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第571回 「相変わらず高いマンション価格」1~7月の動向 [マンション市場]

マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツーをご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください★★・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています


新築価格の動向を毎月注視していますが、中々値下がりに転じないようです。

●新築マンションの動向

2017年1~7月の7か月の価格を見ると、前年同月比でマイナスになった月は3月の1回だけでした。1~6月の平均では前年同期比4.0%上昇となった模様です。7月単月では16.0%も高い(不動産経済研究所)と発表されました。

首都圏の半分弱を占める東京23区の上昇率が最も高く、その影響力が高いことは確かですが、他の地域も東京市部を除き少しずつ上昇しており、首都圏全体の傾向と言えます。

売れ行きは相変わらず低調で、毎月の契約率(新規発売分が当月の月末までに売れた初月契約率のこと)は好不調の分かれ目とされる70%を超えた月は5月と7月だけでした。

売れ行きが低調のときは、売り出し戸数も減るものですが、この1~7月は前年同期比2%ほどの伸び(7か月合計17,880戸)となったようです。といっても、前年が最近10年で最低の35,772戸(年間)だっただけに低調ぶりは変わっていません。年間では、8月以降に増える見込みらしいのですが、それでも前年並みに留まるのではないかと思います。

品薄感が続き、価格も高い。買いたくても買えるものは少ない。このような状況は相変わらずというわけです。筆者は、2018年でピークアウトすると読んでいますが、その兆しはちらちらしていますが、はっきり前倒しになる様子は見られません。

最近聞いた話ですが、水面下では数百万円単位の値引き提案が行われている売れ残りマンションは10物件以上あるのだそうです。筆者の実感では、そんなものではないと思うのです。売れ残りを「竣工後に継続販売中のマンションのこと」と定義すると、365件(23区だけで119件)もあるからです。これらのうち、竣工後1年以上を数えてみると、72物件もあるのです。2年以上も少なくありません。


●マンション業者の姿勢に異変?
建物竣工後のマンション販売で「第●期・新発売」の広告が目立ちます。これを見て、違和感を強く覚える人もあると聞きます。筆者もその一人です。何故なら新築マンションは遅くとも竣工完売が業界共通の目標で、竣工後に「新発売」というのはあり得ないことだったからです。

竣工までに完売できないと悟った売主は、腹を決めたのでしょう。とにかく売れる数だけ、1期00戸、2期00戸・・・と小出しにして売るのが最近のスタイルです。しかし、そうしながら販促を進めても、竣工までに完売できそうにないので、長期戦を覚悟したというわけです。

入居が始まり、居住者のいるマンションに外部から見学者を多数、しかも長期間招き入れる図は好ましいものではないはずですが、管理費は売主が負担するのだからご迷惑をおかけすることはない、そう割り切っているかのようです。

業者の中には、竣工前だろうが竣工後であろうが、「新発売マンションであって売れ残りではない」と開き直り、値引きなどとんでもないと語るデベロッパーもあります。

しかし、ホンネは違います。早く完売して別の物件の販売にかかりたいのです。販売が長期化すれば販売要員も足らなくなります。販売委託先の人員も限られるので、経験不足のスタッフが増え、顧客サービスに不満や説明の誤りによるトラブルなども出てきます。

早く完売しなければ、そのためには、値引きもやむを得ません。そう考える売り手が大多数です。

先週(2017.8.8)のSUUMOの中から「旧価格6468万円を新価格5800万円に(約10%引き)。1戸販売中」という物件を見つけました。竣工が2016年2月となっていますから、1年半経過したことになります。残戸数(販売戸数)は6戸とありました。

売れ残れば、やむなく値引き販売に踏み切って早期完売を図るか、定価で(値引きなしで)買ってくれる人を何年かかろうと待ち続けるしかありません。後者は、筆者の知る限り、関東では2社しかありません。大多数の売り主は「モデルルームだから」の大義名分(先行契約者に対する言い訳)を設けて、「家具付きモデルルーム販売」をメーンに、実質的な値引き販売に踏み切るものです。

しかし、そうしても「売れないマンション」とか、「高いマンション」とかの烙印を押されてしまうせいか、上記の例のように竣工後1年半、2年となって完売にはまだ遠い状況に陥ったりするのです。

中には販売初期から値下げを開始する例も見られます。といっても、この場合は利幅の中で住戸間のバランスを調整する程度のようです。例えば、北向きは不人気だから、もう少し下げようというようなケースです。発売前なら、モデルルーム来場者にも「予定価格」としか伝えませんから、訂正は可能なのです。

さて、売れ残った物件がすべて条件の悪い住戸とは限りません。条件の良くない住戸は最初から価格を目玉商品的に下げているので、案外初期に売れてしまうからです。残ったのは存外角部屋などの条件の良い部屋なのです。上述の値引き事例も実はルーフテラス付きの角住戸です。

売れ残るのは、価格が高いからです。買い手は、こうした住戸を狙えばいいのです。ただし、もともと高過ぎるので少し引いてくれたくらいでは、忽ちお買い得住戸になるとは限りません。値引き後の価格が適正かどうかをしっかり判断しないといけないのです。


●中古マンションも全体的には値上がりが続いている

新築価格が上がれば、連動して中古も値上がりします。2013年に始まった今回の価格上昇サイクルは、「高値警戒感」を経て「諦めるしかない高値水準」へ至り、売れ行きの悪化、そして価格上昇のピークアウトが近づいていますが、中古も同様の傾向が感じられます。とはいえ、はっきりと値下がりに転じたとは言えません。

レインズ(東日本流通機構)のデータによれば、2017年7月の成約単価は前年同月比で4.5%上昇、成約価格も前年比で5.4%上昇し、ともに2013 年1 月から55か月連続で前年同月を上回ったからです。

これは首都圏全体の動向ですが、都県別にみても大きな変化は見られません。しかし、ミニバブル的だった湾岸エリアでは値下がり物件も増えていますし、7月5日の本ブログ記事「中古マンションがもうすぐ買いやすくなる??」の中で紹介しましたが、東京都区部の中古マンションの3分の1が値下げに踏み切ったという調査データがあるのです。

調査したのは東京カンテイ社で、中古市場に出ているマンションのうち、直近3か月で値下げに踏み切った住戸の割合は5月時点で32.4%だったそうです。そして、このデータは早晩価格下落サイクルに移行するシグナルだと、同社はコメントしています。

筆者の読みは、新築同様、来年には中古マンションもピークアウトし、値下がりに転じるか、多少読みが外れても前年比で横這いになると思っています。

このような動静を見ながら、購入判断をしていかなければなりませんが、待って得策とは思えないので、うまく探す、うまく値引き交渉する、そんな買い手の行動が重要な時期にあると言えましょう。
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第570回 「新築マンションの価格は急落しないものである」 [マンション市場]

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2013年から始まったマンション価格の上昇を嫌って模様眺めに転じた人は大勢いるようです。インターネットその他の情報に触れて「東京オリンピック」以降に下がると信じ、今も待機中という人も多いのでしょう.。

