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地震後の東京ベイエリア人気に思う [値上がりマンション]


ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

3.11地震以来、一時敬遠されていたベイエリアのマンションですが、今再び人気が回復しています。地震その他の防災対応に力を入れた大型物件が東京湾岸でいくつか発売され、それらが引き金になったと考えられますが、ともあれ、「都心に近い割には価格が安い」という特徴を持つベイエリア本来の魅力を探ってみることにします。

このエリアは運河で区分されており、ウォーターフロントとも呼ばれています。運河に面してマンションが建てられ、また運河沿いに散歩道、遊歩道があったりします。この街で暮らす人々をキャナル族(運河族)とも呼ぶようです。トレンディ―ドラマの舞台にも、しばしば登場するエリアです。
また、東京駅や日本橋、銀座、丸の内あたりまで3キロ前後にある江東区の有明や東雲、辰巳、中央区の月島や勝どきなどの街は、交通機関が運転を停止しても徒歩で帰宅できる距離にあります。

ベイエリアは、広範囲に見れば千葉県から神奈川県まで東京湾沿いを指しますが、ここでは豊洲、東雲、有明、台場、勝どき、月島あたりの東京駅から4~6キロ圏、すなわち徒歩で1~2時間圏をイメージして述べています。

●豊洲のこと
中心は、豊洲です。まだ開発余地は残っていますが、既に成熟した印象を与える街です。生活感が満ちているとでも言えばいいのでしょうか。
「ららぽーと豊洲」を中心に、大型店舗が増えましたが、セブンイレブンの1号店は豊洲にあるといいます。地下鉄有楽町線「豊洲駅」を中心に飲食店も多く見られます。交通のアクセスもよく、高速の湾岸道路も利用しやすいようです。

特筆できるのは、車道並みに歩道が広いことです。家族が安心して住める街と感じます。有明方面に通じる新都市交通「ゆりかもめ」の下を走る道も同様に歩道が広く、ジョギングやサイクリングには打ってつけと言えそうです。
個人的には好きになれないこともあります。
第一に、シティホテルが見当たらないのです。ホテルは、他の地域から人を招き入れる装置です。また、地元の者にとっても自宅の応接室代わりになり、ときには食堂代わりにもなるという機能を持ちます。
手元に住友不動産が販売中の「シティタワーズ豊洲ザ・シンボル」と「シティタワーズ豊洲ザ・ツイン」二つの超高層マンションを一緒に撮影したチラシがあるのですが、断片的に見た瞬間、西新宿の副都心ビル街と見違いました。超高層ビルが密集していたからです。ビルとビルの隙間には新たなビル建築の様子も写っています。

西新宿のビル街は摩天楼ですが、ちょっと行くと約8万㎡の新宿中央公園があります。区立の公園として最大の面積を誇る新宿中央公園は、そびえ立つ高層ビル群に寄り添い、大都会のオアシスとして多くの利用者に親しまれている、緑豊かな公園です。
休日には、広場でフリーマーケットなどのイベントが開催され、また夏には、ジャブジャブ池に多くの親子が訪れます。四季折々に、園内に生息する草花や小さな生き物たちを求め、来園者が集います。

目を転じて、霞が関の官庁街は同じビルでも比較的中層のものが多く、超高層と言うと「霞が関ビル」や「警視庁」などが浮かぶ程度です。すぐ側には日比谷公園と皇居と皇居前公園があり、広大な緑地を提供してくれています。
こうした地域と比較するのは乱暴な気がしますが、豊洲はビルばかりの印象が強いのです。豊洲にもららぽーとの隣に「豊洲公園」がありますが、面積は2万4千㎡しかありません。また、歩道が広くつくられていて、ゆったりとした佇まいが全く感じられないわけではありませんし、ここをキャナル族がベビーカーを押しながら歩く姿は想像に難くありません。しかし、どうもオフィスビル街に住むという印象が先に来てしまうのです。偏見でしょうか?

マンションの開発においては敷地内の植栽もありますが、20年くらい経て生長したときの姿を想像してみても、そもそも敷地面積に対する緑地比率は大きくないので、あまり多くは期待できないのではないかと、悲観的になってしまいます。
都会とは、そういうものなのでしょうか?
ともあれ、豊洲では今後もマンション建設が続きます。三井不動産レジデンシャルも近く185戸と小さめですが、近く販売を開始するようです。すぐ隣の東雲では、585戸の「パークタワー東雲」を9月に発売すると聞いています。
また、豊洲駅そばでは、行政サービスの充実を図るための新施設や商業施設とオフィスビルを江東区と三井不動産とで開発するようです。

●有明・台場のこと
江東区にあるビッグな施設と言えば、最近(2012年4月)にオープンした人気スポット「ダイバーシティ」を始めとして、「東京ビッグサイト(国際展示場)」「パレットタウン」「東京テレポートセンター」「有明コロシアムと有明テニスの森公園」「大江戸温泉物語」が挙げられますが、これらは台場、有明地区に固まっています。フジテレビが台場にあり、これも一種の集客装置となっています。日航ホテル台場をはじめとして、シティホテルも確か5つが台場・有明地区に揃っています。

ここは、東京都による「臨海副都心構想」のもと、職と住を適切に配置するとともに、商業機能のほか、医療・福祉、教育・文 化、スポーツ・レクリエーション、アミューズメントなどの多様な機能を総合的に配置し、子どもから高齢者まで、誰もが活き活きと豊かな都市生活をおくれる街としていくとして、1995年頃から計画的に開発が行なわれて来た地区です。平成28年度までには完成する予定となっていますから、あと5年ほどで空地が埋まっていくのでしょうか。

現状では広大な都保有地がまだ残っていますが、有明の北側には築地市場の移転も予定されています。
また、有明には住友不動産が広大な土地を入札で取得しており、超高層マンション2棟と大型ショッピングセンターや業務用ビルの建設を予定しているようです。

●緑の比率
人が住む上で「緑」の存在は潤いをもたらすという意味で重要です。異論のある人はいないでしょうし、国や自治体にも「公園」は重要な行政課題になっています。
東京23区の中で公園の割合が少ない自治体は、豊島区、中野区、杉並区、目黒区と意外にも西側に多いのですが、原因は大型の公園がないことにあります。
最大の「葛西海浜公園」を持つ江戸川区、「皇居」がある千代田区、代々木公園のある渋谷区、「夢の島公園」「若洲海浜公園」などの江東区は、大きな公園を持っているために上位にランクされます。

公園面積は少ないものの、個人住宅の庭の緑が多い中野区、杉並区、目黒区、世田谷区などは、やはり緑の多い街になります。
「緑被率」という概念があるそうです。「緑被率」は樹木、芝、草花など植物によって覆われた部分の土地の割合を言います。「緑被率」は調査の年度・方法・精度などが確立していないため、公表データも少ないのですが、参考になるのが、杉並区が以前ホームページに掲載していたものによれば、「緑被率」が20%以上の区は、上から順に練馬区、世田谷区、杉並区、渋谷区、港区、千代田区、大田区 と西側に多く、10%以下の区は下から順に荒川区、台東区、中央区、墨田区と東側に多いのです。

しかし、緑の多い区に住むことになっても、実際に暮らす場所の周辺に公園や緑が少なければあまり意味はないかもしれません。
また、幼児がいる間は、小さくても近くに児童公園がある方が便利かもしれませんね。しかし、大人にとって児童公園はそれほど居心地が良いとは言えません。外歩きには街路樹がある道が歓迎されるでしょうし、仕事の合間に息抜きの場所になるような「都会のオアシス」的な公園が必要になるでしょう。
このように、暮らす人のライフステージや好みによって求める緑の質も変わります。

いずれにせよ、先に述べたように豊洲は緑が足りない気がします。有明や台場地区も、非難を恐れず言えば「荒漠たる場所」という感が拭えません。
何年か先には、マンションの敷地内に植えられた樹木などが成長するでしょうし、街路樹も増えるのでしょう。その結果、街の雰囲気が変わるのでしょうか?

