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バス便の大規模マンションってどうなの? [マンションの資産価値]

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


300戸を超える規模と様々な付加価値を持つマンションだが、交通便がよいとは言えないバス便マンション。郊外部では、年に1件程度販売されることがあります。

筆者の手元の記録を紐解いてみると、最近数年間では下記のような物件があります。

今日は、これらの「バス便の大型マンション」についてお話ししたいと思います。


●大型バス便マンションの実例

竣工時期の古い順に、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

?千葉県浦安市「プラウド新浦安パームコート550戸(バス8分)」平成23年1月竣工済み/野村不動産:完売
 
綺麗に整備された、まるで南国のリゾートタウンといった雰囲気を醸す特異な街、それが新浦安で、国土交通省が選ぶ「都市景観100選」にも選ばれたほど美しい景観を持っています。西隣の「舞浜」駅は、ご存知ディズニーランドがあります。

ここには複数のマンションデベロッパーが妍を競って建設した大型物件が多数並びます。平成17年竣工の「パークシティグランデ新浦安(バス10分)」もプラウドと同じ550戸の大規模物件で、人気マンションとして有名です。

湾岸道路の南側を京葉線が走り、「新浦安」駅が開設されましたが、プラウド新浦安パームコートは、最も南の「ベイエリア」に位置し、駅からバスを利用するほかない場所にあります。



②千葉市美浜区「THE 幕張 BAYFRONT TOWER&RESIDENCE 308戸(京葉線・海浜幕張より徒歩21分)」平成27年8月竣工済み/三井不動産レジデンシャルほか:完売

この物件は「幕張ベイタウン」と呼ばれる、海浜幕張駅(JR京葉線)を最寄りとするニュータウンの中にあります。

千葉県のHPを見ると、幕張ベイタウンは、21世紀の国際業務都市を目指す新都心にふさわしい、魅力的な都市デザインと新しい時代の社会的ニーズやライフスタイルに対応した快適な居住環境の実現を目指して(中略)、住棟を街路沿いに配列した沿道型建築とし、街のにぎわいを創出するため、建物の低層部に商業・業務系施設を配置しています。

幕張ベイタウンでは、1995年3月に入居が開始されてから、今までに9,400戸が供給され、約25,400人が住む街になっています。(2015年11月末現在)

幕張ベイタウンでは、ヨーロッパ風のデザインに統一され、街全体の調和をとりつつ、それぞれの街区に個性的で色鮮やかなデザインを採用しています。特徴的な点は、街区の中央に憩いのスペースとなるパティオ(中庭)を設けたヨーロッパスタイルの住宅です。

幕張ベイタウンの街区は駅から徒歩5分程度と近いものから、徒歩20分もかかるものまでありますが、パティオス1 ~ 22番街、グランパティオス公園東の街、グランパティオス公園西の街などの街区が形成されています。

幕張ベイタウンには何度も訪問した経験を持つ筆者ですが、ここは本当に日本なのかと感じるほどの街並みと景観で、初めての人ならきっと感動することでしょう。

「THE 幕張 BAYFRONT TOWER&RESIDENCE」は、駅から最も遠い位置にるためか、販売には多少苦労したと聞いていますが、竣工時までに完売しています。

?東京都武蔵野市「パークシティ武蔵野桜堤405戸(武蔵境よりバス10分)」平成24年3月竣工済み/三井不動産レジデンシャル:完売

豊かな緑に囲まれた25,700㎡の敷地にゆったりと建った6棟。水音の庭、集いの庭、静寂の庭、夏の庭などの憩いのスペースがあります。バーベキューコーナー、キッチンスタジオ、ゲストルーム、フィットネススタジオ、ライブラリー、コンシェルジュサービスなどの共用設備があります。


④東京都調布市「グランドメゾン仙川305戸(徒歩19分)」平成28年6月竣工予定/積水ハウス:竣工前完売

物件のHPには、「豊かな自然と一体となり、 スローでスマートな暮らしを実現する全305戸の大規模レジデンス」とあります。4階~8階建て8棟の団地型開発ですが、隣接に広大な緑地があり、環境の良さを売りにした物件でした。

京王線と南をほぼ並行して走る小田急線。その中間に立地しますが、京王線の「仙川」からのアプローチ以外に、小田急線の「成城学園」からもバスが出ています。


?東京都調布市「パークホームズ調布桜堤通り325戸(バス7分)」平成28年7月竣工予定/三井不動産レジデンシャル・・・販売中

物件HPによれば、「多摩川の潤いと緑を身近に、調布駅へのアクセスも快適なのが<パークホームズ調布桜堤通り>の魅力のひとつです。物件から徒歩1分(約50m)の「日活撮影所」バス停から、「調布」駅へは約7分。朝8時台は約6分~約7分おきに運行しているので、スムーズにアクセスが可能です。きらめく水面や富士山を眺める開放感、広大な河川敷。春は桜、夏は花火、休日には水と触れ合う――。多摩川の自然が、心豊かな暮らしを与えてくれるでしょう」とあります。

共用施設が充実しているのが売りで、グランドラウンジや、青山ブックセンターと提携し、毎月定期購読書誌が更新される、ライブラリーラウンジなど複数のラウンジを設置しているとありますが、三井不動産レジデンシャルの他の大型物件に比べると物足りなさが残る印象です。


⑥東京都小平市「シティテラス小金井公園922戸(武蔵小金井バス6分)」平成30年1月竣工予定/住友不動産・・・近日発売

この物件は、西武新宿線「花小金井」駅からも徒歩8分でアプローチできる位置にあるのですが、人気・需要の面で中央線が西武線より上と見た売主は、バス便を承知で中央線・武蔵小金井駅を前面にアピールしています。