新築を嫌って中古にも目を向けたが、その中古も値上がりしてしまったので、もはや買うものはないと半ばあきらめ顔の人もいるようです。

では、いつまで待てば購入可能な価格になるのでしょうか?このブログでは過去にどこかで何度か触れて来た所感ですが、今日は改めて表題に絞って根拠とともにお伝えしましょう。

●新築マンションは価格上昇が行き過ぎて売れなくなったが・・・

新築マンションは、価格が少々上がっても根強い需要に支えられて売れて行くものですが、度を越すと買える人の数が少なくなり、売れ行きにブレーキがかかります。言い換えると、需要は一時的に減退するのです。

売れるだろうと造ったマンションがさっぱり売れないという状況は、売れ残りマンションが多数という状況を創り出すのです。売り手は、販売促進の策をあれこれ打ち出しますが、最後の手段は「値引き販売」です。

潜在需要は間違いなくあると考えられるので、価格さえ購買力に近づけてやれば売れないことはないからです。2012年を底として2016年の価格はざっと25%も上がったために売れ残ったのですから、15%くらい下げることができれば売れ行きは回復するに違いありません。

しかし、15%も下げるなどということは売主各社が「やけくそ」にならない限り不可能なのです。

理由の一番は、既に定価(売主の所定の利益が取れる価格)で買った購入者との間で著しく公平さを欠くことになるため、したくてもできないことにあります。

「マンション氷河期」と言われた何十年も前のことですが、そうした行為を暴挙として非難した買い手が集団訴訟を起こして売主に差額返金を求めたことがあります。

実は、この係争で売主は勝訴しています。しかし、売主は値下げ販売で目に見えない損害を被ったのです。信用や企業のイメージダウンなどでしょうか?

そのころ、同様の騒ぎが頻発したため、大手の売主は先行契約者に値下げ率に応じて差額代金を返したのです。当時のマンション価格が3000万円だったとして、500万円とか600万円といったプレゼントを受け取った契約者(既に入居済み)は、半分が喜び、半分は値下がりした自宅の行く末を案じたりしたと聞きました。

とまれ、返金ののち、売れ残り住戸を「最高800万円値下げ」といった大胆なコピーで広告を展開、ほどなく完売したのです。

今はそこまでの窮地に陥っている物件・売主は少ないのでしょう。値引き広告は限定的です。すなわち、「モデルルームとして数か月使った部屋なので安く売りますよ」という広告キャンペーンが精いっぱいです。この方法なら一応の大義名分(言い訳)ができるからです。実際は、その方法を繰り返しながら複数住戸を売って行くのですが・・・

理由の2番目は、大きな値引きすると売主の経営に重大な悪影響を与えるからです。そもそも、新築マンションの利益は大きくないのです。

マンション用の限られた土地を仕入れるための競争は熾烈で、常に高値になってしまうため、採算に乗る(つまり売れそうな価格に抑える)ギリギリの、ときには販売が困難なラインを超えてしまいそうな価格で取得しているのが実態です。

建築費もしかりで、採算に乗る価格からはじき出した建築予算で請け負ってくれるゼネコンを探すことは簡単でないのです。

新築マンションの粗利は高々20%、そこから販売経費や広告費などを差し引くと10%も残らないのです。こう説明すると驚く人も少なくないのですが、商品の価格が大きいので、10%でも事業としては妙味があるのです。ただし、うまく回転した場合のことで、新規参入しては消えて行ったマンション業者は数限りなく、過去の栄枯盛衰は激しいものであったことも事実です。

利益を何とか出したいという売主にとって、10%の値引きは死守ラインとなるのです。しかし、それは全体の利益率のことなので、半分の住戸を定価(利益10%で)売ったとすると、残り半分を10%引きで売っても、平均したら5%は利益を確保できるわけです。ただし、そう考える経営者はありません。そこまでの結論に至る状況は販売が長期化し、既に決算期をまたいでいるので、新年度では値引きした分がそっくり減益もしくは赤字になってしまうからです。

値引きしなければ売れない物件ばかりではありません。高くても、駅直結マンションのような、あるいは憧憬の街における久々の高級マンションのように、高くてもたちまち売れてしまう例は不況下でもあるのです。従って、値引き販売が横行しているとはいえ、全体の何割もあるわけではありません。

つまり、値引きの幅は業界全体でみると極めて小さいのです。しかし、個別交渉では10%の要求が通ることがないわけではありません。竣工してから1年半も経って、2回目の決算が近いなどという物件では「やけくそ気味に」に、「こっそり2割も引くという例も稀に見られます。


●売れなくなれば次からは価格を抑えて来るのでは?
売れ残りマンションを安く売るというのは難しいことがお分かりいただけたことと思います。

業界として何か良策はないものでしょうか? 次の物件からコストを抑え、利益率も下げれば売れそうな価格にできるのでは?外部の人は、そう考えるのですが、コトは簡単ではありません。

コストのうち、土地は2年も前に買っていますから、確定原価です。もうひとつの原価である建築費も今はとても下がる見通しがありません。下げるには、設計から見直すことが必要です。しかし、粗悪品を作ることはできませんし、廉価版マンションではかえって売れないものです。コストダウンには限界があるのです。

以前指摘したことがありますが、見えないところでコストを下げたマンションが増えていますし、間取りもつまらない田の字型ばかり、出来上がってから安物と分かるコストカットマンションは、4年も前から当たり前になっています。これ以上のコストダウンはきっと逆効果になるでしょう。

トヨタ自動車がかつて「乾いた雑巾をしぼる」と言われるほど徹底的なコストカット策で一世を風靡しましたが、マンション建設では既に実施済みです。

では、利益を削ればいではないかという声も聞きますが、先に述べた通り幅が小さいのです。おそらくは焼け石に水だと判断するデベロッパーが多いでしょう。中には、「そこまで下げなければ売れないのであれば、しばらく駐車場にするかイベント会場として貸すかを考えろ、マンション用地としては凍結だ」などと決断するデベロッパーも出てきます。

つまり、値を下げるデベロッパーが続出して全体として新築マンション価格が顕著な下落のトレンドを見せることはないのです。

●急騰後の値下がりが小さかった前回不況期

過去のデータを見てみましょう。首都圏全体の価格推移から説明します。

バブル経済崩壊後の下落が止まった2002年から2004年(3年間)は価格の底で、かつ安定期にありましたが、この頃の新築マンションの平均坪単価は約180万円(首都圏平均)でした。

ところが、翌年2005年から2008年(4年間)にかけては、毎年上昇して2008年には214万円となったのです。2004年からの上昇率は19%弱です。(今回の上昇率は23%)

価格急騰によって販売不振物件が続出し、各地で値引き販売が増えました。そのことで起きた不公平感が買い手の不興を買い、テレビ報道でも取り上げられたのです。

2008年の秋、米国で「リーマンショック」が起こりました。これが契機となって世界同時不況が起きかけました。日本でも景況の悪化が心配され、マンションどころではなくなったのです。

