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中古マンションの価格上昇が止まりそう。新築は? [マンション市場]


価格上昇が続いていた中古マンションの転換期はいつ頃になるのか、注視してきましたが、ようやく先が見えて来た感じがしています。


昨年10月の「杭工事欠陥問題」の余波は「人の噂もなんとやら」で、すっかり消えてしまったようです。、そこは筆者の読みがはずれた部分でした。


しかし、「高値警戒感(観)」とでも言えばよいでしょうか? 「もしかして自分は高値掴みをしようとしているのではないか」という危惧を抱き始めた人が増えて来たようです。

つい先日も、ご相談者から「しばらく様子を見ることにしました」というメールを頂きましたが、これは最近なかったタイプです。

評価の低い物件と知ったとき、これまでは「別の物件を探します」というメッセージが主で、マンション探しそのものを休止するというのは数年ぶりのことです。

「価格上昇が急過ぎる」ことは、探索中の買い手に「値上がりの実感」を伝えるのでしょう。
中々良い物件に巡り合えず、探し続けて行くうちに、価格がどんどん遠ざかって行く感じがして来るらしく、「もうこの辺で手を打たないと・・・」と決断を迫られていた段階を過ぎ、「出遅れたらしいです。もう当分手が出ません」と変化して来たのです。


●値下げ事例も増えている?

半年前までの印象は「価格交渉すらできない」中古も少なくないというものでした。

少し前からは「価格交渉ができるようになった」のですが、最近は売主が強気過ぎると「あっさり去ってしまう買い手が増えている」ようです。その結果、市場に店ざらしになっている物件も多いのだとか。

そう聞いたせいだけでなく、WEBサイトに長く残っていると感じる中古物件が少しずつ増えている気がします。


●3月の調査では「中古マンション頭打ち」/5月も「都区内価格に天井感」

新聞報道でも、「価格が下げ渋って来た」と伝えています。価格上昇は続いているものの、上昇率は小幅になったというのです。

マイナス金利の導入で住宅ローン金利は過去最低をまたまた更新し、買い手の購買力を押上げています。さらに、英国のEU離脱ショックが長期金利を一段と下げる展開になっており、今後も「購入チャンスだ」と思わせる情勢は続くことでしょう。

しかし、既に十分な効果を示して来た住宅ローン金利が、価格の上昇分を吸収するレベルになるかは疑問です。

最近目立ち始めた郊外の大型マンション(新築)に関心を抱く一次取得の若年層に対して好影響を与えることは間違いないものの、都区内の比較的高額な物件には効き目がないだろうと思うのです。

もうひとつ付け加えると、「金利低下で購入は可能かもしれないが、高値掴みは嫌だ」という買い手心理が強まっている印象があるのです。

買い手の焦り気味だった購買態度は、慎重な購買態度へと転換を始めたので、これが中古マンションの売り手の強気に水を差し始めているに違いないとも思います。それが価格の下振れを招いて来たと推測しているところです。



●新築マンションの価格は下がりにくい

一方、新築マンションの価格動向はどうでしょうか?


結論を先に述べれば、構造的な意味で「新築は中古マンションより下がりにくい」のです。

中古の場合は、売れないと困る事情を抱える個人が少なくないはずで、内覧希望が中々ないということになると「仕方ないから売り出し価格を300万円下げましょう」などとなり、内覧者が来始めても契約に至らない状況が続くと、「価格交渉に応じましょう。〇〇までならOK」となります。

この間、およそ3か月から半年です。そのくらいのスピードで結論が出ないと困る個人オーナーは多いのです。

これに対して、新築マンションは値引き開始まで1年以上かかるのが普通です。値引きを決断する局面は、建物工事が完成し、入居が始まる前後のことです。

販売の開始は建物完成の半年以上、1年くらい前、早いものでは2年も前なので、値引きの開始までには長い時間を要するのが普通です。

さて、現状はどうでしょうか。

既に値引き販売に踏み切っている例も散見されますが、全体的な傾向を示すものではないと見ています。売れ行きは、絶対戸数で見れば減っているので、好調とは言えないのですが、業界各社は在庫調整を図りながら、言い換えると売れ残りを悟られないように小出し戦法の販売を続けています。

幸か不幸か、新規供給戸数はこの数年、大きく低迷しています。そのおかげで、価格高騰で減少している需要とのミスマッチには至っていないのです。つまり、苦戦しながらもなんとか所定期間内に完売を達成しているわけです。

そうは言っても、うまく行かない物件もあるのは事実で、それが最後の手段で値引き販売に踏み切るというわけです。

最後の手段の値引き販売は水面下の作戦なので、調査会社が集計する価格データには反映されません。あくまで定価ベースの集計だけが公表されているのです。

いまのところ、明らかに価格が下がったという統計数字は見られません。販売に苦戦する事例が増えて来れば、定価自体を下げる物件も少しずつ現れ、それが全体の「高値安定」「高止まり」という分析結果をもたらすかもしれません。しかし、下げに転じる段階はまだ先と見ています。


●物件全体の価格見直し事例も僅かに見られる

ご存知の読者も少なくないと思いますが、新築マンションは価格を伏せたまま「予告広告」によって集客し、商談の中から適切な販売価格を探ります。適切と言っても、それは売り手の論理の中でのことで、一定の利益を確保したうえでの住戸間調整に過ぎないのです。