今日のブログのテーマの援用に丁度いいので、バス便物件として取り上げることとしました。

物件からほど近い((約670m・徒歩9分)小金井公園について、物件HPは次のように紹介しています。

「小金井公園は日比谷公園の約4.9倍、上野公園の約1.5倍の広大な面積を誇る大型都立公園です。玉川上水沿いにあって、広々とした草地や雑木林、桜の園、子ども広場、弓道場、テニスコートなど、豊かな自然とスポーツ施設などが一体となっています。雑木林は武蔵野の面影を残し、野鳥の楽園「バードサンクチュアリ」として、四季を通じ多くの野鳥が飛来します。
広大な草地広場は、ピクニックや子どもの遊び場であり、散策、ジョギングをする姿も見受けられます」

また、「シティテラス小金井公園の敷地北側には約3,600m2の(仮称)ウィズパーク(提供公園)が計画されています。その広さはテニスコート約18面分。ケヤキや桜の既存樹を活かしながら、子ども広場のスペースにはクライム遊具、スイング遊具、マウンテン遊具をご用意。テーブルセットやベンチもあり、子どもの遊び場としては十分な広さがあり、身近な子育ての場としてご利用いただけます」とあります。

さらに、「現地南側には約770mにわたり「第1種低層住居専用地域」があり、高い空の下、低層の家並みが続く開放的な風景が広がります」と環境の良さ、とりわけ子育て環境の素晴らしさをアピールしています。

「922家族のコミュニティを創造する多彩な共用施設&サービスが、快適・安心、楽しい毎日をサポート・・・3万㎡超を誇る敷地に、緑豊かな環境と呼応するやすらぎのレジデンスを創造する同物件。家族の暮らしを快適・安心、楽しく彩るのは、全922邸というスケールならではの充実した共用施設やサービス(以下)が魅力のポイント」とも語っています。

屋上ビューテラス ・ゲストルーム(2室) ・ライブラリー・シアタールーム兼カラオケルーム ・パーティラウンジ ・キッズルーム&ペアレンツサロンをはじめとした17の共用施設に加え、コンシェルジュサービスや24時間有人管理、専用シャトルバス等の便利なサービスも導入。


●バス便の大型マンション。その共通点とニーズ

ここに紹介した物件は「バス便・大型」の二つをキーワードとするものですが、他に共通点として次の5点を挙げることができます。

1)街並みの美しさ・緑の多さなど、環境がすばらしい 2)共用施設が充実している 3)管理サービスが細やか
ここまでは、先に述べた物件の紹介記事でお分かりいただけることと思います。

4)価格が安い

何を基準に安いというか、それは最寄り駅の徒歩圏マンションの相場と比べてのことですが、概ね20%くらいは安い価格で分譲されています。

これに、自然環境の良さや景観のすばらしさを持つロケーション価値と、建物(敷地内の共用空間のデザインを含む)の圧倒的な差別化策がもたらす付加価値を加味すると、交通便・買い物便等のマイナスも多分に相殺されてしまうのです。


5)広い専有面積の住戸タイプが多い

価格が安いということは、例えば駅前物件なら70㎡しか届かない予算で、バス便物件では80㎡以上の部屋に届いてしまうことを意味します。

広い部屋と美しい環境の中で、ゆったりと暮らしたいというニーズ、もしくは子供を自然の豊かな環境で育てたいというニーズにはぴったり合致するのです。


●それでもバス便マンションには見向きもしない人が多い

以上のような魅力に溢れたロケーションと付加価値の高い大型マンションですが、バス便と聞いただけで全く対象外と考える人が多いのは事実です。

人間は霞を食って生きて行くことはできないので、環境は大事といえども利便性を軽視できないからです。

自家用車で30分も走れば職場に着いてしまう小都市とは違い、東京圏ではどこに住んでも勤労者の平均的な予算では通勤時間が1時間から1時間半かかってしまうのが普通です。それだけに、時間のかかるバス便立地は避けたいのです。

郊外のバス通勤であっても、職場が最寄り駅の近辺にある人とか、駅で鉄道に乗り換えるにしても二駅以内の近さに職場があるといったふうに、都心通勤でない人なら抵抗も小さく、十分に魅力を感じるはずです。現に購入した人の大半は、その種の人なのです。

しかし、首都圏居住者の多くは東京都心へ通勤しています。その証拠に、通勤電車は2~3分おきに運行されているにも関わらず通勤時間帯は超満員です。

首都圏内での転勤がある企業に勤めている人も多数あります。そのような人は、支店・営業所のどこへ移動になっても不便にならない立地条件のマンションを取得しようとします。そのような人も、バス便マンションは考えにくいのです。

通勤に1時間半もかかる人は、時差通勤によって満員電車を避けたりしているかもしれませんが、帰宅が遅くなると困る人でもあります。遅くなったときタクシーで帰ることのできる都区内に住みたいと考えるのは交通費の問題だけでなく、睡眠時間を極力確保したいからという動機があるのです。

上級国家公務員の場合などでは、いざというとき直ちに役所へ駆けつけられる近場に住まなければならないようです。

2011年の大地震以来、いざというときに帰宅難民にならない距離に住みたいというニーズが増えて、ますます郊外のバス便マンションは不人気です。


●問題は将来の売却時にある

同じバス便マンションでも、大型の場合は不便さを補って余りある(?)付加価値の高い建物、すなわち専有面積の広さと共用施設の充実、管理サービスの細やかさ、価格の安さといった魅力があります。

そのおかげで、大規模=戸数の多さも克服し、さほどの期間を要することなく完売に至るものです。

しかし、その需要と供給のバランスは拮抗しており、都心の駅前マンションのような高い競争倍率で短期完売とは行かないことが多いのも現実です。

売り出し当初は「第1期・第2期、連続即日完売」などと誇らしげに広告で謳っても、やがてジリ貧となって、建物が竣工するくらいまで長い時間がかかってしまうケースも少なくないのです。

このような事実からも、バス便でもいいというニーズは多くないので、将来、中古マンションとして売却する際に、短期間で買い手が付くかという懸念を残します。

勿論、バス便マンション同士の比較になれば、大型で付加価値のある物件は買い手が付きやすいに違いありません。売れなくて売却を諦めるというようなこともないかもしれません。

とはいえ、賃貸は容易でないので、最後は価格を下げて買い手の要求を呑むということになりかねません。



●安く買ったのだから損失は小さいのでは?