マンション業界にとっては、高値が売れ行き不振を招いていたところに、リーマンショックで「泣きっ面に蜂」という状況になりました。

しかし、翌年(2009年)の新築価格は@214万円から@212万円に下がっただけでした。その後も大きな下落にはならず、2012年まで@213万円前後の高値安定で推移し、値上がり前夜の2012年に至りました。2013年には再び上昇し@230万円、2016年には、どうとう@262万円となった(2012年比で23%アップ)のです。

23区だけに絞ってデータを見ると様相は変わります。簡単に言えば、値上がり幅も大きいために値下がり幅も少し大きくなったのです。

2005年@226万円、2008年@281万円。この間の上昇率24%と首都圏平均より5ポントも大きかったのですが、2009年には@263万円と急落(6%)。しかし、その後2012年までは@274万円、@268万円、@264万円と推移。つまり、6%下がっただけで底を打ったというわけです。
地域的な差はあるにしても、値下がりはせいぜい5%か6%と見るべきということを歴史が語っています。


●金利が上がったら値下がり分は吹き飛ぶかもしれない

郊外部は値上がり率も比較的緩やかであったために値下がり率も低いが、都心部は値上がり率が大きいために、下げ幅も郊外よりは大きかった過去ですが、この先は同様の傾向を見せるでしょうか?

5%程度の値下がりがあると仮定しましょう。平均的なグロス価格を5000万円としたら、4750万円になるわけです。4000万円くらいの地域なら3800万円になるということですね。

この200万円か300万円の差は、金利が上がれば意味をなしません。ちなみに、今なら4000万円を1.0%、35年返済で借りた場合、年間の返済額は135万円になりますが、これが値下がりによって3700万円の借り入れで足りることになっても、金利が1.5%に上がってしまうと年間返済額は136万円となり殆ど変わらないのです。

金利が上がったらという「タラレバ」論ですが、上がってからでは遅いのです。つまり、ひたすら金利上昇はないと祈るしかありません。

さもなければ、5%の下げではなく、10%くらいの下げを期待するしかないのです。

********


値下がり期待はむなしい。それでも期待して待ちますか?負担する家賃がない人、購入時期が5年先でも構わない人、ローン年限にゆとりある若い人などは待てるかもしれません。しかし、多くの買い手は、仕事や家庭の事情が許さないはずです。

高くても買うのことで得られる喜びが大きければ今買うという選択は悪くないものです。筆者の経験からも信念を持って「買い」をお勧めするところです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。
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第568回 建物代ゼロ評価の一戸建てを売却してマンションへ買い替えるシニア層 [マンション市場]

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数年前から駅前マンションの動きに注目して来ましたが、注目の理由は「価格が異様に高い。誰が買うのか」というものです。

高くてもいい。金に糸目はつけない。このような需要階層が存在します。絵画、宝石、骨とう品、宝飾時計、競走馬などの世界のことかもしれませんが、実はマンションにも同様の富裕層が存在します。彼らは「不動産コレクター」とでも言うべき人で、必要に応じて何軒目かマンションを購入したとき、それまで住んでいた所有マンションは売却しないのです。

購入する物件は地域一番の物件、話題のマンション。しかも、その中の「プレミアム」にグルーピングされた住戸、またはそれに準ずる住戸を購入しています。元の家はどうするのかを尋ねると、「子供が使う」や「もうすぐ結婚する親戚の若い夫婦に貸す」などと言います。「一般に賃貸する」という人も無論あります。希少価値あるマンションなので、売りたくないようです。

さて、今日の話は、これらの富裕層とは少し違うタイプの富裕層についてです。プチお金持ちと言ってもよいかもしれません。

冒頭述べた「高い駅前マンション。誰が買うのか」の答えは、「便利な住まいが欲しい。高くても構わない、そこに住みたい層」が分厚く顕在化したということでした。

筆者が気に留めた駅前マンションの所在地は、都区内ではなく東京郊外のマンションでした。新築だから目に留まるのですが、新築の供給がないエリアでは中古マンションにもその種の需要が押し寄せるようだと、最近その種の物件購入者とお会いしました。指値はできない。買い手が列をなしている。だから売主の言い値で買うしかないという話でした。地域の中古相場をから大きくかけ離れた値が付いていました。

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駅前だったら当然ではないのか、そんな疑問をお持ちの読者もいらっしゃると思いますが、その価格が「ちょっと高い」ではなく「突出プライス」なのです。具体の物件を出して解説することはできませんが、何とか市場実態をお伝えして行こうと思います。

筆者は、「気に入っているマンションがある。しかし、どうも高過ぎるように思う。客観的な意見を聞きたい」にお答えする仕事が日課のようなものなので、買い手の心情が何となく、ときには痛いほど分かる立場にあります。

お答えのための作業過程で、対象マンションの性格・特徴、そして位置づけを分析して把握します。そして「高い・安い」を判定し見解をお届けするのですが、郊外マンションの場合は、たとえ駅前でも「高過ぎる」というお答えになることが多いのです。

レポートお届けの後の反応は、「高過ぎることは分かったけれど買いたい」というのがご相談者の結論です。圧倒的な差別感のあるマンション、ただひとつの希少価値。だから資産価値としても間違いないと考えての結論ではないのです。なぜなら、筆者の答えは少し違うからです。

第三者の見解としてはネガティブであっても、買うことにしたという買い手は、どのような動機や心情、あるいは欲求があってそう決断するのでしょうか?筆者の分析を申しましょう。

「その便利さを買いたい。だから金に糸目をつけない。いざ換金というとき半値以下では困るが3割なら下がってもいい」という鷹揚な買い物をする階層なのです。しかし、そうだとして、そこまで割り切っても欲しいと思う動機や購買心理はどこから来るのでしょうか? 

「ただ今」の住まいが不便な場所にあるからです。大きな一戸建て、最低でも200㎡以上の敷地、広い庭、150㎡以上の2階建て、そんなイメージでしょうか?

働き盛りのころ、家族のためにと遠距離通勤をいとわず建てた家だったが、ローンも完済した今、既に住む家族は二人だけ、高齢になって階段の上り下りも辛い、何より広すぎる、使っていない部屋が3つもある、庭の手入れも面倒になって来た。もともと買い物も不便だし、どこへ行くにも車が必要な場所。高台で景色も環境も良いが、車は危険と妻が言うし、夫婦二人が豊かな老後を送るには何かと不便だ。

なにせ老後は長い。もはや余生とは言えない長寿命時代です。元気に、そしてアクティブに暮らすには、コンパクトサイズでいいから便利な駅前マンションに住み替えるのが賢明だ。

このような潜在需要は全国各地で膨れ上がっているようです。筆者に届くお便りは氷山の一角です。

しかし、我慢ならない状況に追い込まれているわけではないので、何かきっかけがなければ需要は顕在化しないはずです。つまり、何かが行動させるのです。ひとつが、新築マンションの販売キャンペーンに接したときです。チラシ、看板など大々的な宣伝とモデルルームの開設・公開が潜在需要をごく自然に行動に駆り立て、結果的に購入の決断へ導くのです。

