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マンション価格の下げ圧力 [マンションの値引き販売]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。



中古マンションが僅か数年を経て、購入価格から2割、3割と値上がりしたことを幸いに売却に踏み切ってほくそ笑んでいる人が最近は多数見られます。

一方、デベロッパーは争奪戦のうえに高値で用地を取得し、人件費の高騰で上昇した建築費のために本意ではない高値で分譲しているという実態があります。

今日は、個人オーナーとマンション業者の立場の違いと、そのことによる価格の下方圧力についてお話ししようと思います。

●新築マンションの価格硬直性

ご存知のように、新築マンションの価格は2013年以降20%余も高騰し、売れ行きが悪化しました。

市場では在庫の山になっていないものの、倉庫に眠っている在庫、つまりまだ売り出していない工事中または竣工済みの未発売住戸(隠れ在庫)が何千戸も、ひょっとすると1万戸以上も首都圏にはあるようです。「あるようです」と表現したのは、統計が出て来ないからです。

不動産経済研究所は毎月、新規発売戸数や契約率、価格動向、発売済み在庫などをプレス発表していますが、その中に「隠れ在庫」というのはないのです。

もう一度、確認しておきましょう。新築マンションは、売り出しを小分け(分割販売)するので、売り出した戸数とその中から販売済みを引いた戸数が「在庫」として発表されます。100戸のマンションを1期1次などとして30戸売り出し、25戸売れれば在庫は5戸ですが、隠れ在庫は70戸なので、本当の在庫は75戸なのです。

なぜ30戸しか売り出さないのでしょうか?50戸でもいいのでは?言うまでもなく、30戸が限界と見込んだからです。モデルルーム見学者の数、商談結果から購入してくれそうな契約見込み客がそれしかないからです。

販売スピードが期待通りに行かなくても、売主には時間の余裕があります。建物が竣工するまでに完売するのが目標であれば(大抵のマンションがそうです)、工事中の物件に時間はたっぷりあるのです。慌てず、地に足をつけて販売活動を続けることができます。
1期1次に完売の目処が立ったたら、1期2次とか第2期とかの20戸なり10戸なりを小出し販売すればいいわけです。

しかし、物件によっては販売開始から1年経たずに竣工を迎えるものから、2年半も先の竣工というタワーマンションもあり、販売猶予期間はまちまちです。

いずれにせよ、竣工後3年経ても在庫となっている物件も稀に見られますが、大抵は竣工後ほどなく完売し、「めでたしめでたし」となります。

しかし、そこに到達するまでに苦労を強いられる物件があります。今は、多くの物件が苦労する時期に当たっています。販売が長期化し、竣工在庫を抱えている物件がそこかしこに見られるようになって来たのです。販売不振の原因は価格の高騰にあります。

先に不本意ながらと書いたのは、売主が大きな利益を目論んで値付けしたなら売れ残っても身から出た錆びのようなものですが、大半は売れないかもしれない・販売に苦労しそうだと知りながら設定した採算ぎりぎりの価格で売り出すからです。

売り出してみた、やっぱり売れない。とうとう竣工のときが迫って来た。まだ半分も残っている。竣工した。今後は値引きもやむなしだ。竣工後半年経過。10%値引きの裁可が下りた。そうしてなんとか竣工後1年経過で完売に。

このような経過を辿りながら、マンション販売は最も効果的な「値引き策」によって完売へ向かうのです。竣工から2年経過などという物件も最近は目立ち始めています。

価格安定期には、こんなことは起こりません。また、価格高騰期でも初期のうちは「先高観」が買い急ぎを促し、短期間に完売してしまうものです。しかし、価格が上がり過ぎると売れ行きは鈍化し、やがて値引き販売を余儀なくされます。

お分かりの読者も多いことと思いますが、売れない場合も直ぐには値引きせず、何とか利益を確保しようと懸命に販売促進策を練り、実行します。その時間は1年、タワーマンションにおいては2年、3年と時間をかけます。しかも、値引きするのは多くて30%、大抵は最後の10%の戸数が対象です。
(稀には、プレセールスの段階で提示した予定価格では厳しいと予測し、利益を削って価格を策定するケースもありますが、これは例外的です)

新築マンションの価格は、値下げするまで長い時間がかかります。最後まで決して値下げ・値引きをしない売主(デベロッパー)もあることと考え合わせると、販売価格は硬直的です。


●個人オーナーの値下げ

一方の個人オーナーには、販売期間に余裕がありません。個人オーナーが自宅マンションを売り出したとき、価格決定に柔軟性があるでしょうか?これを考えてみましょう。

Xさんは、子供の成長に伴い手狭になったので、もう少し広いマンションに買い替えようと考えていましたが、5000万円で買ったマンションが6000万円の査定が出たこともあり、300万円上乗せして6300万円で売り出しました。

ところが、強気過ぎたのか、内覧者はコンスタントに現われるものの中々契約に至らず媒介契約の3か月を過ぎてしまいました。契約の更新に際し、仲介業者から価格の引下げ提案がありました。仕方なく5980万円と価格改訂しました。

その後も引き合いはあるものの、契約に至らず半年を経過しました。買い替え先のマンションの引き渡し(代金決済)が3月なので、あと2か月と少しの時間しかないという2017年2月、Xさんは買い手からの値引き要求380万円を呑み、5600万円で売却を決心したのです。

Xさんは初めは強気一辺倒でしたが、時間の経過とともに焦りが生まれ、最後は仲介業者の勧めに従って買主要求を受け入れるという、弱気な姿勢に変わってしまったのです。

Xさんのケースは、6300万円の当初売り出し価格から見たら700万円もの大きな値下げとなったのですが、10年以上を経過していたので住宅ローンの返済も進み、売却後の手取り額が減っても、買い替え先の資金計画に困窮する事態には至りませんでした。

独身のBさんは、5年前に頭金100万円で4000万円の中古マンションを買いました。2016年11月、5000万円で売れそうだと気付きました。査定してくれた仲介業者と相談して、4980万円で売り出しました。買い替え先は決まっていませんでしたが、良い物件が見つからなかったら、一時的に安アパートに入ればいいやと気楽に考えていました。

しかし、最も不動産が動く1~3月に買い手がつきませんでした。2017年4月中旬、4500万円に下げれば決まりかけました。しかし、Bさんは売却を中止しました。住宅ローンが4200万円も残っていたからです。

リフォーム工事分の借入もあったため、4200万円で売ったら仲介手数料を引くと150万円かそこらしか残らないので、売却に妙味がないのでした。


購入先行の買い替えを計画したXさんは、資金にゆとりがあったことに加えて買い替え先のマンションの代金決済が迫っていたので、値下げに追い込まれました。もはや解約するという選択肢はなかったのです。ともあれ、価格に柔軟性があったと言えます。

新築マンションを扱うマンション業者の硬直性とは対照的です。

しかし、Bさんのように、業者と同じ硬直性を持った個人オーナーもあります。

XさんとBさんの違いは、購入から売却までの期間の差と頭金の差が見られます。頭金を多く入れておくか、繰り上げ返済でローン残高を減らしておく方が、売却価格に余裕ができます。しかし、下げ圧力に弱いという見方もあるわけです。

デベロッパーも価格は硬直的と書きましたが、販売の不調が長引けば、やがては下げ幅の壁を突破することもあり、一定時期を過ぎると硬直性はなくなってしまうとも言えます。

●不動産売買はタイミングだ!!