言い換えると、住戸ごとの価格のバランスをとるためのリサーチ期間を設けるのが業界の慣習になっています。

「決定ではなく社内資料です」と断りながら、「ここは〇〇〇万円の予定です」と客に提示し、反応を見て、人気薄の住戸を下げ、下げた分を高人気の住戸に積み増しするという作業を行うための期間が必要なのです。

ところが、最近は上げる住戸はなく、殆ど下げる調整になったという事例が出ているのです。この決定は、当然のことながら利益を圧縮することを意味します(例外もありますが)。

分譲マンション事業の利益率はもともと大きくはないので(額は大きいですが)、市況の変化で価格戦略を見直すというのは簡単ではありません。

土地を仕入れ、開発を行い、商品化を進め、厳しい建築予算の中でゼネコンと請負契約を結んで着工。そして販売開始。ここまで、小さな物件なら半年か1年ですむかもしれないのですが、大型になると2年、3年を要します。

苦労して生み出した商品の販売利益が、計画から大幅に縮むなどというのは事業主にとって忍び難いことです。

予告広告で集客を図り、プレセールス活動をしてみたが反応が悪い。そんなとき、「この価格では売る自信がありません」とは現場の社員からは言い出せないものであり、仮に「厳しい」ことをアナウンスしたとしても、少ない利益を全部吐き出すような決定にはならないものです。

利益計画を見直しせざるを得ないとしても、下げ幅は小さく、売主は当初の計画通りに進むしかないのが実態なのです。

従って、新築マンションはスタートしてしまうと価格は下げることが難しく、土地を高く買ってしまったりすると、もはや事業を凍結するほかなくなります。そのうえで、新たに安い土地を探して再出発するという道を選択するのです。

勿論、抱えている案件全部を凍結したら、販売商品が枯渇してしまい経営が成り立たなくなるので、高いけど何とか売れそうなもの、少し利益を削って価格調整すれば売れそうなもの、などと分類しながら販売活動を続けます。

このような舞台裏は、やがて「価格の高止まり」へ、次に「価格の低下」、そして「価格の安定(底値)」へとトレンド転換を強いるのですが、その時間は急激なものではありません。ざっくりと言えば、高止まりに1年、価格低下局面を経て安定期に達するのに2年か3年といったイメージです。

新築マンションは中古に比べると値動きは遅いものだと知っておかれるとといいでしょう。


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バリアフリーに改造できない中古もある [中古マンション]


ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

30年以上前の中古マンションには、バリアフリーになっていない建物が多数あります。

玄関の靴脱ぎ(三和土=たたき)と玄関ホール・廊下のレベルが最近のマンションなら数センチ(cm)ですが、古いマンションの中には階段一段分(約15cm)廊下の高いものが普通です。

廊下は靴脱ぎ部分と数センチと抑えられているものでも、廊下から洗面所に入るときには15cmの高さを上る形になっているのです。

洗面所の床を高くしなければならない理由はどこにあるのでしょうか? 配管の床転がし(床の上を通すこと)が必要だからです。

細かな説明は割愛しますが、浴室の排水を考えてみてください。浴槽の水を全部きれいに排水しようとすれば、排水口は底に設けなくてはなりません。どこの浴槽でも実際にそうなっているはずです。

底にある排水口から浴室(ユニットバス)の床下に設けた排水管をつたって排水竪管(たてかん)にジョイントされるのですが、床下の排水管はL字型になっています。一旦、浴槽の真下に水は落ち、そこから次は横引き管を通って共用の排水管(竪管)から地下の下水管へ向かいます。

この横引き管を通す空間がどうしても必要になるので床を上げるのです。 横引き管は勾配も必要なので、床の上げ寸法も排水パイプの口径分では足りません。

洗面室の床を上げずに竪管につなぐことは不可能ではありませんが、その場合でもバスユニットの床下の空間だけは不可欠なので、洗面所と浴室の段差は解消できません。

本題から少し遠ざかってしまいますが、最近のバリアフリーマンションは排水問題をどのように解決しているのでしょうか? 廊下と洗面所間、洗面所と浴室間、どちらもレベルはゼロになっています。その構造はいったいどうなっているのでしょうか?

答えは簡単です。コンクリートの床をつくる段階で、洗面所と浴室部分の床レベル自体を下げてしまうのです。廊下より洗面所の方を低く作るので、廊下とレベルを同じにする形で木質系の床を張ると、丁度その下に配管を通す空間が出来上がります。

施工の順番は違いますが、こうしてできた床下に排水横引き管がやすやすと通せるというわけです。

ついでに紹介してしまいましょう。リビングルームや寝室の天井高は2500ミリあっても、洗面所の天井高は2200ミリなどとなっていることをご存知かと思いますが、その理由は上階のコンクリートスラブが下がっているためです。

超高級マンションの場合は、コンクリートスラブもオールフラットで、かつバリアフリーになっています。これは、階高(かいだか。上下階の寸法)が一般マンションより高いので、室内全体の床を自由に上げ下げして高さ調整ができるからです。


話を本筋に戻します。

古いマンションでリノベーションを検討する際、バリアフリーは諦めた方がよいと思った方がよさそうです。 全体の床を上げれば可能ですが、超高級マンションのように階高に余裕がなければ全体が天井の低い家になってしまいます。

どうしてもバリアフリー化したい人の究極の策は、天井を張らず、コンクリートむき出し、せいぜい塗装仕上げにすることです。

天井裏は電気配線があり梁が通っているので、見映えはとても悪くなります。飲食店によく見られる内装を思い浮かべてみればお分かりいただけるでしょう。マンションの場合、お勧めできるマンションは殆どないはずです。