木造住宅は20年も経過すると土地代だけの評価になってしまうものが大半です。既に30年。しかし、ローンがないので、売ればそこそこに大きな現金を手にすることができるでしょうし、金融資産もあるので無理なく買えてしまうシニアが多いのです。個人によって予算に差はあるものの、駅前マンションのどこかの部屋が買えてしまうのです。

駅前でなく、駅5分でも似たようなものではないか。ライバル物件の営業マンは恨めしそうにこう語りますが、そちらの方が価格はかなり安いとしても、最高の物件に触れてしまった人は他には目がいかないのでしょうか。

結局、インパクトある駅前・駅直結マンションは、これらシニア層に一般需要層も加わって、短期間で完売に達しています。そうした例は、思い出すだけでも過去5年くらいに10物件をくだらない(都下、埼玉、千葉、神奈川)のですが、これらの物件の資産価値は将来どうなるのだろうか。調査・分析作業のたび、悲観的に思うことが少なくありませんでした。

一戸建てを売れば、みんな駅前の便利なマンションに住み替えられるわけではなく、また広すぎて持て余している家とはいえ、そこには家族の思い出がいっぱい詰まっているので売りたくないシニアもたくさんあるようです。

バス便の一戸建てから駅前マンションへの住み替え需要は、首都圏全体で見れば大きなボリュームになっているのは確かですが、地域ごとに見たとき、その数は膨大ではなく、まして10年後20年後はどうかというと、今と同じような分厚いボリュームがあるとは思えないのです。

圧倒的な優位にある駅前物件といえども、金に糸目はつかない需要層は減り、「それなりの価格」でしか売れないことになるはずです。

中古マンションとして売り出したとき、所有者の期待通りになるかどうかは「需要がどれだけあるか」にかかって来るのですが、そのボリュームを読むのは容易ではありません。郊外都市の人口は間違いなく減少します。そのスピードは都心より早いのです。従って、駅前マンション・駅直結マンションというだけで飛びつくのはリスクの高い行動です。

中古マンションを新築マンションのように大々的なキャンペーンによって販売することはないので、人気物件といえども列をなすかは疑問です。

誤解のないよう補足しておきますが、郊外都市ほど駅の近くの物件を選択すべきだというのが筆者の主張です。しかし、価格が高過ぎる物件は将来価値に疑問が残るのです。第567回の記事で「最重要ポイントは購入価格」と述べましたね。そこが問題だからです。

今日の話で登場したプチお金持ちは限られた特殊需要層なのです。同調して「高過ぎるものは買わない方がいい」そうお伝えしたいと思います。


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第564回「売れていないマンションを物語るチラシ配布作戦」 [マンション市場]


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7月14日金曜日、たくさんのチラシが新聞に折り込まれました。いつもの週より随分多いなと思ったら、今日から3連休でした。
「それにしても、遠いところから宣伝にやって来たなあ」と感じさせるものが3件も混ざっていることに、改めて「売れていないのだなあ」と実感した次第です。

読者の皆さんのお住まいでも同様の事象が見られませんか?

短期間に高くなった新築マンションも、連動して上がった中古マンションも、さすがに買い手に見放されて売れ行き不振に陥ってしまったわけで、多くのマンションが店ざらしになっています。

新築の場合は、店ざらしというと正確ではありません。売れる数しか店頭に並べないからです。それ以外の在庫は倉庫の中に眠っているというわけです。
ともあれ、新築は表立って値下げすることもできないので、顧客の動員に苦労しています。広告のデザインを変えたり、価格を未定としてみたり、あの手この手を使って集客を図るものの、思うに任せず、とうとうこんな遠くまでチラシ配布作戦に出たのだと分析せざるを得ないのです。

●値下げすれば忽ち売れるのに

どんなマンションでも価格が安ければ、人里離れた山の中でない限り買い手はつくものです。売れ行き不振は、究極のところ価格が高いことに原因があるのです。
環境が素晴らしい、駅にも近い、建物もハイクオリティである。それでも売れないのは、価格に魅力がないだけのことです。

こう筆者が語ると、一部売り手は「高くないよ」と反論するかもしれません。しかし、高くないとする根拠が近隣の競合マンションと比べているだけだったら、どちらも高いことを意味しています。

その立地では、手の届く需要層が薄いのです。安かったときは100人いた層が、高くなったことで50人に減ったのです。減った顧客をライバル社とともに分け合って結果的に共倒れ状態にあるのです。

こうなると解決策は、価格を下げるしかありません。しかし、これまで買って下さった顧客の前では、たとえ5%でも値下げ販売は打ち出しにくいものです。

メーカーの監視外で小売店が値下げ販売することがあるとブランドに傷がつくから、全て直営小売店にしているのだというブランドバッグメーカーの話を聞いたことがありますが、新築マンションでもこれに似た不文律があるのです。

しかし、それで売れるならまだしも、やっぱり売れないとするなら値引き作戦しかありません。一部のデベロッパーを除き、たとえブランドマンションでも最後は値引き販売に踏み切ってしまうのが現実です。

最後というのは、建物竣工後の在庫販売のことですが、そのタイミングをじっと待つという作戦も買い手にとって悪くないものです。


●中古の値下げは早い
一方、中古マンションは値動きの動きは早いものです。新築マンションの価格引き下げは硬直的ですが、中古マンションは柔軟だからです。

10日前の本ブログ記事「中古マンションがもうすぐ買いやすくなる??」の中で紹介しましたが、東京都区部の中古マンションの3分の1が値下げに踏み切ったと出ていました。
調査したのは東京カンテイ社で、中古市場に出ているマンションのうち、直近3か月で値下げに踏み切った住戸の割合は5月時点で32.4%だったというのです。

新築と違って、中古の売主は殆ど個人です。個人の裁量で、もしくは都合で売り出し価格を決めることができます。同じマンションの別のオーナーの中には、「安く売らないで。自分の部屋を売る価格に影響するのだから」と言う人もあるかもしれませんが、それでトラブルになったという話は聞いたことがありません。

新築マンションは青田売り(建物未完成の段階で販売)するので、売れないから値下げしようと決断するまで平均したら1年くらいの猶予期間がありますが、中古は3か月で変動すると言えそうです。

売りを依頼するとき、仲介業者と交わすのが「媒介契約」ですが、この期間が3か月なので、もちろん契約後2か月で値下げしても問題はないものの、普通は3か月様子を見て決まらないとき、媒介契約を更新するか、他社に乗り換えるか、それとも売却を断念するかを考え、売却を継続するオーナーは、その際に価格を改定することが多いのです。
3か月経過して売れないと、仲介業者は「少し下げていただけないでしょうか」と提案して来ます。経過を見ていたオーナーは、仕方なく値下げ提案(要求)を呑むというわけです。

筆者に情報提供してくれるW不動産の売り出し価格を見ていると、以下のような事例が毎週見られます(抜粋)。最近の情報では130万円から1100万円、2%~8%ほどの幅で価格改定していることが分かります。