エリアにもよるのですが、昨年の半ばあたりまででしょうか、売り希望額からさほど値引き要求に応じなくても買い手がつくと言う傾向が強かったようだったと言います。物件によっては、売主の希望価格以上で買いたいという例すらあったのだとか。

最近は初回の媒介期間中に契約に至らず、値下げしての再売出しの例も多くなっているようです。こうなると、最終段階で値引き要求を受け入れざるを得ない例も一気に増えて来るでしょう。

つまり頑強に希望額で突っぱねても買い手は決まらないので、売らなければならない事情にある個人は一定程度の柔軟性が必要な時期です。言い換えると、下げ圧力が高まるのです。

新築マンションの分譲主も、売れなければいずれは値引き要求に応じるほかありません。

そこで、早いうちはあっさり断られるかもしれませんが、諦めないで粘り強く交渉すれば、つまり今日はダメでも1週間後、2週間後に再度モデルルームを訪れて要望するのです。それを繰り返してみましょう。成就するかもしれません。

売れ行きが良くない物件だから悪い物件とは言えないものもあります。単に価格が高いと見なされて買い手がつきにくい状況にあるのだとしたら、何か月かしぶとく食い下がることです。必ず売主は折れて来ます。3回交渉してダメでも、しばらく距離をおいていると、DMが来たりメールが届いたりします。

よく見ると、価格がいつの間にか下がっているという場合も出て来るのです。

デベロッパーにとっては「氷河期」になるかもしれません。個人オーナーが売却するタイミングとしても逆風です。

しかし、個人の買主にはようやく逆風から順風になりつつあると言えます。


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販売長期化物件は欠陥商品か? [マンションの値引き販売]

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新築マンションの販売は建物竣工時までに終了させるというのが、デベロッパー各社の共通目標でした。ところが、最近は少し様相が変わって来たようです。

竣工後も販売中の状態にある新築物件、今日はその問題点を話題にしようと思います。

●売主から見た販売長期化の損得計算

竣工完売が目標であるべきとする理由は次のようなものです。

➀竣工すると施工会社に代金を払って建物を受け取らなければならない。
(契約者に引き渡さなければならないからである)

②竣工後の在庫に対応する管理費をデベロッパー(売主)は負担しなければならない

③販売経費(人件費と広告費)が嵩む

④入居者から見て、不特定多数の見学者がマンションの中を度々歩くことを歓迎しない(販売活動がしにくい)

➄売れ残っている部屋がいつまでもある状態に不信感を抱く入居者がある(高いものを買わされたのではないかという疑念を持たれる)

5つの理由の中で一番大きなものは➀です。
施工会社に支払う代金は、基本的に売り上げ、すなわち購入者が払ってくれる決済金から振り替えるので、売れていないと銀行から借りる必要が出て来ます。デベロッパーの多くは資金調達能力があるものの、手間のかかることでもあり、金利も払わなければならないので、できれば販売代金を充当したいのです。

➄は、値引き販売に踏み切るような場合に入居者(先行契約者)から疑いの目を向けられるので、現場の担当者は仕事がやりにくいと言います。「まだ完売しないの?早く売って下さい」などと声をかけられるので、身が縮む思いと語る担当者もあります。

ところが、最近は現場の担当者の気苦労を知ってか知らずか、売れ残っても平気なデベロッパー(売主)が増えているようです。

売れ残って値引き販売に踏み切るより、経費がかかっても値引きしないで販売した方が儲かると考えてしまうらしいのです。

確かに、低金利時代の今は負担が小さいのでしょう。5%値引きしても1戸当たり数百万円の損になるのだから、経費と天秤にかけると定価販売を維持した方がよいという計算も成り立つのかもしれません。


一方で、あるデベロッパーの幹部は次のような檄を飛ばしたそうです。

「竣工時に完売の目処が立っていないような商品を世に送り出したのは、我が社にとっての名折れだ。広告費を増やしてもいい。おまけをつけてもいい。ありとあらゆる方策を取って販促に力を入れ、竣工時までに完売せよ」

多くのデベロッパーは、竣工後に売れ残ることを嫌います。それでも競合関係や市況の変転などによって売れ残ることがあります。そこで、様々な販促手段を講じて完売を目指します。言わずもがな「値引き策」が最も効果的です。
値引きの限度は5%程度ですが、5000万円なら250万円ですから、買い手から見て大きな金額です。竣工後1年も経ているような物件なら10%値引きもあり得ます。稀にヤケクソ気味に15~20%も引く例もないこともありません。

●売れ残り物件はなぜ生まれるのか

ところで、売れ残りは何故できてしまうのでしょうか?

どんな商品でも期待を裏切る売れ行きになることはあるわけです。書籍などは売り出してみないと分からないので、初版は例えば5000部に抑え、売れ行きを見て増刷するという方法を採ります。

マンションは10戸しか売れないから10戸だけ建てるということはできません。工事は全戸を所定の期限までに建てる、すなわち売れようが売れまいが全戸数を用意するほかありません。

これは見込み生産という形になるわけですが、用地を取得するとき、建築費が決まりかけるころ、販売開始直前などのタイミングで市場調査を何度か行いながら販売可能な価格を探っていきます。

つまり、このくらいなら一定期間に完売はできるだろうと見込みを立てるわけです。

販売が助走期間に入ると、つまりプレセールス活動の中においてもモデルルーム見学者との対話の中から販売可能な上限価格を探っていきます。予告広告と謳い、価格未定とするのは、このためです。

リサーチの結果、採算ぎりぎりの下限価格でも売れるかどうかという厳しいプロジェクトになってしまうこともあります。マンションビジネスは、そもそも大きな利幅があるわけではないので、価格の引下げのも限度があります。仕方なく、厳しい結果となるかもしれないが、「ままよ」と売り出してしまうことも少なくないのです。

要するに見込み違いということになったと言えるわけですが、精緻な事前調査をしても思わぬ結果になるのは何故なのでしょうか?概ね、次のような理由があると思われます。

➀市況が悪化してしまった
(土地を取得した時点と販売開始時点に1年以上、大規模物件になると2年とかタワーマンションでは3年くらいのタイムラグができるので、この間に景気変動と金利の上昇などが起こり、需要が後退した)

②土地取得時点の採算計画が大きく狂った
(建築費が見込みより高くなってしまい、価格が当初計画より高く設定せざるを得なかった)

③リサーチで把握しきれなかった強力な競合商品が登場した
(競合物件の存在は分かっていたものの価格までは分からなかったが、予想以上に安値で売り出され、顧客を奪われた)

④販売戸数が多く短期に完売できなかった
(大規模物件なので付加価値の高い魅力的な商品が企画できたのだが、それでも市場規模を超える戸数であったようだ)


●売れ残りマンションの価値は?

売れ残ったマンションは悪いマンション、よくないマンションなのでしょうか?

