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第570回 「新築マンションの価格は急落しないものである」 [マンション市場]

★マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツーをご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください★★・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


2013年から始まったマンション価格の上昇を嫌って模様眺めに転じた人は大勢いるようです。インターネットその他の情報に触れて「東京オリンピック」以降に下がると信じ、今も待機中という人も多いのでしょう.。

新築を嫌って中古にも目を向けたが、その中古も値上がりしてしまったので、もはや買うものはないと半ばあきらめ顔の人もいるようです。

では、いつまで待てば購入可能な価格になるのでしょうか?このブログでは過去にどこかで何度か触れて来た所感ですが、今日は改めて表題に絞って根拠とともにお伝えしましょう。

●新築マンションは価格上昇が行き過ぎて売れなくなったが・・・

新築マンションは、価格が少々上がっても根強い需要に支えられて売れて行くものですが、度を越すと買える人の数が少なくなり、売れ行きにブレーキがかかります。言い換えると、需要は一時的に減退するのです。

売れるだろうと造ったマンションがさっぱり売れないという状況は、売れ残りマンションが多数という状況を創り出すのです。売り手は、販売促進の策をあれこれ打ち出しますが、最後の手段は「値引き販売」です。

潜在需要は間違いなくあると考えられるので、価格さえ購買力に近づけてやれば売れないことはないからです。2012年を底として2016年の価格はざっと25%も上がったために売れ残ったのですから、15%くらい下げることができれば売れ行きは回復するに違いありません。

しかし、15%も下げるなどということは売主各社が「やけくそ」にならない限り不可能なのです。

理由の一番は、既に定価(売主の所定の利益が取れる価格)で買った購入者との間で著しく公平さを欠くことになるため、したくてもできないことにあります。

「マンション氷河期」と言われた何十年も前のことですが、そうした行為を暴挙として非難した買い手が集団訴訟を起こして売主に差額返金を求めたことがあります。

実は、この係争で売主は勝訴しています。しかし、売主は値下げ販売で目に見えない損害を被ったのです。信用や企業のイメージダウンなどでしょうか?

そのころ、同様の騒ぎが頻発したため、大手の売主は先行契約者に値下げ率に応じて差額代金を返したのです。当時のマンション価格が3000万円だったとして、500万円とか600万円といったプレゼントを受け取った契約者(既に入居済み)は、半分が喜び、半分は値下がりした自宅の行く末を案じたりしたと聞きました。

とまれ、返金ののち、売れ残り住戸を「最高800万円値下げ」といった大胆なコピーで広告を展開、ほどなく完売したのです。

今はそこまでの窮地に陥っている物件・売主は少ないのでしょう。値引き広告は限定的です。すなわち、「モデルルームとして数か月使った部屋なので安く売りますよ」という広告キャンペーンが精いっぱいです。この方法なら一応の大義名分(言い訳)ができるからです。実際は、その方法を繰り返しながら複数住戸を売って行くのですが・・・

理由の2番目は、大きな値引きすると売主の経営に重大な悪影響を与えるからです。そもそも、新築マンションの利益は大きくないのです。

マンション用の限られた土地を仕入れるための競争は熾烈で、常に高値になってしまうため、採算に乗る(つまり売れそうな価格に抑える)ギリギリの、ときには販売が困難なラインを超えてしまいそうな価格で取得しているのが実態です。

建築費もしかりで、採算に乗る価格からはじき出した建築予算で請け負ってくれるゼネコンを探すことは簡単でないのです。

新築マンションの粗利は高々20%、そこから販売経費や広告費などを差し引くと10%も残らないのです。こう説明すると驚く人も少なくないのですが、商品の価格が大きいので、10%でも事業としては妙味があるのです。ただし、うまく回転した場合のことで、新規参入しては消えて行ったマンション業者は数限りなく、過去の栄枯盛衰は激しいものであったことも事実です。

利益を何とか出したいという売主にとって、10%の値引きは死守ラインとなるのです。しかし、それは全体の利益率のことなので、半分の住戸を定価(利益10%で)売ったとすると、残り半分を10%引きで売っても、平均したら5%は利益を確保できるわけです。ただし、そう考える経営者はありません。そこまでの結論に至る状況は販売が長期化し、既に決算期をまたいでいるので、新年度では値引きした分がそっくり減益もしくは赤字になってしまうからです。

値引きしなければ売れない物件ばかりではありません。高くても、駅直結マンションのような、あるいは憧憬の街における久々の高級マンションのように、高くてもたちまち売れてしまう例は不況下でもあるのです。従って、値引き販売が横行しているとはいえ、全体の何割もあるわけではありません。

つまり、値引きの幅は業界全体でみると極めて小さいのです。しかし、個別交渉では10%の要求が通ることがないわけではありません。竣工してから1年半も経って、2回目の決算が近いなどという物件では「やけくそ気味に」に、「こっそり2割も引くという例も稀に見られます。