中古物件を内覧したとき、注目したいのは床段差です。
基本的に竪管の近くにある水回りの位置は大きく変えられないのですが、向きを少し変えることは可能なはずです。

しかし、バリアフリーになっていたら、コンクリートスラブが落ち込んでいる部分の範囲でしか浴室が設けられないですし、キッチンの排水にも影響する場合があります。

バリアフリーでない(段差のある)物件をバリアフリーに改造することは諦めなければならないのです。

古いマンションの場合、床段差は、?玄関の靴脱ぎ部分と廊下、②廊下と洗面所、③洗面所と浴室、④稀に廊下とリビング・ダイニング(リビング・ダイニングの方が低い)の4か所、そのどこかにあるのです。

段差がないように見えても、リノベーションが思う存分できるわけでもないということを覚えておかれるといいでしょう。


 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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デベロッパーの姿勢に失望。そんな間取りを何故つくる? [マンションの間取り]

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長年マンションの設計企画に携わった筆者は、浮かんだアイディアを随分実現して来たという密かな自負があります。 実用新案特許を取ればよかったのにと惜しんでくれる知人もいましたが、それはともかく、アイディアの多くは「間取り」に関するものでした。

その中には、定番になったものも複数あります。プランを練ることが仕事の一環であっただけでなく、好きな作業でした。

そんなキャリアから、今も間取りには関心を持ち続けているのですが、作り手には失望ばかりです。最近は「いい間取りだ」と感じる物件を見ることが殆どないからです。

無料の「住んで気づくダメ間取りと名作間取り・特選50」は、最もオーダーが多い資料ですが、そこに住み手・買い手の関心の高さを見て取れます。

ともあれ、今日は「デベロッパー」と「設計士」に届けと願いながら本稿を書いて行こうと思います。


●玄関横にエアコン室外機を無造作に置く

内覧会の立会いに出かけると、たまに見かける「エアコン室外機隠し」の配慮にほっとすることがあります。

玄関脇のポーチ部分に、何の囲いも区画もなく、無造作に「室外機はその辺に据えて下さい」とでも言いたげな様に失望させられることが多いからです。

リビングルームやバルコニーに近い方の個室の場合、エアコンの室外機はバルコニーに設置するようになっていますが、玄関側の個室(通常2室)の場合は、外廊下に置くしかありません。

置き方は、個室の窓の高さに合わせて花台を設け、その下部とするのが普通です。こうすることで、室外機を視界から遠ざけることができるからです。

さらに進んだ形もあります。室外機は排気口の部分をオープンにしておかなければ機能しないため、完全に箱で隠すことはできませんが、一面を格子か柵にすれば、コンクリートの箱の中に置く形は可能になります。

室内が出窓のようになっていて、外へ回って見ると、出窓の下にエアコンの室外機が見え隠れしている形のマンションもたまに見かけます。

昔は、そのような配慮が当たり前だったのですが、いつの間にか新築マンションの企画から消えてしまいました。


●主寝室のプライバシーに無配慮

これは過去に書いたのですが、共用廊下側の寝室(玄関横の寝室)二つのうち、ひとつは主寝室である場合が多いのですが、窓ガラス一枚を隔てた向こう側を誰かが遠慮なしに通行します。

寝室にいると、通行人の靴音が聞こえて来ます。その点に無配慮なプランが当たり前のように世に出ます。

二つあるうち、片方が廊下から少し引っ込んだ位置に窓面を設定した例をときおり見かけますが、そのケースも残念ながら子供部屋の方であって、主寝室ではないのです。

昔は、廊下と主寝室との間に何らかのバリアーや緩衝空間(吹き抜けなど)を設けたプランが普通でした。いつの間になくなってしまったのでしょうか?



●昼でも照明の要る部屋が二つある3LDK

タワー型マンションには、真北を向く住戸が当たり前のように設けられます。南向き信仰の厚い日本で北向き住戸が定着したことに意外な感じもするのですが、北向きでも良しとして購入する人の心理は、窓が大きく開放的、立地によっては眺望がすばらしいということのようです。

後押ししているのが割安な価格にあるのですが、それにしても、抵抗が小さいのは北向きでも意外に明るいと知ったからではないかと筆者は推測しています。

北向き住戸は当然ながら直射日光はないわけです。しかし、窓が大きく開いていると外光は存分に得られるのです。反射光というのでしょうか?科学的な説明はできませんが、北向きでも窓が大きければ、日中に照明は要らないものです。

ワイドで高さも十分な掃き出し窓のあるリビングルーム、個室の高窓もワイドであれば、ともに明るく快適な住まいとなるのです。

ところが、南向き住戸の北側個室、つまり玄関横の個室はどれを見ても暗く、昼間でも照明が必要です。言うまでもなく、窓が最小面積しかないからです。最小とは、法的な採光基準を満たすだけの面積しかないという意味ですが、個室のワイド寸法が狭いため、大きくしたくてもできないのです。

マンションの1住戸の長方形をイメージしてみてください。廊下側のワイド寸法(間口)は、縦方向の寸法より短いうえに、玄関を間に挟むので、両脇の個室のワイドはどうしても狭いものになります。

もっとワイドスパンにできないものか、ワイドスパンになれば北窓もワイドになって、昼間から照明などなくても過ごせる部屋になるのに、何故それができないのでしょうか?