「買い手が中々つかないとき、最終手段は売り出し価格、もしくは内見後の買い手からの要求に応じて売却価格を下げるということにするとしても、そもそも購入価格が安かったのだから損は小さくすむのでは?」?―このような考え方を取る人がいます。

実際はどうなのでしょうか? そもそも価格が安いということは、安くしなければ売れない、言い換えると、バス便マンションの販売成功条件は「安さ」にあるのです。そうしなければ目を向けてくれないことを意味しています。

買いたい人が多数あって、買い手同士で競争し合う状態が生まれるような駅前マンションなどは、価格は上方へ振れやすくなりますが、バス便マンションは逆です。

駅前マンションが100から転売時に90へ10%下がったというとき、バス便マンションは80で購入しても10%下の72では収まらないと考えなければならないのです。

勿論、例外もあります。 80で買ったバス便マンションが、転売時に80か85で売れることもないわけではありません。しかし、それは多分に幸運というほかありません。

同じバス便でも大型物件の方が値下がり率は低く、大型マンションの中でも周辺環境や買い物便が良いなどの差別感が明確な物件は値下がり率が低いのです。

しかし、分譲時の価格が市場全体で高値のときに買えば、付加価値が高い大型マンションであろうと、また、素晴らしい自然環境や街並みの中にあろうとも、売却の時期によっては値下がりが大きいということがあります。

結局のところ、購入マンションの魅力と欠点とを冷静に見極め、その価値に見合う価格かどうかという視点と、将来も高い競争力によって少ない需要の中から買い手を見つけられる物件かどうかという視点、このふたつによって選択の是非を判断することが重要なのです。


今日の話は、バス便マンションに限らない「マンション選び普遍の法則」を述べたことになるのかもしれません。


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京都のマンションが人気。その背景にバブル? [マンション市場]

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最近、京都のマンションが人気を集めていることをご存知でしょうか?

直近では、三菱地所レジデンスや野村不動産などが京都御所の近隣や鴨川沿いなどで高級マンションを販売中です。 これらの中には5億円を超える住戸も含まれており、関西エリアの中でも特に高額なマンションとして話題になっています。


●相続税対策を兼ねたセカンドハウス需要

平成27年1月から相続税の改正で基礎控除額が下がり、これまでは課税対象とならなかった人も相続税が発生する可能性が出て来るとされ、俄かに相続税対策として、現金資産から不動産へという流行を起こしました。

不動産購入の中でも、タワーマンション上層階を選択するのが効果的と言われ、東京都心の高額なタワーマンションの販売に寄与したのは確かだったようです。

購入したマンションがどのような用途だったかというと、自己使用というより賃貸用か家族(子供)・親戚などの使用、もしくは大半が賃貸目的らしいとも。

これに対し、京都の高級マンションはタワー型ではないので、相続税対策というより、セカンドハウスとしての利用が主体と聞いています。買い手は、地元近畿圏の人でなく、東京在住者が目立つと言います。


●江戸から見れば京都は上方。憧れの都市

ご存知のように、京都は東京よりはるかに長い歴史を持ち、数多くの寺社など歴史遺産や食、工芸などの伝統文化は無論のこと、洗練された都市機能も併せ持つ憧憬の街です。

天皇の居所も、かつては京都にあったわけで、東京は「皇居」ですが、京都は「御所」と呼ばれます。その、そばに住むことはステイタスの高さを示すものとなり、多くのマンションが「御所東」や「御所西」、「御所南」を冠しています。

新築では、先に述べたデベロッパーが「プラウド京都御所東」や「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」、「ザ・サンメゾン京都御所西」、「ザ・京都レジデンス 御所南」といった物件を販売中です。


中古市場では、御所東アーバンライフ、グランフォルム京都御所南、銀閣寺道パーク・マンションなどといった100㎡以上の専有面積を持つ億ションが現在売り出し中です。


●鎌倉・伊豆・沖縄・ハワイの共通点

癒しを得ようとする人の志向は大昔からあったようで、その方策のひとつとして、気候が良く景観に優れた土地へ旅行することは定番でした。

時間もお金も余裕のある人は、長期滞在するので、ホテル泊ではなく別荘を所有したりします。

筆者の同級生に弁護士が何人かいますが、その一人は鎌倉市に住んでいます。記憶では、随分若い時分に鎌倉に土地を買って注文住宅を建て住んでいました。 毎晩のようにタクシーで帰宅するような多忙な友が、なぜそんな遠いところに住むのかと不思議に思ったものでした。

伊豆の山中に住む親戚もいます。リタイアした夫婦ですが、伊豆に住む前は武蔵小杉のマンションに長く住んでいたのです。

伊豆と言えば、その昔、タレントの大橋巨泉さんが伊豆に住んでいたという新聞記事を読んだ記憶があります。その後は確かカナダに転居したのではなかったか?

大阪に住んでいた知人の一人に、沖縄の石垣島によく通っていた人がいますが、いつの間にか定住してしまいました。

ハワイに別荘を所有している芸能人は多いそうですが、一般人でも別荘を持つお金持ちがいるようです。別荘といっても形は様々で、プール付きの一戸建てから賃貸も可能なコンドミニアムもあります。

ハワイと同じような青い海と空のリゾート地は豪州にもあります。中でも「ゴールドクレスト」が有名です。昔、同地を訪問したことがありました。目的は、日本人向けのリゾートマンション分譲を企図するデベロッパーから意見を求められたからです。

計画は頓挫してしまいましたが、ハワイよりは観光客も少なく、賑やか過ぎないところがいいなと思ったことを覚えています。最近はどうなのでしょうか?

伊豆や沖縄、京都でマンション開発をやりたがっていたデベロッパーに依頼されて沖縄と京都は数えきれないほど訪れましたが、設計に活かすためのニーズを把握しようと研究したことが思い出されます。


●これもバブル現象か?

