番外は「デザイン」

共通点からは除外しましたが、外観・玄関等のデザインも価値あるマンションの条件のひとつです。
完成したとき、少し離れた所からどのように見えるかが大事です。威風堂々か、貧相な姿かは意外に見落としている人が多いものです。
これは、売買契約を結ぶ時点では完成予想図しか見ていないので仕方ないのですが、値打ちを決める要素のひとつです。

グッドデザイン賞を取った物件が一番いいのですが、竣工後の審査になるため、分譲時は分かりません。中古で購入するときは、チェックしてみましょう。

外観と併せて、玄関周りのデザインは大事な要素になっています。大きく張り出したキャノピー(天蓋)とクルマ寄せがある玄関、木製の大きな玄関ドア、2階までの吹き抜けになっているロビーといった造りは、高級なホテルにも匹敵するものですが、こうしたマンションも値打ちを感じさせるものです。

●一線を画す「別格のマンション」

「価値あるマンション10の条件」に該当しない別格のマンションがあります。

低層なのに高い、小型なのに高い、都心から近いとは言えないのに高い、駅から近くないのに高い、間取りは普通だけど高いなどといった物件があります。

その説明は、おそらく具体的な物件を教材にして実行した方が解りやすいと思いますので、おいおい取り上げて行こうと思います。

●理想と現実

ここに挙げた10の条件を全て満たすマンションはありません。また、満たしていないことが分かっていても自分は嫌いだということもあるでしょう。

端的な例は「大型マンションは嫌だ」や「高層は苦手だ」などです。

100の価値を持つマンションではなく、初めから80のマンションを求めたがる人だっているのです。また、通勤先の関係から郊外にならざるを得ない人もあります。

そんなことを思いつつ、どのような人にも次善の選択肢があることをお伝えし、個別のご相談で明らかにして行こうと思います。


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※ご検討中マンションの価値を客観的に評価し、適正価格かどうかの判定を含めてレポートにしお届けしています。詳細は上記URLで。

「買ってよかった」を再確認したい方もどうぞ。物件サイトが閉鎖されている場合は、建築概要・住戸専有面積・階・向き・価格・管理費・修繕積立金などの情報をご提供いただくことが必要になります。

※中古物件の場合は、物件の掲載WEBサイトのURLをご記入ください
※その他のご注意事項はHPでご確認をお願いいたします。価格情報のないご依頼はお引き受け致しかねます。

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25年後に5倍に跳ね上がる修繕積立金に不安 [マンションの管理問題]

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マンションは一戸建てと異なり、自分が好きなときにリフォームや修繕をすればいいというわけにいきません。自分の家の一部でもある共用部に関しては、その小修繕も大規模修繕もタイムリーに実施して行かなければなりません。

当然ながら、その費用は必要の都度 徴収するということではスムーズな工事ができないので、予めプールしておく必要があります。それが「修繕積立金」です。

30年以上も前に始まった制度ですが、当初はどのくらいプールしたらよいかが分からず、管理費の10~20%程度、金額にして1000円とか2000円といった低額でした。

その後は、業界自身の学習から、次第に増額となって行くのですが、ランニングコストが上がり過ぎると販売のブレーキになるため、毎月の積立額は低く抑え、5年ごと、7年ごとに値上げして行く形とします。さらに、分譲時(引き渡し時)に基金を集めてしまうという方法との併用方式を誰かが考案し導入したのです。

購入するときの頭金と登記料などの各種費用の中に加えてしまえば、「負担感」は低いはずで、販売のブレーキにはなりにくいと考えたのです。考案者・導入企業の思惑通りになって、「毎月の積立金逓増方式+一時金徴収」という形式が定着しました。

さて、その積立金は最近5~6年くらいで相場が上がったようです。長く建物を維持して行こうとする分譲主の姿勢の表われと見てよいのでしょう。かつては「売ってしまえばあとは野となれ山となれ」の「売りっ放し」と非難されたマンション業界ですから、良い意味での変節ということでしょう。

さて、最近の修繕費の相場上昇は、国土交通省が平成23年4月にガイドラインを発表したことによるのかもしれませんが、何であるにせせよ、分譲時に設定される修繕積立金は、毎月分が1㎡当たり80~100円、一時金がその60~100倍といった値が標準的です


修繕費が高くなるか安く済むかは、建物の高さや形状、共用部分の割合、共用施設の種類、あるいは使用している材料の種類・グレードなどによって変わって来ます。

超高層マンション(一般に20階以上)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要となるほか、共用設備として特殊なものが装備されていたりすることにより、修繕工事費が増大する傾向があると言われます。


●修繕積立金はどのくらい必要か?

管理費や修繕積立金は安いほどトクした気分になりそうですが、実は、どちらもマンションの維持には欠かせない重要な費用なので、一概に安ければいいというものではありません。

修繕積立金も必要以上に低く設定するれば、適切な時期に必要な修繕が行われないとか、大規模修繕の際に費用が足りないといった問題に発展します。一時金が臨時徴収されることになるかもしれないのです。

30年先までの長期修繕計画は、今ではほぼ例外なく販売時点で既に用意されています。エレベーターは何年で取り替えるのか、屋上の防水加工は何年周期かといったことが、こと細かく計画されているのが普通です。そして、その費用がいくら位かを見積りし、それを賄うための積み立て計画も併せて提案の形で販売時に提示されるのが普通です。


●国土交通省のガイドラインで示された修繕積立金の額

国土交通省は、マンションの階数と規模(延べ面積)によって4区分して修繕積立金の額を専有面積1㎡当たりの単価で提示しました。

これが、その金額です。

【15階未満】5,000㎡未満 218円/㎡
【15階未満】5,000~10,000㎡ 202円/㎡
【15階未満】10,000㎡以上 178円/㎡
【20階以上】超高層マンション 206円/㎡

【注 1】上表は積立方式に関わらず比較がしやすいよう、30年間の月割均等にした数字です。
【注 2】16~19階未満は建築事例が少ないので除外しています。超高層マンション(一般に20階以上)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要となるほか、共用部分の占める割合が高くなる等のため、修繕工事費が増大する傾向にあることから【15階未満】と区別し、【20階以上】として示しています。


●修繕積立金の主な変動要因について

マンションの修繕工事費は、建物の形状や規模、立地、仕上げ材や設備の仕様に加え、区分所有者の機能向上に対するニーズ等、様々な要因によって変動するものであり、このような修繕工事費を基に設定される修繕積立金の額も、当然、これらの要因によって変化する性格のものです。

以下に、マンションの修繕積立金の額に影響を与える修繕工事費等の主な変動要因を示します。
(国土交通省のガイドラインより)

・建物が階段状になっているなど複雑な形状のマンションや超高層マンションでは、外壁等の修繕のために建物の周りに設置する仮設足場やゴンドラ等の設置費用が高くなるほか、施工期間が長引くなどして、修繕工事費が高くなる傾向があります。