答えは簡単です。羊羹を切るように住戸の形を決めてしまうからです。敷地の形状によって建物の形は概ね決まって来るのですが、筆者が見る限り、「こうすればできるのに」と思うケースは少なくありません。

それでも、敷地配置図面に羊羹を先ず置いてしまうのは、そうする方がコスト面で有利だからです。

ワイドスパンの住戸で構成しようとすれば、羊羹の形は変形してしまいます。建築コストは、形状が複雑になるほどアップして行きます。

設計士は、敷地形状を見ながら、コストを抑えつつ良い間取りを創ろうとします。しかし、最後はコストありきの平凡なプランになってしまうのです。

建築費が高い現況では仕方ないということなのでしょうか? 筆者はそう思わないのです。建築費の予算は、バブル期を除くと、いつの時代も潤沢ではなかったのです。コストと戦いながら、いかに優れたプランのマンションを作るか、それがプロフェッショナルというものです。

髙くては売れない立地条件のプロジェクトもあるでしょう。しかし、髙くても良いプランを立案すれば売れる立地条件のプロジェクトもあったはずです。

デベロッパーは、ユーザーに対して「より快適なマンション、より心地いい住戸」を提供するのが使命だと思うのですが、然るに、コストの壁に跳ね返されて退歩してしまったプランニング。この現実を業界人はどう考えているのでしょうか?

幸か不幸か、マンションという商品は、「立地条件」という価値要素が過半の比重を占めているので、建物プランで進歩がなくても市場価値を持ち、販売可能という特性を持っています。

だから、つい甘んじてしまう。そういうことかもしれません。しかし、それでいいとは考えていないと信じますが、「百点満点のマンションなんて存在しないのだから・・・」と買い手を説得にかかっているとしたら、傲岸不遜のそしりは免れません。


 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

★三井健太のマンション相談室は、マンション購入のお悩みにお答えするサイトです。

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そこで得られた知識は、良い間取りを選択するときやカスタムビルドの間取りを自らつくるときにも大いに役立つはずです。

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おまけ付き住宅ローン。注目は「夫婦連生団信」 [住宅ローン]

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近年、企業向けの貸し出しが増えにくい中、金融機関が最も力を入れて来たのが住宅ローンです。

住宅ローンを利用するのは個人なので、企業向けの事業融資のような焦げ付きが少なく、しかも長期でもあるので、安定収入源になるからです。

しかし、利用者の数は大きく伸びているわけではないので、貸手同士の競争は熾烈です。そのためのサービスは百花繚乱の感もあります。

金利そのものを引き下げるのが一番の競争力になるはずですが、それだけでは体力の消耗につながりかねないので、金利以外のサービス、すなわち「おまけ」が各種誕生しています。

その中に「夫婦連生(れんしょう)団信」付き住宅ローンという特別な団信について、調べてみました。

これは、夫婦二人で住宅ローンを利用する、いわゆるペアローンでの話です。夫婦ともに所得のある購入者は、ペアローンを盛んに利用しています。

団信とは団体信用生命保険の略ですが、通常の団信はローンの利用者本人が重度の障害や死亡によって住宅ローンの返済ができない状態になったとき、借入金を保険金で支払う仕組みです。

一般的には、夫の名義で住宅ローンを利用し、その夫が亡くなったりした場合には、生命保険が下りて債務がゼロになります。つまり、遺族には無借金の家が残されるわけです

ところが、ペアローンの場合は借り入れが夫婦それぞれにあるので、片方が死亡して債務がゼロになっても、他方の債務はそのまま残るです。

団信の保障対象となるのは、借入名義人だけなので、夫と妻それぞれが持つ自分の住宅ローンの金額分だけが保障対象になるからです。

それだけでも十分という家庭もあるかもしれませんが、残りの住宅ローンの返済は続けなければならないので、それが負担になる家庭もあるはずです。

そんなケースに備えて、住宅金融機構のローン商品「フラット35」では「デュエット団信」と呼ばれる夫婦連生団信を誕生させました。(正確には、保険会社が作ったのですが)

連生保険とは、一つの保険契約で、親子や夫婦のように2人以上を被保険者として保障する保険のことです。 例えば連生死亡保険には、いずれか一方の被保険者が死亡した時点で、死亡保険金が支払われ契約が終了する商品などがあります。

この連生保険に対し、被保険者が1名のものは単生保険と呼ばれます。



連生団信を利用すると、夫婦のどちらか一方の加入者が死亡または高度障害状態になった場合、住宅の持分や返済額等にかかわらず全額弁済されるので、住宅ローンの返済義務は残りません。

尚、2人分の特約料(団信保険料)は、1人で加入する際の特約料に対し約1.56倍なのだそうです。

2015年には、三井住友銀行からも連生団体信用生命保険付き住宅ローン「クロスサポート」という商品が出ています。

同銀行のHPによると、金利が0.18%アップするとあります。

他にもスルガ銀行、労働金庫などが「連生団信付き」ローンを扱っているようです。


●夫婦で借りる住宅ローンの形

順番が逆になりましたが、夫婦が協力して住宅ローンを組む形には、次の2タイプがあります。

➀ご夫婦で一緒に1つの住宅ローンを借りるケース。

夫の所得だけでは希望する金額を借りられないとき、妻の所得を合算することで希望額に達するという場合です。この場合、夫が主たる債務者、妻は連帯債務者という立場になります。

②ご夫婦それぞれで住宅ローンを借りるケース=夫婦ペアローン

夫と妻のそれぞれが個別に借入名義人となり、住宅ローンは2本立て(2本の契約)の形です。この場合、夫も主たる債務者、妻も主たる債務者という立場になります。

3,000万円のローンを組んでマンションを買うとき、例えば夫が2,000万円、妻が1,000万円の住宅ローンを別々に借りることをペアローンといいます。

夫婦はそれぞれに団信に加入することになりますが、先に述べた通り、通常の団信か連生団信かで保障範囲が変わります。通常の団信は、例えば夫が死亡したときは2000万円の債務がなくなりますが、妻の分1000万円が残りますが、連生団信付きの場合は3000万円の債務全部がなくなるのです。


●連生団信付き住宅ローンの検討課題

このローンのメリットを平たく言えば、自分は生きているのに、パートナーの死亡によって自分のローンまで債務なしになるという点です。

デメリットはないのでしょうか? 保険料(金利)が高いことだけでしょうか?