伊豆や沖縄、京都、ハワイ、豪州などを頻繁に訪れたのは、もう25年も前のことです。

最近3年くらいを振り返ると、沖縄でのリゾートマンション販売が活発らしい事象に遭遇したり、京都のマンションが首都圏版のSUUMOや新聞広告で宣伝されている例をよく見かけたりしますが、その断片だけを見る限り「バブルの再来」かと感じたりします。

国民がそろってバブル景気に酔ったバブル時代とは明らかに異なる現況なのに、なぜバブル期のような現象が現れるのだろうなどと考えさせられます。


そう言えば、三菱地所が海外不動産に投資するファンドを設立したというニュースを確か3月(2016年)ころの新聞で見ました。これなども「バブル再来」の兆しと感じざるを得ません。

何故なら、30年前には日本の不動産業者の多くが海外不動産を買い漁ったからです。三菱地所も、ニューヨーク市の有名な「ロックフェラーセンター」を高値買収したことがトップニュースになったものでした。物件価値は、その後大きく下落して同社に多額の損失をもたらしたことも覚えています。

今また同じ轍を踏もうとしているとは思いたくありませんが、一部の個人、一部の法人がバブル時代と同じような行動をとっているとしたら、その動きに便乗してしまう人が増えてしまわないかと、他人事ながら気がかりです。

バブルとは、実質の価値以上の値を付けてしまう資産の膨張を意味します。バブルが破裂して裸の価値をさらすとき、同時に富の喪失をもたらすからです。


都区内でも急激な高騰を見せるマンションがあります。全体的な価格上昇のトレンドも明白です。「バブルではないよねえ。まさかね」などと否定しつつ、一部で肯定せざるを得ない現象も確認したりしていますが、今後も注意深く市場の動きを見て行こうと思っています。



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熊本地震「マンション崩壊」の映像を見て [マンションと地震]

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座屈(ざくつ)という、一般には聞きなれない建築用語があります。マンションの1階のピロティ―(建物を支える柱だけの空間。駐車場に利用される)が、2階から上の建物の重みでつぶれてしまうことを言います。

2016年4月14日をスタートに連発している熊本の大地震を伝えるTV報道で映し出されたのでご記憶のことと思います。 ピロティに駐車してあった車がつぶれている様子や、1階部分の柱が折れ曲がって鉄筋が飛び出していました。

2階から上の共用廊下は、本来なら水平であるはずなのに、波打っていたり、「逆への字」になっていたりしていました。

既視感というのでしょうか。実際には見たことがないのに、どこかで見たかのように感じることですが、一瞬そう思った人もあったのではないかと思います。

筆者には、確かな記憶としてよみがえりました。1995年の阪神淡路地震のときに何度も見た映像と同じです。実際に現地を歩いて見た光景でもあったのです。

あれから21年も経ちました。普段は忘れていることですが、鮮烈な映像は瞼の奥にしっかり記憶されてしまうものと、あらためて感じました。多分50年経っても忘れない光景なのだろうと思います。

脱線しますが、ピロティ形式のマンションは座屈の可能性が高いから購入は止めた方がいいなどと、当時、得意顔で発言していた専門家がありました。しかし、その後もピロティ形式のマンションは多数建設されて来ました。 言うまでもないのですが、ピロティ形式であろうがなかろうが、今の建築法規では震度6強~7でも倒壊・崩壊しないことを「耐震性能」の最低基準としています。 座屈したり傾いたりしたマンションは、現基準を満たしていない、つまり1981年以前の旧・耐震基準で建てられた古いものだったに違いありません。 また、映像では壁に亀裂ができた建物も何回か登場しました。あの壁は「雑壁」と呼び、「構造壁」と区分されているもので、地震エネルギーを亀裂によって逃がす役割を持つものです。言い換えると、亀裂が起きた方がよいというわけです。亀裂が起きるように設計されているとも言えます。

話を元に戻します。 

昨年10月に発覚した横浜市のマンションの「杭工事欠陥」事件は記憶に新しいですが、マンション検討者の多くが早くも無関心になってしまったかのように思えて仕方ありません。無論、数字的な根拠はないのですが、筆者へ届くご相談メールなどから何も伝わって来ないのです。

「このマンションは大丈夫ですか?」と問われる前に、売主サイドは「適切に杭工事を完了した旨の確認をしております」などといった書面を提示していることが不安を消し去ってしまったのでしょうか?

とまれ、欠陥マンション騒ぎは収まり、何もなかったかのように時は流れています。

杭が堅い地盤(支持層)に達していなかったという前代未聞の欠陥工事は、2年続きで発覚しましたが、他にはなかったのでしょうか? 

2件の事件は、傾きが発見しやすい建物だった(2棟を渡り廊下でつないだ形状なので、棟の片方が傾いたことによって棟間で段差が生じた)からではないのか? 横浜市の地層の特殊性から考えて、他にも同様の可能性の潜むマンションが存在するのではないか。そんな疑問は消えていません。

工事中の新築マンションの場合はチェックのしようがなく、施工会社並びに分譲主を信頼するほかありませんが、中古マンションを検討するときは、四方八方から建物をよくチェックした方がよいのです。


天災は忘れた頃にやって来ると言います。阪神淡路大地震は千年に一度と言われました。今回の熊本も百年ぶりの大地震だったそうです。

人間の寿命から見て、千年も前のことは誰も覚えていないのですから、対応ができていないのも仕方ないのかもしれませんが、半年前の事件は言わずもがな、20年くらい前の事件や天災なども忘れずに、購入前のチェックはしっかりしておきたいものです。


流行は短いものですが、マンションを購入するとき、地盤、杭工事、耐震性、遮音性、耐久性などと、売主の施工管理・品質管理体制などを厳しく問う買主の姿勢は不易であるべきです。


とはいえ、若い買い手の中には、阪神淡路の被害状況でさえ記憶にないという人もあるでしょうし、首都圏の人にとって阪神淡路の記憶は薄いということかもしれません。

10年も経ったら、事故や事件、天災を教訓とするチェックポイントなど、世間で忘れ去られてしまうかもしれません。まして、何も覚えていない、体験がない若年層の買い手にチェックを求めても無理がありそうです。