(改定前価格⇒改定後価格)(値下げ幅)
6,270万⇒5,980万円  ▼290万円(4.6%)
4,880万⇒4,750万円  ▼130万円(2.7%)
6,450万⇒6,250万円  ▼200万円(3.1%)
7,380万⇒6,980万円  ▼400万円(5.4%)
5,480万⇒5,230万円  ▼250万円(4.6%)
5,380万⇒5,100万円  ▼280万円(5.2%)
7,980万⇒7,690万円  ▼290万円(3.6%)
4,480万⇒4,280万円  ▼200万円(4.5%)
7,280万⇒6,980万円  ▼300万円(4.1%)
6,980万⇒6,420万円  ▼560万円(8.0%)
9,480万⇒8,990万円  ▼490万円(2.0%)
14,000万⇒12,900万円 ▼1100万円(7.8%
10,980万⇒10,480万円 ▼500万円(4.6%)

個人オーナーが自宅マンションを売却するのは住み替えのためです。
売り先行の人もありますが、買い先行の人も多いはずです。つまり、住み替え先を既に契約済みであり、一定額以上で売れないと資金計画が大きく狂うのです。
このため、早く金額を確定させてしまいたいと考えるのでしょう。

人気マンションの場合は中々売り物がないので、出たらすぐ買いたいという人もあるため、何か月も売れずに残っていることも、価格改定に至るとうことは少ないかもしれません。

そのような物件を待ち焦がれる人は、新築のようにじっくり待つというわけには行かないものですが、もし物件を特定していないのであれば、今は慌てない方が良いと言えるでしょう。良い物件に出会えたときも、腰を据えて価格交渉することをお勧めしたいと思います。


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中古マンションがもうすぐ買いやすくなる?? [マンション市場]

マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツーをご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください★★・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


2017/5/20の記事「新築は遅いが中古の値下がりは早い」の中で、「中古マンションの値下がりが近く始まる、その兆しは既に見られる」とお伝えしましたが、先日(2017年6月23日)の新聞でこれを裏付けるような報道があったので、お伝えしようと思います。

新聞には、東京都区部の中古マンションの3分の1が値下げに踏み切ったと出ていました。調査したのは東京カンテイ社で、中古市場に出ているマンションのうち、直近3か月で値下げに踏み切った住戸の割合は5月時点で32.4%だったというのです。

同社の分析では、値下げ例が30%を超えると「値下げが活発な」と言えるそうで、近い将来の価格下落につながりやすいとのこと。値下げが広がる背景には需要の鈍化があると付記しています。

この分析が正しければ、中古マンション購入を検討中の人は焦らない方がよさそうということになりますね。

ただ、意中の物件なり、価格交渉中の物件のある人はどうでしょうか?見送った方がいいのでしょうか?上記の記事を読んだと思われる人からの問い合わせが筆者のところに続けて届いたので、ブログでも所感を述べることにしました。

具体の物件名を書くことは憚りますが、以下は一般論としてご賢察ください。


●売り急ぎのオーナーさんも増えています

中古マンションを売り出す人の事情は一般的にいくつかのパターンがありますが、最も多いのは「ランクアップ住み替え」です。

手狭になったから、もっと職場に便利な場所に住みたいから、子供の通学の便を考えて、眺望の良いタワーマンションに憧れて・・・などです。

もう一つは、「キャピタルゲインを狙った投資家の転売」です。

最近(この1年くらいで)気付いたことは「売りを急いでいるオーナーが増えている」らしいことです。2年前は「売り惜しみ」を感じたものでしたが、逆転したようです。少なくとも筆者の印象はそうです。

マンション価格の値上がりも、もうすぐピークアウトすると盛んに喧伝され始めたからでしょうか?専門家や業界関係者などが「もうピークだ」「高止まった」などと語るからでしょうか?

原因はともかく、高値警戒感は買う側にも売る側にもあるようで、今まさに分水嶺にあるのかもしれません。

売り手は、「下落のトレンドに移りそうだ。早めに売って利益を確定させよう」と強気の姿勢から現実的な姿勢に転換しだしました。筆者に毎週届く中古物件の「値下げ情報」を眺めていると、確信が持てます。

「6980万円で売り出している我が家だけど、6780万円に書き換えてもらいたい。もし買い手さんが指値をしてきたら、6500万円までなら覚悟するつもりもある。とにかく早いとこ決着つけたいので、よろしく」・・・こんな電話が仲介業者に頻繁に届くようになっているとも聞きます。

中には、来年3月に完成する新築マンションに移るための自宅売却を9か月も前の6月から始めた人もありました。値下がりしないうちに買い手を決めておきたいという思惑なのでしょう。もっとも、中古マンションを探している人で9か月先の入居という条件を容認して買ってくれる人があるかは甚だ疑問ですが。


●不動産は夫婦の縁と同じ。大事にした方が良い物件もある

この先、中古マンションの値下がりが始まるとして、それが確実なら慌てて決めることもないわけですが、本当はどうなのでしょうか?

筆者はご相談のあった方には「慌てないで」と言っています。ゆまり、これはという物件に巡り会うまで「じっくり」探すという基本方針をお伝えしています。

ただし、誤解のないようにお断りしておきたい点を最後に書こうと思います。「チャンスかどうかは後になって分かるものであること」、「不動産は夫婦の縁と似ている」ということです。後者について補足しましょう。

夫婦の縁とは「条件」で結ばれるわけではなく、もっと深い何かによって結ばれるものと考えます。

マンションでも同じで、「高いとは思うけど、自分たちにとってふさわしい物件だと思う」や「前々から気になっていたマンションだけど、売り物がめったに出ないので、これを逃すと次はない気がする」、「予算より500万円オーバーです。あと少し頑張るとしても300万円が限界。そこまで下げてくれたら買いますが、300万円下がらないなら縁がなかったと思って諦めよう」などといった決め手を見いだせれば、その物件を買ってよいのではないかと筆者は考えます。

夫婦の絆は損得で結ばれるものでもありません。マンションも優先順位は「生活の向上」や「家族の幸福」などが先で、次が「資産価値」なのです。筆者が常々述べるのは「資産価値」についてですが、「生活の向上」以下、本来の目的を後回しにしていいと述べているわけではありません。個人個人、選択条件も基準も異なるからこそ、他人の筆者が恣意的に言えないだけのことです。

大事なことは、経済的損失を被っても、金銭で測れない精神的価値が高ければ満足度は高いはずです。

見学したとき、この場所、このマンションに住みたいと感じた、その気分を大事にすることも必要です。

自分と家族にとって「ほしいと思うなら、経済的な損得計算は二の次」と敢えて申しましょう。もっとも、「でもやっぱり大損はしたくない」のも人間心理です。そんなときは、筆者の提供する「将来価格の予測サービス」をご利用なさるとよろしいのです。きっと得心できるお答えをお届けできるはずです(笑い)。


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同一エリアに3000戸もの大量供給。将来、売り物多数で値崩れしないか? [マンション市場]

 このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


標題のご質問をときどき頂きます。新築マンションの供給が減っている時ですが、特殊な集中エリアもあるためのようです。

例えば、都区内では月島や勝どきといった中央区の湾岸エリア、品川シーサイド駅や天王洲アイル駅、国際展示場駅といった品川区、港区、江東区などの湾岸エリア、川崎市の武蔵小杉エリアなどでしょうか?