「建物はとても立派だと思うのですが、竣工後1年を経過して多数の売れ残りを抱えているようです。〇〇〇万円の住戸を〇〇〇万円にすると提案されましたが、買っても大丈夫ですか?」――このようなご質問・ご相談が届くことが少なくありません。

調べてみると、売れ残っている原因がいくつか浮かび上がって来ます。次のようなものです。

➀立地条件に問題がある
(駅からバス便である。徒歩15分近くを要する。高速道路に面する・工場が近くにあるなど環境が悪い。都心直通でない郊外の支線の駅が最寄りである等々)

②建物の品質が良くない・品質に不安を感じる
(モデルルームがチープという印象が強い。外観的にも分譲マンションらしくない安物の印象。小規模で魅力に乏しく、アパート的である。売主・施工会社が無名で不安を感じる)

③価格が高過ぎる
(良い物件であることは十分過ぎるほど理解できるが、自分の予算で買えるのは下層階の、かつ希望の広さから遠い。全く身分違いと思ったと買い手は感想を漏らした)

④販売戸数が多過ぎた
(市場規模を上回る大戸数マンションである。急激な景気後退などで需要が大きく減退してしまった)

*************************

マンションの価値を構成するのは「立地+建物+価格」の3要素です。これらがバランスしていれば、売れ残ることはないものです。

実は、立地条件が悪かろうと、建物価値が劣っていても建築基準法に違反していない限り、価格が安ければ売れ残らないのです。

立地条件が悪い例のひとつはバス利用のマンションですが、不便さを補うのは環境の良さです。 しかし、弱点を補って余りあるとまでは行かないので、価格を安くしてバランスさせるのです。

つまり、用地を安く買い、建物のグレードも下げ、建築コストをあまりかけずにキッズ広場やプライベートガーデンなどの共用施設を設けて魅力アップしたうえに、低価格マンションとして売り出します。

安さに加えて一定水準のグレード・広さなどが功を奏して当初は人気を博しますが、戸数が多いために、顧客動員数は急速に低下して行きます。

バス便を最初から望む人は少ないので、バス便と知りながら見学者が押し寄せるのは、稀に大型ショッピングモールと一体的に開発された場合を除くと、価格の安さに惹かれるからです。しかし、元々バスでも構わない階層は、たとえ安いからとアピールしても底が浅いのです。

反対の駅直結マンションは、すごい人気を集めます。価格を伏せて広告するので、短期間に資料請求だけで10,000件に達するといったことが起こります。しかし、価格情報が伝わると多くの関心客は去ってしまいます。それでも、モデルルーム見学者の10%が残ってくれれば販売戸数に相当する数となり、短期間に完売となったりします。

最近3年くらいを振り返ると、山手線・目黒駅前のツインタワー(ブリリア)が坪単価@600万円と驚愕の高さで売り出したにも関わらず短期完売したことが挙げられます。武蔵小杉駅前でも複数のタワーマンションが短期間に完売しました。その他、人気を博した大型(大戸数)マンションは当時としては高いと感じたものも少なくないのですが、たくさん思い出されます。

最近は、好立地で建物品質・ブランド力も高い優良マンションが売れ残っている現状があります。価格が高過ぎるものもありますし、売り出し当初は高いとも言えず、順調な滑り出しをしたものの、注目度が下がってしまった例もあります。

大型マンションに限らず、販売期間中に需要が後退したり、順調な販売スタートに気を良くして値上げしたりしたことが原因になったと考えられる例もあります。

マンションを購入する人は首都圏で年間10万人(新築だけで5万人)前後あると言われます。10万人の需要層を予算で区分すれば、上は少なく下が多い、いわゆるピラミット形になるものです。

5000万円の予算を持つ需要層より、1億円の予算階層の方がずっと少ないわけですから、高いほど買い手は少なく、一定期間に顕在化する数は限度があるのです。しかも、それぞれの階層が希望する立地条件は同一ではありません。

郊外の中核都市の駅前で1億円のマンションを建てても、都心に2億円で買いたい人は、同じ広さで半値と知ったとしても、郊外マンションを買いには動かないのです。

一方、都心の場合は、先に書いた目黒駅前のマンションのように、平均で1億円を超えるにもかかわらず、661戸の分譲戸数が短期完売できたのは、簡単に言えば東京中から買い手を集めることができたからです。


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今日お送りしている話はマンションのマーケッティングなので、あまり興味ない読者も多いことと思いますから、このへんで打ち切りますが、「売れ残りマンションの価値は?」の項目のまとめをしておかなければなりません。以下に箇条書きします。

➀売れ残りマンションの中には十分価値あるものもありますが、価格が高過ぎる物もあります

②売れ残りマンションの中には優良で価格も高過ぎるとは言えないが、需要の減退によって販売スピードが鈍ってしまった不幸な物件もあるのです

③売れ残りマンションに中には、売れ残るべきして売れ残ったものもあります(立地条件が悪い・品質が劣る・品質に信頼が置けないなど)


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。
























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「手数料はゼロです」の広告に注意 [中古マンション]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


中古物件の中に手数料ゼロというケースがあります。中古物件を探してみたことのある読者ならご存知のことと思います。

今日は「手数料ゼロ」の甘いキャッチコピーの裏側を覗いてみたいと思います。

●買主側から見た手数料ゼロ物件

仲介手数料は物件価格の3%+60,000円と上限が法で決まっています。買主と売主、それぞれの支払う限度額です。

この料率は上限であって、例えば1%でもいいわけですが、殆どの取引で限度いっぱいを要求するのが実態ですし、何故か手数料を値切る買い手もあまりいないようです。

ともあれ、3%という数値は5000万円の取引なら156万円(+消費税)なので、買い手にとっても売り手にとっても大きな金額になっています。それがゼロでいいと書いてある広告を見れば、つい目が行きがちです。

メリットがあればデメリットがあるもので、何か裏があるのではないか、ただより高いものはないと言うではないかなどと疑り深い人もあるでしょうが、本当に手数料はゼロなのです。

しかし、仲介業者にとって手数料ゼロではビジネスが成り立たないので、別のどこかで利益を確保するはずです。そこが問題なのです。

利益確保策は次のようなものです。

※自社所有物件である・・・中古物件を個人オーナーから買い取って自社物にしたケース。この場合は、業者自身が売主なので、言い換えると仲介業務ではなくなるので手数料は取ることができないのです。

利益は、個人(とは限りませんが)オーナーから100で買い取って120で販売することによって得るのです。買い取り転売というビジネスです。

安く手放す個人オーナーなどあるのでしょうか?それが現実にあるのです。早期の売却を望んでいる人、何かの事情で売却の期限が迫っている人などです。築40年など、高経年マンションで買い手が中々つかず、半ば焼け気味に叩き売ってしまう人もあるのです。

安く買って、そのまま売却する業者はなく、大抵リノベーションすることによってバリューアップした商品として売り出します。3000万円で仕入れた商品がリフォーム代に500万円かけたとしても4000万円でも売れるということに味を占めた業者は、これを繰り返すのです。

実質価値が4000万円もあるか、ここが問題です。しばしば価値以上の高値になっているので気を付けなければなりません。手数料ゼロは得な取引のようで、実はそうでもないというのが実態です。

リノベーション物件は、室内を新築同様にしてあるわけですから、その価値を錯覚しやすいものです。

業者所有物件で例外があるとしたら、人気物件を何年か前に購入し、機を見て転売するというビジネスモデルを持つ仲介業者の物件です。

※利益確保策の二つ目・・・売主から手数料が入るから買い手はゼロでもいいというケースです。これは、手数料3%+60,000円だけで採算が取れる小規模な仲介業者の場合です。ただし、取引額が大きな物件を狙うようです。

