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第569回 「環境が良く・駅に徒歩10分以内」それでも売れない物件 [マンションの資産価値]

★マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツーをご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください★★・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


長年マンションにかかわって来た筆者ですが、広い首都圏、網の目のように数多くの鉄道が走り、駅が星の数ほどあるので、一度も降りたことがない駅があっても不思議ではありません。仕事柄行ったことのない駅・街は少ない方かもしれませんが、実はいまだに多数残っています。

駅を降りて街歩きする週5日の番組(加山雄三さん・地井武男さんの看板プログラムだった?)なら何十年も続けていれば全駅を制覇したかもしれないなどと思いつつ、行ったことのない街(駅)がたくさん残っているのはなぜだろうかと考えてみたことがあります。

答えは単純なことでした。マンション開発がない街(駅)だからです。外周部ほどマンションは少なく、比較的都心に近い駅でも、各駅停車しか止まらない小さな駅ではマンションが建設されることは少ないので、筆者には用事がなかったからです。

首都圏全体では年間500カ所も、多いときは1000カ所もマンションの建設が行われたのです。数えきれないほどマンション開発・企画のための土地調査もしましたし、昨今は読者の皆さんから届くマンション評価のために現地を見に行くことも少なくありません。しかし、その多くは前に見たあの場所のそばであったり、同じ駅の反対側だったりします。

同じ駅に何度降りたったことか、反面、駅名・町名は知っていても、また電車の窓から見たことがある街であっても一度も降りたことのない駅もあるのです。

最近、立て続けに3件、世田谷区の新築マンションの評価依頼が届きました。場所は言わない方がいいでしょうが、HPだけを見ると、環境も悪くないし、駅から遠いが妥協範囲の徒歩10分以内。しかし、いずれも竣工して売れ残りを抱えている。依頼者の情報によれば、値引きに応じるという物件ばかりです。

建物プランは中々結構なものです。間取りも設備もデザインも、そして売主のブランド力も低くないのです。

世田谷区に限りませんが、販売長期化マンションの不振原因を探ると「駅力が低い」私鉄沿線であることが多いものです。最近若い世代に人気があるとされる下町エリアでも、「駅力」が低いために売れ残っていると思われる物件がいくつか見られます。

「駅力が低い」とは、簡単に言えば「スーパーマーケットがない。飲食店も少ない」とか「スターバックス」のような洒落たカフェもない寂しい街のことです。もちろん、これは極端な表現ですが、当たらずとも遠くはないはずです。

もちろん、そのエリアは何十年も前から集落があり、人が居住しています。しかし、多分その駅を利用する人口の絶対数が少ないのでしょう。つまり、人口密度が少ないのです。人口が多ければ必ず商売が成り立つと考えて飲食店その他のショップが出店していたはずです。

一戸建てばかりが続く街、すなわち土地の高度利用が進んでいない街か、工場など非住宅の多い街なのでしょう。人口が少ないと賑わいも生まれない、よく言えば静かな街ですが、退屈な街かもしれません。それでも、そこに慣れてしまえば、何とかなってしまうのです。地元の人は、そのことに抵抗なく住み続けているといえましょう。

しかし、他の街から見学にやって来た人は、活気のなさに魅力を感じないのでしょう。だから、素晴らしいモデルルームを見て感激したとしても、また予算と価格が一致したとしても、駅周辺を歩いて帰るときに興ざめしてしまうのです。

マンションが新たにどんどん建てられて人口が増えれば、過去10数年で急激に発展した豊洲のように、あるいは武蔵小杉のように新店舗が出店して利便と活気が生まれ、住民は移住してきたことに喜びと満足を得るのです。活気ある街は、住みたいと思う人を増やし、人気度調査でランクがアップし、ますます注目度を高めて行きます。いわゆる好循環を生むのです。

このような街のマンションは新築価格も高いけれど、中古になっても値下がり率が低い、タイミングによっては購入価格を上回る高値で買い手がついたりもします。需要が多いからです。

駅力が低いままの街は、中古の値段も上がらず、買い手も決まりにくいものです。行政市区別の人気でトップの世田谷区でも、駅によっては中々売れないという実態があります。

その駅の周囲は何もなくて不便、新たなマンションが開発される余地もなさそうである、たまにしか新築マンションは誕生しないとしたら、人口密度は高まらず、従って、新規出店の波は全く来ないので、静かで環境もいいけれど、ずっと寂しいままで人を呼ぶ魅力に欠ける。まさに、悪循環が続くのです。