・一般的に建物の規模が大きくまとまった工事量になるほど、施工性が向上し、修繕工事の単価が安くなる傾向があります。

・エレベーターや機械式駐車場の有無及びその設置場所、玄関ホール・集会室等の規模等により、修繕工事費が変動します。近年の新築マンションでは、ラウンジやゲストルーム等、充実した共用施設を備えたマンションがみられます。また、温泉やプールがあるマンションもあります。このようなマンションは、修繕工事費が高くなる傾向があります。

・建物に比べて屋外部分の広いマンションでは、給水管や排水管等が長くなるほか、アスファルト舗装や街灯等も増えるため、これらに要する修繕工事費が高くなる傾向があります。

・塩害を受ける海岸に近いマンションや、寒冷地のマンションなど、立地によって劣化の進行度合いや必要な修繕の内容が異なり、修繕工事費に影響を与える場合があります。

・一般に高級な材料を使用している場合は修繕工事費が高くなります。ただし、材料によって必要な修繕の内容が異なったり、修繕の周期を長くできたりする場合もあります。

・外壁については、一定期間ごとに塗り替えが必要な塗装仕上げの他、タイル張りのマンションも多くみられます。タイル張りの場合は、一定期間ごとの塗り替えは必要ありませんが、劣化によるひび割れや浮きが発生するため、塗装仕上げの場合と同様に適時適切に調査・診断を行う必要があります。修繕工事費は、劣化の状況により大きく変動します。

・手摺り等には、鉄、アルミ、ステンレスなど様々なものが用いられます。一般的に、一定期間ごとに塗装する必要のある鉄製のものの他、錆びにくいアルミ製やステンレス製のものもあります。近年の新築マンションでは、錆びにくい材料が多く使用されるようになってきており、金属部分の塗装に要する修繕工事費は少なくて済むようになる傾向があります。

・共用の給水管や排水管については、配管や継手部分の内部が腐食することから、これらを洗浄・研磨し、再度コーティングする“更生工事”や、“更新(取替え)工事”が必要になります。近年の新築マンションでは、ステンレス管やプラスチック管等の腐食しにくい材料が使われるようになり、更生工事が必要なくなり、取替え工事も遅らせることができるようになり、給排水管に関する修繕工事費は少なくて済むようになる傾向があります。

・近年の新築マンションの中には、生活利便性や防犯性を考慮して、さまざまな種類の付加設備 (ディスポーザー設備、セキュリティー設備等) が設置されているものが見られます。このような設備が多いほど、修繕工事費は増加する傾向があります。

・新築時に設置されていなくても、その後に居住者のニーズの高まりや消防法等の法制度の改正を受けて新たな設備を付加等する場合があります。

・また、耐震性に劣っている場合や、居住者の高齢化に対応できていない場合は、耐震改修やバリアフリー改修等を行うことが望まれます。こうした改修工事が見込まれる場合は、所要の費用を計画的に積み立てておくことが重要となります。


●25年後に当初の5倍設定の例も

横浜市で、「グレーシア二俣川」という29階建て421戸の物件が今年(2016年秋)話題を集めました。間もなく完売の見通しと聞いています。

このマンションの修繕費の漸増カーブが急で、25年後は何と初期の5倍になってしまう計画なのです。筆者の記憶では、最も上昇率が高い例は25年後に7倍というものでした。5倍もたまに見かけるようになりました。こうした計画が主流になって来た印象を受ける昨今です。

ちなみに、「グレーシア二俣川」の積立て計画は次のようになっています。

<66.02㎡の住戸のケース>
管理費:20,140円(@305円/㎡・・・タワーだけに管理費も高め)

修繕積立金:6,620円(5年目まで)(6~10年目:8,780円、11~15年目14,920円、16~20年目20,070、21~25年目28.718円、26年目33,340円)/修繕積立基金541.280円

30年合計=7,288,160円=平均20,245円/月=1㎡当たり@307円・・・ガイドライン206円の約1.5倍の高さです。


●管理費・修繕積立金が高かったら買うのを止めますか?

管理費も修繕積立金も、ともに高い上記マンションの販売は好調です。この程度の高さは買い手にとって抵抗のないレベルなのでしょうか?

少なくとも購入契約を結んだ人は妥協範囲と見たことになります。高いと聞いても、交渉して下げてもらうなどということはできません。売主側で決めた管理費等が高いと知ってもどうにもならないわけです。

結局、他の面でたくさんの長所があれば、短所を消してしまうということでしょう。立地条件や間取りや、室内の設備仕様、間取り、あるいは眺望といった項目が気に入れば、短所は枝葉末節の部分として頭の隅に追いやられてしまうのです。

どうしても気になる人は、髙いと感じる部分の10年分程度を物件価格の値引きで勝ち取ればいいでしょう。例えば、平均的なマンションより5000円高いとすれば、10年で60万円ですから、交渉すれば何とかなるはずです。

しかし、収入が減る老後まで思いをいたすと、毎月の負担はより小さい方が良いはずです。管理費と修繕積立金の合計で4万円も5万円も払わなければならないことに不安を覚える人もあることでしょう。

そのような人には、次の話が役立つのではないかと思います。


●3年ごとの見直しで減額になる可能性は高い

分譲時に売主側から提示される積立て計画は、計画通りに値上げすることにはならないことも多いようです。決定するのは、あくまで管理組合であって、売主や管理会社の策定した計画に従う必要はないからですし、通常は3年ごとに計画を見直しする習慣が定着しつつあるので、そこで管理組合の目線で見直したらいいのです。

計画段階は余裕を見ているのでしょうし、管理会社としては将来、大規模修繕を請け負いたい(新たな収益源にしたい)ので、必要な支出予算を見積もり額より少し多めに計上する傾向があると聞きます。まあ、営業戦略ということなのでしょう。

修繕積立金は3年ごとに見直すことが定着しつつありますが、その結果、劇的に減額された例として有名なのは東急東横線「武蔵小杉」の駅前にある「パークシティ武蔵小杉ステーション フォレストタワー」です。

RC造59階地下3階建て 794戸の大規のマンションで、2009年4月 に完成しました。

同マンションの管理組合により開設された公式HPによれば、「修繕積立金会計について2013年に見直しを実施しています。
財務健全化の検討により実現したコストダウンも反映した結果、分譲30年後の大規模修繕時までの費用として十分と思われる途中で値上げのない一定金額に変更したそうです。

2015年現在、まだ1度も大規模修繕を経験していないため、初回の大規模修繕実施後に再度見直しを行う計画です。30年といった長い期間ですので、その間に物価の変動や自然災害等、多くの不安要因が考えられます。従って決めっぱなしの修繕積立金計画でなく、資産価値向上委員会が中心となり、その時その時に適切な計画の修正・見直しを都度行っていきます」とHP上で述べています。

見直しの前と後の数字を明快にグラフで説明していますので、転載させていただきました。

詳細はこちらで http://stationforesttower.com/property

syuzentumitatekin-minaosi.png

スタートは80円/㎡、30年後352円/㎡となっていたようです。30年後がスタート時の4.4倍です。見直しで引き渡し後に2倍になりましたが、その後は一定で、トータルは見直しによって大きく下がったことが一目瞭然です。