つまり、1億円を超える高級・高額マンションの売り依頼を取れれば、3%でも十分にペイするのでしょう。

高額なマンションは手数料も数百万円になるわけですから、買い手から見たら手数料ゼロというキャッチコピーには強く惹かれることでしょうが、このような物件は実は少ないのです。

売主の大半は、依頼先に大手業者の三井のリハウスや住友のステップ、東急リバブルといった企業を選択するからです。


●売り手が業者選びで気を付けるべきこと

自宅マンションを売るに当たり、少しでも高く売ってくれそうな業者が良いが、「手数料が半額でいいというなら、その分が実質的に安くなるのだから、売りやすくなるのではないかと思うのだが、このようなチラシをポスティングして来た業者についてどう思うか」というご質問メールをいただきました。

お答えします。

ご質問にあるような業者が頑張って高く売ってくれるかというと、一概にはそうと言えません。仲介業者は、所有者と直接媒介契約を結んだ会社が経営的には有利なので、常に売却希望者を探しています。

 手数料は、売り手から3%+6万円、買い手からも3%+6万円を取ってよいことになっていますが、間に入る業者が2社なら、それぞれ3%+6万円の収入となります。通常は、売り手から委任された業者が、不動産情報ネットワークに物件を登録すると、別の業者が買い手を紹介してきます。

そこで買い手と売り手が合意に達すると、仲介業者2社による売買が成立するという形になり、これが多いのです。
勿論、売り手だけでなく買い手も自ら探した業者は、手数料は両取りの6%+12万円(両手取引と言います)となります。

 売り手から直接委任された物件を自家物件というのですが、それさえ手に入れられれば、買い手探しは他社に任せても黙って手数料が入って来るので、そうした物件を多く抱えることは、業者の命題になっているのです。

大手業者は、この両手取引を常に狙っていると言います。片手では経営が成り立たないのでしょう。

 多くの仲介業者は、自家物件は販売努力をしなくても不動産流通機構(REINS=業者間の情報ネットワーク)に登録さえしておけば左うちわなので、手数料は少しくらい下げてもメリットはあるというわけです。

ただし、半額にしても経営が成り立つようにしなければならないので、狙いをつける物件は高額物件が中心となるわけです。

 売り手にとっても手数料が安いことはメリットですので、手数料は半分でいいという業者に依頼するのは悪くないのですが、値段が下がったら意味がないことになります。

ここが落とし穴です。売り依頼を契約で縛っておき、買い手が中々決まらないとい、売り値を下げてくれと要求して来るのです。

売り手にとっては、高く売ってくれる業者、おまけに手数料も安い業者が良いわけですが、そんな業者はないでしょう。大手は集客力においては中小業者をはるかに凌駕するので、大手に依頼した方がよい場合が多いかもしれません。

しかし、大手も営業マンの全てが優秀なわけではありません。また、優秀か優秀でないかの基準も、仲介業では買い手に向けられるものだけではないのです。 営業力があると言われる業者は、買い手の要求を聞いて、売り手に値段を下げさせるような交渉力にも秀でているということでもあるのです。

売り手にとって、業者選びは結構難しいのです。

 強いて言えば、売り手のマンションをよく知っていて、買い手に対し売りマンションの利点や長所などを強くアピ―ルしてくれる可能性のある業者または営業マンということになるでしょう。まあ、営業マンと売り手の人間関係や、営業マンの熱心さなどが決め手になるとも言えますね。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

[黒ハート]その価格は適正か?ズバリ買っても問題ない物件か?「マンション無料評価サービス」はこれらにお答えしています(唯一無二!!)

※ご検討中マンションの価値を客観的に評価し、適正価格かどうかの判定を含めてレポートにしお届けしています。詳細は上記URLで。

「買ってよかった」を再確認したい方もどうぞ。物件サイトが閉鎖されている場合は、建築概要・住戸専有面積・階・向き・価格・管理費・修繕積立金などの情報をご提供いただくことが必要になります。
※中古物件の場合は、物件の掲載WEBサイトのURLをご記入ください。
※その他のご注意事項はHPでご確認をお願いいたします。無料には条件があります。ご注意ください。尚、価格情報のないご依頼はお引き受け致しかねます。














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老朽化マンション・負のスパイラル [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


タイトルは2017年4月6日のTBSテレビが朝の報道番組で取り上げた話題からいただいたものです。

番組では、札幌市で起きたベランダ崩落事故や、天井から雨漏りするマンション、バルコニーの軒裏に穴が開き、鉄筋がむき出しになったマンション、鉄製のバルコニー手すりが錆びてぼろぼろになったマンションなどを紹介していました。

これら問題マンションのひとつは、45年間、一度も大規模修繕をして来なかったというのです。修繕積立金すらないということでした。賃貸マンションでなく、分譲マンションでのことなので俄かには信じられない報道でした。

 番組では、1.老朽化して危険なマンションまたは雨漏りなどによる不快なマンションからは転居者が続出し、居住者が減る。2.居住者が減ると管理費・修繕費が集まらない。3.管理費等が集まらないと老朽化は更に進む。1~2~3~1と負のスパイラルに陥ると結んでいました。

適時・適切な修繕をしなければ、コンクリ―といえども建物は必ず劣化します。筆者がマンション業界に飛び込んだとき、最初に教わったことは、新築マンションは完成したその瞬間から老朽化の道を歩み始めるということでした。何故か、そのときの上司の言葉が忘れられないのです。

そのせいでもないのですが、私たちが住んでいるマンションは何年の寿命があるのだろうかという疑問を長いこと持ち続けています。最後の姿をこの目で見たい、そんな悪趣味な(?)思いを抱いているのです。

このブログで、何年か前に「人間の寿命・マンションの寿命」というタイトルで記事を書いたことがありました。日本人の寿命がもうすぐ90歳になろうかという現在、マンションの寿命の方が短いなどということはあって欲しくないという思いから、筆者は常に注目しているテーマです。

さて、今日はマンションに何年住み続けられるかという問題について書いてみようと思います。

このテーマは、新築マンションの供給が低迷し、マンション探しをするうえで中古の選択は避けられなくなっているからです。築浅のマンションなら心配は少ないものの、予算の関係で築20年、30年と古いマンションを検討せざるを得ない人が増えている現状に鑑み、取り上げることとしました。

●新築マンションなら永住は可能?