●防災対策が十分に検討された物件が多い
この地域でマンションを買いたい人の最大の心配事は巨大地震に襲われたときのことですから、それに対するデベロッパーの反応は素早いものがありました。
具体的には先ず液状化対策で、いわゆる地盤改良を行なっている物件が眼に付きます。地盤改良の方法は複数あり、深層混合処理工法・密度増大工法・固結工法・置換工法・水位低下工法などとされます。
ちなみに、深層混合処理工法とは、地盤内に石灰やセメント、砕石などを圧力混入して強度を増加させる工法です。
液状化対策を施している物件は、「パークシティ東雲」や「パークタワー豊洲」などで採用されているようです。

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液状化対策以外には、停電したときの対策として「非常用電源設備の充実」や「防災用品の備蓄」といったことです。
非常用電源設備の充実とは、法律で超高層ビルに義務付けられている自家発電装置の能力を例えば半日でなく最大3日間の連続運転が可能にしたり、太陽光発電で得た電力を蓄電池に溜めておいたりするものです。
防災備品の備蓄も、従来は1階の備蓄倉庫だけだったものが、複数階にスペースを設けて、いざというときにも素早く利用できる形にしています。


●今は未成熟でも将来性を買うのが東京ベイエリア
ベイエリアのマンション価格が安い理由はいくつか考えられますが、大雑把に言えば「未発達地域ゆえの地価の安さ」にありそうです。
都心に近い割には安いが、今はまだ成熟していない。しかし、そう遠くない将来には一層便利になり、さらに荒漠たる土地が潤いある緑の豊かな街に変貌する。そんな期待を持つことができそうだ。資産価値も上がりそうだ。そんな思いが人気になっている要因なのではないでしょうか?


・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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久々に登場!「大型床下収納付き」マンション [マンション設計]


ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。どんな業界でも競争の激化は画期的な新製品を生むものですが、昨今のマンション市場も新たな試みが目立ちます。主に防災関連、省エネ・創エネといった類が多いですが、特許がないのがマンションの企画で、どこかが採用すると直ちに追随する企業が後を絶たないのが業界の通弊です。
昔は珍しかったオートロックシステムシャワートイレも、今では採用しない物件はまず見当たりません。最近では、窓の防犯センサーや断熱性の高い複層ガラス窓、冷めにくい保温浴槽、掃除がしやすいガラストップのガスコンロといったものも定番になっています。
初めは高い導入費も、普及が進めばメーカー出し価格も下がりますから、オプションとしてではなく標準品として装備するデベロッパーが更に増えて行きます。
現在当たり前になっている設備等に関しては、「三井健太のマンション相談室」でまとめたFreeBook「分譲マンション2012年 スタンダード仕様とアップグレード仕様」をご請求頂きご高覧いただくとして、今日紹介したいのは1階住戸のプランニングである「大型床下収納」の話です。

大型というのは体ごとすっぽり入るような大きさというほどの意味ですが、具体的には深さ1.3メートル(これ以上深くするのは建築規制が働くため。詳細は省略)、広さは約4.5畳というもので、ヴィークコート浜田山」という新発売マンションに導入されています。
間取りと断面図をご覧になりたい方は、ここclickで物件情報にアクセスできます。

●床下収納は限られた住戸だけの稀少なもの
ご承知のようにマンションの床下は、1階住戸を除いて下の階に他人の家がありますから、収納スペースを設けることは極めて困難です。しかし、稀に設置できるケースがあります。
それは下の階の天井が深い場合です。深いと言っても、せいぜい50センチ程度です。それ以上深く取ることはコスト面で困難だからです。採用する例はレア中のレアです。
最近、たまたま覗いたモデルルームで全階のキッチンに床下収納というプランに遭遇しましたが、見せてもらって失望しました。無理をしてつくったもので、何と缶詰・ビン詰が1段の高さで入る程度の深さ(約8センチ)しかなかったからです。まあ、ないよりはマシという程度のものでした。
やはり床下収納を設けられるのは、1階住戸に限られます。

●売りにくい1階住戸
かつて、マンション不況の折に1階住戸は特に売りにくいことから、マンションメーカーは様々な工夫をしたものでした。
和室があれば掘り炬燵を設けたり、畳1枚を電動で持ち上げて収納スペースとしたり、オーディオルームなどとして使える地下室をつくったりしたものです。中には、核シェルターになる部屋をつくった例もありました。また、反対側の玄関を勝手口にし、庭側に表玄関を設けたタイプもありました。庭に離れの部屋を設けたユニークなプランもあったと記憶しています。
最近これらのアイディアはほとんど見られなくなっています。

そんな中でポピュラーになったのが、専用庭付き住戸や専用駐車場付き住戸などです。一方、定番になりかかって、その後消滅したのが、掘り炬燵と深さ1メートル余、広さ4.5畳余の大型床下収納でした。

1階住戸は何故売りづらいのでしょうか?以下のようなデメリットがあるためと考えられます。
1.寒い・・・1階住戸は断熱材を入れて対策しているのですが、サンドイッチ住戸(上下左右にお隣さんがある家)のような効果は出にくいのです。
2.防犯面の不安がある・・・防犯センサーを窓に取り付けてあるので、外部侵入があれば直ちに防犯ベルが鳴り響き、管理人や警備員が駆け付けるようになっていますが、それでも侵入されてからでは遅いかもしれません。
3.プライバシーの確保が難しい・・・垣根を設けていますが、人通りのある道に面しているような位置関係にある場合は、覗かれる心配があります。
4.日当たりが悪い・・・前方にアパートなどの既存の建物があるケースでは、接近度合いによって日照状態が悪くなるものがあります。
5.眺望がない・・・もう語るまでもなく、遠くを見渡すことができる1階住戸は傾斜地しかありません。

●1階住戸の魅力
上述のように、1階住戸は稀少なものですが、稀少が価値あるものであるためには様々な特色を持たなければなりません。単に専用庭があるというだけでは魅力に乏しいのです。勿論、専用庭の広さ、使い勝手にもよりますが。
それだけデメリットの方が大きいということです。
よく元気な男の子がいる家庭の相談者から、具体的な物件で1階住戸の価値評価を依頼されますが、最近の物件はどれも微妙な内容ばかりです。
「価格の安さで勝負」みたいな企画ばかりが横行していると言ったらマンションメーカーから非難されるかもしれませんが、そんな印象を強く受けます。