風化を導く人間の習性や世代の交替を思うとき、学習した先人の知恵をどのような形で後世に残すべきか、その方法論を考えながら、その役割の一翼を担えたらいいなと思う日々です。



 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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美観を保つことが資産価値を長く維持する秘訣だ [マンションの資産価値]

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マンションを購入する際に「資産価値」という要素を選択条件に加える買い手が随分増えて来たという実感を持っています。

多くは購入前の段階で「価値あるマンション」の条件として「立地」や「建物プラン」に注視するわけですが、中古マンションの検討者の視点には「管理」が加わって来ます。

管理というと、資産価値を長く維持するためには無関心ではいられないことを理解できるものの、管理会社の問題かのように、あるいはマンションの場合は個人の力の及ばない問題と思いがちです。

そこで、今日は提案として管理問題の意識を強く持つべきことをお話ししたいと思います。


●室内の美観

アメリカ人は、売却するときのことを常に意識し、所有者が建物の劣化を食い止めようと、DIYに精を出すと聞きます。これは一戸建ての場合ですが、同じようにマンションでも建物の劣化スピードを遅くすることに関心を持つべきなのだろうと思います。

しかし、マンションは共同住宅ですから個人が共用部分を勝手に触ることはできません。

そこで、専有部分・室内の維持管理に努力することを先ずは提案したいと思います。

維持管理とは、「美観を保つこと」と言い換えてもよいでしょう。

室内の設備にはガスコンロにせよ、エアコンにせよ、寿命があるので、その劣化を使用者の努力で延ばすことは限界があります。とはいえ、日本製品は優秀ですから、10年どころか20年も使い続けられる設備は少なくありません。 となると、ポイントは室内の美観がテーマとなって来ます。

美観、言い換えると綺麗であることですが、売り出しの直前に、しっかりとハウスクリーニングを実行すればよいとも言えるのですが、壁や天井・床の汚れを取るのは簡単ではありません。

居住したまま売り出すとしたら、壁の張り替えは家具を移動しなければならないでしょうし、床を張り替えるとなると、費用を含めて大がかりになるはずです。

空室にしてから売り出すとしたら、家具などで隠れていた部分の汚れが露見することになり、販売に重大な影響を与えることになりかねません。「見栄え」は買い手の心理を左右するものだからです。

中古マンションの売り出し現場とネット上の室内写真を見ると、新築マンションのモデルルームと見まがうような綺麗な事例が増えているような気がします。

大手仲介業者の中には、高額物件を主に新築マンションのような「モデルルーム化サービス」を専任契約条件付きで導入しているところもあります。

中古マンションの買い手にとって、リフォームを前提にしているとはいえ、その費用が少ないに越したことはありません。筆者の知人に、「20年間に一度もリフォームしなかった部屋を売却したが、壁紙の一部を張り替えただけで、ほとんどそのまま住んでくれた」という人があります。

知人の家族は綺麗好きだったと思われますが、誰もたばこを吸わないこと、日ごろから丁寧な掃除を心がけていたこと、1年に1回はプロの掃除人に来てもらっていたことなどが奏功したと知人は言います。おかげで、売り出し価格も期待通りだったということだったようです。

いずれは売却するのであれば、床や壁・天井の汚れ、浴槽や洗面化粧台、ガスコンロ、エアコンなどの汚れを可能な限り溜めないような暮らし方が必要なのです。


●マンション全体の美観

中古マンションの売却で最も影響を受けるのは、室内よりマンション全体、すなわち共用部の状態にあります。マンション全体の美観が大事です。

鉄部の塗装が一部で剥がれていたり、タイルが欠けていたり、また植栽が枯れていたり、密集した低木の植栽が全く手入れされていない、外壁やエントランスホールや共用廊下の床や壁が全体に古ぼけた印象を与えている、自転車置き場が雑然としている、集合郵便受けの付近にチラシ等が散乱している、エレベーターの内部が傷だらけといった状態は見学者に悪い影響を与えます。

管理は管理会社に委託して行われるものですが、このような状態を招くのは何故でしょうか?

管理人が怠慢だからでしょうか?管理費が足らず、管理会社が十分に能力を発揮していないためでしょうか? 最近は所有者の意識が変わり、比較的よい管理がなされるマンションが増えていると聞きます。

しかし、築30年以上の古いマンションの中には、賃貸比率が高くなって所有者不在の部屋が多いために管理業務が円滑に進まないという声も聞こえて来ます。

ともあれ、重要なのは所有者・住民の意識にあります。管理組合がいかに素晴らしい提案をしても、実施の決定をするのは管理組合です。

日常の管理、長期的な改修工事など、共用部も自分の住まいとして「機能と美観を保とう」とする所有者・住民意識がカギを握るのです。

ちょっとした差が長い間に大きな差となるとも言われます。ゴミを拾ったり、気付いたことを管理人に知らせたり、組合の役員に提案したりといった行為を通じて、我が家の心地よい空間を維持して行くことは大事なことです。

筆者はご縁のあった方には、「マンションを買ったらできるだけ管理に関心を持ち、管理組合の役員になるなど積極的に関わることも大事ですよ」とよく話します。

●美観保持にに役立つ植栽

 建物は時間が経過するほど劣化して行きます。時間が経つほど魅力を高めるような工夫も重要です。お分かりと思いますが、生長する自然を取り込むことで、年月の積み重ねをプラスに換えて行くことが可能なのです。

マンション敷地内の緑地スペースが広いほど、建物の劣化を相殺する形で樹木が生長して行くことが望ましいと言えます。シンボリックな大木だけでなく、敷地を囲むように中・大木が育つと目に優しいというだけではなく、マンションの古さが目立たず、全体が美しく、価値あるマンションに見えて来るのです。