先ず、マンションってそもそも耐久性はどのくらいあるのかについて考えてみましょう。

業界人になったばかりの頃、先輩から教わったのは「60年」でした。しかし、実際に住人がいるマンション(鉄筋コンクリート造の集合住宅)で最も長く生きた(耐えた)マンションは同潤会アパートの上野稲荷町ではないかと思います。

建築された時期は確認できませんが、同潤会アパートが各地に建設されたのは1921年~1945年と記録されているので、およそ70~90年で姿を消したことになります。

住まいではなかったけれど、使用されていたものでは「同潤会青山アパート」が続くのではなかったでしょうか?「同潤会青山アパート」は、ご存知の「表参道ヒルズ」に形を変えています。

ついでに言えば、上野稲荷町は三菱地所レジデンスによって「ザ・パークハウス上野(全128戸)」という名の分譲マンションに生まれ変わって2015年3月に竣工しています。

同潤会アパートは大正時代に起こった関東大震災の復興住宅として東京・横浜の23か所に建てられたもので、鉄筋コンクリート造3階建ての賃貸アパートでした。何年か後に同アパートは居住者を中心に払い下げとなり、役目を終えた同潤会(財団法人)は解散したと伝えられています。

同潤会アパートの建て替え前の姿を記憶している人は少ないと思います。所有者と建て替えについて長きに渡り協議を続けたデベロッパー各社の開発や企画、建設部門の担当者や設計家、研究者、建築家など、ごく少数の人たちです。

筆者も脳裏にはっきり残っているのは、原宿と青山通りを結ぶ表参道沿いにあった「青山アパート」ですが、先に述べたように、ここに居住者はなく、3階まで店舗でした。殆んどブティックか雑貨店だったと思います。

少し前まで住まいだった名残りを感じるのは、屋上に突き出たテレビアンテナでした。世界的にも有名な原宿、ファッションの街として外国のブランドショップが建ち並ぶ表参道。その道沿いの年輪を重ねた森に隠れるように建ち並ぶ低層の店舗群は不思議な光景でした。

ともあれ、「青山アパート」晩年、住宅としては生きられなかったのです。

コンクリート構造は、メンテナンスをきちんと行えば、100年くらい持ちこたえるのかもしれません。メンテナンスを適宜行わなければ冒頭で述べたTV報道のような危険な状態に至りますが、同潤会アパートの例からも80年くらいは住み続けることができた、すなわち雨露をしのぐことだけは可能だったのですから、やりようによっては100年の寿命はオーバーではないのです。

最近の新築マンションは理論上200年マンションもたまに見かけますし、100年コンクリートを謳うマンションや「劣化等級3」を表示した高耐久マンションも増えています。

しかし、住まいはコンクリートの箱があれば足りるわけではありません。エレベーターも必須ですし、電気設備、給排水・衛生設備、電波受信システムといったものが不可欠です。

簡単に言うと、マンションは構造と設備に分類され、構造は60年~100年、あるいは200年の耐用年数があっても、設備は15年程度しかないもの、長くても40年程度のもの(エレベーターなど)、と部位によって寿命は大きく異なります。

コンクリートの構造部はしっかりしていても、設備が寿命に達してしまうと、様々な不具合が発生し、生活が困難になります。不具合は居住者のストレスを溜めこむことでしょう。

快適であるはずのマンションが不快なマンションとなって耐え難くなって行きます。そうなると脱出者が次第に増えて行きます。売却という道を選択する人、賃貸に付す人に分かれるにしても、オーナーは老朽化マンションから去っていくのです。

売却によって新オーナーとなった人はともかくも、賃貸したオーナーからは愛着も薄らぐのか、メンテナンスが適切に行われないだけでなく、修繕積立金の増額も決議に至らず、やがてはメンテナンス放棄状態に陥るのです。

そうなると、売却額も二束三文です。

ところが、中には築50年に達していても、メンテナンスがきちんと行われているマンションは、「Vintage」の称号をもらうほどで、外形的にも状態は良く、住み心地も良いマンションとして定評があるようです。

オーナーは宝物でも愛でるように大切に扱い、売りに出す人も少ないのです。売り出せば、今も結構な高値で買い手がつくと言います。

Vintageと呼ばれるようなマンションは都心の一等地に立っていて、それだけでも価値ある物件なので、買い手も富裕層であるケースが多く、メンテナンス費用の支出や積立金の増額決議もスムーズに運ぶのでしょう。

その結果、建物の劣化は進まず、大規模改修のたびに何度も若返って、今に至っているのです。

結局、マンションは新築であろうと既に30年を経過している中古マンションであろうと、余命はメンテナンス次第ということだと分かって来ます。

●築30年の中古を買った場合は何年住めるか?

築30年のマンションを買いましたが、それから5年も経たないうちに不具合が頻発し、とても居心地が悪いのです。ストレスも溜まる一方ですーー先日、このようなお便りを頂きました。

ご依頼の内容は、買い替え先のマンションについてのものでしたが、今度は失敗しない買い物をしたいという祈りのような心情が伝わって来ました。

普通に考えると、築35年程度ではどんなに短くとも20年以上は住めるはずですが、管理組合の運営がうまく行っていないらしく、小さな修繕ですらスムーズに行かないため、気持ちよく暮らせないというのです。

別のマンションは、組合運営の活動が讃えられ、模範的なマンションとしてたびたび雑誌や新聞のコラムに登場しています。

筆者の知る(かつて短期間住んでいた)マンションは、今年で築34年になるのですが、とても34年を経過しているとは信じられないものがあります。

こうしたメンテナンスが適切に行われるマンションの共通点は、資産価値の維持に関すして、オーナー全員が理解と協力を惜しまないことにあるようです

大規模な修繕は勿論のこと、美観を損ねる行為の禁止ルールを厳守すること、当初はなかった衛星放送受信設備の新設も組合として実施し、つまり、居住者が勝手きままにバルコニーの手すりに据え付ける行為を禁じたことなどが代表的です。

時代とともに新たな設備が登場するので、その更新や新設、つまり「改良」もしっかり実行しているのですね。

また、年代を感じさせない大きな要因は「植栽」にもありそうです。築30年を超えて年を感じさせないのは敷地内の樹木が高く大きく生長して建物の古びた印象を消してしまうからではないかと思います。

●築50年のマンションにはあと何年住める?

カギは、手入れにかかる費用にあるのではないかと思うのです。老朽化が進むに連れて修繕費は嵩み、積立金不足に陥るのではないか? そうなれば、老朽化の進行を止めることができなくなって住みにくい状態になる。

そうならないようにするには、財政的な裏付けが必須です。

マンションは、寿命が近づくに従い、不具合があちらこちらで露呈してきます。排水不良や水勢の低下、壁面の劣化・タイルの剥離・崩落、サッシ周りに隙間が発生して風が入り込む、換気装置の機能不全などが目立ってきます。

とりわけ、コンクリートのひび割れが雨水の浸透を許し、鉄筋の錆び、そして膨張、爆裂といった症状は、耐震性の劣化にも重なります。そして、雨漏り、結露、ジメジメ感といった住み心地を悪化させる現象が増えて来ます。

何十年も経つと、それまで応急措置を繰り返して来たものの、たび重なる修繕に根本的な対策の必要度が増して行きます。

不具合があまりにも頻繁になると、修繕の意欲も薄れ、劣化した箇所を放置したまま、すなわちメンテナンス放棄という事態もあり得ます。管理費の滞納や修繕積立金の枯渇などが、これに拍車をかけます。

日常管理もおろそかになり、共用部分にゴミが溜まり、自転車置き場が雑然としたまま、壊れた機械式駐車場は使用不能、メールボックスの投函扉は半分開いたまま。エレベーター内部は傷だらけで汚れもひどい。