●売れなくなれば次からは価格を抑えて来るのでは?
売れ残りマンションを安く売るというのは難しいことがお分かりいただけたことと思います。

業界として何か良策はないものでしょうか? 次の物件からコストを抑え、利益率も下げれば売れそうな価格にできるのでは?外部の人は、そう考えるのですが、コトは簡単ではありません。

コストのうち、土地は2年も前に買っていますから、確定原価です。もうひとつの原価である建築費も今はとても下がる見通しがありません。下げるには、設計から見直すことが必要です。しかし、粗悪品を作ることはできませんし、廉価版マンションではかえって売れないものです。コストダウンには限界があるのです。

以前指摘したことがありますが、見えないところでコストを下げたマンションが増えていますし、間取りもつまらない田の字型ばかり、出来上がってから安物と分かるコストカットマンションは、4年も前から当たり前になっています。これ以上のコストダウンはきっと逆効果になるでしょう。

トヨタ自動車がかつて「乾いた雑巾をしぼる」と言われるほど徹底的なコストカット策で一世を風靡しましたが、マンション建設では既に実施済みです。

では、利益を削ればいではないかという声も聞きますが、先に述べた通り幅が小さいのです。おそらくは焼け石に水だと判断するデベロッパーが多いでしょう。中には、「そこまで下げなければ売れないのであれば、しばらく駐車場にするかイベント会場として貸すかを考えろ、マンション用地としては凍結だ」などと決断するデベロッパーも出てきます。

つまり、値を下げるデベロッパーが続出して全体として新築マンション価格が顕著な下落のトレンドを見せることはないのです。

●急騰後の値下がりが小さかった前回不況期

過去のデータを見てみましょう。首都圏全体の価格推移から説明します。

バブル経済崩壊後の下落が止まった2002年から2004年(3年間)は価格の底で、かつ安定期にありましたが、この頃の新築マンションの平均坪単価は約180万円(首都圏平均)でした。

ところが、翌年2005年から2008年(4年間)にかけては、毎年上昇して2008年には214万円となったのです。2004年からの上昇率は19%弱です。(今回の上昇率は23%)

価格急騰によって販売不振物件が続出し、各地で値引き販売が増えました。そのことで起きた不公平感が買い手の不興を買い、テレビ報道でも取り上げられたのです。

2008年の秋、米国で「リーマンショック」が起こりました。これが契機となって世界同時不況が起きかけました。日本でも景況の悪化が心配され、マンションどころではなくなったのです。

マンション業界にとっては、高値が売れ行き不振を招いていたところに、リーマンショックで「泣きっ面に蜂」という状況になりました。

しかし、翌年(2009年)の新築価格は@214万円から@212万円に下がっただけでした。その後も大きな下落にはならず、2012年まで@213万円前後の高値安定で推移し、値上がり前夜の2012年に至りました。2013年には再び上昇し@230万円、2016年には、どうとう@262万円となった(2012年比で23%アップ)のです。

23区だけに絞ってデータを見ると様相は変わります。簡単に言えば、値上がり幅も大きいために値下がり幅も少し大きくなったのです。

2005年@226万円、2008年@281万円。この間の上昇率24%と首都圏平均より5ポントも大きかったのですが、2009年には@263万円と急落(6%)。しかし、その後2012年までは@274万円、@268万円、@264万円と推移。つまり、6%下がっただけで底を打ったというわけです。
地域的な差はあるにしても、値下がりはせいぜい5%か6%と見るべきということを歴史が語っています。


●金利が上がったら値下がり分は吹き飛ぶかもしれない

郊外部は値上がり率も比較的緩やかであったために値下がり率も低いが、都心部は値上がり率が大きいために、下げ幅も郊外よりは大きかった過去ですが、この先は同様の傾向を見せるでしょうか?

5%程度の値下がりがあると仮定しましょう。平均的なグロス価格を5000万円としたら、4750万円になるわけです。4000万円くらいの地域なら3800万円になるということですね。

この200万円か300万円の差は、金利が上がれば意味をなしません。ちなみに、今なら4000万円を1.0%、35年返済で借りた場合、年間の返済額は135万円になりますが、これが値下がりによって3700万円の借り入れで足りることになっても、金利が1.5%に上がってしまうと年間返済額は136万円となり殆ど変わらないのです。

金利が上がったらという「タラレバ」論ですが、上がってからでは遅いのです。つまり、ひたすら金利上昇はないと祈るしかありません。

さもなければ、5%の下げではなく、10%くらいの下げを期待するしかないのです。

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値下がり期待はむなしい。それでも期待して待ちますか?負担する家賃がない人、購入時期が5年先でも構わない人、ローン年限にゆとりある若い人などは待てるかもしれません。しかし、多くの買い手は、仕事や家庭の事情が許さないはずです。

高くても買うのことで得られる喜びが大きければ今買うという選択は悪くないものです。筆者の経験からも信念を持って「買い」をお勧めするところです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。
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