1階住戸は、例えばプライバシーに難点がある代わりに住戸以上の大きな庭がつき、かつ大型床下収納がある、そのうえ上層階の価格よりグンと安いと来たら食指が動くことでしょう。
問題は、メリットの大きさです。デメリットを補ってお釣りが来るほどのメリットでなければ後悔につながります。つまり、将来の売却において、価格が期待を裏切ることが多いのです。安易に手を出さない方が良い――それが1階住戸の留意点です。

この判断は簡単ではないかもしれませんから、そのような物件を検討する際には是非ともご相談いただければと思います。
最後に、子供がうるさくて隣近所に迷惑をかけるかもしれないと心配しながら上層階を選んだ人も、我が子に対する教育のおかげで実際は静かにしてくれているという例もあることを付言しておきます。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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コンパクトマンションは将来高値で売却できるか? [コンパクトマンション]


ブログテーマ:元、大京マンが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

2000年頃から、都区内中心にコンパクトマンション(専有面積30㎡台~50㎡台のマンションと定義される)の供給が増えて来ました。毎年8,000戸前後(2003年が13,000戸だったが、これを除くと毎年5,000戸台~8,000戸台)の新規供給があり、着実に単身者のニーズを獲得して来たと言われています。

ご承知のように、日本では初婚年齢が年々上昇し、また結婚しない男女も増えています。男女雇用均等法が誕生して以来、女性の総合職の道が開かれ、管理職に就く女性も増えました。相対的に高所得の女性が増えているのでしょう。
そうした女性の中からマンションを購入する人が増えて来たのです。もちろん、結婚しないのは男性側も同じですから、独身男性が購入する例も増えました。
特例措置で住宅資金に関する贈与税が大幅に軽減されたことで、親等から頭金の援助が受けやすくなったことも一因です。

●購買動機
ところで、かつては少なかった独身者のマンション購入。その動機は、どのようなところにあるのでしょうか?
男性と女性とでは若干異なりますが、「資産を持ちたい」や「老後の安心感を得たい」、「家賃が勿体ない」が土動機3本柱と言われています。
「資産を持ちたい」は、結局「老後の安心感」につながるので、動機は二つかもしれませんね。
ある人がこんなことを言っていました。「長い人生を共に歩む伴侶がない人は、代わりに心の拠り所としてマンションを持つのだ」と。

●購買物件の傾向
東京圏でのことですが、購入する対象マンションは、結婚した場合を想定してファミリータイプの3LDKを選択する男性も少なくはないものの、一人暮らしに大きな家は要らないとコンパクトタイプを購入する男女独身者の方が多いようです。
特に女性のほうは結婚したら不要になるので、貸しやすさを考慮して便利な立地でコンパクトマンションを選択する傾向が強いと見られます。
実際にも、結婚を機に賃貸に出したり、売却したりという例がたくさんあります。
さて、売却する場合ですが、コンパクトマンションは高値で売れるのでしょうか?その点を検証してみましょう。

尚、結婚という動機に限らず、何年か経つと売却の希望が出て来ることもお伝えしておきますね。それは、もっと広いマンションに移りたい、地震が怖かったので「より安全なマンション」に住みたい、この二つが2011年の買い替え理由で目立ちました。

●コンパクトマンションの中古価格
専有面積別の価格維持率という統計があります。これは、東京カンテイ社が提供しているデータの中に登場して来るものです。
およそ10年前に分譲された23区のマンションが中古として今いくらしているかを調べたもので、分譲時の価格を100としたときの現在価格を百分率で示しています。それを面積別に示したのが以下のデータです。
(注)このデータは、それぞれの年における市場全体の平均価格を比較したもので、特定物件の10年後価格を調査したものではありません。

30㎡未満:68.1%/30㎡台:82.8%/40㎡台:98.7%/50㎡台:101.0%/60㎡台:98.2%/70㎡台:96.5%/80㎡台:98.0%/90㎡台:100.4%/100㎡以上:104.9%

10年を経た中古物件が、総じて今も高価格を維持していることを示していますが、その中にあって30㎡未満、40㎡未満の物件は水準が低いですね。しかし、40㎡を超えて来るとほぼ分譲の価格と変わらない売値で売却ができていることになります。
(正確に言えば、この数字は売り出し価格なので、実際の取引価格はこれより5~10%下となります)
この数字から何を読み取りますか?
コンパクトマンションも、狭過ぎるのは不人気ということでしょうね。

●東京圏はコンパクトマンションの需要が増える
中古マンションの価格は、需給関係によって決まる部分が大きいと考えられます。それはファミリーマンションであろうと、単身者用マンションであろうと同じです。では、コンパクトマンションの将来はどのような需給関係を形成するでしょうか?
先ず需要ですが、東京都の推計人口予測では、今後、単身世帯と夫婦のみ世帯が増えるとあります。特に単身世帯は、2005年時点の約250万世帯から、20年後の2025年(今から13年後)には約290万世帯に大幅増となっています。
高齢化と人口減少が社会問題と言われる日本ですが、東京に関しては全く逆の動きになると見込まれています。このため、マンションの需要に関しても増加傾向を予測することに無理はないと言えます。特に単身者が増えると予想されているのです。
ここの単身世帯とは、高齢者も含むため、必ずしも全てがコンパクトマンションの購入予備群とは言えませんが、結婚しない若者の増加もあると予測していることから、大きな需要増加を予測することはできそうです。

●供給量が増えて、中古市場にも多数流通するようになったら?

一方、新規供給はどうでしょうか?新規供給とは、新築マンションの開発と中古流通量の増加の両面を見る必要がありますが、市場変化を嗅ぎ取っているマンション業界は新規供給を増やして行くに違いありません。
東京では超高層マンションの供給が主流になっており、下層階にはコンパクト住戸を配置する傾向が続くでしょう。
一方、まとまった大きさのある建設用地の取得に悩む業界各社は、100坪を切るような狭小敷地も拾い集め、そこにコンパクト住戸ばかりを商品化する傾向も続くと考えられます。
コンパクトマンションは、昼間いない住人を対象に販売するため、交通便さえよければ向きや環境などは二の次でよいと考える傾向が強いため、都心部の商業地のヘタのような用地を取得して開発することでしょう。

中古マンションの流通戸数も、これまでの新築供給が少なかったために売り出される中古も少ないと考えられます。そのことが高い中古相場を形成して来たのですが、今後は次第に状況が変わって来るでしょう。
新築の供給が増えて中古の買い手が新築に流れることが予想されること、新築が増えれば数年遅れで中古も出物が増える可能性が高くなると予測できます。

新築と中古の合計で供給が増えれば、価格は弱含みになることが考えられます。

●これからは、よく吟味して選択しましょう
業界各社の動きを見ると、交通便さえよければ何でも良かったコンパクトマンションが、最近はファミリーマンション同様の差別化が研究され、工夫の足りないコンパクトマンションは販売が困難になっています。
特に付加価値を付けにくい小規模マンションは売れないのです。
タワーマンションの中に配されたコンパクトマンションは、建物全体が豪華で立派であるうえ、共用施設・設備が全く異なるため、付加価値は高く、比較にならないほど値打ちがあります。
そのような物件は、少々価格は高いかもしれませんが、将来の売却を考えるとお得なケースが多いものです。その逆に、購入時に安い物件を選択すると、そのツケが将来回って来ます。
今後は、利便性や価格、専有部分の内装や設備だけでなく、マンション全体のグレードや共用空間などにも目を向けて選ぶようにすることが肝心になるでしょう。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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激安中古の一戸建てを楽しむという発想 [建て売り住宅]


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●中古一戸建ての評価
中古の一戸建てが築後20年を経過すると建物の評価がゼロになってしまうことをご存知でしょうか?まだ十分に住めそうな家でも、単に20年という経過年数を聞くだけでタダ同然になってしまうのです。
購入価格を土地と建物とに分解して、仮に50%ずつの比率だったとしたら、20年後は地価の上昇がない限り半値になってしまうことを意味します。
(関連記事は、先月20日のブログにあります。ご覧いただいていない方は一度お目をお通しください)
これに対し、マンションの場合は20年過ぎても、物件によっては新築相場に迫る流通価格を形成している優良物件もあり、おしなべて一戸建てより評価は高いのです。
この差はどこから来るものでしょうか?