具体的な物件名を挙げるのは差し控えますが、都区内だけでなく、まるで森の中に建つマンションといった風情の物件が結構あるのです。

前にも本ブログに投稿したのですが、一部を転載します。

注目したいのは、「緑地率」または「緑被率」です。

これが30%以上あれば、敷地は緑で覆われた印象が強く伝わって来ることでしょう。オープンスペースが60%のマンションなら、半分は緑地ということになるからです。

現実は、こんなに高い緑地率の物件は少ないものです。営業マンに尋ねてみて(把握している営業マンは少ないが)、回答が20%以下であるとしても、部分ごとの(庭園なりプレイロットなりの)の広さを聞き、それがどの程度のものかを想像してみることが大事です。

新築マンションは物件ごとにHPが公開されていますが、そこには「トップ」「間取り」「設備仕様」「物件概要」などと並んで「ランドスケープ」というページが設けられています。

敷地配置図という表現のHPもありますが、そこには「敷地があって、その上に建物がどんな形で配置されているか、エントランスがどこにあり、駐車場はどのように配置されているか、庭園や緑道がどこに、どのくらいの割合を占めているか」などがおおよそ分かるように描かれています。

パンフレットにも同様の絵が載っています。

しかし、どちらも図面そのものが大きくないので、それぞれの大きさ(広さ)がどの程度か実感するのは困難です。東京ドーム何個分という表現をよく聞きますが、こうした比喩がないからです。

畳100枚分の広さなのか、住戸100戸分の広さなのか、バスケットボールのコート1面分?それともテニスコート2面分? こうした表現を見ることはあまりありません。

〇〇㎡の庭園、既存樹〇〇本といった表現はたまに見ますが、多くは部分のパース(完成予想図)を展示するだけです。

立ち話をする住民の姿を書き込んだ庭園風景、子供たちが走りまわる姿の入った敷地内公園、高木の間を縫う敷地内通路を夫婦で歩く姿、こうしたパースが代表的なものです。

こうした絵や図を見て想像力を膨らませるのです。ただし、ここは少しシビアに見つめたいところです。こうした共用空間の実際の大きさを是非とも想像して「〇〇と同じくらい」と頭の中で描くのです。

敷地内に分散する緑地の合計面積で緑化比率を把握することより、そこに実際に立ったつもりになって、視界に入る緑の量がどのくらいかを想像することが大切なのです。

そうして、猫の額の庭園や植栽ではなく、極端に言えばマンションを包み込むような緑地であれば最高です。それこそが大きな差別感につながるからです。

わが家の差別化としての豊富な植栽、豊かな緑は、マンションの資産価値を高める大事な要素になり得るのです。


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2016年3月の首都圏マンション(新築) 価格 上昇続く [マンション市場]

不動産経済研究所が昨日発表した「3月の新築マンション発売動向調査」によれば、価格上昇傾向が続いています。・・・・ 2015年1年間の動向は、前年比9.6%(専有面積3.3㎡単価で)も上昇しましたが、その流れは変わらず、前年同月比8.9%という高値となった模様です。・・・・・・ 2月は、前年同月比で2.8%アップと幾分上昇率が鈍化したかに見えましたが、そうではなかったようです。・・・・・・・ 発売戸数は2693戸で、前年同月比40%も減少しています。また、1物件あたり16.5戸と、相変わらずチビチビと売り出しています。・・・・・ 発売戸数を少なくしても、その契約戸数は少なく、3月の契約率は67.6%と好不調の分岐点と言われる70%を割り込んでいます。昨年9月以降の7か月間で、70%割れは5回になりました。・・・・ 2012年頃から好調に推移して来た新築マンション販売は、確実に悪化トレンドを示しているのです。・・・・・ それにしても、発売戸数の少なさ、つまり品薄状態は、買い手にとって選択の余地は狭く、決断の難しい環境にあると言えましょうか。・・・・ 「価格は高く、品数は少なく」、これが現状の新築マンション市場となっています。・・・・・・・・・・・

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駅直結マンション。価格の限界値 [マンションの資産価値]

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

たまに売り出される駅直結マンション。その価値について考えてみました。

駅直結といっても、その形は複数です。

多いのは、ペデストリアンデッキで結ばれたものです。信号待ちなしでマンションの玄関まで辿り着ける絶好の条件です。しかも、ペデストリアンデッキには、屋根がかけられており、雨が降っても傘なしで駅まで行き来できるのが普通です。

ただし、横殴りの雨が降ると全く濡れずに移動できるわけではありません。

さらに、改札からマンションまで5分もかかる長いペデストリアンデッキ利用のケースもあります。

これだと、駅直結でなくとも、地下鉄の出口を地上へ出ると目の前に建つといったマンションの方が値打ちはあるかもしれません。

これに対し、駅から地下通路を含む完全閉鎖型の通路をつたってマンションの玄関に出られるものが見られます。このケースは、改札から2分とかからない近さを誇っているものが多いのです。

駅直結マンションは、上記のように程度の差はあっても価値あるものが多く、中には二度と得られないと思われる優れた条件の物件もあります。


●駅直結マンションの需要層

駅直結マンションの買い手で特筆できるのは、駅からバスや、徒歩でも15分以上の時間を要する立地の一戸建てに住むシニア層だそうです。

彼らは、子供が独立して以降、大きな一戸建てを持て余しているのでしょう。しかも、慣れているとはいえ、日々の買い物に行くにもバスを利用しなければならない不便さから脱出したいという動機が見られるようです。

邸宅街として有名なある駅で観察していると、レジ袋を提げた婦人が次々とタクシーに乗り込んでいます。タクシー代の負担をさほど感じない階層なのだろうと想像できます。

マイホームのためのローンは完済し、日ごろから便利な駅前マンションに住み替えたいと機会を窺っていたのかもしれません。駅直結と聞き、たまらなく魅力を感じて、ためらいなく購入を決め込む人たちです。

一戸建てからの住み替えシニア需要層は、郊外都市でもあるようで、これまでもJR立川やJR柏、JR武蔵浦和、京王線・調布、東急線・武蔵小杉、西武線・大泉学園といった駅直結・駅前マンションで顕在化したようです。