このような実例があることは検討中の買い手にとって励みになりますし、購入しようとしているマンションでもお手本にしたら削減を実現できるかもしれません。覚えておかれるといい情報のひとつかと思います。


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(11/20の2)住友不動産 新築マンション市場を席捲か? [マンションの売主]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。 ~~~~最近は更新回数を増やしていいます~~~


新築マンションの発売戸数で、2年連続日本一になった企業が住友不動産で、同社の物件ホームページを覗くと、必ずポップアップの形で「2年連続マンション供給戸数 全国・首都圏第1位のアピール広告が出て来ます。

sumitomo-no.1.png

どの物件でも同じように表示され、数の多さを誇示しています。ある業界人は言いました。情報誌SUUMOを通覧すると、まるで住友不動産専用の情報誌みたいだと。

そのような印象は確かにありますね。ちなみに、2016年9月13日号で同社が売主となっている物件数をカウントしてみました。

東京23区では112物件中24物件、横浜・川崎・湘南エリアで19物件中4物件、東京市部・神奈川県北部エリアでは27物件中7物件、埼玉エリアで17物件中3物件、千葉・茨城南エリアで、19物件中2物件となっています。合計では、194物件中40物件20.6%となっています。

供給戸数のレベルが高かった時代、中堅業者の元気だった時代には、「大手の寡占化」などと言われても上位20社の合計で20%台だったと記憶していますが、このシェアを住友不動産1社で達成した勘定です。

寡占の状況は、2015年だけのデータで見ると、20社合計で40489戸、全国シェア51.8%とあります。

寡占化が大きく進んだのは、中小デベロッパーが経営破たんしたり、撤退したりと元気がなくなってしまったことにもよるのですが、上位20社の中でも住友不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンスの4社が抜きん出ています。

絶対戸数は、かつての大京の年間1万戸以上には遠く及ばない戸数ですが、トップの住友不動産が5398戸、2位の野村不動産は4556戸、3位の三井不動産レジデンシャル:4308戸、4位の三菱地所レジデンス:4005戸と続きます。5位はがくんと下がって2770戸の大和ハウス工業がランクされています。

(データ出所:不動産経済所)

今後の新築マンション市場はどのような変遷となるのでしょうか?

個性的で大手に負けない中小デベロッパーは育って来ないものでしょうか?そんな視点で眺めていると、独特の成長戦略を持つ企業はあるものの、伸び悩んでいるという印象です。

建築費の壁、用地取得の壁に突き当たっているのでしょう。そんな中、伸びている企業もあるので、着目して見るのですが、商品企画の面で水準を下回り、安いだけが取り柄の粗悪な建物にしか見えなかったりするのが残念なところです。

今年は関西本社の京阪電鉄不動産や阪急不動産などが首都圏でも存在感を増していたように感じます。

業界がマンションの普及と発展に伴って成長した時代には、大京を筆頭に独立系のデベロッパーが大手と堂々と渡り合っていたものですが、すっかり影が薄くなってしまいました。

今後も、大手中心のマンション市場が続くと見られます。そうなると、「マンションを買うなら住友不動産で」などということになってしまうのでしょうか?

まあ、そんなことになるとは全く思いませんが、住友不動産の供給日本一のPRを何度も見せられると、住友不動産の総合マンションギャラリーへ行けば首都圏の新築マンションは全部そろっているかのような錯覚に陥ってしまう人もあるのではないかと思ったりもします。

ともあれ、新築マンションの多くが大手の手になる物ばかりというのは、品質の安定とアフターケアの観点から買い手にとっては安心材料ではあります。なにせ、財政基盤が異なります。いざとなれば、信用第一の措置をしてくれるに違いないからです。2015年に発覚した傾斜マンションで三井不動産レジデンシャルが取ったような行動を期待できるのですから。

財務基盤が強いのは先に述べた4社ばかりではありません。メジャーセブンと言われる他の3社も、準大手と言って良い、大和ハウス工業や積水ハウス、大成有楽不動産、新日鉄興和不動産、伊藤忠都市開発、阪急不動産、近鉄不動産といった企業も十分な力を有しています。

欠陥マンションが誕生しないことが一番ですが、大手のマンションですら起きることを私たちは学んだのです。ある意味で大手寡占化は歓迎すべきことと筆者は思います。

今日の最後に、いずれ詳しく書きますが、「瑕疵担保責任保険に入っているから(中小企業の)当社でも安心です」の甘言を鵜呑みにしない方がよいことを添えておきたいと思います。















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(11/20の1)巡回管理のマンションを買うときの覚悟 [マンションの管理問題]

マンションは管理を買え」や「管理を見て買え」などと、管理の重要性を言い表す格言があります。その割には、管理形態に関する曖昧な表示が野放し状態です。

理想形は「24時間有人管理」、次が「8時間以上の日勤管理+24時間機械管理」で、歓迎できないのが「巡回管理+24時間機械管理」ですが、中古物件の売却概要を見ると、表示には、「日勤」としながら、管理人は滞在しておらず、本当は「巡回管理」だったという例が少なくありません。

ある購入検討者から聞いた話ですが、管理人室を覗いたが誰もいないのでおかしいと思い、管理会社に確認したところ、清掃人が週3日通勤しているが、管理員は巡回だという回答だったことがあります。

小規模マンションは管理費が高くなるため、巡回管理にするほかありません。分譲会社は、管理会社と相談しながら、管理人の勤務態勢を週5日以上にするか、週2日程度に間引きするか、或いは週5日の午前中だけとするか、管理人不在の巡回管理方式とするかなどの検討を行います。

管理人の人件費は、所有者が管理会社に払う管理委託費、すなわち管理費で賄われます。人件費を平均月額250,000円とすると、100戸のマンションなら1軒あたり2,500円で済みますが、25戸の小規模マンションでは1軒当たり10,000円にもなってしまうからです。

管理費は、共用部分の清掃料や電灯料、エレベーターの保守管理費、動力費といった費用にも使われますが、管理人の人件費は小規模マンションほど比重が大きくなります。

そこで、サービスが低下するのを承知で間引き管理や巡回管理を選択する売主が現れます。つまり、小規模マンションは管理サービスの面では不十分なマンションとなってしまう例が多いのです。

●マンション管理の重要性

マンションの管理とは、一言で言えば「建物の状態を綺麗に保つこと」です。

綺麗に保つとは、整理・整頓・清掃を行うことでしょうか? それも確かにあります。しかし、それだけでは十分ではありません。

もし、整理・整頓・清掃だけで足りるなら、清掃人が1日数時間いればいいということになります。巡回でも問題ないのなら、どこのマンションも巡回になるでしょう。その方が日中ずっと滞在してもらうより安上がりのはずですから。

「綺麗に保つ」とは、規約を守らない人を取り締まることも含むのだと思います。

住人には、様々なタイプがいます。所有者と所有者の転勤などで空いた住戸を借りている人、あるいは大人と子供、子供も幼児から中高校生くらいまで幅があります。モラルに問題のある人もあるはずです。