中古一戸建ての評価が低い理由は、性能や価値が見えにくいこと、言い換えれば客観的な、あるいは市場の統一基準のような物差しが存在しないことに原因があります。
古い家に対しては、住んでから様々な不具合や故障が発見されるのではないかという不安が買い手側にあります。特に耐震性には大いなる懸念が残ります。ここを買い手に納得させる説明や物差しがないために購買をためらう結果となります。そのために買い手を探すのに時間がかかり、売りたい所有者は価格を下げざるを得なくなってしまうのです。
今後は、新築時の「住宅性能評価書」やリフォームの「履歴書」が備えられた中古住宅も増えて、少しずつ価値判断がしやすい環境が整って来るものと予想されますが、まだまだ時間はかかりそうで、築年数を拠り所に価値判断するしかない状態が続きそうです。

こうした事情から、建売住宅をこれから買おうと考えている人は、売却の時にとても不利になる恐れがあることを覚えておいた方がよさそうです。

このことは中古住宅を買おうとしている人から見ると、実際の価値より割安に購入できるの可能性が高いとも言えるわけです。

●マンションの評価が高い理由は?
ダイヤモンドの鑑定書のような存在がないために、実際の価値とは関係なく築年数だけが物差しになり、年数に準じて価格が決まる傾向があるというのは、マンションも例外ではありませんが、一戸建てより頑丈そうに思われることや、比較データが揃っているという事情が大きく、価格がつけやすいという傾向があります。
そのマンションの新築分譲時の売主が何と言う業者かや、工事をどこのゼネコンが行なったかという情報が得られやすく、その結果として安心感につながっているためです。
加えて、マンションは同じ屋根の下に大勢の所有者がいて、特に問題なく日常生活を送っているという実態を確認することもできますから、そのことも建物に対する不安をある程度まで払拭してくれるのでしょう。
これらを背景として、マンションは一戸建てより価格が下がりにくいと考えられるのです。

●中古の一戸建てを楽しむ
建物の欠陥や不具合がないようなら、上物(うわもの)がゼロの一戸建て、すなわち築後20年以上の家を買って楽しむという発想が生まれます。リフォームまたはリノベーション(※)しながら、それを楽しみながら住むのです。
(※先進の機能を持つ設備に交換するとか、間仕切りを大幅に変えるような、大掛かりなリフォームのこと。リノベーションRenovation:改革・刷新)
例えば、外壁のサイディングを交換する、キッチンを最新のシステムキッチンに交換する、
太陽光発電装置を取り付ける、住まいの顔に当たる玄関ドアを交換する、トイレを拡張して車椅子でも入れる大きさにするなどのほか、高齢になったら、1人になったとき近隣のお世話になるかもしれないので、非常用の警報装置をつけるのも一考です。万一のとき、ボタンさえ押せれば外を通りがかった人が駆けつけつけてくれるからです。

一戸建てはマンションと比べて手間がかかると言われます。大規模な修繕は、マンションなら管理組合が進めてくれますが、一戸建ては何から何まで自分で計画し実施しなければなりません。
しかし、それが魅力でもあります。手を加えることを楽しむという、発想の転換によります。日曜大工の教室に通って技術を学び、間仕切り壁を兼ねた収納家具や庭の花台などを製作したりする男性もいます。自分で修理したり色を変えてみたりするのが趣味だと語る人もいます。
うっかり中古を買うと、運悪く修繕費用が嵩んで高い買い物になったとぼやく人もいると聞きますが、趣味の一環で大工仕事をしたり、改造計画を図面に描いたりするのだとしたら、その費用は娯楽費であり、生きがいになって気にならない出費になるかもしれません。

●中古の一戸建てを買うときの注意点
マンションを中古で購入するのも選択肢のひとつですが、一戸建てを実際価値以上に安く買えるのであれば、それも賢明な選択と言えます。
ただし、注意しなければならないことがあります。以下のような点が挙げられます。
①耐震強化工事が必要になるかもしれない(「耐震診断書付き」はほとんどない)
一戸建てで最も心配なのが耐震性です。耐震性能が明示された物件は、まだ少ないのが実態です。大手ハウスメーカーが建てた家であれば心配は少ないですが、そうでない物が多いため、耐震強化工事が必要になるかもしれないと覚悟しなければならない場合があります。
②地盤を確認し、液状化対策が不要なものを選ぶ(自治体のハザードマップのチェック)
建物がしっかりしていても、地盤が悪いと液状化被害を受ける場合があります。しかし、地盤強化を個人で実施するのは簡単ではありません。費用も半端ではありません。これだけは購入前に調査する必要があります。
③ゲリラ豪雨に見舞われない地域かどうかの確認
想定外の集中豪雨に襲われて家が冠水するような事態は避けなければなりません。これは、自治体ごとに用意されたハザードマップを見れば分かります。

※     ※    ※    ※    ※    ※
新築に手が届かないから中古という消去法ではなく、生活を楽しむために中古住宅を手に入れるという選択肢があってもいいのではないか。ときどき、こんなふうに思います。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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<<<追伸>>>
「三井健太のマンション相談室」では、マンションの基礎知識を分かりやすく解説した「WEB講座」を公開しています。「地震関連の講座」、「マンションの遮音性」、「新築と中古マンションの対比」、「値上がりするマンションの選び方」など全部で現在63講座あり。お好きな講座・興味ある講座のみを拾い読みすることが可能です。是非ご利用ください。
最新講座は「NO.63完成済みマンションのメリット・デメリット」です。

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マイホームは経済的な損得で測るものではないが、こんな計算も成り立つ [マンション購入アドバイス]

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マイホームを持つメリットは、精神的満足感を得ることと、家賃と比較したら「低金利の恩恵」で買った方がトクだという経済的なものにもあることは言うまでもありません。
ここでは、経済的なメリットのみにスポットを当てて考えてみたいと思います。

●家賃並みのローン返済で購入できるメリットって本当?
1%を割り込むような低金利の住宅ローン(変動型)も普及している昨今、その返済金額の驚くべき低さは、家賃を払うより安いと感じる買い手も多いと言われます。
でも、本当にそうなのでしょうか?
マンションを持つと、賃貸ではありえない別の支出も発生します。購入したときかかる1回きりの不動産取得税と登記料、毎年かかる固定資産税、毎月かかる管理費と修繕積立金などです。
さらに、「どうせ買うなら広い部屋が欲しい」とばかりに賃貸の場合では選ばない広さを求めてしまうので、住宅ローンの金額も家賃並みとはいかない人が大多数です。勿論、頭金の入れる金額にもよるのですが。
こうした計算を細かくして行けば、実は賃貸住宅に入るより負担が重い場合が多いものです。