駅直結マンションは、その価値ゆえに同駅圏の一般マンションに比べれば飛び抜けて分譲価格も高いのですが、彼らには問題ない価格だったというわけです。


●価格が高過ぎるゆえの販売不振マンションも

23区内でも、都心・準都心で駅直結マンションは稀に誕生します。最近の例を思い出すと、東池袋、大崎、京急蒲田、月島、勝どきといった立地です。

価値が高いにも関わらず、売主は自信たっぷりの販売姿勢を見せます。そして、多くの駅直結マンションは成功裏に終わります。

ところが、稀に完売まで時間のかかる例も見られます。その原因を調べてみると、多くは「価格の高さが度を越している」ことに気付きます。

単価が高いので、面積次第では億を超える総額となる住戸が多数誕生します。価格が高ければ高いほど購入可能な買い手の数が少なくなります。この数が売り手の予測(思惑)と違ったわけです。

「この地でこの価格(例えば150㎡で1億5千万円)の住戸に手が届く買い手は、あっても3人くらいだろう。そこに10戸の億ションを設けたら何年も売れずに残る億ションがあって当然」?――筆者の判断では、そう思うケースもあるのです。

稀少価値の高い駅直結マンションといえども、東京中から多数の買い手を動員できる立地と限られたエリアの中から僅かな数しか動員できない立地のマンションと分かれます。その差が販売結果に表われた事例です。


駅直結マンションは、例外なくタワー型になっており、眺望価値の特に優れた上層階を「プレミアム住戸」と名付けて室内のスペックも特別なものとし、特別な価格で販売します。

プレミアム住戸を購入する階層は、下層階との価格比較など一切しないか、したとしても「高い」ことにむしろ満足感を持つような傾向があります。プレミアム住戸は、単価も平均を大きく上回るうえに、面積も特別なので総額も特別な価格となっています。

しかし、そのような買い手の数は限られます。いずれのケースも、売り出し戸数に対する需要量が十分でなかったために売れ残ったと言えます。



●価値に見合う価格なのかが問題

多くの駅直結マンションは、周囲の競合マンションに対し圧倒的な価値の差をつけているので、プレミアム住戸以外の価格も別格の高さになって当然と言えます。しかし、中には「高過ぎる」と感じるものもあります。

それでも完売に長い時間を要することなく売れてしまうことがあります。

駅直結に限らないのですが、新築マンションの販売時は、ともすると実質の価値を超える価格であっても売れてしまうことがあるのです。 顧客動員を一定期間に集中させることによって「熱気」と「顧客同士の競争ムード」を演出するためです。

人間の心理には、「大勢の人が支持するものを良いものと思い込む」傾向があります。そこに「買いたい熱気」が加わると、我を忘れてしまう買い手もあるものです。人気の駅直結マンションは、モデルルームが熱気に包まれており、その雰囲気は独特です。

そのような販売現場にいて、抽選になりそうと聞くと、ますます購買意欲に火が着きます。

こうして、売り手の巧妙な販売戦略に乗せられた多くの買い手が購入意思を表し、抽選に臨むというわけです。


しかし、人気の駅直結マンションも中古マンションとなったとき、期待はずれの価格になってしまうことがあります。売り出し価格を高くしても、直ぐには買い手が決まらず、やがて価格は下方圧力がかかります。

新築マンションのような大々的なキャンペーンも行われることなく、言わば、その他大勢のマンションと同じ店頭で同じ高さの棚に並んだ駅直結マンションは、買い手の冷徹な比較の結果から得られる「適正」な価格に落ちつくものです。 

勿論、稀少価値が高いので周辺の普通のマンションに大きな差をつけることでしょう。ただ、購入価格からの変動率という視点では、予想外ということがあるのです。

そうなるのは、ほかでもない、購入価格そのものが価値以上に値付けされていたからです。

分譲価格が実質価値の何割高までが適正なのか、それを判定する法則はないのですが、あまりにも高い、そんな印象を受ける物件もあるのは事実です。

ともあれ、価格の高さをどこまで許容するか、高値を受け入れられる限度はどのあたりか、その検証は必須です。

まあ、それでも「期待し過ぎ」を自制しておけば売却時に失望はしないでしょう。駅直結マンションは、得難い価値を持つものです。築年数を重ねて行っても、その希少価値が陰ることはないからです。


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マイホーム実現を阻む5つの性分 [マンション購入アドバイス]

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

このブログの読者の中には、既に購入を決めた方、そして入居も果たした方も多数いらっしゃるようですが、過半はこれから購入しようという方と推測しています。

そんな中、購入チャンスが何度もありながら買いそびれて来た方も少なくないようです。

買えなかった原因はいろいろですが、中に自分の性格にあると自己分析している方もあります。

今日は、マイホーム実現を阻む性分についてお話ししようと思います。5つに分けて解説します。


1.妥協できない頑固な性分

世の中には「分ってはいるが自分を変えられない」という頑固な人も少なくないようです。

その昔、筆者が上司から教わったことで、印象に残っている言葉のひとつに「どちらでも結果が同じと思えるなら相手(同僚や上司)の好みの方法に黙って従え」というのがあります。

「自分は右を行きたいと思っても、相手が左を行きたいなら、自己主張を止めて相手の望む左の道で目的地に向かいなさい」という、人間関係の円滑な保ち方についての教えでしたが、筆者が我を張るタイプの性格であることによる弊害に気づいて諭してくれたものでした。


「ある意味の我を張ることは悪いことではないが、ともすれば無理なことまで自分の意見を押し通そうとしてしまう。周りが正論をもって対抗して来ても意地になって自己主張を曲げないような頑固さは命取りになりかねない」――若いころ、こんなふうに厳しく叱咤されたものです。

性格は中々変えられないものですが、マンション選びの障害になる性分「頑固一徹」について書こうとしたとき、何故か遠い記憶がよみがえり思い出し笑いをしてしまいました。

さて、頑固な性分はどんな障害をもたらすのでしょうか?