管理人が常勤していなければ、管理は乱れるものです。管理人は常に目を光らせ、ゴミを拾い、自転車置き場を整頓し、軽微な修繕箇所に気付いたら手直しの手配をする、不届きな入居者がいれば規約や共同生活のマナーを遵守するよう注意を促すのが仕事です。

マンションの管理人とは、管理組合、すなわち住人から委託された番人なのです。

管理人は、建物(共用部)の目視によるチェック、訪問者の出入りチェック、入居者のモラル(管理規約の順守の)チェックなど、ハードとソフト両面の番人という重要な役割を管理組合(所有者)から委託されています。

マンション管理は、清掃人が決められた周期でやってきて綺麗にすればいいというものではないのです。管理人がいなくても、日常生活に支障はありませんが、長い目でみると資産価値の劣化が早まる懸念があります。

その意味から、巡回管理より常駐または、短くとも1日5時間以上で週5日以上は滞在すべきなのです。

●管理員業務仕様書の点検

「管理員業務仕様書」というものが、管理規約に添付されています。その中に次のような項目が明記されています。

・建物、諸設備及び諸施設の目視点検 ・照明の点灯及び消灯並びに管球類等の点検、交換(高所等危険箇所は除く) ・諸設備の運転及び作動状況の点検並びにその記録 ・無断駐車等の確認 ・各種メーターの点検(検針) ・外注業者の業務の着手、履行の立会い ・ゴミ搬出時の際の立会い ・災害、事故等の処理の立会い

管理人の給与は管理会社から支給されるものですが、マンション住民が共同で負担しているのと同じです。中小型マンションを検討する人は、是非とも管理人の勤務態勢をチェックしましょう。
さらに、上記仕様書に付記される回数(週3回や月2回などと書いてあります)のチェックも大事です。

筆者は管理員の経験はありませんが、こまごまとした業務が多岐に渡ってあるということは理解しているつもりです。それを怠らず、目こぼしせずにし続けることが、管理業務では大事なのだと思います。

築10年や15年では、差が見えないはずですが、その先で差が開くのです。

管理の良いマンションは、寿命が延びるだけでなく、売却時の価格に良い影響を与えるものです。買い手としては、単に管理費の安い・高いだけではなく、管理形態、なかんずく管理人の滞在時間にも注意を払い、正しい情報を把握するようにしたいものです。

●巡回管理マンションを買ったら覚悟すること

 居住者が仕事を持っている以上、マンション管理は管理会社に委託するほかありません。その管理が「巡回管理」では、しっかりやってもらいたいと願っても限界があるはずです。

気に入って買ったマンションが巡回管理だったとき、我が家の資産価値を守るには、どうしたらいいのでしょうか?

「マンションは管理を買え」などと、昔から言われて来ましたが、どうやら管理は管理会社の仕事だなどと割り切るわけには行かなくなりそうです。

筆者は管理に関してはマンション住まいが長いというだけで、専門家ではありませんが、門外漢とも言えません。自分が過去に住んだ複数のマンションの規模は、それぞれに特色がはっきりしていました。
低層の小型マンション、120戸の駅前マンション、300戸以上のタワーマンションという差異があります。この中で、たまたまですが、一番管理が良かったと感じたのが低層の小型マンションです。

小型ゆえに、住人同士が顔の見える関係にあったようで、協力し合いながらバリューを守っていたのです。

巡回管理のマンションが管理の悪化につながらないケースもあるとしたら、高額の管理費を払ってでも管理人を朝から晩まで滞在させるか、それができないなら、住人の中から輪番制で管理補助員を選び、週1回でも見回りや点検業務に当たる仕組みを導入するべきです。

共用部の点検などを通して居住者の管理意識を強化することがお互いのためになるということを定着させることに役立つはずです。

早く言えば、うるさ型の住人が何人もいて、番人よろしく目を光らせ、モラルに関することはもとより、建物の隅々まで点検して歩くというイメージでしょうか。勿論、どこか問題が起きたり、気になることがあったりすれば、その情報を共有するための連絡会議や調整会議、あるいは解決のための協議などを定期的に実施するのです。

このような活動が、改修工事や積立金の増額といった課題をスムーズに処理・解決して我がマンションの価値を長く維持して行くことにつながるのだと思います。

一戸建てなら、好きなときに自分だけの判断でどんなことでも実行できますが、マンションはそうはいかないのです。面倒だなと思うかもしれませんが、共同の財産なのですから、共同の義務を果たさなければなりません。その覚悟ができなければ、資産価値は経年劣化が進み、いざ売却というときに差がついてしまうのです。

入居と同時スタートは現実的に無理としても、管理組合の管理への関わり方を明記しておき、2年目から活動を始めるといいでしょう。そうすることが管理員補助としての実務に早くから精通し、いざというとき、住人同士の意思疎通もスムーズに行くはずですし、問題の目を早い段階で摘んでしまうことが可能ともなるに違いありません。

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「交通便が劣るが子育てに良い」マンションの将来 [マンションの資産価値]

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「都心からは遠いが、周囲には自然公園などの緑が豊富で、子育て環境が良い。分譲価格が安いので、生活がラク。マンションは駅近が一番という呪縛から解き放たれると、マイホームの選択肢は広がり、楽に購入できる」――このように教える人がいます。一理あります。

しかし、筆者は、この意見に与しません。なぜなら、資産価値の面で疑問が残る物件が多いからです。

●郊外マンション・駅から遠いマンションの長所と短所

森羅万象、何事も裏と表があるものです。メリットがあれば、デメリットもある。そう言い換えてよいでしょう。

冒頭の意見の裏・デメリットは何があるでしょうか?

①まず、都心から遠い・駅から離れるということは、通勤の便に問題がありそうですね。
都心から遠い立地、都心から遠くはないが駅からバス便といった立地条件のマンション。
最終電車は結構遅くまで運行しているので、問題はないかもしれません。また、バスが頻繁に運行しており、しかもマンションのすぐそばに停留所があるような場合、さほど生活に不便はないかもしれません。
しかし、毎夜帰りが遅くなる人にとっては終電や終バスに間に合わないため、いつもタクシーの利用になることでしょう。
妻が夫をクルマで駅まで迎えに出るという対応をする家庭もあるかもしれません。

買い物が不便という場合がも多いでしょう
郊外の街でも、駅前には多数の商店や飲食店ができており、十分とは言えないものの、不自由なく暮らせることでしょう。しかし、都心のターミナル駅まで行かないと飽きてしまうという場合も多いに違いありません。
バス便の場合も、最低限度の買い物施設が徒歩圏にあるはずですが、駅に近い住まいほどの便利さは望めないでしょう。

③一番のデメリットは、将来のリセールバリューが低くなる惧れがあることです
一般に、都心から離れるほど、また駅から離れるほど価格が下がる傾向はデータで明確に証明されています。勿論、郊外でも人気のある街、郊外の中核都市などは例外です。

新築の都心マンションや駅前マンションの価格を100、同じく郊外マンションや駅からバス便のマンション価格を70とします。都心マンション・駅前マンションの将来価格が100から20%ダウンの80となったとき、郊外マンション・バス便マンションが70から同じく20%ダウンの56になるかというと、そうではありません。後者は40くらいになる惧れがあるのです

●子育てが終わったらどうしますか?