●売却した時点で損得を計算してみる

ともあれ、賃貸と購入を比較したとき、総住居費がほぼ同額に納まるような買い方は、理論的には可能です。
よく、新聞や雑誌に40年、50年という長期間住み続けた場合の条件で比較したシミュレーションが出ていますが、将来も大きな金利上昇がない場合においては、買った方が借りるよりトクという計算になっています。
ところが、10年前後で線を引いて計算してみると全く違った結果になるのです。何故10年かと言えば、マンションの買い替えのタイミング(最も多い時期)だからですが、これが20年でも同じ。40年以上も売却がないとするシミュレーションは現実的ではないのです。

●10年先の買い替えシミュレーション

では、ひとつ例を挙げてみましょう。4500万円で購入した70㎡のマンションが10年先に4000万円で売却できたものとして計算してみます。

<住宅ローンを使わないで購入した場合>

10年間に支払ったお金=購入額4500万円 + 購入時の諸費用120万円 + 管理費・修繕積立金120か月分250万円 + 税金120万円=4990万円・・・(A)
売却して戻るお金=物件価格4000万円 ― 仲介手数料126万円=3874万円・・・(B)
(A)と(B)の差額=1,116万円を120か月で割ることで毎月の平均住居費とみなすことができますから、その答え93,000円は70㎡の賃貸マンションの家賃(165,000円と仮定)と比べると、半分強(56%)の負担で済むという結果となりました。

<頭金を500万円払い、ローンを4000万円組んだ場合>

10年間に支払ったお金=毎月のローン返済額145,000の120か月分 + 頭金500万円 + 購入時の諸費用160万円 + 管理費・修繕積立金120か月分250万円 + 税金120万円 ― 住宅ローン控除(還付金)250万円=2520万円・・・(C)
売却して戻るお金=物件価格 ― 仲介手数料 ― ローン残債3300万円=574万円・・・(D)
(C)と(D)の差額=1946万円。これを120か月で割ると、162,000円。ほぼ家賃並みの負担という計算結果となりました。

以上の計算は、住宅ローンを使って購入した場合に限ると、同等の賃貸マンションに住んだ場合と比較して、購入による10年間の費用負担額は賃貸とさほど変わらないということを表わします。しかし、前提条件を変えたら全く結果は変わってきます。
例えば、頭金をもっと少なくした場合や、売却額が約10%ダウンの4000万円ではなく20%ダウンの3600万円くらいだった場合などに数字を入れ替えるのです。
この場合は、賃貸の方が負担は少ないという結果になりますね。ということは、損得計算だけでマイホームを考えるなら、10年後の価格が10%ダウン程度に納まるような物件を選択しておかないと損になるわけです。金利を現状より高い設定にしたら、値上がりするマンションでないと損が発生するということになるかもしれません。

こんなふうに計算してしまうと、「購入は損だな」と感じてしまう人も多いことでしょう。しかし、原点に戻って「マイホームは経済的なメリットより精神的メリットが大きい」ことに着目すればいいのです。

(「マイホームは何のためか」を整理した資料を用意しております。ご希望の方は、三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)からご請求下さい)

●問題は買い替え資金

話を元に戻します。
上記のシミュレーションでは、売却後の手取り資金(D)は574万円でしたが、仮に売却額がもう574万円低いという結果だったら、手元に残る資金はゼロということになります。購入時の頭金が少ない場合は、マイナスです。
そうなると、買い替え計画は頓挫するかもしれません。言い換えれば、新たに頭金を用意するとか、頭金ゼロの買い替え計画を検討することになるのです。

10年後の自分を想像したとき、所得が大幅に増える人は、預貯金も増え、かつ住宅ローンの返済額が増えても負担感はないかもしれませんが、このような楽観的な見通しが持てない人は別です。
悲観的に予想しておきたい人、言い換えれば堅実な設計をしたい人は、やはり最初の購入時に「売却価格が下がりにくい物件」を選んでおくこと、もしくは頭金を多額に入れておくことが肝心ということになります。
もっとも、買い替えの可能性が低い人は、売却見込み額がいくらになろうと関係ありませんね。でも、果たして最初のマンションに永住できるでしょうか?人生は計画通りに行かないものです。

東京圏では、10年経っても購入時の価格を30%も上回る売却額になる(つまり値上がりする)物件がある一方、半値に下がってしまう物件も現実にあるのです。どのような物件を選んだらよいかについては、「三井健太のマンション講座・物件選択の7大条件」」をご高覧いただくとして、買い替えをスムーズに進められる物件を選ばれるようお勧めします。

尚、売却額が想定以上に低いときは、売却を諦めて我が家を賃貸に出し、再び賃貸マンション暮らしに戻るという道もあることを付言しておきます。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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地震予測報道にナーバスで取り越し苦労の感あり [マンションと地震]

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●衝撃の地震予測が危機感を煽る

2012年4月18日、東京都は首都圏直下で起きるとされる「東京湾北部地震(国の中央防災会議が想定したもの。震度6強から7)」による「被害想定」を発表しました。それによれば、建物火災18万余、死者9700人、帰宅困難者517万人などとなっています。
その細部を覗くと、火災に関しては、木造密集地の多い東京東部エリアだけではなく、住宅地の道路が狭く迷路のようになっている世田谷区なども被害が大きいと公表、区民に衝撃を与えました。

昨年の3.11大震災以降、各種機関が「近い将来発生するであろう巨大地震と被害予測データ」などを相次いで発表しています。
東海地震、東南海地震、南海地震が連動して起こる「3連動地震」どころか「4連動」「5連動」の地震が起こる可能性もあるという報道もありました。
どれも、これまでの予測を大きく上回るものばかりです。研究機関が想定する地震の規模、津波の高さなどを聞いて恐怖を覚えた人も多いことでしょう。おまけに、巨大地震が富士山の噴火を誘発する恐れがあるなどという報道もあり、この世の終わりかという声まで聞こえて来ました。将に「危機感を煽る脅し」のようです。

3.11東北太平洋大地震(東日本大震災)が想定を超える津波被害をもたらしたことから、見直しに当たっては慎重になっている部分もあるでしょうし、地震研究の新たな発見などもあって数値を変更せざるを得なかった面もあるようですが、「大変な災害が近く日本を襲う」というイメージで伝わった人も多いのではないでしょうか?