入居者の中には、あまりにも住み心地が悪いので、やがて賃貸するか売却して住み替える道を選ぶ人が出てきます。

賃貸戸数が増えますが、賃料が高くないため、入居者の質が問題になったりします。それが更に住み心地を悪くさせます。

すべてのマンションがそうなるわけではありませんが、入居者が足並みを揃えて維持管理に関心を持ち、お金(修繕費)をかけて改修を適切に行ないながら、また管理規約をしっかり守って共同生活を営み、共用部分も我が家の一部としてみんなで慈しんで行けば、50年先も快適な住まいであり続けることでしょう。

しかし、現実はそうならず、50年も経ったマンションは見かけ上は「まだ住める」と見えても、内実はスラム一歩手前に陥っているかもしれません。そのため、50年を買った場合、入居してから5年も経たないうちに様々な障害・問題が表面化して来るかもしれません。

今日は詳しく述べませんが、チェックポイントを定めてしっかり調査しなければ、高経年マンションは危険です。

何をするにも管理組合としての財政に余裕がなければなりません。その意味で、第一のチェックポイントは積立金の残高が1軒当たりでいくらあるかです

また、長期修繕計画書(収支計画表)を見せてもらい、赤字になる年がないか、積立金増額計画の実績と予定の両方を見ることです。そこから見えて来るものがあるからです。勿論、修繕履歴を辿って見ることも大事です。

マンションは人間の体と異なり、健康診断を行いながら手入れをし、ときに手術をするなどのメンテナンスを適切に行って行けば、必ず長生きできるものです。

●これまでの50年マンションとこれからの50年マンション

昔のマンションは後々のメンテナンスや給排水管の交換を想定していなかったものが多いのです。仕方なく、下の写真のように外壁を這わす格好で新しい配管を設置している例が見られます。

ご存知の読者も多いと思いますが、給排水管の横引き管は専有分に当たるので、リフォームの際に自分の意思で交換することができます。しかし、コンクリートの中に埋め込まれてあれば、交換は不可能です。

また、上下を貫通する竪管(たてかん)は個人ではどうにもなりません。管理組合全体として工事をするかしないかを決めることになります。

しかし、水流が弱いとか、排水管が詰まり気味であるといった不具合が出て来ます。また、昔の水道管は鉄製である場合が多くこれが赤水発生の原因になっているマンションもあります。これらを直すために交換が必要となったとき、その工事のための余裕のスペースがない場合もあるようです。



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既に50年になったマンションは、やがて上の写真(築60年の某分譲マンションです)のような姿になるかもしれません。

しかし、最近のマンションの多くは長期的なメンテナンスに配慮した設計になっているものも多いので、見かけ上も美麗で、長く快適に住んで行くことが可能かもしれません。とはいえ、技術的に可能ではあっても、財政の裏付けがなければ適切なメンテナンスはできません。

また、オーナーの大半が理解と協力を惜しまない管理組合でなければ、これまた実現は困難です。

●修繕積立金を最初に沢山集金してしまおう!

このタイトルは最近のデベロッパー各社の合言葉のようです。このブログでも少し前にご紹介しましたが、修繕積立金は分譲時から多額に徴求する例が増えています。

専有面積1㎡当たりで、初期に100円(70㎡なら7000円)程度とし、5年後には1.5倍に上げる、引き渡し時に一時金として毎月の設定額の80倍~100倍(50~70万円)といったケースですが、少し前までは毎月80円/㎡ 以下、一時金は60倍というのが標準的でした。

最近、このような増額傾向を見せる業界ですが、これにはどのような意図があるのでしょうか?

かつて、マンション分譲という商売は手離れの良いビジネスだと語ったデベロッパーの社長がありました。売ったらあとは管理会社に任せておけばいい、悪く言えば「売り放し」でよい商売でした。

建築上の問題でクレームが来たら施工会社が処理してくれる、という思いもあったようです。

一面これは今も真理ですから、修繕積立金を多額に取るというのは、販売の足かせになる恐れもあるだけに、デベロッパー(売主)としては積極的に取り組みたい方策ではないはずです。

にも拘わらず、増額策は何によるものでしょうか?

管理会社の要請でしょうか?値上げを提案しても、管理組合が賛成しないと財政が欠乏して維持管理がやりにくいので、最初からならべく資金的な余裕を作りたいとでも売主に要望しているのでしょうか?

それとも、建て替えが殆んど不可能な分譲マンションは将来、社会的なストックとして残るだけに、老朽化したマンションが増えて街までがスラム化するようなことがあってはならない、分譲した当事者としても「我関せず」というわけにも行かない。こんな企業の良識がそうさせているのでしょうか?

あるいは、国の指導によるものでしょうか?

おそらく、要因はいくつかが交じり合っているのでしょう。都区内には築40年を超えるマンションが既に2000棟以上もあるのです。あと10年すると50年マンションが2000棟となります。

老朽化マンションは、放置すれば社会問題として無視できないものになる。官民ともに、解決案を見い出そうと日々考えているのです。そんな中、メンテナンスをしっかりやって行こう。そのための財政的な裏付けをしっかり作って行こう。こんな空気が生まれていると見るべきでしょう。

こうした動きは、20年くらい前から始まっていたと思います。それが波及し、時代の潮流として目立ってきたのがこの3年くらいと感じます。

高経年の中古マンションを検討するときは、耐震性能とともに「修繕積立金の残高(総額ではなく1戸当たり)」を聞く、修繕履歴を見る、長期修繕計画書を見るといったチェックポイントを持ちましょう。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


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のらえもんさんプロデュースの「住まいスタジアム」がすごい [マンション購入アドバイス]


湾岸マンションで有名な「のらえもん」さん。ご縁があって、筆者も氏がプロデュースしたビジネスを少しお手伝いすることになりました。ビジネスとは、対面式のマンション購入相談で、これは本邦初と言って過言でない形態です。

2部構成になっていて、最初にフィナンシャルプランナーとの長期の家計プランついてのご相談、次いで購入マンションの是非についてのご相談となっています。

詳細は、HP(住まいスタジアムhttps://sumai-stadium.com/)をご覧いただくとして、対面式の相談を「FP相談+住宅相談」の形で実施する例は他にないはずです。

筆者の主宰する「マンション相談室」も「住宅(マンション)相談だけですから。

住まいスタジアムは3月初旬から正式にスタートしたばかりですが、予約殺到で、順調な滑り出しができたと言えそうです。

実は筆者もかねて望んでいた相談の形態でしたが、FPの優れた人材と知り合うチャンスがなく、先を越されてしまいました。

筆者の「マンション相談室」も多忙な毎日ですが、住まいスタジアムとの連携も図りながら、多くのマンション購入者のお役に立つことができれば、それに優る喜びはないと考えて協力を約した次第です。

FPさんとの相談は、大きな安心を与えるものであり、しかもマンション業者のひも付きでない利点もあって、ご相談者には予想以上のご好評をいただいています。

住宅相談とのセットでいただく料金は40,000円からですが、4000万円のマンションをお買いになる人からみれば僅か0.1%の負担です。

中古マンションの手数料は3%ですから120万円(+6万円と消費税)もかかります。
新築マンションでも、物件代金以外に200万円以上300万円くらいの諸費用が必要です。

それに比べたら、一生を左右するかもしれない相談料としては破格の安さとは言えないでしょうか? しかも、業者と繋がらない立ち位置なので、客観的で、買い手サイド(目線)でのご相談ができるのです。