筆者の答えは、「ご心配は無用」です。

沢山のマンションがあれば、中古物件の流通も増える、市場に多数出回れば価格競争が起こって値崩れする。理に適ったご心配ですが、現実はそんなことになりません。売りに出す人の心理や動機から考えてみましょう。

 「中古マンションが急騰していて我が家も随分高く売れそうだ。売るなら今がチャンスだ」。そう言って自宅を直ちに売りに出すでしょうか? 売った後はどうするのでしょうか?子供の学校は?通勤は?同じエリアのマンションは、我が家と値上がりしています。買い替えのメリットはあるでしょうか?

たまたま「転勤になった、丁度いい、愛着のあるマンションだが、この際売って多額の現金を手に入れよう」――このような人もあるでしょうが、そんな人が市場価格を攪乱するほど多数重なる可能性は低いはずです。

 同じようなライフステージにある所有者が多ければ、子供の成長とともに住み替え時期が重なることもあるかもしれませんが、一斉に売り出されることは考えにくいものです。

 もちろん、転居者が多い時期やマンション売買が急増するシーズンというのがあることは確かですが、その時期は売る人も多いかわりに買いたい人も多いことを意味します。

 しかも、特定の地域だけに集中して起こるわけではないはずです。人口が多い地域では、それなりの沢山の売買が行われます。高齢化によって取引が活発でないエリアもあるでしょうが、新築マンションが大量供給されるエリアは、人口流入が多いわけですし、商業施設も増えて活気ある街になっているか、そうなる期待を抱かせる街です。

そのような街では、マンション需要も多いので、売りに出される数が多かったとしても問題はありません。

ただし、100戸のマンションから売りに出る数より1000戸のマンションから売り出される数は多くなるものです。従って、同一マンション内での競争と同一エリア内の競争は起こります。その意味では、できるだけ競争力の高い物件(住戸)を選択することは必要です。

 しかし、極端な悪条件を抱えている物件でなければ、市場原理に従って売買は成立します。つまり、買い叩かれてしまうことはありません。

 東京の場合、買い手は地元の狭い区域のみで探すということはなく、広域に探す傾向があります。従って、広域の中で需給がバランスしていればよいのです。

最近は、新築の供給が大幅に減っている関係で、例えば10年後あたりを展望すると、築浅中古が市場に少ない状況を迎えるはずです。その意味でも、全体的に中古マンションの価格が落ち込む確率は低いのです。数字を見ましょう。

 
  首都圏の新築マンション年間供給戸数の推移をみると、最近数年は10年前と比べると半減しています。23区も同様で、40%近くも減りました。

2004年、2005年、この頃は35,000戸ほどが供給されました。
(39,147戸・31,025戸)
最近は、22,000戸程度に減っています。
(2012年:19,398戸、2013年:28,340戸、2014年:20,774戸、2015年:18,472戸)

これは、次の10年後に築浅マンションの流通戸数が非常に少ない状況を予想させるデータです。

 どうしてこんなに減ってしまったのでしょうか? 理由は二つと考えられています。

ひとつは、中小デベロッパーの減少です。つまり、作り手がいなくなったのです。

2008年秋に起きた「リーマンショック」は世界金融危機と世界同時不況を招きました。日本も例外ではなく、百年に一度の不景気が来るとの危機感が広がり、とりわけ金融機関はバブル崩壊の過程で巨額の不良債権を抱えてしまった経験から、守りの姿勢を強めました。その影響を最も強く受けたのが、負債比率の高い中小マンション業者とゼネコンでした。

マンション供給戸数で一度は大手「大京」を抜いて全国一位になったA社を筆頭に個性派のマンション業者が、株式上場企業も含めて銀行から資金を止められ、多数倒産してしまいました。

大手は大規模マンションを、中小は大手が手を出さないエリアと中規模以下のマンションをと、住み分けしていた業界でしたが、その構図が崩れ、中小業者の分がごっそりと減ったのです。

理由の二番目は、用地の取得ができなくっていることです。

良い土地が中々ないと嘆きながらも用地を確保し、マンション供給を続けていた業者に強い順風が吹いた時期がありました。

バブル崩壊後の地価下落過程で、法人・団体は一斉に土地を放出し出したのです。それまでは一度取得したら手放さないで抱え込むことが含み経営のメリットであり根幹をなすものでしたが、右肩上がりの土地神話が崩壊し、並行して会計基準が国際化されたことなどによって、方針転換する企業が続出しました。

社宅、グラウンド、工場、倉庫、資材置き場、廃校や移転で空いた学校など、マンション業者にとって垂涎の土地が次々と売り出され、マンション業者の手に渡りました。その結果、バブル期には殆んど途絶えていた(※)と言って過言でない新築マンションが息を吹き返したように急速に開発され、市場に送り出されたのです。

(※1991年の首都圏全体の新規発売戸数は、20数年ぶりの低水準だった2016年の戸数35,772戸すらも下回る26,248戸と極端な数だった)

2000年からリーマンショック前年の2007年までの年間供給戸数は、平均80,000戸を超えることとなりました。首都圏の年間需要は50,000戸くらいと言われていましたが、バブル期の供給不足がウエイティング需要を蓄積させていたことによって爆発的な売れ行きをもたらしたのです。

ところが、その後はマンション用地の取得が極端に減少しました。企業のリストラ(土地の置き換え・単純放出)が一巡してしまったのです。特に大規模敷地は湾岸エリアに限られてしまったかのようです。地価の高騰もあって、2007年以降の供給戸数は減少トレンドとなったのです。

供給が減っても、需要も減ればバランスするわけですが、最近数年の40,000戸前後の供給戸数に対して需要はどのくらいあるのでしょうか?

この答えとなる適切なデータは見当たりません。しかし、市場実感として言えるのは、50,000以上はあるということです。

超長期で見れば、人口の減少が住宅需要の減少をもたらすことは間違いないですが、首都圏、とりわけ東京都区部は減少スピードが遅いと考えられています。最近も全国の傾向と逆の人口増加傾向にあります。

こうした背景を見ながら考察して行くと、向こう10年程度で需要が2割も3割も減ってしまうことはないでしょう。しばらくは50,000戸程度の新築需要はあると見てよいのです。まあ、減っても40,000戸くらいは維持できるはずです。

そんなマクロ市場とは別に、都区部・都心などという特定エリアになると需要は底堅く、むしろ増えると見てもよいかもしれません。
 需要が供給を上回る状況になれば、どんな中古物件でも底上げされる期待が持てることになります。

あとは、物件固有の条件格差ということになるわけです。いかに競争力の高い物件を手にするか、この一点に検討課題を絞っておけばタイトルの「供給過剰問題」は心配無用なのです。

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新築マンション市場の現況と展望 [マンション市場]