◆地盤の強弱はまだら模様で、道路1本隔てただけで建物の揺れ方が異なり、被害状況も変わる ◆地震予知はできないとする専門家も多い ◆どこなら安全かと言われても、日本はどこも絶対安全という場所はない。長周期地震動は遠く離れた場所まで伝わる ◆たとえ自宅が安全でも、外出先には危険な場所がたくさんある ◆阪神大震災のとき、死亡者の87%は建物倒壊による圧死だった。住むなら倒壊しないマンションが一戸建てより優れている ◆耐震性を強化した一戸建てなら、エレベーターが停止したときのマンションに比べて安全 ◆建物が耐震性に優れていても、一戸建ては液状化が起これば傾くから、マンションと同じように杭を打つ必要があり、コストがかかる ◆マンションは耐震性に優れているとはいえ、免震構造以外の揺れは上階ほど大きく、家具の転倒や家財の飛散で怪我をする危険もある。下手をするとタンスで圧死などという事態も懸念される

上記のような解説を含めて、各種予想がテレビと新聞、週刊誌などで頻繁に、かつ大々的に取り上げられています。それが原因で、多くの国民が過度にナーバスになり、かつ取り越し苦労をする人を多数生み出している。そんな印象を私は強く持ちます。

あまりにもネガティブキャンペーンを繰り返されると、必要以上の恐怖にさいなまれ、活動が鈍ります(外出が怖いなど)。飛躍しますが、その結果が景気へ悪影響。そんな気がするのです。

転ばぬ先の杖という格言を持ち出すまでもなく、事が起きてから慌てても遅いのですから、対策を講じておくことは大切です。耐震性の劣る家に住まう人は、その強化に手を打つことも大事でしょう。賃貸住宅に住んでいる人は、安全な家を探して住み替えることも急いだ方がよいのかもしれません。
また、外出の際に地震に遭遇したとき、家族との連絡・安否確認の方法なども決めておく必要があるでしょう。
避難所の位置確認、非常持ち出し袋、家具転倒防止、その他いろいろ対策はあるようです。

●天災は忘れた頃にやって来る

向こう30年の間に確率80%で巨大地震がやって来るという予測は、今日来てもおかしくないという話です。しかし、今日も来ませんでした。そのうちにマスコミの扱いも下火になり、小型地震が発生するたびに思い出すとしても、大きな被害がない限り次第に「またか」と慣れっこになって、防災意識も薄らいで行くはずです。そして、人々が忘れた頃、再び天災がやってくるのです。

つまり、非難を恐れず言えば、痛みを忘れないのは犠牲になった被災地と被害に遭った人、犠牲になったの家族だけになったりするのが人間の悲しい習性です。
被害が少なかった東京圏の人たちは、そう遠くない将来、すっかり忘れ去ることになるかもしれません。我が家の耐震性に問題がなくても、外出先で歩行中に壊れたガラスや外れた看板が落ちてきて怪我をするかもしれませんし、出張中に最も被害の大きい都市に居て被災するかもしれません。また、都区内の勤務先から帰宅できない事態に遭遇するかもしれません。
――こんなことを考えると、結論は「自分ができる範囲のことは対策しておこう。あとは運次第」と腹を固めるしかないのではないかと思うのです。

いずれにしても、防災対策は個人個人が行なうものばかりでは足りません。国、地方自治体、公共交通機関、企業など、全国民がこぞって実行に踏み切ることが必須です。そして、今その方向に日本は動いています。

●楽観的に行こう!
3.11地震やその前の巨大地震で犠牲になった人たちは、残った私たちのために「いしずえ」となってくれたのです。そのことを思うとき、多くの国民、関係団体等は防災努力を続けることが必須です。そうして、未来の大災害においては、被害を最小限に留めること。それが残された者の義務かもしれません。

日本人は窮地に立ったときの団結力や、良い意味の横並び意識、適応力といったことに優れる国民です。そのことは歴史が証明しています。世界が認める強い国民です。
また、日本は「国土が狭い」とか「資源がない」、「地震が多い」といったネガティブな一面がある一方、その中で「日本人の知恵」を作り上げ、長く生き続けて来たのです。

こうしたことに思いをいたすとき、私なぞはとても楽観的な気分になれるのです。
だからでしょうか、個人的には、52年前のチリ地震津波のとき宮城に住んでいて被害に遭ったこと、阪神大震災のとき出張で関西にいた経験、今回の3.11で弟妹たちが被害に遭ったという現実などが心に深く刻まれているのに、私は未だに目立った対策をしていません。もしかすると、こうした経験・体験をして来たからこそなのかもしれませんが・・・

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タグ:地震予測
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まだまだ住める中古一戸建てが安い理由 [建て売り住宅]

子供が増えた時のことを考えて部屋数を重視して中古住宅を買った。家は築15年の割にしっかりしている感じがしており、部屋数は5つ。居間は少し狭いが気に入った。建て替えは当分不要と思った。駐車場ももちろんあり、価格は予算内に収まった。とても良い買い物をしたと自画自賛した。だが、そう思ったのは間違いだった。居間の位置が丸見えになる位置に隣家の2階に大きな窓があった。そのため、居間が覗かれる気がして昼でもカーテンをし、蛍光灯をつけて暮らす破目になってしまったのだ」
こう話すのは、TV出演などで有名な経済評論家の荻原博子さん。
「いつもカーテンをしているのでせっかく庭があっても見ない。そのうち庭は草ぼうぼう。草取りをしようにも隣家から見降ろされそうなのが嫌でやる気がなえてしまう。いつも締め切っているので、室内は通風が悪く、クロスにかびが浮いてくる。家全体がなんとなく湿っぽい。3年ほど住んだが、家がわずかに傾いていることに気付いた。地盤があまり良くない場所ということが分かった。専門家の意見を聞く機会があった。地盤が弱ければ弱いなりに基礎工事をやっておけば普通は大丈夫なのですがねえ、などと首をかしげる始末」と追加のコメント。

木造住宅は、古くなるとタダ同然になります。価格に反映されるのは土地の価値のみになるのです。概ね15~20年くらいで、そうなると言われます

見たところ雨漏りして困っているような家には見えないし、傾いているようにも見えない。床もしっかりしていて、歩くとへこむような箇所もない。汚れてはいるが、まだ十分にそのままで生活ができそうだ。しかし、建物価値はほとんど見てもらえないという。これが、流通市場における中古の一戸建て住宅の現実です。
地価が上昇したら、建物が無価値でも購入時の価格を上回るかもしれないが、そうでない限り、木造住宅が買い値より高くなることはまずないのです。

マンションの場合は、建物が頑丈にできていて耐用年数が長いことから、木造住宅よりは建物価値が高く評価されるのですが、どちらかと言うと、利用価値によって評価される部分が大きく、築後10年くらいまでは、購入価格を上回る値がつく中古物件も少なくない事実があります。

中古の木造住宅がマンションほどの値がつかない原因は、冒頭に紹介したような欠陥リスクがあるためと考えられます。住んでみないと分からない、その不安があるために購入に踏み切ることが怖いと感じる人も多いのでしょう。なかなか成約に至らない。当然ながら価格も低くなりがちです。
素人の目では、瑕疵や欠陥を見つけるのは難しく、仲介業者も住宅の質に関して保証する能力を持ち合わせていないためです。
国土交通省は、中古住宅の流通を促進するために様々な活性化策を打ち出していますが、そのひとつに、「工事履歴情報(新築時とその後のリフォーム工事)」を登録させることや、欠陥がないかどうかの検査を専門機関に依頼し、問題ない住宅には住宅瑕疵保険を付保するなどの制度を創設し、購入者が安心して購入できる中古住宅を増やす計画と言います。
今後は、そうした安心感の持てる中古住宅も市場に増えて来るのかもしれません。しかし、時間がかかります。それまで一戸建てを売却する人は、自分の家が正当に評価されないと覚悟しておく必要があると言えるでしょう。