地方都市では生まれた家に住み続けて50年といった例も珍しくないと聞きますが、都会では賃貸も含めれば一生の間に5回も6回も住み替えることは珍しいことではありません。
マンションに限りませんが、住まいは、ときどきの事情に応じて住み替えるものと言ってよいのです。

ときどきの事情には個人差がありますが、結婚や転勤、転職、親の介護、子供の進学、環境の変化などです。
子育てのために、環境の良い場所に住みたいのだ。多少遠くなって、通勤が痛勤になったとしても構わない。このような親心による転居は敬服に値します。

駅に近くて環境も良い、このような物件が見つかればそれに越したことはありませんが、現実は難しいものです。世田谷区や目黒区、杉並区などには一部の駅で見られますが、例外的です。

再開発によって整備された街、最近では人気急上昇の武蔵小杉が典型的ですが、23区の外とはいえ、鉄道によるアクセスが抜群に良いことに加えて、美しい街並みが子育て世代にも高く評価されています。その代わり、価格も都心並みに高くなってしまいました。

予算に限りがある以上、仕方ないのですが、二兎を追えない人もたくさんあって、結局「子供のために環境を優先しました」と語る人が多いのです。

そう決断をした人は、資産価値を無視したということだったのでしょうか?何人かの人にお尋ねしました。すると、「考えていなかった」という人もありましたが、「考えたが仕方ない」という人が多いのです。

多数のサンプルを取った調査ではないのですが、苦渋の決断だったという人が多いように感じました。その質疑応答の中で筆者が感じたことは、都心に近い、あるいは駅に近くて環境も良い、そんな物件は本当になかったのだろうかという疑念でした。

ともあれ、子育てが終わったら、どうするのでしょうか? その街では進学に際して希望校に行くには遠過ぎるということはないのか、年を重ねて来た夫は通勤苦から解放されたいと思うことはないのだろうか?このような疑念が湧きます。

何年か住んだら家庭内の事情も変わり、その家では不都合な状況が出て来ます。
転勤のない会社だと思っていたのに、合併や資本系列の変化で、逆に急成長のおかげで、通勤先が変わってしまったとか、地方転勤になってしまったとかの想定外の事情が起きることもあるのが世の常です。

家族がバラバラになってはいけない。さあ、家をどうしますか?売りますか?貸しますか?そんな岐路にぶつかるかもしれません。


●資産価値の視点は外したくない

筆者に寄せられた過去のマンション評価依頼の90%以上は「売るとき有利に売れるマンションかどうか、貸すとしたら貸しやすいマンションかどうか」を判定して欲しいというものです。
皆さん損はしたくないという本音を吐露されていたと思うのです。「マンション評価サービス」を始めたばかりの頃から感じて来たことです。

筆者は、多くの事例とデータを解析しつつ、選択の方向を可能な限り「資産価値」という物差しで価値を測り、ときに助言をさせて頂いたつもりです。

便利な立地で環境も悪くない、子育てにも適している街は実は都区内にも多数あることを皆さんご存知です。然るに、郊外や駅から遠い物件を選んでしまうのは、予算の壁があるからです。ところが、会話をしてみて分かるのは「3LDKの間取り・広さ」という呪縛があることでした。

年齢や家族構成から見て最低これだけは必要だね、というファミリーも確かに多いのですが、過半はDINKSか子供が一人だけという世帯でした。そうであれ、遠くの3LDKでなく、近くの2LDKで十分なのではないかと感じる人が圧倒的に多いのです。

新婚カップルにはよく言います。「お子さんがすぐできても、2LDKなら10年は住めるはずです」と。駅近の2LDKなら、売るも貸すも問題ないことが多いのです。駅近ならどのような物件でも良いわけではありませんが、多くが転売しやすく、賃貸にも有利です。

●駅から5分以内は外したくない選択の基本。10分では遠い

駅に近ければどんなマンションでも価値があるわけでなく、その他の条件との総合判断となるのですが、駅距離の占める割合は大きいのです。

駅そのものがどこにあるかも重要です。郊外なら、枝線や都心直通でない沿線より、直通幹線がいいですし、人口の多い中核都市・県庁所在地などの中心の駅がいいのです。

都区内でも、可能な限り徒歩5分以内の物件が良いのです。そこから5分以内に公園もあるはずです。つまり、都区内にも子育てに向く立地条件の物件は少なくないのです。

新築で条件を満たす物件がなければ中古にも目を向けましょう。広さを妥協すれば、便利な駅の徒歩5分圏で必ず見つけられると思います。

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「修繕積立金30年間 上げません」のマンション [マンションの管理問題]

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分譲マンションには、「修繕費を積み立てる」という慣習が定着しています。

個人住宅なら、自分の意思だけで修繕するかどうかを決めればいいわけで、予算がなければ先延ばしにするもよしです。しかし、雨漏りが起きたら、臨時出費をうらめしく思いながらも修繕工事を発注することでしょう。

ペンキがはがれ、錆が出ても、あらゆる修繕を放置すれば、建物は劣化が早まり、いざ売るというとき建物代はただ同然になってしまいます。

そうなっても、また永住する気でいるなら、ボロボロになっても構いやしない。すべては自己責任なのですから。

ところが、マンションの場合はそういうわけには行きません。

修繕が必要になったときに費用を徴収しようとしても、各オーナーの懐具合が違うために資金が集まらないとか、また修繕の必要を理解しないオーナーもあって(本当は金を出したくないだけである)、工事ができないまま放置されてしまっては困るからです。

修繕対象は、言うまでもなく共用部に限られるわけですが、共用部も我が家(専有部分)の延長上にある所有財産(共有)なのです。屋上の防水工事を定期的に実施しなければ雨漏りの原因となり、我が家にも影響する可能性が高いので、これを放置しておけというオーナーはいないでしょう。

30年も経てば、そろそろエレベーターも交換の必要が出て来ます。それを放置すれば重大な事故につながりかねませんし、運転ができない状態になったら不便で堪らないのですから、それを止めるオーナーはいないでしょう。

しかし、そのためには速やかに工事にかかれるよう、マンション全体(管理組合)としての貯金をしておく必要があるのです。そこでコツコツと貯金をして行くことにした、それが修繕積立金です。

●修繕積立基金という名の一時金が高くなった

しかし、毎月の積立金が多過ぎると買い手の理解が得られにくいので、分譲販売の当初から多額の設定はせず、逓増方式を採用するのが一般的です。

さらには、「修繕積立基金」という名の一時金を徴収する慣習が定着しています。その基金は、最近の傾向として大きな金額をまとめて徴収する例が増えているようです。

修繕積立金は、文字通り毎月の「積立金」と「基金」で構成され、基金は新築分譲時に一時金として最初の購入者から徴収してしまうというものです。

(一時金徴収は、15年目とか20年目辺りにもう一度実施しようという計画のマンションもありますが、多くはありません)