夫婦ペアローンにおいて、普通の団信に加入した場合は、夫が死亡したら夫の債務はゼロになりますが、妻の債務が残ります。もし、そのとき子育てのために妻が退職していて、収入がない状態だったら、妻に残っている債務弁済はつらいことになるかもしれません。

夫が交通事故に遭って死亡するなど考えてもみなかった。また、子供ができて一時は休職しても仕事は止めないつもりだったが、結果的に専業主婦になってしまった。このような「まさか」に備えるのが保険というものだと考えると、それぞれが団信に加入するだけでは不十分ということに気づきます。

その隙間を埋めるのが「連生団信付きローン」ということになります。保険料(金利)が少し高くなっても選択する価値はあるように思いますが、どうでしょうか?

三井住友銀行のケースでは金利が0.18%プラスとあるので、例えば5000万円のローンなら、年90,000円、月額7,500円(毎月少しずつ減額になる)ということです。4000万円なら毎月6000円です。


●ペアローンは不動産名義も共有になる

ところで、不動産は登記手続きが不可欠です。住宅ローンを組む場合は、銀行が債務者名義の購入マンションを担保に融資するのが普通です。

夫婦ペアローンで購入するマンションは、その登記名義も夫婦共有となるわけです。

例えば頭金と住宅ローンの合計で夫が3000万円、妻が同2000万円を用意してマンションを買った場合、共有持ち分は、調達割合によって5000分の3000対5000分の2000、すなわち夫5分の3(60%)、妻5分の2(40%)という比率で所有権登記するのが普通です。

これを単純に2分の1(50%)ずつの持ち分登記をしてしまうと、妻は夫から10%分(500万円)の贈与を受けたことになり、贈与税を課税されるという「つまらない」ことになるので注意しなければなりません。


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空室率3割時代。自宅の賃貸を考える [マンション購入アドバイス]

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「転勤になったので自宅を賃貸することにしたが、借り手がつかない」という悩みを抱えている人が少なくないそうです。

大手生保会社に勤めていた友人がいます。彼は勤務先の系列企業が分譲した一戸建てを購入して住んでいましたが、転勤になって家族ぐるみ転居したとき、聞いてみたら、留守宅は勤務先の生保が借り上げてくれたので心配いらないのだと言うのです。

他人事ながら心配だったのは、彼の家に遊びに行ったがとき、都心から随分遠いなと感じたためでした。こんな不便な場所で、借り手はあるのだろうかと疑問に思ったからです。

会社が借りてくれるということは、おそらく同じ転勤族に会社は貸し付けるのでしょう。

賃料その他の条件は聞き出すのを止めましたが、想像するに会社が出した条件は悪くないものだったはずです。そして、エンドユーザーとなる同社の社員は会社から安く借りることができる、差額を会社が負担する、そんな手厚い処遇策を生保は持っていたはずです。

この話は昔のことなので、今は条件も変わったか、借り上げ策自体が廃止されたのかもしれません。

しかし、優秀な社員を確保したい企業は、程度の差はあっても今も類似の福利厚生制度を採り続けているはずです。

さて、このような恵まれた企業に務めていない人は、転勤のとき、自宅をどう処分するかについて前もって考えておかなければなりません。

筆者に届くご相談メール、もしくは検討マンションの評価依頼のメールに付記されるのは、「転勤時に売りやすく、貸しやすいものを条件にしているのですが、この物件はどうでしょうか?」といったものです。

過日、新聞にアパートの空室率が急上昇という記事が載りました。それによると、首都圏ではアパート(鉄骨や木造の賃貸住宅)の空室率が30%を超えて35%に達したとありました。

鉄筋コンクリート造のマンションと一戸建ては含まない統計だそうですが、この30%超という数字に違和感を覚えたのです。「アパートの空室率って、そんなに高いの?」と思った次第です。

三大新聞や日経新聞の経済欄によく載るのは「貸しビルの空室率」で、景気の状態を測るひとつの指標として注目されていますが、空室率は2016年6月の発表では4.05%ですが、概ねいつも一桁台なので、アパートが30%超とは驚くほどの差です。

何でも、入居者を募集中のアパートの総戸数の内、空いたままの部屋の割合を示すデータなのだそうですが、これだけ空室が多いと、借り手の争奪戦は水面下で激烈なものになっているはずです。

アパート建設の受注競争も激しい昨今、差別化されたアパートを建てないと30年間の借り上げを地主(発注者)に約束する業者も大変なのだろうと想像してしまいます。

新規建設が続いて供給が増える一方で、借り手が増えない状態になったら、賃料も下がるだろうし、借り手が中々決まらないアパートも増えて行くのだろう。そんな心配もしてしまいます。

東京は日本全体のトレンドと逆行するように、人口の増加(社会増)が続いていますが、それでも空室が多いのです。

これはアパートの話ですが、広い意味での賃貸住宅も同様のことが言えるのではないかと思います。相続税対策としてのマンション建設がなくなったという情報はなく、おそらく今日もどこかで建設中のはずです。