つまり、特定業者が扱う物件を強く推すことをしないのが長所だと思います。この面でも、筆者と同じスタンスなので、迷いなく参加を決めることができました。

お一人様ごと、家庭環境も、また職業的な事情も異なるだけに、機械的には処理できないご相談の世界は時間の限界もあるのですが、少しでも多くの方のお役に立ちたいとスタッフ一同燃えています。

読者の皆さも、機会があれば是非ご利用下さい。FP相談だけ、マンション相談だけも可能です。


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住宅ローン。捨てる金利と残る元金 [マンション購入アドバイス]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


金利は捨てるだけ、銀行経営に協力するだけなので、可能ならマンション購入に当たっては、全額キャッシュの方がよいはずです。

ところが、購入代金の全額を用意するには、それなりに長い時間がかかり、その間に家賃という捨てる金があるので、金利と家賃とどちらが高いかという計算をしてみると、金利の方が低いと知って「買った方がトク」と計算する人が出て来ます。

筆者が初めてマンションを購入した頃は低利の公的融資も、年5.5%でしたから、今とは別の考え方に立ってマンションを買うという選択をしたものですが、現状は金利が1%程度ですから、4000万円の融資を受けても最大で40万円を捨てるだけ、月額にしたら35,000円にもなりません。

しかも、住宅ローン控除を受けられるので、年収によっては最長10年間、金利分は殆んど税額控除されます。つまり、個人差、物件格差、期間差はあるものの、殆んど捨てるものなしでマイホームを持てるわけです。

家賃の場合は、家主に貢献するだけですし、その金額が35,000円などという安いものは東京都区内に限らず、都内通勤圏では皆無です。


住宅ローンは元金返済も必要ですが、これは捨てるわけではなく貯金のようなものです。

毎月の返済金のうち、大半が金利でなく元金なので、貯金はどんどん増えて行きます。正確に言えば、毎月小口の投資信託を買い集めて行くようなものかもしれません。

ちなみに、4000万円を35年固定金利の返済で借りると、毎月の返済額が112,914円ですが、初年度の金利は平均で32,978円、元金が82,691円となっています。10年経つと、金利の累計返済額は約350万円となりますが、元金返済、すなわち投資信託の積立て累積額は約1000万円となるのです。

112,914円の120回分1350万円の内、捨てるのは350万円だけ、1000万円は貯金(投資信託)として残るのです。

ただし、この貯金(投資信託)には金融機関に行けばいつでもキャッシュに変わるという手軽さはありません。元金払いのキャッシュが家の柱になり、瓦になりというふうに、物に形を変えて積み立られて行きますが、必要なときに柱だけ売る、瓦だけ売るといった換金法は取れないという弱みがあります。

また、投資信託と言ったことでお分かりのように、通常の積立貯金とは異なり、元本保証ではないのです。

換金の必要が起きたときは、柱だけでも瓦だけを売ることはできないので、家ごと売ってしまう必要があります。家ごと売ってローンの残債を返済した残りが手渡されるわけです。

そのとき、予想していた以上に安くなっていれば、手残りがないことになるかもしれません。最悪の場合はマイナスになるかもしれません。

この売値が問題で、購入額から安くなるかもしれないという問題、言い換えれば元本保証のない貯蓄(投資信託)であることがマイホーム購入のリスクになるのです。

マンションの場合は、物件によって購入額を上回る値段で売却ができるものがある一方、購入額から下がってしまうものもあります。損得の割合にも大きな差があります。

20年ローンを利用して購入し、20年後に売却するとして、購入額に手数料と固定資産税、管理費等を加えた金額で売れたら、金利分が損になるだけで、殆んどただで20年住んだ計算になります。

反対に20年後に購入額の半値でしか売れなかったら、経済的な損得計算だけで考えると、「賃貸マンションに住んでいた方が良かった」と失望するかもしれません。

カギを握るのは、いかに元本割れの小さなマンションを選ぶかという点にあります。

読者の皆さんは、これからマンションを買おうとしていらっしゃる方が大半でしょうから、マイホーム購入の意義をよくお分かりのことと思います。同時に、購入物件によっては元本割れになってしまわない選び方を意識しているのではないかとも思います。

不動産の価格は個別要因が大きく左右します。中でも立地条件が大きな比重を占めるのです。しかし、市況の良いとき、言い換えれば相場が高いときには何を売っても高く、みんな恩恵を受けるのですが、反対のときは何を持っていても損をすることになりかねません。

ところが、市況にあまり左右されないマンションもあるのです。つまり、相場の低いときでも比較的高値で買い手がつく価値ある物件があります。立地条件に優れ、建物価値も高い、築年数を聞いてびっくりするほど管理状態が良く、トータル的に地域一番のマンションがあります。

しかし、価値あるマンションの取得は簡単ではありません。理論的には理解しているものの、条件を満たす物件が見つからないのが現実なのでしょう。

新築は品不足で価格も急上昇しました。中古は市場にいくらでもあるが、優良中古は新築並みに高く、安い中古は気になる点が多いので決めかねる。そうこうしているうちに金利が上がって来たなど、悩みは尽きないのかもしれません。

しかし、理想の物件はそもそも存在しないのです。優先順位を決め、妥協すべき点は妥協して早めに決断したいものです。低家賃の社宅にいつまでも居られる人は別ですが、いつかマイホームを持とうとお考えであれば、僅かな捨て金(金利)だけで貯金になる購入にメリットは大きいと思うのですが、いかがでしょうか。

ただし、選択物件を誤らないよう十分に注意しなければなりません。元本割れがあっても小さくてすむ物件を選ばなければなりません。特に今はそこに注意を払うことが大事です。
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マンション投資。ワンルームはやめた方が良い [マンション投資]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


読者の皆さんなら、「ワンルームマンション」の販売広告や「ワンルーム投資」のセミナー開催広告、そして「ワンルームマンション投資」に関する出版広告などにお気付きだと思います。

筆者は、講師がどのような話をするのか、そして主催者が物件の紹介(セールス)をするのかどうか、そんな狙いで投資セミナーに参加したことがありますが、予想したような内容だったので、大して勉強になることもなく、おかしな納得感を抱きながら帰途についた記憶があります。

その後、セールスマンから度々電話攻勢をかけられることになり閉口したものですが、筆者の理論と信念はますます強固になったという意味ではセミナー参加の意義はあったとも言えます。

さて、実は筆者に届くご相談メールの中に、最近はマンション投資にかかるものが増えています。理由はよく分かりませんが、背景にはワンルームマンション投資が盛んに行われていることがあるのだろうということは確かです。

マンション投資に関するご相談は、ワンルームだけではないのですが、今日は「ワンルームマンション」に限定して「注意点」を述べたいと思います。

●ワンルームマンション投資のリスク

長期投資のつもりで購入したワンルームマンション。それを、何故か途中で手放す人が多いようです。多数の取引成立例もあります。

本来、サラリーマンが定年後の副収入源(第二の年金)として購入したはずのワンルームマンションを、その手前で売ってしまうのです。

その理由はどこにあるのでしょうかでしょうか?売却益が得られると考えて売りに出しているのでしょうか?どうもそうではなさそうです。

所有者個々の一身上の都合も当然あることでしょうが、自己居住マンションと違って、転勤や家族構成の変動、子供の通学といった事情で買い替えるというのとは異なります。

手放す理由には、家賃の滞納など入居者とのトラブルが上位に来ると聞きます。立地条件もいいし、建物も綺麗なのに何故か安値で売りに出されている物件は要注意なのだと知り合いの業者は語ります。