あなたがマンション派ならいいですが、もし頭の片隅に一戸建ても検討対象にあるのであれば、この記事を覚えておくとよいかもしれません。

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マンションの袖付き玄関ドア―その凄い価値 [マンション設計]


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普通のマンションでは、角部屋でない限り、玄関を開けないと風が通らないことはお分かり頂けることと思います。もし玄関付近に通風専用の小窓があったら、玄関ドアをストッパーで半開きにするといった、ぶざまなことをしなくてすみますし、エアコンのお世話になる度合いも減ります。健康にも良い影響を与えるはずです。
エアコン生活に慣れてしまった私たちですが、節電意識の高まりもあり、できるだけエアコンのお世話にならずに暮らしたいと考える人も増えているに違いありません。
マンションメーカーも、そのことを意識してか、風の抜けやすい工夫を施す例が散見されるようになりました。風の通り道をふさぐリビングドアのストッパーは無論のこと、個室のドアを半開きに固定するため「引き戸」にする例も増えています。

しかし、前にも書きましたが、バルコニー側の窓から個室を抜けて風が通る形にするには、北側個室の窓を開けておくことが必須です。しかし、プライバシーの問題からできない家庭もあり、設計(対策)としては不十分です。

バルコニー側の窓を開け、リビングドアを開け、最後に玄関付近に通風用の小窓があったら風通しの良い家になります。ところが、小窓を設けることは実は簡単そうで大変困難なテーマなのです。建築法規に触れる場合もあり、かつ玄関の幅が広く取れないという建物全体のレイアウトが障害になるケースもあるからです。

最近のことですが、通風に関心を持ちながら間取りプランを覗いているせいか、玄関ドアそのものに小窓のついたタイプを採用した物件に気付きました。
そのドアは袖付きになっていて、袖がつく分、玄関ドア全体の印象も、デザイン性も良くなっていると感じました(大きくて立派に見える)。そのドアは特殊な構造になっていて、外側は下の方に、室内側は上部に換気口があります。

そもそも袖付きドアの製品自体が少ないのですが、まして換気機能付きのドアとなると皆無といってもよいほどです。ドアメーカーのホームページを探してみても発見は困難です。
ともあれ、「ウェリス石神井公園(2012年4月完成予定)」というマンションで、袖付きドアが見られます。ご興味のある方は、物件検索ページ(ここclick)から資料を請求してご覧になると良いでしょう。

高層階で、玄関側が開放廊下になっているマンションならば、風の抜ける工夫によっては、盛夏以外、クーラーは要らないはずです。今後、この種のドアを採用するマンションが増えて来るかは分かりませんが、昨今「通風」に関心を向けるマンションメーカーが着実に増えていることだけは確かです。

エコなマンション、健康生活に役立つマンションが増えることを期待したいものです。


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<<<追伸>>>
「三井健太のマンション相談室」では、マンションの基礎知識を分かりやすく解説した「WEB講座」を公開しています。「地震関連の講座」、「マンションの遮音性」、「新築と中古マンションの対比」、「値上がりするマンションの選び方」など全部で現在63講座あり。お好きな講座・興味ある講座のみを拾い読みすることが可能です。是非ご利用ください。
最新講座は「NO.63完成済みマンションのメリット・デメリット」です。

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高強度コンクリート使用のマンションの耐震性はいかに? [マンション購入アドバイス]


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●耐久性の高いマンションが普通になっている

最近の新築マンションは、住宅性能表示の項目でいうところの「劣化対策」を強化したものが増えています。
「劣化対策」とは、使用する建材そのものの耐久性と、鉄筋の錆び対策、木造住宅では構造用木材の湿気・シロアリ対策といった住宅の構造部位の劣化を抑制するための対策のことです。
住宅性能表示制度(第三者によって評価される。評価を受けるか否かは事業主の任意)によって客観的な指標が登場しましたが、劣化対策項目に関しては3段階で評価されます。
ちなみに、建築基準法が定める最低限の対策が講じられている場合は「等級1」、2世代(50年〜60年程度)まで長持ちするように対策が講じられている場合は「等級2」、さらに3世代(75年〜90年程度)まで長持ちするように対策が講じられている場合には「等級3」と表示されます。

最近の新築マンションは、劣化対策等級3(最高ランク)を獲得している物件が80%を超えると言われ、非常に耐久性の高いマンションが増えています。高い強度を持つコンクリートが開発されたことが背景にあります。
尚、耐久性の高いコンクリート住宅(マンション)やビルは、①強度の高いコンクリートの採用と、②水とセメントの混合の際に水を少なくする(あまり水を減らすと施工がしにくいため限度がある)、③鉄筋にかぶせるコンクリートの厚みを深くする(=かぶり厚)の3つの対策で誕生します。

●コンクリートの強度を表わす単位
ところで、コンクリートの強弱は、どのような単位で表わされるのでしょうか?
ご承知の人も少なくないと思いますが、ニュートンという単位で表わされます。1ニュートンとは、1平方ミリメートルの面積に対し1キログラムの荷重をかけても崩壊しない強さを示します。
強度が36ニュートンを超えるものが高強度コンクリートで、現在は200二ュートンの高強度コンクリートも開発され、実用化されています。

●コンクリートの強度が高ければ地震にも強いのでは?の疑問

ところで、強度の高い、いわば頑丈なコンクリートを使用して建てられたマンションなら、耐震性も高いのではないだろうか?そんなふうに感じる人も多いかと思います。
その疑問にお答えしておきましょう。

強度の高いコンクリートを用いて建てられたマンションが巨大地震にも強いことは間違いありません。しかし、耐震性はコンクリートの強度だけで測られるものではないのです。
構造上のバランスや、建てられる場所の地盤、基礎工事の形など多数の要素があり、コンクリート強度を上げれば耐震性が増すという短絡的なものではないのです。
逆説的な説明になりますが、例えば20N(ニュートン)のコンクリートを使用した耐震等級1のマンションがある一方、50Nのコンクリートを使用しながらも耐震等級1のマンションがあることからも、コンクリートの強度が耐震性に占める比重は必ずしも高くないことが分かります。
耐久性に関しては、大部分のマンションが合格点に達している現在、耐震性を注視するなら、コンクリート強度がどうかではなく、耐震等級がいくつかを見なければなりません。当然「等級2以上」のマンションがより安全という結論になります。


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そこで得られた知識は、良い間取りを見極める目を養うとともに、カスタムビルドの間取りを自らつくるときに大いに役立つことでしょう。少なくとも、住んでから「ダメ間取り」に気付いて後悔しないための一助ともなるはずです。
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単身者が選ぶべきマンションの形態は? [コンパクトマンション]

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昔、「非婚時代」という著書で今日の晩婚傾向や一生独身を貫く人の増加を予言した人がいましたが、本当にそうなってしまいました。
日本人の結婚年齢は年々上昇しています。生涯結婚しない人も増えています。これは、女性の職場が増えて、男性に頼らない生き方を選択する女性が増えたことと無縁な話ではないようです。女性が独身を貫くと、男性もとばっちり(?)を受けて独身でいることになるのでしょうか?
ともあれ、そんな独身男女のうち、親世帯と同居しないでいる人がマンションを購入する例が増えて来ました。このブログを通じて私の相談室を訪れるご相談者、実は半数が独身なのです。
さて、独身者が購入するマンションは、どのようなタイプがふさわしいのでしょうか?単身だからワンルームや1DK、せいぜい2LDKでいいと単純な発想でマンションを選択していいものでしょうか?また、独身者は、独身者が多数集まるコンパクトマンションがいいのでしょうか?それとも、ファミリー中心で構成されるマンションがいいのでしょうか?そんなことを考察してみました。

●単身者ばかりのコンパクトマンションには問題あり?