こうした街で販売中のマンションの中には、売れ残りを安くしてくれることが多いので、それに釣られてつい手を出してしまいそうになるかもしれませんが、ここは慎重に判断したいところです。

高くでも人気のある街のマンションは、将来の売却時に喜ぶ確率が高いのに対し、人気のない寂しい街の場合は、安く買ったから売るときも下がり幅は小さくて済むということにはならないものです。

そのような発展性に乏しい街のマンションを購入するときは、少しの値引きに惑わされないようにしなければなりません。そんなの無理だろうと思うくらいの大きな値引き要求をしましょう。駆け引きをするなら、自分なりの落としどころを決めておいて、そのレベルに達しないなら買わないというくらいの腹づもりが必要です。

マンション選びは街選びでもあるのです。今は寂しいが、遠くない将来発展しそうな街・駅ならいいのですが、あまり期待できない街だったら「安さ」求めましょう。「どのくらいか」ですが、近隣・沿線の活気ある駅で販売中の物件があるなら、その価格と比べて8掛けが目安とお伝えしておきましょう。きっと定価はそこまで安くないはずですが、その差は値引き交渉で埋めるほかありません。

そのくらいの安さにならないのなら買わないことです。賢い選択、賢い交渉術を考えましょう。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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第567回 将来価値=RVを左右する条件と優先順位 [マンションの資産価値]

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こんな時期に買ったら、将来はどんなことになるのだろうか。そんな心配が高くなったことが背景にあるのでしょう。筆者の提供する「将来価格の予測サービス」を利用する方も最近1年ほどは、うなぎ上りです。

時代の要請なのだから要点だけでもブログに書いてはどうか、大仰な言い方で、そう勧める人があったので、差しさわりのない範囲で書くことにします。 今日のテーマは、「マンションの将来価格(
RV=リセールバリュー)を占うキーポイント」です。

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全ての条件が揃っていなくとも、以下のような順番で条件を満たしていれば高い価値を持つマンションとなることを先ずはお伝えします。

第1位:立地条件

できたら都心に近いこと。または都心へのアクセスが良いこと。最寄り駅に近いこと。5分以内が理想。妥協しても7分。
環境が良いに越したことはないが、駅近とは両立しにくいものなので、距離が優先します。
また、その駅の周囲はどのような施設が、どの程度集積しているか=駅力えきりょくも重要なポイントになります。
駅力と駅からの距離は、大きく資産価値を左右する要素になります。
ただし、駅から若干遠い(徒歩10分以上)場合でも、その弱点を補って余りある要素があれば、価値を求められるケースがあります。それは、次のようなものです。
駅からの長いアプローチの大半が商店街ロードであるとか、幅広で街路樹が美しい歩道が続くとか、現地に着くと今度は感動的な眺望、例えば横浜の港の見える丘公園のような高台にあってオーシャンビューが圧巻であるとか、緑豊かな大公園の最前列に建ち「まるで森の中のマンションといって過言ではないほどの自然林や公園に接する」といった環境の良さです。
このくらいのインパクトある代替条件がなければ、駅近マンションに優ることはないのです。

第2位:建物規模

少なくとも50戸以上。小さいと存在感に欠けるきらいがあるからです。また、小さ過ぎると管理費が割高になるか、管理内容が悪くなるためもあります。さらに、一定の規模がないと共用スペース・共用設備も貧弱になって豪華さを醸し出すのが難しいためでもあります。
共用施設も、建物規模が大きいほど様々な利便施設や癒しの空間を設けることが可能になりますが、小規模マンションでは集会室(談話室・雨天こども遊技場など)すら用意できないものです。

第3位:外観・玄関・空間デザイン、及び共用部分のプラン

外から見て他人が羨むようなものであるかどうかも大事なポイントです。
どのようなデザインが良いかの法則はありませんが、抽象的な表現を使うと、「格好がいい」、「豪華絢爛な雰囲気」、「個性的で異彩を放つ」、「上質・高級な感じ」、「美術館や博物館みたい」「高級ホテルのようだ」など。

