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天災は忘れた頃にやって来る [マンションと地震]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。



1995年1月17日、阪神淡路大震災の起こった日です。あの日、神戸や西宮、芦屋、尼崎、宝塚などの大阪市以西の各都市では、一戸建て住宅の過半がペシャンコになり、高速道路が倒壊、昭和40年代の古いマンションの多くが全壊・半壊しました。

昨年は熊本県を震度7の大地震が襲いました。しかも、本震の後に余震でなく同規模の本震が来るという、前代未聞の現象でした。驚かされたのは、被害者だけでなく気象庁をはじめとする専門家だったのです。

天災は忘れた頃にやって来ると言います。阪神淡路大地震は千年に一度と言われました。今回の熊本も百年ぶりの大地震だったそうです。

地震発生から半年を経た2016年10月9日のNHKスペシャルは衝撃でした。ご覧になった読者も多いことと思いますが、熊本地震の被害住宅の中に「全壊」認定された新・耐震基準のマンションがあったからです。

熊本地震は、震度7の激震が続けて2度も起きたためもあったのでしょうが、想定外の被害がいくつも発生したということでした。

最初の地震(前震)では倒壊しなかったが、2度目の地震で崩れ去った一戸建てがあったということや、耐震基準を満たしているはずの新しい一戸建てさえ倒壊したということを地震直後の報道で知っていましたが、マンションでも「全壊」認定が1軒あったというのは知りませんでした。

その半年前のニュースで、熊本市の応急危険度判定で「危険」を示す赤い紙が貼られたマンションの映像を見ました。また、倒壊は免れたものの、建物を支える柱やはりの一部が壊れ、鉄筋がむき出しになった映像も流れました。

住民のほとんどが避難を余儀なくされており、所有者への取材では、「避難しているのは水道管が壊れたうえにエレベーターも故障して生活できない状況だから」というものでした。

その後しばらくして、分譲マンション管理会社の業界団体である「マンション管理業協会」が被災状況を取りまとめていますが、それによると、管理受託している7,610棟のうち回答があったのは、5,973棟、内訳は、大破が1棟(0.02%)、中破5棟(0.08%)、小破151棟(2.53%)、軽微53棟(0.89%)、被害なし5,763棟(96.48%)となっています。

日本建築学会による5段階で評価されており、「崩壊」、「大破」、「中破」、「小破」、「軽微」の5つです。

当該報告では、「崩壊」という「柱・耐力壁が破損し、建物全体または建物の一部が崩壊に至った」被害報告はないとのことでした。

しかも、新旧の耐震基準で区分していないので、大破の1棟も中破の5棟も、勝手に旧・耐震基準による古いマンションなのだろうと筆者は思い込んでいました。それだけに、番組は驚愕の内容でした。


映像は、コンクリートに穴が開き、壁の向こうが見えてしまう状態を示すものでした。
専門家(大学の教授)の説明によれば、新耐震基準であっても、耐震性は地域によって違うのだというのです。ここが筆者の知らなかった恥じ入る部分で、衝撃でもあったのですが、「地域係数」という概念があって、基準の耐震性に地域ごと0.9とか08といった数値をかけてよいことになっているというのです。

つまり、耐震基準の0.9倍とか0.8倍の弱い建物が合法的に多数建設されているということでした。地域係数は昭和27年に市町村ごとに定められており、地震の起きやすい地域は1.0、地震が少ない地域は0.9となっていたのです。

熊本は0.9以下の地域だったのです。

長く大地震がないとされて来た地域で起きた想定外の大地震、しかも震度7の本震が2度も立て続けに。被災者・被災地域の行政庁はもとより、気象庁など国の関係機関や大学などの研究機関、建設業界などに与えた衝撃は想像を絶します。

ちなみに、番組では日本地図を1.0地域と0.9地域に色分けして示していましたが、一瞬テレビ画面を通して見た記憶では、関東と東海、新潟は1.0地域でした。

なお、福岡は、かつて0.8の地域だったそうですが、2005年(平成17年)に発生した玄界灘地震(福岡県西方沖地震)を機に条例を改正し、1.0に変更したのだそうです。

熊本地震の被害者にはお気の毒ですが、係数0.9と定めた地方自治体が悪いということになったようで、現・耐震基準は震度7でも大丈夫であることを証明した格好になり、基準の見直しはしないと後に国は宣言しています。

1981年に施行した現・耐震基準は、その3年前に起こった宮城県沖地震の教訓から大きく改められました。1995年の阪神淡路地震後も、部分的な改定が行われたと記憶しています。


私たち日本人は災害のたび、二度とこのような被害を受けないよう願って、様々な対策を講じて来ました。三陸沿岸の各地にある津波対策の堤防も、数十年前の津波体験から設けられたのだが、想定外だったと何かの本で知りました。