毎月の負担を軽減するための基金ですから、その金額が大きければ大きいほど毎月の負担は小さくできる理屈です。

ところが、現実はそうなっていないのです。毎月は従来と同レベルで、一時金だけが大幅に増えている傾向が目につく昨今です。
   
実態を少し拾ってみましょう。(2015~2016年販売物件より)

※三菱地所レジデンスの場合

同社のある都区内マンションで、65.07㎡タイプの毎月が7160円、一時金78万円という例があります。

毎月の負担7,160円は、1㎡当たり@110円となります。一時金の78万円は、毎月分の100倍強です。

東京の場合、毎月が@80~100円、一時金は60倍(5年分)というパターンが多いので、三菱の設定はどちらも高額設定ですね。

同社の別の物件で、@90円/㎡・100倍となっているものもあります。毎月は普通ですが、一時金はやはり多いですね。


※野村不動産の場合

同社の中規模物件の例です。 75.25㎡のタイプの毎月が8190円、単価@109円、一時金81万2700円、100倍弱となっています。

別の物件も、毎月が@107円/㎡、一時金は87倍となっています。

こちらも高い設定です。

※住友不動産の場合

最新の発売物件のひとつを見ると、71.11㎡で毎月が6750円、単価95円/㎡、一時金が37万7900円で60倍と従来パターンです。


●計画はあくまで現在の工事見積もり額による

修繕積立金は、将来の修繕費用を予め見積って金額を設定するはずです。とはいえ、20年先、30年先の工事予算を正確に見積れるわけもなく、現在価格で見積り、そこに何%かの加算をしているのかもしれません。

実務的には、過去の見積もり実績をベースにして用意した規模別・高さ別の基準書のようなものが管理会社内に存在するのではないかと思うのです。

三菱地所レジデンスや野村不動産が販売時に買い手に提示している修繕積立金、一時金が高くなったのは、傘下の管理会社に命じて基準の数値を上げさせたのではないかと疑っています。

修繕積立金も一時金も、高い設定にすると、販売成績に影響を与えます。できたら上げたくない。これが販売現場の偽らざる声です。

それなのに、なぜ修繕積立金・一時金等を増額しているのでしょうか? 最近の建築費上昇が直接の影響なのでしょうか? どうも違うような気がします。

●当初の積立金が20年後は3倍になる逓増方式

マンションのメンテナンスは、社会的ストックでもあるマンション、建て替えが簡単にできないマンションといった認識を前提にすると、長期的な視野で計画しておくべき重要なテーマです。

分譲したら終わりというマンション業者のかつての姿勢は改善され、分譲後も買い手の資産を守ることに関心を払い続ける姿勢に転換し、分譲時に「長期修繕計画書」の策定をするのは業界標準として定着しました。

その中に設けられた収支計画表30年分を見ると、積立金は5年ごとに上げられているのが一般的です。

ある例を紹介すると、1~5年:7,000円、6~10年:10,164円、11~15年:13,319円、16-~20年:16,473円、21~30年:19,628円となっています。

初期の7,000円と21年目の19,628円を比べると、3倍弱に増える計画です。

マンションが比較的新しいうちは修繕費も少ないから安く、古くなればなるほど費用が嵩むので高く設定するという論理は正しいにしても、買い手の負担感が大きいと、購入をためらう原因になります。

5倍にした某物件で、「20年後に5倍?本当ですか?」と、買い手は一瞬たじろいだと聞きました。

そこで、売主は管理会社に命じて積立金の増額ペースを滑らかにしたり、減額したりする形で買い手の負担感を抑えつつ、必要な積立金を蓄積して行くには、分譲時の基金を多くしておく方法がベターと考えたのです。

購入者心理としては、購入時の頭金と登記料などの一時金支払いには比較的抵抗が小さいというか、寛容というか、そんな傾向があるからです。

マンション業者は、その使命として長期的な視野で販売相手と関わっていくことが必須です。それが結果的にマンション業者自身の信用の拡大につながるのです。

最近、増えて来た一時金増額の動きには、マンション業者の良い意味での深慮遠謀があるということかもしれません。

●国交省による修繕積立金のガイドライン(築30年まで)

国土交通省が「長期修繕計画策定ガイドライン」として修繕積立金の目安を公表しています。

15階建て未満で100戸以上のマンションが@178円/㎡(100戸未満@202円)であるのに対し、20階以上が@206円/㎡となっています。平均では16%ほどタワーマンションの方が高いとしています。

12年目に最初の大規模修繕工事が計画されるのが一般的で、そのときに必要な予算は、1戸当たりにすると100万円以上と言われますが、タワーマンションの場合は、110万円以上か120万円近くになるそうです。

積立金が不足すれば工事にかかれないので、そのような場合は実施時期を先送りするか、一時金を徴収する、または不足分を銀行から借りるしかありません。

先送りすれば建物の劣化が進み、実施可能なときが来て再度見積もりを取ると、さらに費用が嵩むこともあり得るので、実施時期を先延ばしないですむような積立計画が大事になります。

先に述べたように1回目の大規模修繕のときに1戸当たりで100万円以上を貯めておかなければなりませんから、分譲時に50万円~80万円といった一時金を出してもらうと、残り20~50万円を12年144か月で割れば、毎月負担は大きくならずに済みます。

とはいえ、12年目の大規模修繕後の積立金残高をゼロにするわけにも行かないのです。次の修繕のために残す必要があるからです。 結局のところ、事例に見たように、分譲時から5年ごとの増額積立とせざるを得ないのです。

●改修工事の実施時期

 後先になりましたが、マンションの修繕項目を挙げておきます。

*屋根の防水(断熱と防水、保護塗装)/8~9年目
*バルコニーと共用廊下の床防水/12年目
*外壁塗装(壁・軒天などの吹き付け部)/12年目(タイルの交換は計上せず)
*給水管/40年目に交換
*排水管/30年目に交換
*エレベーター/15年周期で内装と三方枠の補修。20年目に制御盤交換。40年目に全交換
*玄関ドア/12年周期で点検調整。36年周期で交換


●「積立金の値上げは30年間なし」という新築物件

先頃、たまたま「修繕積立金は30年間ずっとこのままです」という物件にお目にかかりました。クオス鴨居白山レジデンスという横浜市の物件です。

物価上昇が起これば当然増額になるとしても、30年間このままというのは勇気ある提案(計画)です。

81.84㎡の住戸の例を挙げると、管理費 13,040円、修繕積立金 17,140円、修繕積立一時金 822,720円となっています。

管理費は1㎡あたりが@159円です。管理体制が分らないので安いとも高いとも言えないのですが、中古も含めた首都圏の平均は@238円/㎡(2013年国土交通省調査)なので単純比較では安い部類と言えます。

修繕積立金は@209円/㎡なので、先に述べた初期の標準値(80~100円)の2倍設定になっています。

修繕積立基金の方はどうでしょうか?