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値上がりが続いて来た新築マンションも、ようやく頭打ちになって来たようです。しかし、下がる傾向はまだ見えません。2016年1月25日の記事「2016年のマンション(新築)市況を振り返る」でも少し触れましたが、もう少し掘り下げつつ今後を占ってみようと思います。


●新築マンションの価格動向

昨年1年を振り返ってみます。(データ出所は不動産研究所)

経過を見ると、上半期は前年同期比で9.2%の上昇(坪単価)でしたが、下半期は前年割れの月が何度も出て、結局は年間で+1.8%とわずかな上昇に留まったのです。
2017年に入って、1月は前年同月比24.8%の大幅上昇、2月も同2.0%の上昇となっています。

1月の中身は、23区が牽引した格好でした。タワーマンションの上層階プレミアム住戸と、いわゆる全部が億ションの高級物件を合わせて、高額マンションが多数売り出されたため、単価も平均で@435万円(前年1年の平均332万円)と比べると30%も上がり、1戸当たりの価格も9148万円と、同6629万円から+38%と大きく上昇しています。

1月は特殊な月だったようです。

2月の1戸平均価格は23区だけを取ると5793万円と、前年同月比で20万円(0.3%)アップ、坪単価は2.0%アップとわずかな上昇に留まりました。


●新築マンションの供給状況

2016年の供給戸数は、35,772戸と前年2015年の40,449戸に比べ11.6%減少しましたが、この数字はバブル崩壊後の1992年以来24年ぶりの低水準です。

所得が伸び悩む中、人手不足に伴う建築費の上昇でマンション価格が高騰した結果、需要が冷え込み、業者が発売を絞る動きが広がったためと考えられます。前年割れは3年連続となっています。

2000年から2016年までの供給戸数の推移を見ると、実に興味深いデータが表われます。

2016年:35,772戸、2015年:40449戸、2014年:44,913戸、2013年:56,478戸、2012年:45,602戸、2011年:44,499戸、2010年:44,535戸、2009年:36,376戸、、2008年:43,733戸となっていますが、過去9年間の平均は43,595戸です。

これに対し、それ以前の8年は、平均82,706戸だったのです。
(2007年:61,021戸、2006年:74,463戸、2005年:84,148戸、2004年:85,429戸、2003年:83,183戸、2002年:88,516戸、2001年:89,256戸、2000年:95,635戸)

47%減、大雑把に言えば、10年前の半分に減ってしまいました。


●何故こんなに減った?

どうしてこんなに減ってしまったのでしょうか?考えられることは次の通りです。

➀売れないから発売戸数を絞っている
マンション販売は、1期・2期・3期と「分割して売り出す」というのが常套手段です。50戸程度の小型マンションでも一気に50戸全部を売り出さず、3回なり5回なりに分けて、大規模になると、最後の方は一体何度目の売り出しかかが分からない「小出し分譲」が常態化しています。

この戦略を採るには深い理由があるのですが、それはさておき、50戸売り出して40戸が売れ残るより、10戸売り出して完売させる方を選んでいるのは事実です。

つまり、売れそうな戸数しか売り出さないという手法なのです。昨年の供給戸数が24年ぶりの低水準だったのは、販売にかけることが可能な住戸が多数ありながら売り出さなかったわけです。それは、工事中であり、完成していても、そう遠くない将来売り出されることは確実です。

販売しないで凍結するとしたら、賃貸資産に換えるということになるのですが、その選択は滅多にないものです。分譲マンションだから買ったのに、いつの間にか半分が賃貸マンションになっていたとしたら、買い手の反感を招くことになるでしょうし、決算数字にも大きな影響を与えるからです。

着工済みのマンションは、遅まきながら販売されるでしょうが、翌年度に繰り越されて行く戸数が増えてしまうことになるはずです。

未発売住戸が多数にのぼれば、次の新規販売物件の着工を止める、つまり土地だけ寝かすということはあり得ます。

短期的には「売れないから」が妥当な分析であるとしても、この9年間が低水準だったことの説明には不十分です。

②供給の担い手が減っている
作り手がいなくなったのです。2008年秋に起きた「リーマンショック」は世界金融危機と世界同時不況を招きました。

日本も例外ではなく、百年に一度の不景気が来るとの危機感が広がり、とりわけ金融機関はバブル崩壊の過程で巨額の不良債権を抱えてしまった経験から、守りの姿勢を強めました。

その影響を最も強く受けたのが、負債比率の高い中小マンション業者とゼネコンでした。
マンション供給戸数で一度は最大手「大京」を抜いて全国一位になった穴吹工務店を筆頭に、個性派のマンション業者が、株式上場企業も含めて銀行から資金を止められ、多数倒産してしまいました。

大手は大規模や高額高級マンションを、中小は大手が手を出さないエリアと中規模以下のマンションをと住み分けしていた業界でしたが、その構図が崩れ、中小業者の分がごっそりと減ったのです。

➂適地がない

三番目の理由は、用地の取得ができなくっていることです。

良い土地が中々ないと嘆きながらも用地を確保し、マンション供給を続けていた業者に強い順風が吹いた時期がありました。バブル崩壊後の地価下落過程で、法人・団体は一斉に土地を放出し出したのです。

それまでは一度取得したら手放さないで抱え込むことが「日本式の含み経営」のメリットであり根幹をなすものでしたが、右肩上がりの土地神話が崩壊し、並行して会計基準が国際化されたとなどによって、方針転換する企業が続出しました。

社宅、グラウンド、工場、倉庫、資材置き場、廃校や移転で空いた学校など、マンション業界にとって垂涎の土地が次々とマンション業者の手に渡りました。1995年頃から、ある種のブームのように数年間続きました。その結果、バブル期には殆んど途絶えていた(※)と言って過言でない新築マンションが息を吹き返したように多数開発され、市場に送り出されたのです。

(※1991年の首都圏全体の新規発売戸数は、2016年の戸数35,772戸も下回る26,248戸と低水準だったのです)


●新築需要はどのくらいあるのか

ところで、先にみたように、最近9年間の平均43,595戸という供給戸数は、それ以前の半分というレベルですが、需要はどのくらいあるのでしょうか? 売り出しても売れないから供給戸数を絞ったというのは、それしか需要がないからではないのか、そんな疑問も残ります。

価格急騰が需要の減退を招いたのは確かですが、需要が喪失したのではなく、一時的に地下に潜っただけです。価格と購買力のミスマッチが解消されれば再び頭をもたげて来るに違いありません。

こうした購買予備軍を含めた需要は年間にどのくらい発生しているのでしょうか?
シングル需要、DINKS需要、シニア需要、セカンドハウス需要、一戸建てからの買い替え需要などなど。

この答えとなる適切なデータは見当たりません。しかし、市場実感として言えるのは、50,000以上はあるということです。

2000年からリーマンショック前年の2007年までの年間供給戸数は、80,000戸を超えることとなりましたが、この頃は特別でした。バブル期の供給不足がウエイティング需要を蓄積させていたからです。そして、爆発的な売れ行きをもたらしたのです。