ファミリー世帯が中心のマンションでは、子供を通じて母親同士が知り合いになるということが普通にあります。例えば子供の学校が同じだからPTAで知り合うことが大いにあるでしょうし、マンションのキッズルームや敷地内公園で話相手になるということもあるでしょう。
これに対して単身者が多く集まるコンパクトマンションでは、マンション内ですれ違うことから顔見知りにはなれても、せいぜい挨拶を交わす程度で終わっていることが多いようです。
人づきあいが苦手と思っている人、面倒だと思っている人などは、積極的な交流を望まないかもしれませんが、果たしてそれでよいものでしょうか?
あるコンパクトマンションでは、外部のコミュニティ支援会社に委託し、毎月1回の割合で様々なイベントを催しています。
懇親パーティや不用品交換会、異業種交流会などを1年くらい実施すれば、おおむね全居住者間で顔見知りになれるのだそうです。それから先は当人同士の問題ですが、程よい距離の隣人関係ができることが多いとのこと。
このような交流のきっかけを積極的に作らなければ、コンパクトマンションの住人は何年経っても孤独のままでいなければならない懸念があるのも事実です。

●親世帯との共生を探る動きもあるが・・・

最近、高齢化に伴い一度は核家族化した親子が再び同居するという動きが見られるという新聞記事に触れました。何となく分かるような気がします。近居や隣居という形態もありそうです。
しかし、それは親世帯が比較的近くに住んでいる人の場合であって、遠く離れて暮らしていれば、子供は一人住まいを続けることになりそうです。その子供が独身の場合、賃貸住宅ではシェアハウスという共生の形態も最近は増えていますが、購入ということになると共生の道は見つけにくいかもしれません。

●多様な世帯が同じ屋根の下にいる安心感

大地震で気付かされたことがあります。
マンションには多様な世帯・人種が住んでいたことで、避難の際や復旧に向けて住人が役割分担して動いたことです。
ある中古マンションが被災しました。液状化で駐車場が陥没し、排水管が破断してトイレが使えなくなったのです。
そのマンションでは、地震後まもなく対策本部が発足し、危険箇所の応急処置や仮の排水管敷設などの手配を速やかに行なったそうです。

「そのとき、中年から初老の入居者の中に建築関係の人や、電気関係の仕事をしている人がいたので無知な私も安心することができました」、「また学校の先生がいて避難の誘導に先頭に立ってくれました。若い人で独身の人が近所の世帯の小さな子どもさんを背負ってくれたり、乳飲み子を抱えたお母さんの荷物を運んでくれたりなど、普段つきあいのなかった住人同士が互いに助け合う様子に感動しました」。
このような感想は、あちらこちらで聞かれました。これは、マンションが多様な世代と世帯が住むことで得られる安心感と言えるのかもしれません。

マンションの中には、教師、銀行マン、公務員、建築士、弁護士、公認会計士、税理士、コンピューター技術者、同ソフト開発者、医師、不動産屋、証券マンなど、挙げるとキリがないですが、実に様々な職業人が集まって住んでいます。
日ごろは付き合いがないので、顔は見知っていても仕事までは知らない。でも、専門家集団なのですね。いざというとき、頼りになる人たちが同じ屋根の下に住んでいるのは、マンションの良さです。高齢化が進んでも、昔とった杵柄とやらで、経験と知恵はマンションの見えない財産なのかもしれません。

近所づきあいが煩わしいからという理由で一戸建てからマンションに移って来たという人には思惑違いと落胆させるかもしれない話ですが、普段は顔を差すことが少ないメリットと、いざという時に助け合えるメリットの二つがマンションには存在するとも言えるのではないでしょうか?

●価格帯の幅が広いマンションに懸念はあるか

ところで、ご相談者の中に「例えば3000万円から1億円までと、価格の幅が広いマンションを買うのは問題があるのではないか」という疑問をお持ちの人があります。
この疑問にお答えしておきましょう。

まず、価格差イコール所得格差ではありません。
また、価格帯の差は必ずしも溶け合わない異分子が混じるということにはならないと思います。仮に3000万円の住戸を購入する人と1億円の住戸を購入する人とを比べて、例えば住む世界が違い過ぎるとは断定できませんし、教養レベルが違い過ぎるということもないと信じます。
何故なら、こうしたマンションの多くが都心にあり、低い価格帯のコンパクトタイプを購入する人は小家族ゆえの選択であり、所得が低くてもそれは未だ管理職などに到達していない若者というだけで、将来の高額所得者やエリート層かもしれません。

このような価格帯の幅広いマンションを検討するとき、気にすることがあるとしたら、低額住戸のワンルームや1DKタイプが投資目的で買われ賃貸されたとき、その借り手がどんな階層になるかをチェックすることくらいでしょう。
つまり、都心の好立地にある物件が投資対象になっているはずで、そのうち低額でコンパクトな住戸に高い賃料を払う入居者とはどんな階層かを推測することです。
繁華街に近いマンションでは迷惑分子が入居して「高級マンションなのに・・・」とまゆをひそめるケースも少なくないと聞きます。注意する必要があるでしょう。

●似たような年代層ばかりが集まるマンションの未来

郊外マンションには、子育て世帯ばかりが集まります。そこで入居者の多くは、「同じような子育ての悩みを抱えた住人が多いので、互いに相談しあえるのが嬉しい」などという感想を漏らしています。
それはそれで結構なことですが、時間が経過すると住人は一緒に歳を取るのです。最初は賑やかな子供たちの声であふれていたマンションも、次第に静かになり賑わいも少なくなります。
活発だった交流イベントの数も減り、今では「老人ホームみたい」と入居者が卑下するマンションも少なくありません。
最初から広い部屋中心に作られたので、居住年数は平均して長く、入れ替わりが少ないために一緒に歳を重ねてしまった例です。

マンションは適当に入れ替わった方が、世代交替が起こっていいのです。手狭になったから売却して出て行く。そこへ新しい若い世帯が入居して来る。この循環が生まれることで平均年齢は極端に上がらずにすみます。
だから、若い世帯と高齢の世帯という年代較差や、単身者の住むコンパクトタイプから4LDKのファミリータイプが混在するマンションでも問題はない、否、むしろ幅広く多様な世帯が同居している方が良いのではないでしょうか?

全タイプがコンパクトというマンションでは、既述のように積極的な交流を企画したり、交流の場がマンション内に設けられて気軽に利用できるような仕掛けをつくったりしないと、孤独な単身者ばかりのマンションということになるのではないか。そんな心配をしてしまいます。

単身者だからコンパクトマンション(全体がコンパクトタイプで占められるという定義)を検討するのではなく、ファミリーマンションも混在する物件も検討してみることをお勧めします。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。「無料相談」と「マンションの無料評価サービス」があります。

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