毎月の60倍が最低とすれば、毎月の標準値の80円~100円の60倍、4800~6000円/㎡となり、81.84㎡の部屋なら39万円~49万円、80倍としても6400~8000円/㎡なので、総額では52~65万円に過ぎません。

ということは、この物件の基金、約82万円は業界標準の1.3倍~1.6倍で設定したことになります。

毎月が2倍、一時金も標準の1.3倍以上を徴求するという物件です。

30年間のトータルを計算してみましょう。【(17,140×360か月)+822,720円】÷360=19,425円・・・・1㎡当たり@237円となります。この単価は、先に紹介した国土交通省のガイドライン(100戸未満@202円)よりは少し高いですが、適正値の範囲内と見て良いでしょう。

しかし、漸増方式ではなく、均等法式にすると、買い手の抵抗は間違いなく強いので、販売に重大な影響を与えるに違いありません。これが東京都心の邸宅地に建てる高級・高額マンションなら問題ないでしょうが、この立地のこの物件で、売主は随分思い切ったことをしたものです。

今しがたホームページを覗いたところ、売り出しはしていない(平成28年11月下旬販売開始予定)段階ですが、結果に注目してみたいと思います。

実は寡聞にして知らなかっただけなのですが、30年間上がりませんという物件は他にもいくつかあることが分かりました。ただし、大規模物件なので、設計次第ではスケールメリットが生まれて低額に抑えることも不可能ではないのです。

中小規模の物件まで均等法式が広がるのか、その点にも注目したいところです。

・・・今日の投稿記事はもう1本あります。










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億ションなのに「間取りを見たら5000万円のマンションと同じ」に落胆の声 [マンションの間取り]


億ションを買える自分を密かに誇らしく思うことはないでしょうか?夫婦で共に頑張って来たおかげで今の地位にあるはずだからです。

家の構えや広さ、場所は所有者の成功の証です。ステイタスシンボルのはずです。プレステージとなる家でなければなりません。声に出すか出さないかは別として、億ションを購入する人の心中は概ね同じようなものではないかと思います。

サラリーマンでも、いいえサラリーマンだからこそと言うべきかもしれませんが、組織の中で揉まれながら勝ち取った地位、その結果として得た高給と蓄積された貯蓄は、サラリーマン経験のある筆者にも価値あるものと考えます。

マンション価格が最近数年の間に急上昇したために、結果的に「なってしまった億ション」を生み出している側面はあるものの、そんなことには気づかない購入者が億ションの持つイメージと実際のマンションのギャップに落胆するという嘆きを耳にします。

1億円を超える住戸が少なくとも全体の30%はあるような物件は、売主も買い手の心理をよく分かっていて、部分的ではあっても「高級感」を醸し出す設計を心がけます。

部分的と述べたのは、億円となる30%の住戸のみを「プレミアム住戸」として室内のスペックを特別なレベルに仕上げているものの、建物全体は億ション級ではないからです。

それでも高い満足度が得られれば良いわけです。

●お粗末設計の億ションも少なくない

ところが、当該物件を第三者の目で評価してほしいと言われると、購買意欲に水を差すようなこともお伝えしなければなりません。

その具体の検証の中ではっきりとした違和感を覚えるのが間取りです。

目を疑いたくなるものも見てしまいました。いわゆる「田の字型」だったからです。

●「普通レベルの間取り」が嫌だったらカスタムビルドしかない

どんな間取りであるにせよ、自分が気に入るならそれでよいわけですし、他人が口を挟むことではありません。

しかし、いつか自宅マンションを売るというとき、買い手の心理を考えてみましょう。「5000万円のマンションと同じでいいの?」と。

自分にとって、より満足度の高い間取りであり、将来我が家を買って下さる人もきっと気に入って下さる「素敵な間取り」を追究すべきではないでしょうか?

筆者は、特殊なものにしろと主張したいのではありません。あまり個性的過ぎると、同じ趣味や感性を持つ買い手に当たるまで売れないなどということになるからです。

決して広いとは言えない空間の、しかも外枠も、水回りの位置もおおよそ決まっているという条件の中で、どれほどのものができるでしょう。新築マンションなら、設計の変更を認めない場合も多いものです。オプション費用も請求されるかもしれません。

それでも「普通」から脱出することをお勧めします。

どうにも手の打ちようがない場合、工期の関係で設計変更はお受けできないとか、もう完成してしまったという場合は、引き渡しを受けてからのリフォーム工事とするほかありません。

その場合は、費用も嵩むことであり、一旦はあきらめ、数年してからリフォームに着手するという選択肢もあるでしょう。

マンションは注文建築の一戸建てと異なり、出来合いの服の中から自分の体にフィットするものを選ぶしかありません。しかし、洋服のように豊富なサイズが揃っていないのが現実です。

それでも我がままを通したいのです。なにせ億のお金を出すのですから。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

★三井健太のマンション相談室は、マンション購入のお悩み・疑問にお答えするサイトです。

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環境ギャップ。大規模マンションを検討するときの視点 [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。 ~~~~最近は更新回数を増やしていいます~~


環境が開発前と大きく変わったと言われる街は、首都圏各地にいくつあるのでしょうか?長年、ここに住み、仕事がら各地を歩き回って来た筆者も、一度しか降りたことのない街、何度も行ったが最近はご無沙汰の街、今もよく通過する街、頻繁に乗り降りする都心のターミナルなど、多岐に渡ります。

そんな中、久しぶりに行ってみた街が「変わらないなあ」と感じることもあれば、感動的な変貌ぶりを見せる街など、変化を続ける首都圏も、その差は随分大きいことが分かります。

10年以上も変わっていないのではないか、そんな感想を抱いたある街の、ある大型マンションの現地を訪れました。価格は安いのですが、駅から距離があるので、販売は苦労するだろうなと思わせる立地(環境)でした。

●環境創造型マンションの価値

さて、マンション開発の現場では「環境創造型マンション」という表現が存在します。マンション建設が新たな環境も創ってしまうというもので、敷地内にプライベートな庭園や高木から中低木までを植樹し、花壇を造って春夏秋冬きれいな花を咲かせるといったデザインを施すことで建設地を従前の姿から一変させてしまう開発のことを意味します。

当然ながら、大規模な開発でのみ使われる用語です。何万ヘクタールという広大な土地なので、元は工場だったというケースが圧倒的に多いわけです。

この用語は、街並みや環境が美しいとは言えない地域、言い換えると、その多くが「工業地域」に指定されている地域内のマンション開発で用いられるものです。言うまでもなく、開発用地は工場跡地であることが多いのです。

過去に開発された、少なくとも1000戸以上の大規模マンションを思い起こすと、駅前にあるものは、駅で降りたとたんに美しい街の景色が目に飛び込んで来ます。「面開発」という言葉のイメージから面的な広がりが想像をしてしまいます。事実、イメージ通りのマンション群がそこにあったというケースは多くありません。

最近では、船橋市の東武野田線「新船橋」駅 徒歩1分「プラウド船橋」総戸数1497戸がその代表として挙げられます。
sinhuna.jpg (画像出典:大成有楽不動産)


面開発は駅前で行われることは少ないと述べましたが、駅前に広大な工場やグラウンド、学校などがないからです。駅前で大型マンションが開発されるとしたら、その大半がタワーマンションです。戸数500戸以上の駅前マンションなら数えきれないほどです。ご存知の通りです。