建物に欠陥があれば、業者に告知義務があるので比較的表面化しやすいのですが、入居者のクセまでは及ばないことが多く、滞納グセのある人が入居していることは伏せられて売りに出されることが多いそうです。

また、日当たりがとても悪い部屋である場合、そのことが理由で頻繁な転出入が繰り返されて来た物件は、壁の結露がひどく、毎回リフォーム工事をすることもあって、年間に空室期間が平均で1か月以上になるといった例もあります。

このような事情が、所有者に嫌気され、手放すことを決心させてしまう理由になっていると推測されます。

ともあれ、20年後、30年後の安定収入源とする、すなわち年金代わりとするマンション投資のリスクを整理してみましょう。本当に思惑通りに行くのでしょうか。

リスクその1:建物が劣化し過ぎて、借り手が付かない

老後といえども、寿命が延びて結構長い存命期間、ずっと安定して家賃収入を得ていくには、建物がスラム化しないことが前提です。建物の劣化が不具合を引き起こし、管理状態が悪ければ、入居者に不快感を与えることが多くなり、退去を促進してしまいます。そして、新たな入居者を募集する際の家賃の引き下げを招きます。

リスクその2:大規模修繕に計算外の出費

外壁や屋根からの漏水、配管の劣化が招く水道水の濁りなどといった不具合を補修するための資金が、積立金だけでは足りないことが分かり、臨時の徴収を行う必要に迫られることがあるかもしれません。

リスクその3:賃貸管理を一任していた管理会社が倒産

お任せ管理の賃貸管理会社、またはサブリースの会社が倒産する危険がないわけではありません。

リスクその4:家賃の滞納

管理会社が処理しきれない。借り主の連帯保証会社が倒産、連帯保証人の不履行といった問題がおきる危険はいつでもあり得るのです。

リスクその5:売却の必要が起きたが全く売れない

長い人生の中には、予想もしない事態が発生する場合があります。そのことで、保有する不動産の売却を余儀なくされるかもしれません。そのとき、スムーズに売却ができるかどうか。金融情勢、経済状況などが逆風となって不動産市場が停滞している時期に、運悪くぶつかるかもしれません。

リスクその6:金利上昇のリスク(借入金がある場合)

史上稀に見る低金利が続いていますが、国債発行が膨大に膨れ上がった日本の金利上昇リスクは日増しに高まっているとも耳にします。しかし、そんなエコノミストの声に逆らうように、低金利に慣れてしまった国民。そのために、このリスクはつい忘れがちです。
金利が上昇すると毎月の返済金が家賃収入を上回ることになるかもしれません。そうなれば、累積投資額が増加し、実質の利回りは低下することになります。


●人生計画が狂ったので処分したいというとき

サラリーマンのワンルーム投資の目的は、あくまで老後の収入源、永久(とわ)の保障です。しかし、完全な形で保障が始まるのは、ローンが終わる20年先か30年先のことです。40年払い続けてやっと年金がもらえるのと同じようなものです。

(低金利の現状では、毎月の返済金を家賃収入が上回るケースもありますが、その金額は高がしれています)

厚生年金でも、果たして将来どれだけ貰えるものか、少々怪しくなっているという状況で、政府が保証するものでもない市場経済下の不動産が、私たちにどのような恩恵を与えてくれるか、これを読むのは極めて困難です。

周辺地域の環境変化は、賃料の下落を招くかもしれません。そうなれば、ローン返済額に届かず、毎月いくばくかの金額を足す必要が発生するかもしれません。

また、先に述べたように、トラブルが頻発したからとか、その他、想定外の個人的事情が発生し、売却を決断するせざるを得ないこともあるでしょう。

ところが、売却処分しようとしたら、ローン残債以下の金額でしか買い手がつかない。それでも売却するとしたら、数百万円もの資金を用意しなければならない。そのようなことが買って10年もしないうちに起こるかもしれません。結局は、売りたくても売れないという八方塞がり状態に追い込まれる危険を抱えるのです。

現状はデフレに歯止めがかからないため、低金利が続いていく見通しですが、果たして20年後はどうなのでしょうか?優秀なエコノミストでも予測は困難なはずです。

金利が上がったら、毎月のキャッシュフローはどうなるのでしょうか?ぎりぎりの収支バランスでスタートしていたら、金利上昇が計画を大きく狂わせることは間違いありません。
仮に、残債が1500万円であるときに金利が2%も上昇したら、単純計算ですが、金利だけで年間300,000円、月々25,000円も増加してしまいます。

何より、リスク5として挙げた「売るに売れない」や「売れないことはないが、購入額を大きく下回る価格でしか売れない」事態が最も高いリスクとなるのです。

ワンルームマンションを自己居住用として購入する人はいないこともありません。例えば、子供の大学進学を期に東京都心で購入する地方の資産家と、独身サラリーマンが代表例です。しかし、前者はもともと大きな需要ではありません。後者は、ワンルームマンションに住んでいる階層なので、買うなら1DKか1LDKというニーズが強く、これまた大きな需要ボリュームではないのです。

単身者でマンションを購入する階層は、金利が5%も6%もに跳ね上がったら変化はするでしょうが、現在の低水準からさほど大きく上昇しない限り、1DKや1LDKといった少し広めを購入するでしょう。その力を持つサラリーマン・OLは少なくはありません。つまり、ワンルームは基本的に実需型ではなく、賃貸用不動産としての市場の中で動くことになります。

ワンルームマンションの買い手は、サラリーマン投資家が主です。投資家は利回りの良い物件を狙います。中古なら新築より高く、最低何%以上などと線を引いている人も多いのです。

マンションの価格は、新築の場合、地価と建築費の変動による影響を受けますが、中古マンションは新築価格に連動する側面が強いのです。つまり、新築価格が上昇すれば、割安な中古に人気が集まる傾向が現われ、やがて中古マンションの価格も上昇していきます。

また、新築マンションが供給不足に陥った場合も中古マンションに需要が集中して価格が上昇します。これは、ファミリーマンション市場で見られる傾向ですが、投資目的のワンルームマンションでは、少し様子が違って来ます。

地価や建築費、需給バランスで価格が影響を受けることは同じですが、ワンルームマンションの場合は、収益還元率(利回り)の与える影響の方が大きいと考えられます。

従って、賃料相場が上昇しない限り、売買価格が上がることは少ないのです。
立地条件が際立って良いとか、再開発などで街の人気が急上昇し、地価も高騰している地域は、家賃も高くなりますので、中古マンションでも投資家が注目することとなります。もし、そこで新築の供給もない状況なら、中古マンションの価格も高値となるでしょう。

しかし、購入価格を上回る水準、つまりキャピタルゲインが得られるかというと、それが期待できる物件はワンルームの場合、極めて希有で、普通はそこまでは行かないと考えるべきです。


今日はごく簡単にワンルームマンション投資のリスクについて述べましたが、補足説明はたくさん残っています。機会があれば、続きを書きたいと思います。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


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