分譲マンションも、何らかの事情で賃貸に回されるケースは少なくないので、トータルの賃貸物件は数限りなくあることになるわけです。

問題は、競争力です。ありふれた建物、立地条件のよくない物件は、当然競争力に欠け、賃貸市場で負けてしまいます。勝つには賃料を下げるしかありません。

一般論として言えば、賃貸マンションとして建てられた物件より分譲マンションの方が優れているはずです。とりわけ設備が違いますし、規模も大きいのでエントランス・外観を中心に豪華に見えます。

こうした差別感が賃料の低下を食い止めてくれるものです。しかし、分譲マンション同士の競争となれば別です。

建物のグレード感、設備の充実度などで優っている方が貸しやすいでしょうし、賃料も高く取れることでしょう。

建物は立派でも、立地条件が劣れば競争に負けます。賃貸マンションを探している人に限らず、東京の人は利便性優先派が圧倒的に多いのです。

分譲となると、ある程度の長さをそこで暮らすという前提なので、家族の成長も考慮して広さ・間数を条件にしますが、賃貸マンションの場合は短期間の仮住まい感覚なので、当座住める広さがあればいい、家賃も勿体ないし、などと考え「便利な場所」が何よりも優先される傾向があると聞きます。

勿論、例外もありますが、多くはこうだと思って間違いないのです。分譲では、最寄り駅から徒歩10分で70㎡が普通でも、賃貸では駅から3分で50㎡が普通になっているものです。

このようなことを考えると、我が家はいざというとき、貸しやすいだろうかという疑問が湧いて来る人も少なくないのではないでしょうか?

そうは言っても、駅近に70㎡を求めれば予算が足らないので、仕方なく駅から10分以上も歩く分譲を選択するしかないという人もあるでしょう。

しかし、可能な限り貸しやすい条件の物件を選択するようにした方がよいのです。貸しやすい家は、「売りやすい」に繋がる場合も多いのです。

最近、分譲価格は安いが駅から徒歩15分などという新規発売マンションも目立っています。広さを求めると、駅から離れた物件になるのも仕方ないという選択を理解することはできますが、よく考えてみることが大事です。

本当に、その広さが必須条件なのでしょうか?モデルルームに惹かれているだけなのではないか? いざ売るというとき、良い条件で売れる物件なのだろうか?あるいは貸せる物件なのか?このような自問自答をしてみることをお勧めします。


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「賃貸していたマンション」売却で気を付けること [マンションの売却]

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

マンションを資産形成のために購入する人が増えていると、いろいろな所から聞こえて来ます。

「サラリーマンやOLが老後のために」マンションを買うという話、富裕層が相続税対策やコレクター的に買うという話、円安も手伝って国際的な割安感が強まった日本の不動産を買うという中華系の外国人投資家の話などです。

それらをグルーピングすると、サラリーマン投資家をAグループ、富裕層の投資家をBグループ、そして外国人投資家のCグループになりましょう。

ABCのうち、最近シェアを伸ばして来たのがCグループであり、東日本大震災後のマンション市場を活性化させた一大勢力に成長していると見られます。

都心の国際的に有名なアドレスである六本木や赤坂、新宿、渋谷などに建つマンションを国際的に見て割安だということで躊躇なく購入する外国人投資家が中国や台湾、シンガポール、香港などに多数いるらしく、大手の不動産仲介業者を中心に海外に支店を開設して積極的な需要掘り起こしを図っているとも聞きます。

マンション価格上昇の一因と言われている彼らですが、実需でないところに危険がはらんでいます。価格が割安なうちは需要の拡大をもたらすでしょうが、価格高騰によって利回りが低下するようなことになれば投資熱は一気に冷めてしまうことでしょう。

需要が後退すれば当然ながら価格は下落トレンドへ転換するに違いありません。

今のところ、はっきりした方向転換の様子は見られないものの、波乱要因になって行くのは間違いないように思います。

さて、今日は、投資したマンションを売却すると、大きな損失を被るかもしれないという話をしたいと思います。


●賃貸したまま売るとき

投資したマンションを空き家のままにしておく人はなく、大抵は賃貸するはずです。

転勤のため賃貸中という人もありますね。

その賃借人付きマンションを売却すると、どのような問題が起きるのでしょうか?

居住者のあるマンションを購入する人は、投資家です。投資家にとっては、購入後ただちに賃料収入が得られるのですから、願ってもない好条件と言えます。

ところが、投資家の狙いは利回りの高さにあります。賃料は確定しているので安心感が持てるとはいえ、大事なのは投資効率です。

つまり、いかに安く買うかにあるのです。

売り手は高く売りたいと考え、買い手は安く買いたいと考えます。これは、投資マンションに限りません。

しかし、自己居住が目的の買い手の場合は、住みたいと強く感じる物件ならば、髙いと知りながら買ってくれる可能性があります。

利回りが低くても買ってくれる投資家があるとしたら、そのマンションは稀少価値がとても高く、得難い物件、例えばヴィンテージ物件や将来ヴィンテージになるかもしれない別格の価値ある物件に限られるはずです。

投資家の中には不動産コレクター的な人も少なくなく、価値あるマンションを複数保有し、保有していることに満足感を得ると聞きます。購入目的が曖昧模糊としていて、引き渡しを受けてから貸すか使用するかを考えるタイプです。