これらを面開発とは言わないようです。戸数は多いが、敷地は狭いので足元の緑地面積もさほど広くないからです。

話を戻しましょう。駅前でないものも含めて面開発マンションを思い出して行くと、最近の事例で何故か最初に浮かんだのは、「横浜 ALL  Parks ザ・タワー(売主:ナイス・相鉄不動産・近鉄不動産ほか)」でした。

2011年3月に完成した、全4街区・12棟から成る、1424戸の大型 マンションで、11個のPARKと共に暮らす緑が豊富な住環境を謳った物件です。

京浜急行本線の各駅停車「八丁畷」駅からは徒歩8分ですが、JR線「川崎」駅からは徒歩19分と遠く、交通便が良いとは言えない立地条件がネックでした。

しかし、約4000平方メートルもの公開空地「グランドパーク」と外周部の公開空地を含めて、植栽された樹木は2万6000本以上、樹齢にして数十年ぐらいと思われる高木もたくさん植えられているそうです。

2012年3月の竣工時点で約200戸が残ってしまったのが残念ではあったものの、それからほどなく完売に漕ぎつけたと聞きました。
all-parks.jpg

三井不動産が手掛けた「パークシティさいたま北」も記憶に新しい物件です。

埼玉県さいたま市北区のJR高崎線「宮原」歩6分・埼京線・川越線「日進駅」徒歩8分の1045戸の大型マンションです。418戸(アークレジデンス)、343戸(ガーデンレジデンス)、100戸(ブライトレジデンス)、184戸(コートレジデンス)と、複数の棟による面開発でした。2010年3月竣工

当時の広告によれば、「住宅・商業・業務・公園・学校ゾーン等により構成される総開発面積約16.8haの土地 区画整理事業地内に誕生する 計画戸数1,045戸の大規模マンション」 とあります。

500戸以上1000戸までの面開発的なマンションとなると手元の資料には2010年以降だけでも少なくとも50件以上もあります。全部がそうだということではありませんが、数が多いだけに、どの物件も様々な付加価値を検討・採用し魅力アップを図って販売を成功裏に収めて来ました。

各社の工夫の中で共通するのは、価格の安さであったと思います

面開発は緑地スペースを広くして完成後の姿(環境の良さ)をアピールするだけでは大量戸数を所定期間に売り切れないと判断するためです。それまでの地域イメージを覆すには開発コンセプトが素晴らしいだけでは不十分であり、ここにこんな素敵な住宅ができますよ。しかも安いのです」と訴求しなければなりませんでした。

プラウドシティ船橋の場合は、イオンショッピングモールの誘致と、都心に向かうには不便な東武線・新船橋駅が最寄りとはいえ、1分の近さがプラスの値打ちと受け取られて短期間で完売してしまいましたが、駅から近くない他の3物件は、販売に苦労したようです。


●ひとつのマンションだけで環境を変えることの限界

近年注目を集めている「武蔵小杉駅」をご存知の読者は多いと思いますが、この駅の周囲は民間企業の工場や倉庫、研究所、グラウンドなどが多数集積していた街です。そこで働く従業員の住まい(社宅)もあったに違いありません。

それらの土地を取得したデベロッパーが次々とマンションを建設し、今や高層マンションが林立するニュータウンとなりました。官民一体の開発として進められてきたので、駅前なども整備され、ご存知のように「武蔵小杉東急スクエア」や「ららテラス武蔵小杉」、「グランツリー武蔵小杉」の大型ショッピング施設を筆頭に、お洒落で魅力的なショップが多数集まり、人口増加地域、首都圏の住みたい街ランキング第4位(2016年)に入るなど、注目の街と変貌したのです。

このような例は過去に類例を見ないものです。武蔵小杉エリアで開発を先導したのは三井不動産だったと思いますが、その後、野村不動産や住友不動産、東急不動産など、大手デベロッパー中心に、それぞれの個性でタワーマンションを建てて来たのですが、最終的には、東京ドーム約19個分に匹敵する約92haもの広大な開発が行われるのだと聞きます。、

つまり、全体を面開発と捉えることができるわけです。住宅・商業・文化一体型の大規模面開発が10数年をかけて進んで来たということになるのでしょう。

●孤独な面開発

最初に例示した4物件は、その開発が終わったあと、その街がどのように変わったかを追跡すると、少なくとも武蔵小杉のようにはなっていないし、なりそうもないようです。

マンションは大規模であれば、そこに公園も、診療所も、スーパーも併設することは可能でしょう。しかし、その数にはおのずと限界があるはずです。スーパーマーケットを併設という例は少なくないですが、そこですべてが賄えるかは規模次第でしょうし、内科・小児科の診療所があっても他の科目の診療所を複数用意するのは難しいのが現実です。

雨に濡れずに買い物ができるし、子供の具合が悪いと気付いたときも直ぐに駆けつけることができるでしょう。しかし、これらは、必要最小限の施設に過ぎません。基本は、マンションの外にどのような施設が揃っているかにあります。

マンション選びは、ある意味で街選びなのです。「駅力」と言いますが、駅の周りに豊富な店舗や飲食店、娯楽施設、文化施設、塾や趣味の教室、文化施設や行政庁、郵便局といった生活インフラがあり、暮らして楽しいこと、別の切り口で言えば「賑わい」のある街ほど住みたいと考える人が多くなります。

神奈川県なら、先の武蔵小杉や横浜、川崎のような街、都区内では恵比寿、中目黒、二子玉川、吉祥寺といった街が代表的です。

このような街はマンションの価格も高くなりますが、需要が供給を上回る状況も続くために中古マンションの人気も高くなる傾向を見せます。

翻って、駅力の低い街の面開発は、駅前マンションを除くと魅力に乏しいマンションと言わざるを得ないのです。

マンションが完成すると、見ようによっては砂漠の中のオアシスのようであり、掃き溜めに鶴のようであると、昔ある有名な建築士さんが例えていました。駅を降りて建設地まで歩く途中に目に入る景観と、完成したマンションとマンションを囲む緑地などの景観とのギャップは大きいということを極端に表現したものでしょう。

もし、その開発に続いてくれるデベロッパーが次々と出て来れば、遠くない将来は武蔵小杉のように魅力的な街に変貌して行くかもしれません。周辺には大きな工場や倉庫、資材置き場等があるはずです。これらが徐々に土地を放出してくれれば、マンション開発に乗り出してくれるかもしれません。マンションが増え、人口が飛躍的に増えれば、各種商店も飲食店も繁盛し、店を改修して、あるいは規模を拡大することでしょう。また、新たな出店もあるに違いないと思います。しかし、公園や街路の整備は自治体の仕事なので、民間業者だけでは街の魅力を高めることは難しいわけです。
いつかは、自治体も動き出すかもしれませんが、民間業者は当てにならない将来展望を下に開発・販売に踏み切るのは躊躇せざるを得ません。

鶏が先か卵が先かの論議ではありませんが、少なくとも公は整備計画を示さなければ民間業者は孤軍奮闘に追い込まれるだけと言わざるを得ません。

そうしたマンションを購入するには、勇気が必要かもしれません。将来展望が鮮明ではないのですから。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


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