「100%希望を満たすのは無理。希望条件に優先順位をつけよう。優先点、妥協点を明確にするのが成功の秘訣だ」と自分に言い聞かせた人があります。

ところが、「妻は買い物やグルメも大事、自分は通勤が最優先」などと意見(希望)が分れてしまいました。古い道徳でいうところの賢妻は夫の意見に黙って従うのかもしれませんが、いまどきの夫婦の関係は昔と違うのでしょう。

夫婦どちらも頑固な性分となると悲劇的です。そんな夫婦は滅多にいないかもしれませんが、どちらの意見・希望も満足させる物件には滅多に出会うことはないので、3年も4年もモデルルーム巡りをしているという夫婦もあるのは事実です。

仮に、頑固な性分が夫だけで、妻は夫に従う姿勢でいたとしても、肝腎の夫の自己主張が強く、本当は理想が高いだけなのですが、100%のマンションなんてないよと言いながら、「でもここだけは譲れない」と、その条件が多数にのぼる自分に気づかない人もあるのです。

妻の意見にも耳を貸すとともに、頑固に守る部分と妻に譲る部分をうまくバランスさせることが成功の秘訣なのかもしれません。


2.整理下手な性分

一世一代の大きな買い物をするのだから失敗したくないと書物を買って読み、インターネット上の様々な情報を仕入れて勉強している人は、マンション購入者の中の大多数のはずです。

しかし、実はそこに落とし穴があるのです。

多くの専門知識を身にまとい、業界用語にまで通じている人がいます。無論、市場の状況も下手な芸業マンも形無しなほどに知っています。10件も20件も、最新の物件情報に関して細部にわたり把握していたりするのです。

マンションに関する知識と情報に通暁しているのに(と、本人が思っているのに)、いつまでもゴールに達しないで、そのうち機会を失ってしまう人は少なくありません。

(自分もそうかもと感じる方には、筆者が提供する「未公開資料シリーズ」のNO.37「勉強のし過ぎで買えなくなる罠」と「その脱出法」がお勧め)
  
このような人の失敗の原因のひとつは、「知識と情報の洪水をかき分ける能力」か「情報整理が上手でない性分」にあるのだと思います。

言い換えると、頭でっかち状態になっていて、「私は何でも知っている」を力に換えられない性分なのかもしれません。

数年前から「断捨離(だんしゃり)」がちょっとしたブームになっています。 断捨離とは、不要なモノなどの数を減らし、生活や人生に調和をもたらそう とする生活術や処世術のことだと聞きます。

マンション選びの場合に置き換えれば、たくさんの知識と情報を取捨整理することが後悔しない選択の基礎的な条件ということなのでしょう。

世の中には、教養は豊かだが、それを人生にうまく活かせていない人がいると聞きます。それと同じなのでしょう。何でも知っている割には、いつまでもマンション選びができないでいるのかもしれません。



3.過度の心配性

過度の心配性が行動にブレーキをかけてしまう。そんな性分を嘆いている人もあります。

「ここに住んだら新しい友人はできるのか?」「買物や交通の便が悪くなるんじゃないか?」と引っ込み思案になっている人。

「30年もの長いローンを組んで大丈夫かしら」と、毎月の支払いから夫の突然の病気、子供の公立高校不合格、デフレ、天災と、あらゆる悩みを抱えモンモンと抱え込んでしまう人。

掘り出し物件かもしれない優良な物件にせっかく遭遇しても、「手抜きしているに違いない」とか「なにかワケありに違いない」と不信感ばかりが先に立ち、トンビに油揚げをさらわれてしまう人。

完成済み物件を何件も見学し、小さなキズや汚れが気になって、いつまでたっても買えない人。

こうした性分は批判すべきものではありませんが、解決策を見つけないと中々ゴールには達しないでしょう。


4.行動力に欠ける性分

「思い立ったが吉日」や「善は急げ」という諺がありますが、マイホームを購入するという行動は、自分と家族を幸せにするためのもので、いわば「善」です。「善」を行うのに、暦を見ながら動くような行動はいかがなものか、「善は急げ」であるし、「吉日は今日」なのではないかと思うのです。

しかし、反対のことわざには「急いては事を仕損じる」があります。大きな後悔はしたくないので、慎重に進めようとしてタイミングを逃してしまうのです。

慎重に事を進めることと、ゆっくり行動することとは意味が違います。慎重でありながらも、可能な限り急ぐ、その行動力が大事だと思うのです。

結果的に見送るということになるかもしれません。大事なことは、結論を早く出すための行動、すなわち調査や思索、相談といったものを素早く実行に移すことにあるのです。



5.決断力に欠ける性分(優柔不断)

マンション選びの最終段階は「決断」です。

調査も十分にした、家族との相談も何度か重ねた、理想的な物件とは思えないが、自分たちの力では限度と言える物件だ、資金的にも問題はない、あとは自分の決断だけだ。このような状態に達したとき、「本当にこれでいいのだろうか」と、しばし思い悩むことがあります。

これは誰にでも訪れる瞬間と言えましょう。違いはここからです。

十分な検討過程を辿って来たので、1回か2回は反芻するものの、短時間で結論を出せる人、何度も何度も行きつ戻りつしながら決断できないでいる人に分かれるのです。

妥協できない性分であり、整理下手な性分も持ち、過度の心配性の側面もあるし、行動力にも欠ける自分が、ここまでよく辿り着いたものだと感じつつ、営業マンに促されても「あと1週間、待って欲しい」と言ってしまう。そんな人もあるようです。


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筆者の仕事は、マンション選びにとって必要な知識と情報を「整理術」を駆使して提供することだと考えています。

過度の心配性の人であっても、行動力に欠ける人であっても、その性分なりに必要な指針を探し、決断のお役に立ちたいのです。

決断に影響を与えるとしたら(そこまでのぼせ上がっているわけではないのですが)、購入を勧めるにしても、止める方向の意見を述べるにしても、責任は重大ということになります。

ゆえに、「無料マンション評価」であっても「無料相談」であっても、一切の手抜きなしでサービスを提供して来ましたし、今後もその姿勢は変わらないと思います。なぜなら、それは筆者の性分でもあるからです。


 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室 (http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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