翻って、東京でも伊勢湾台風(昭和34年、愛知県)の際に、伊勢湾に干潮面上約5メートルの高潮が襲来したことを教訓に、東京都では、昭和35年から高潮防御施設の建設を計画し、対象区域を東京港全体に広げて建設工事を実施しています。そのおかげで津波も大丈夫と聞いたことがあります。

しかし、人間は忘れっぽい動物です。恐怖の映像を見たくらいでは、地震や津波の怖さは忘れてしまうのかもしれません。

自然災害ではありませんが、2015年10月に露見した横浜市の傾斜マンション事件。まだ1年半しか経っていないのに、もう忘れてしまった人も少なくないようです。

人間の寿命から見て、千年も前のことは誰も覚えていないのですから、対応ができていないのも仕方ないのかもしれませんが、1年半年前の事件は言わずもがな、20年くらい前の事件や天災なども忘れずにいたいものです。

流行は短いものですが、マンションを購入するとき、地盤、杭工事、耐震性、遮音性、耐久性などと、売主の施工管理・品質管理体制などを厳しく問う買主の姿勢は不易であるべきです。

とはいえ、若い買い手の中には、阪神淡路の被害状況でさえ記憶にないという人もあるでしょうし、首都圏の人にとって阪神淡路の記憶は薄いということかもしれません。

10年も経ったら、事故や事件、天災を教訓とするチェックポイントなど、忘れ去られてしまうかもしれません。まして、何も覚えていない、体験がない若年層の買い手にチェックを求めても無理がありそうです。

耐震診断すら受けていない旧耐震基準のマンションを検討するとき、少しは「大丈夫かな?」と思いながらも、「40年以上も無事に存在したマンションなのだから」と自分に言い聞かせて買ってしまう人がいるのは確かです。

旧耐震基準のマンションは全て危険と決まったわけではないものの、耐震診断を受けていない以上は安全を保証されないはずですから、敢えて危険なマンションを買うことはないと思います。
35年間、東京には震度6強以上の巨大地震が来なかっただけです。

「天災は忘れた頃にやって来る」ものです。天災や欠陥マンション事件の記憶がない人も、自分で作る「マンション購入時のチェックポイント表」の項目に「品質管理は大丈夫か?」と「耐震性は問題ないか?」を加えておきましょう。


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81年マンションの微妙な関係 [マンションと地震]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。 ~~~~最近は更新回数を増やしていいます~~~


読者の皆さんはよくご存知のことと思いますが、1981年を境にマンションは「旧、耐震基準」と「新、耐震基準」とに分かれます。

言うまでもないことですが、前年に建築基準法が改正されて「耐震基準」が強化され、1981年6月から施行されたのです。1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震が甚大な被害をもたらしたことを受けて改正されたのです。

1995年に起こった「阪神淡路大震災」では、旧・耐震基準で建てられた古いマンション(当時で築後30年前後)が多数倒壊しました。関西以外の国民の多くが、テレビで怖い映像を何度も見た記憶があるのではないかと思います。

2016年に熊本で発生した「熊本地震」でも、古いマンションの倒壊寸前の姿をテレビ報道でご覧になったことと思います。


●1981年以前のマンションは全て危険なのか?

旧・耐震基準のマンションは全て危険なのでしょうか?必ずしも危険とは言えません。作り手が、安全のために耐震性を高めに設計した可能性があるからです。

耐震性を高めるには、鉄筋の量を増やしたり鉄骨を入れたりするのが一般的です。耐震性を高めるにはコストも高くなります。民間の分譲マンションから経済性という物差しを排除することはできないので、法基準のギリギリのところで建てられたと考えるのが自然です。

しかし、マンションデベロッパー(建築主)は設計を社外の設計事務所に依頼しますが、そのときに「耐震性は余裕を持たせるな」などと指示を出すことはなかったと思います。少なくとも筆者が在籍したデベロッパーでは、その種の発言を耳にしたことはありません。

筆者が企画開発の責任者であったときも、また販売部門のリーダーであったときも、「高くなると売れないから、コストダウンを徹底してほしい」などと関係部門に要請したことも記憶にありません。

結局、丈夫なマンションができたかどうかは、設計事務所の担当建築士の良心に委ねられていたのかもしれません。

時代は移って2005年、「耐震偽装事件」が発覚しました。あるべき鉄筋の数が少ない危険なマンションやビルが全国で多数発見され、その事件の首謀者が逮捕されました。事件の中心となったマンションデベロッパーが発注した設計事務所も特定され、事件の背景があぶり出されました。