宝石に例えればダイヤモンドの輝き、そのような物件は価格がそもそも高く、賃料も高いが利回りで見ると大抵は低いものです。

こうした特例的な物件以外は、単純に価格の安さが投資家にとっての優先条件になっているのです。

買い手、すなわち売却のターゲットが投資家に限られるときは、高く売れないと覚悟しなければならないのです。

賃貸付きは得策とは言えないというわけです。


●空室にして売るとき

 
しからば、賃借人が転居し、空室になってから売り出したら高く売ることが可能になるでしょうか。住みたい人(実需客)も対象に加わることになるのですから、高く売ることが可能です。

ただし、ワンルームマンションは除きます。ワンルームマンションを自己居住目的で購入する人は、とても少ないからです。

昔は単身者が好んで購入したワンルームですが、2000年代に入ってからは金利の低下が購買力を押し上げたために、単身者も1LDKや2LDKを選択するようになってワンルームの人気は低下したからです。

ワンルームは投資家向けの物件と考えた方が正しいのです。

さて、投資家限定よりターゲットが広がった自宅マンションは、高く売れるかもしれません。 

高くという意味は必ずしも買い値を超える高値という意味ではありませんが、ここは購入価格以上で売れた場合に限っての話です。

例えば5000万円で購入したマンションを5000万円で売却することに成功したとしましょう。

正確には、取得費用と譲渡費用(仲介手数料など)を計算に加えることが必須なのですが、それらの費用も含めて利益(譲渡所得)はゼロだったとします。

ところが、税務上(計算上)、譲渡所得は発生してしまうのです。何故でしょうか?

賃貸中に不動産所得が発生したので、確定申告をして来たはずです。計算上マイナスの所得になった人も、損益通算によって税金の還付を受けられるので申告はしたはずです。

申告が何年かに渡っているとします。

不動産所得の計算は、賃料収入から経費(減価償却費・リフォーム費・金利・管理費・固定資産税・火災保険料・交通費など)を差し引き、その差額を出します。

経費の先頭にある「減価償却費」が注目ポイントです。減価償却費は、現金支出を伴わない経費だからです。

マンションの価格を土地と建物に分解し、建物部分について、簡単に言うと47年(税務上の耐用年数)で割って1年分の経費を算出します。建物代が4700万円であるとしたら、毎年100万円ずつ経費として計上できるのです。

仮に自宅を5年賃貸していたと仮定すると、500万円の減価となります。購入価格が6000万円だったとすると、5年後には建物価値が500万円減価し、土地の価値が変わらないとしたら5500万円の自宅と計算されます。

6000万円の自宅を6000万円で売却したのだから譲渡所得はゼロとはならないのです。そうです。500万円の譲渡所得が発生するというわけです。儲かっていないのに、です。

5年間賃貸していたが、購入したのは9年前だったとすると、5年を超えるので長期譲渡扱いになるのですが、ざっくりと言えば、所得税と住民税で100万円くらいの課税がなされるのです。

5年間、計算上不動産所得がマイナスになって確定申告したら所得税が還付されたという人も、5年後には納税義務が発生するかもしれないというわけです。

この話は是非覚えておきたいですね。


●自分で住んで儲けるのが一番

賃貸していた自宅に転勤から戻ったら、賃借人の退去を機に自宅へ戻りましょう。売るのはそれからがいいのです。

一旦住めば、「現に居住の用に供している不動産を譲渡」に該当することになります。この場合は計算が違って来るのです。

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があるからです。これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除といいます。

適用を受けるためには注意しなければならない条件もあるのですが、記憶に留めておかれるといいでしょう。また、この特例を使うと、次の住まいを購入する際に一定期間は「住宅ローン控除」が使えないことにも注意を要します。


詳細は拙著「住みながら儲けるマンション選びの秘密」に譲りますが、マンション投資は「貸す」ではなく「自分で住む」ことが一番効率的です。

最近、ワンルームマンション投資も盛んですが、これには魅力もある反面、リスクも高い部分が少なくありません。ここでは述べませんが、「森羅万象、何事も裏と表があるものです。メリットとデメリット、長所と短所がある」のです。

人それぞれに様々な考えがありますし、思惑や期待もあります。先行き不透明な現代、将来に備えて自宅以外にマンションを求めるサラリーマン投資家も多いようです。

しかし、思惑・期待は裏切られる場合が多いと考えた方がよいのかもしれません。筆者の経験でも「そんなに巧く行かない」のが現実と覚えておくといいかもしれません。


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15年経た中古。分譲価格の2割高と聞いて [中古マンション]

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

中古物件を購入すべく検討中の物件を調べているうちに、新築時の価格から500万円も高値で売り出しているという話を聞いて複雑な想いに駆られる買い手があります。

「いまいましさ」のような感情が湧いて来るというのです。

「15年も経っているのだから分譲価格より下がるのは当然なのに、どうしてこんなに高いの?強気過ぎでは?」と思うらしいのです。昨今の値上がり急な市況に嫌気しての腹立たしさのような心境から出た言葉とも受け取れます。

一方、自分が買うマンションの将来価格については値上がりしてくれることを望みます。

立場が変われば当然とも言えるのですが、この相反する願望は人間本来の通弊なのです。



●仲介業者のお節介

冒頭の「500万円も高値」という情報はどのように入手したのでしょうか?答えは簡単です。仲介業者の担当営業マンが、提携している調査会社に問い合わせて買い手に伝えたのです。