ところが、2006から2008年にかけて価格が急騰して販売率が悪化。そこへリーマンショックと言われた金融危機が勃発。これが契機となって世界同時不況が発生。この影響で売れ行きが一段と悪化し、その後の価格下落につながって行きました。

価格の下落が止まったのは、2012年でした。販売状況も上向きかけていました。しかし、供給戸数は伸びませんでした。原因は先に見た「用地不足」などにあったのです。 

用地不足は、企業のリストラ(土地の置き換え・単純放出)が一巡してしまったからです。特に大規模敷地は湾岸エリアに限られてしまったかのようです。

超長期で見れば、人口の減少が住宅需要の減少をもたらすことは間違いないですが、首都圏、とりわけ東京都区部は減少スピードが遅いと考えられています。最近も全国の傾向と逆の増加傾向にあります。

こうした背景を見ながら考察して行くと、向こう10年程度で需要が2割も3割も減ってしまうことはないでしょう。しばらくは50,000戸程度の需要はあると見てよいのです。まあ、減っても40,000戸くらいは維持できるはずです。

そんなマクロ市場とは別に、都区部・都心などという特定エリアになると需要は底堅く、むしろ増えると見てもよいかもしれません。

●今後はどうなる=供給戸数は低迷する

前回の価格高騰期(2005年~2010年)の初期は、買い急ぐ人が増えて爆発的な売れ行きとなりましたが、その後は需要がついていけなくなって売れ行きが悪化しました。売れ行きが悪化して、値引き販売が横行したのが、2007年後半からリーマンショック後の2009年でした。

しかし、統計上の価格は値引き実態が反映されないため、2009年、2010年と高い状態にありました。統計上、明確に下げが表れたのは、2011年に入ってからでした。2012年もその流れが続きました。この2年間が底這いの時期だったとするなら、僅か2年でそれが終わり、2013年からは再び値上がり局面となって2016年まで続いて来たというわけです。

2016年は販売率が低迷し、それが売り出しを停滞させたわけですが、2017年以降はどのように推移するでしょうか?

既に見たように、用地の取得難は解消されていないので、今後も最近9年と大差ない状況が続くことでしょう。売れ行きが大きく好転すれば増える可能性はあるでしょうが、売れ行きが良くなる材料もないので、2017年も2016年から大幅に増えるとは考えにくいのです。

つまり、今年も買い手にとって、品不足の中での苦しい選択を強いられる可能性が高いと見た方がよいでしょう。

●今後はどうなる=価格も大きく下落することはない?

新築マンションの価格は、「用地費+建築費+利益」という構造になっています。この3要素について、それぞれの見通しを述べましょう。

➀建築費は頭打ちだが下がる傾向にもない

建築費に関しては悲観的な見方が支配的です。つまり、まだ東日本震災の復興需要は残っていますし、国土強靭化政策によるインフラへの公共投資が急増しているうえ、今年(2017年)は東京オリンピック関連需要が本格化して来るからです。

オリンピックは、国立競技場の建て替えや各種競技の会場建設、老朽化した高速道路の改修をはじめとする道路工事、民間ではホテル建設などが、合わせて兆円単位で発生すると言われます。

渋谷駅や品川駅、新田町駅周辺の再開発、虎ノ門・神谷町から六本木・麻布台にかけて行われる再開発、日本橋界隈の再開発など、都心の再開発は目白押しで、これらはオリンピック後も続くと見られますが、3年後には東日本の復興関連もピークを過ぎているはずで、建設業界には一服感が出ていると予想されます。従って、3年先には建築費も低下傾向に転じているかもしれません。

②用地費が安くなるとも思えない

マンション用地は、ある程度まとまった大きさが必要であり、かつ交通便が良いことや環境が良いことなど、マンション建設にふさわしい条件を具備している必要があります。ところが、そのような土地はそうそう沢山あるわけではありません。

工場や倉庫、社宅、ガソリンスタンド、運動場などが企業のリストラの一環や移転、廃業といった事情で売り出されると、マンションメーカーはこぞって入札に参加します。そして、一番札を入れた企業に高値で売却されます。

最近の報道によれば「敵はホテル」とあります。また、流通倉庫が足らないそうです。そういえば、マンションデベロッパーでもある大和ハウス工業が有明エリアで大型の売地を最低入札価格の2倍の高値で落札したというニュースを聞いたときは、まさかと思ったのですが、後日その土地はマンション用地として取得したものでなく、物流基地用に取得したと伝わって来ました。

マンション市況が良いときは、マンションメーカー各社は土地取得に積極的になります。高い札を入れてでも優良な土地は何とかして確保しようと前向きになるのです。その結果、新聞発表の上昇率3%などとは大きく隔たりのある高値取引が成立してしまっています。

マンション市況が悪化してきたため、今後は少し様子が変わってくるかもしれません。しかし、まんしょん業者以外の競争相手も多いので、用地費が下がる見通しは持てません。

➂利益を圧縮する

以上から、用地費が下落しそうになく、目先の建築費も下がらないとするなら、最後の手段は利益の圧縮しかないことになります。しかし、元々分譲マンションの利益率は多くないので圧縮するにも限度があるのです。

前回の低迷期にも価格が直ぐに下がらなかった(売れ行き悪化のピークは2007~2009年だったが、価格が下がったのは2010~2011年とずれ込んだ)根本要因は、ここにあるのです。

マンション開発は2年前後の時間を要するので、高く仕入れてしまった土地上に、下がりそうにない建築費をもって今後建てられるマンションは、どう見ても昨年から大きく値下がりするとは思えません。


●今後はどうなる=粗悪品が増える?=郊外に向かう?

最後の手段は、商品戦略の見直しでしょうか。 既に傾向は見られるのですが、面積の圧縮によってグロスの価格を安くするという作戦が挙げられます。

次に採る作戦は、商品グレードを下げるというものです。詳しくはここで述べませんが、見えない部分で設計の簡素化を図り、また、工事の省力化につながる設計を行うことによって実質的な商品価値の低下を図る動きです。これが一段と進む可能性がありそうです。

過去3年か4年の経過から受ける印象は、既に行きつくところまで到達しているとも思えるのですが、もっと策があるのかどうか、確信は持てません。

また、地域的な変化も見られるかもしれません。つまり、最近は敬遠されて来た都心から離れた地域や、バス便立地などの供給も増えてくるかもしれません。こちらも断定はしにくい点ですが、考えられる策です。

いずれにせよ、注視して行くほかありません。

●新築価格に接近するする中古

新築マンション市場が以上に述べた状態で推移するなら、中古マンションの人気は当分続くことが考えられます。中古も価格高騰は顕著ですが、数だけなら市場に溢れています。

ただし、物件固有の条件、価値に大きな格差があるという事実に着目しなければなりません。安いというだけで飛びつくのは考えものです。

反対に、「中古なのに、何故こんなに高いのか」、そうぼやく声もときどき聞こえて来ます。そして、リフォーム代を加えたら新築と変わらない中古という実態もあります。

同じ値段なら新築がいいよと言ってみたところで、新築がないのなら中古も視野に入れなければマイホームは買えない。それもまた現実なのです。


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