建築士Aさんは、なぜ事件を起こしたかを問われると、「仕事が継続的に欲しかった、発注者のデベロッパーが喜ぶ顔が見たかった」と答えています。その建築士には「良心のかけらもなかった」ということになりますが、他方では当該デベロッパーだけでなく、業界がいかにコストダウンに腐心していたかの一端を見せた事件でもあったのです。

話を元に戻します。耐震性が法基準を守って建てられたものではあっても、構造計算を行う設計事務所の考え方で余裕のある建物になったり、基準ギリギリの建物であったりするのです。
その結果、同じ年数が経過した建物であっても、一方は大破し、一方は軽い被害に留まったりするのでしょう。

旧・耐震基準の時代に建てられたマンションは、東京都だけで約1万1千棟、戸数で約43万戸もあるそうです。(東京カンテイ社2011年10月調査)

古いマンションの中で、新基準を超えるレベルのマンションは果たしてどのくらいあるのでしょうか?これは誰にも分かりません。

●行政は耐震診断を勧めているが・・・

政府は、平成25年に耐震診断を行いやすくする法律の改正を行いました。区分所有建築物については、耐震改修の必要性の認定を受けた建築物について、大規模な耐震改修を行おうとする場合の決議要件を緩和したのです(区分所有法における決議要件が3/4以上から1/2超に)。

病院や学校など、不特定かつ多数の方や避難弱者が利用する大規模な建築物等の所有者には、耐震診断と補強工事を義務付けることも決まっていますが、マンションの場合はそこまでに至っていないのが現状です。

管理組合の決議要件緩和は一歩前進に違いないのですが、診断を受ける義務は課していないのです。耐震診断を受けていない旧・耐震基準のマンションは、国土交通省の平成25年マンション総合調査(対管理組合アンケート)によれば、、依然として58%もあると公表しています。

なぜ、こんなに多いのでしょうか?答えは簡単です。診断の結果、「耐震補強工事を急ぐ」とでも通知されるのが怖いからです。通知結果を無視できない法改正も他方で行われています。すなわち、2006年に宅地建物取引業法の一部改正が行われ、耐震診断を行ったかどうかを「有無」の形で重要事項説明書に記載しなければならなくなったのですが、これが影響しているとも分析できます。
「無し」と記載されたら我が家が売りにくくなるのではないか、資産価値が下がるのではないかといった疑心暗鬼が壁となって、診断を依頼する手前で停止してしまうのです。

ついでに補足すると、「有り」の記載の場合は、「添付の耐震診断結果報告書を参照ください」と付記されることになっています。

●81年マンションの微妙な関係とは

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物であるか否かの判断はどのように行われるのでしょうか?

国土交通省の指針によれば、
a.確認済書、検査済証に記載する確認済証交付年月日の日付 b.建物表題登記による判断(aの書類がない場合)

とあります。

これを逆に見ると、1981年竣工のマンションは旧・耐震基準である可能性が高いことになります。

中古マンションの紹介サイトや宣伝チラシなどを見ると、建物竣工日は「築年月:2014年1月 築(平成26年1月)」などと、書いてあっても、建築確認年月日は記載されることは殆んどありません(新築は例外なく記載されていますが)。

この記述は、閲覧者が「古い」とか、「まだ新しい」といった程度の受け止め方に留まります。
比較的古いマンションを狙っている買い手は、注意深く、旧・耐震基準のマンションかどうかをチェックすることでしょう。

それでも、分岐点の1981年(昭和56年)の前か後かを見る程度のはずです。

マンションは、着工してから「階数+3か月程度(タワーマンションを除く)」の施工期間が必要です。10階建てなら13か月前後、5階建てなら8か月程度を要します。

従って1982年3月竣工の10階建てマンションなら、間違いなく旧・耐震基準の建築許可に該当することになります。

14階建てならどうでしょうか? 82年5月竣工でも、着工は17か月前の81年1月以前のはずなので、旧耐震マンションと推定できます。

82年3月竣工の5階建てマンションならどうでしょうか?前年の8月頃に着工したことになります。これは、新耐震基準による建築確認であることは間違いないでしょう。

1981年竣工なら、ほぼ旧耐震のマンションと見る人が多いことと思いますが、1982年竣工と聞いて単純に新耐震だと勘違いしてしまう人も多いはずです。

筆者にご相談いただく物件の割合は新築が多いのですが、この1年くらいを振り返ると中古物件のご依頼もずいぶん増えました。その中には、築40年を超えるものも少なくない現状で、1982年竣工(築34年)という微妙な時期の物件も目立つのです。

もうお分かりと思いますが、1982年竣工でも旧耐震マンションはあるということです。

旧耐震か新耐震かの確認は、どのように行えばいいでしょうか?仲介業者の担当者に聞くだけでも虚偽がない限り問題はありませんが、心配な人は、先に述べたように「検査済み証」または「登記簿」を見せてもらうことですね。