買い手が調べてくれと依頼して調べる場合もあるのですが、多くは営業マンが能動的に提供していると言われます。

営業マンいわく、「築〇〇年経っても価値が下がらない。素晴らしいマンションです」。そう言いたいらしいのです。

続けて、「だから、貴方が将来これを売却するときも価値が下がらない」とセールスしたかったと。

しかし、冒頭の感想は、逆効果になったことを指しているようです。余計なお節介だと言った買い手さんもありました。


●分譲時の価格を上回る価格になったのは、分譲時が安かっただけかも

買い手の中には、「本物件は分譲価格を上回る売り値がついた。それだけ価値あるマンションということを聞いて、そんな物件をわが手にできるのは誇らしいことかもしれません。しかし、その上乗せ額が妥当なものか」という質問を寄せて来た読者もあります。

次は、都区内のあるマンションでの疑念でした。買おうとしているマンションに関し、「価値がある」と聞いて悪い気はしませんが、「築12年の物件が分譲価格の3割高なんて、過大評価なのではないか」というお尋ねでした。
その質問者は、「この1年、中古は安いはずだと信じ、新築を諦めて中古を探して来ました。、ようやく辿り着いた物件なので、分譲時から30%も上がった」と聞いて、複雑な心境になったようです。
その事実をどう捉えたらよいのか分からなくなったのかも。筆者はそう感じました。

筆者は次のように答えました。

本物件が販売されたのは、2002年か2003年のことかと思いますが、その頃はバブル崩壊後の値下がりが止まった底値圏、つまり最も安い時期でした。

現状は、ご存知のように、価格急騰期(新築に連動して中古相場も急上昇)にあるので、中古の経年劣化分を勘案しても分譲価格より上の値が付く中古物件は多いのです。

ちなみに、2002年の23区の分譲坪単価は@211万円(70㎡換算4467万円)でしたが、2015年の坪単価は@326万円(同、6903万円)でした。新築マンションの値上がり率は実に54%です。 

一方、築10年超の中古は、調査会社の統計によれば新築対比で約80%です。新築と10年超えの中古を比べたら2割程度の差ができるというわけです。

新築が6903万円に上昇した現在、築10年超の中古は2割安が平均なので、5522万円(6903×0.8)になるというわけです。

5522万円は、分譲時の4467万円から見れば23%の値上がりです。新築が54%も値上がりしたので、中古も連動して値上がりし、結果的に分譲価格を上回ったという理屈です。

しかし、これはあくまで統計分析に過ぎません。どのマンションも同じ比率で値上がりするとは限らないのです。

築12年のマンションは、新築相場が12年後の現在も12年前と同じであるなら、2割ダウンとなるのです。しかし、物件によって1割ダウンに留まっている物件もありますし、中には新築相場を超える中古価値を持つ物件もあるのです。

マンション・不動産は個別の条件を無視して語ることはできません。ご検討マンションは分譲時の価格から30%も上がったそうですが、30%は平均を上回っているわけで、それが妥当かどうかは具体の物件をお知らせ頂き、調査をしてみなければ分かりません。どうぞ、「物件評価サービス」をご依頼下さい。

ご質問に対する筆者の答えは、ここで終わっています。


●マンション固有の条件で大きく結果が変わる

統計データというものは、あくまで平均値です。平均で10%下がったというような場合でも、その平均値には、30%下がったものもあり、30%上がった物件もあったという事実が隠れているのです。

仕事がら、よくデータをチェックします。統計的なものから、物件個別のデータまでの幅があるのですが、いつも驚かされるのは、同じ時期に分譲時の50%高になった物件がある一方、50%も値下がりした物件が存在する事実です。

立地条件の差と建物価値の差、ブランド価値の差などによるのですが、50%の値上がり、50%の値下がりは稀有なものですが、同じ最寄り駅の物件で、分譲時の価格から30%も値上がりした物件と30%ダウンの物件は現実にたくさん存在するのです。


築後20年マンションが、新築相場の半値に相当する相場のエリアであっても、その中には半値以下の、例えば30%もの低いレベルの物件もあれば、80%相当に評価される優良物件に分かれるという事実を知っておかなければなりません。

物件固有の条件によって差が大きく出てしまうというわけです。もう一度説明しましょう。


◆新築時に相場の100で購入。20年後、新築相場が200に上昇したとします。 そのときの中古(築20年)相場が、新築の価格に対して半値とするなら100です。 100は、新築購入の価格とイコールです。


◆20年後の新築相場が50%アップの150ならどうでしょうか? 20年中古は半値の75評価になるわけですから、購入価格の100から見れば25%の値下がりということになりますね。


◆では、仮に新築時に相場の2割高という高値掴み(120で購入)してしまったらどうでしょうか? 20年後に新築相場が150になったとするなら、相場の半値となるような平均的な中古物件は75となり、これは購入価格120から見ると、38%の値下がりになってしまいます。


◆次に、この中古物件が20年後に新築相場に対して80%くらいに高く評価されるような優良なものだったとしたらどうでしょうか?

新築相場150×0.8=120ですから、購入価格120と同じです。結果から説明すると、120で買っても、高値掴みとは言えないわけです。ただ、買い値を超えないのですから、値上がりを期待していたとしたら、裏切られるということでもあるのです。


最近3年間は建築費上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっています。

ざっくりと言えば、どれを買っても高いのです。しかし、将来の価値を考えると、結果的に「高値掴み」にならない買い物ができるケースもあります。

「高値の中のマンション選び」という難題を突き付けられている買い手。大事なことは「快適な住まいと資産価値の高いマンション」の双方を見る目にあります。


 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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