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熊本地震「マンション崩壊」の映像を見て [マンションと地震]

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座屈(ざくつ)という、一般には聞きなれない建築用語があります。マンションの1階のピロティ―(建物を支える柱だけの空間。駐車場に利用される)が、2階から上の建物の重みでつぶれてしまうことを言います。

2016年4月14日をスタートに連発している熊本の大地震を伝えるTV報道で映し出されたのでご記憶のことと思います。 ピロティに駐車してあった車がつぶれている様子や、1階部分の柱が折れ曲がって鉄筋が飛び出していました。

2階から上の共用廊下は、本来なら水平であるはずなのに、波打っていたり、「逆への字」になっていたりしていました。

既視感というのでしょうか。実際には見たことがないのに、どこかで見たかのように感じることですが、一瞬そう思った人もあったのではないかと思います。

筆者には、確かな記憶としてよみがえりました。1995年の阪神淡路地震のときに何度も見た映像と同じです。実際に現地を歩いて見た光景でもあったのです。

あれから21年も経ちました。普段は忘れていることですが、鮮烈な映像は瞼の奥にしっかり記憶されてしまうものと、あらためて感じました。多分50年経っても忘れない光景なのだろうと思います。

脱線しますが、ピロティ形式のマンションは座屈の可能性が高いから購入は止めた方がいいなどと、当時、得意顔で発言していた専門家がありました。しかし、その後もピロティ形式のマンションは多数建設されて来ました。 言うまでもないのですが、ピロティ形式であろうがなかろうが、今の建築法規では震度6強~7でも倒壊・崩壊しないことを「耐震性能」の最低基準としています。 座屈したり傾いたりしたマンションは、現基準を満たしていない、つまり1981年以前の旧・耐震基準で建てられた古いものだったに違いありません。 また、映像では壁に亀裂ができた建物も何回か登場しました。あの壁は「雑壁」と呼び、「構造壁」と区分されているもので、地震エネルギーを亀裂によって逃がす役割を持つものです。言い換えると、亀裂が起きた方がよいというわけです。亀裂が起きるように設計されているとも言えます。

話を元に戻します。 

昨年10月に発覚した横浜市のマンションの「杭工事欠陥」事件は記憶に新しいですが、マンション検討者の多くが早くも無関心になってしまったかのように思えて仕方ありません。無論、数字的な根拠はないのですが、筆者へ届くご相談メールなどから何も伝わって来ないのです。

「このマンションは大丈夫ですか?」と問われる前に、売主サイドは「適切に杭工事を完了した旨の確認をしております」などといった書面を提示していることが不安を消し去ってしまったのでしょうか?

とまれ、欠陥マンション騒ぎは収まり、何もなかったかのように時は流れています。

杭が堅い地盤(支持層)に達していなかったという前代未聞の欠陥工事は、2年続きで発覚しましたが、他にはなかったのでしょうか? 

2件の事件は、傾きが発見しやすい建物だった(2棟を渡り廊下でつないだ形状なので、棟の片方が傾いたことによって棟間で段差が生じた)からではないのか? 横浜市の地層の特殊性から考えて、他にも同様の可能性の潜むマンションが存在するのではないか。そんな疑問は消えていません。

工事中の新築マンションの場合はチェックのしようがなく、施工会社並びに分譲主を信頼するほかありませんが、中古マンションを検討するときは、四方八方から建物をよくチェックした方がよいのです。


天災は忘れた頃にやって来ると言います。阪神淡路大地震は千年に一度と言われました。今回の熊本も百年ぶりの大地震だったそうです。

人間の寿命から見て、千年も前のことは誰も覚えていないのですから、対応ができていないのも仕方ないのかもしれませんが、半年前の事件は言わずもがな、20年くらい前の事件や天災なども忘れずに、購入前のチェックはしっかりしておきたいものです。


流行は短いものですが、マンションを購入するとき、地盤、杭工事、耐震性、遮音性、耐久性などと、売主の施工管理・品質管理体制などを厳しく問う買主の姿勢は不易であるべきです。


とはいえ、若い買い手の中には、阪神淡路の被害状況でさえ記憶にないという人もあるでしょうし、首都圏の人にとって阪神淡路の記憶は薄いということかもしれません。

10年も経ったら、事故や事件、天災を教訓とするチェックポイントなど、世間で忘れ去られてしまうかもしれません。まして、何も覚えていない、体験がない若年層の買い手にチェックを求めても無理がありそうです。


風化を導く人間の習性や世代の交替を思うとき、学習した先人の知恵をどのような形で後世に残すべきか、その方法論を考えながら、その役割の一翼を担えたらいいなと思う日々です。



 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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