第4位:間取りや内装、設備など専有部分と共用部の設備

共用設備の装備内容や耐久性・耐震性の高い構造かどうか等で価値が変わります。
専有部分に関しては、向き、階数、間取り、設備・仕様などを総合的に見て判断されます。
これらをひとくくりにしたのは、それぞれのアイテムの価値が持つシェアは高くないからです。

第5位:ブランド
(有名業者が売主、または大手ゼネコン施工の物件

これは第4位に繰り上げたいほどですが、ブランドイメージにふさわしくない物件も見かけるので5番目としました。
ただし、ブランド価値も築30年を超えた辺りから価値判断には関係がなくなる傾向が見られます。

第6位:管理体制とメンテナンス 

建物規模と密接な関係になるのが管理人の勤務態勢で、最も懸念されるのが巡回管理という管理人不在マンションです。小規模マンションに多い管理方式で、いわば取締り(番人)がいないマンションはルール違反者が増え、秩序の乱れが常態化してしまうことがあるのです。
マンションは管理を買えといわれるほど重要な管理は、管理人がいればそれで良しといった単純なものではないものの、少なくとも週5日以上、1日5時間以上はマンションに勤務・滞在し、目配りをすることが必須です。
長期的なメンテナンスをいかに実行していくかという管理、こちらは資産価値の維持の観点で最も重要な項目と言ってもよいのです。築20年くらいまでは、どのマンションも見た目で差はできにくいのですが、その先は徐々に格差が拡大します。
従って、中古マンションを検討するときは優先順位が第6位ではなく、第2位に繰り上がると考えた方がよいのです。

将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、上記1~6ですが、この中で一番比重が高いのは第1位の立地条件です。

最重要ポイント:購入価格

別次元で見ると、最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。
今(21017年)は2013年から続く高値の時期に当たっているので、例外なく高いマンションを買ってしまうことになりそうです。

反対に底値のような時期に購入したのであれば、次の上がり相場のときに売れば、平凡な物件でも値上がり益を得ることができるのです。

最近の売却者で2005年ころに購入した人は、購入価格より売れて喜んだことでしょうし、もっと極端には2012年ころ(今回の上がり相場の前夜)に購入し、4年後の2016年に売却した人は20%も高く売れて(5000万円が6000万円になって)ホクホクだったはずです。しかしながら、それでも物件固有の格差が大きかったことは事実です。

購入価格という要素は上記1~6とは別次元のチェックポイントとなるのです。



ここまでに述べて来たことを別の切り口で言い表すと次の2つになります。

①差別化された(明確な差別感がある)物件であるか?

希少価値という表現でもよいのかもしれません。「墨田川テラス沿い」、「吉祥寺公園の最前列」、「皇居が一望」、「眼下にレインボーブリッジ」といった景観、「傘が要らない駅直結の立地」、「ターミナル駅へ徒歩2分」などといった交通利便性など立地条件の希少性がどれだけ高い物件かというチェックが必要です。

 似たり寄ったりの外観が並ぶ中に、ひときわ光る個性的な外観デザインのマンション、14階以下のマンションが立ち並ぶエリアに50階建てのタワーマンション。前面道路から20メートルも距離がある位置にエントランスがあって居住者以外は近寄りがたい雰囲気のマンションなど、建物の形状や規模などで周囲のマンションに圧倒的な差異が見られる物件なのかどうかをチェックすることです。

②感動を与えてくれる(与え得る)要素がある物件か?
結局のところ、売却に際して内見者をいかに感動させるか(感動してくれるか)という視点で購入しようとしているマンションを見ることなのです。
感動要因が数多く、つまり「すごい・素敵」を連発させられるかがカギになるというわけです。
たくさんの感動を与えることができるマンションなら、売り出した価格から殆ど値下げすることなく(希望価格で)、しかも短時間で売却が実現できるのです。


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第566回 他社比という概念・高値の新築マンション [マンションの資産価値]

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ときどき「安いマンションをどのようにして見つけたらいいのでしょうか?」と問われます。しかし、安い新築マンションは仮に希望エリアの中にあったとしても、安い物件は安いなりに問題点があるもので、中々ズバリのお答えはできないのです。

ときどき「ちょっとした掘り出し物を見つけたような気がします」というお便りをいただくこともあって、他人の筆者にも心温まる瞬間が訪れることがありますが、滅多にないことです。

「良いものは高く、安いものは物件価値にいささか問題あり。結局、どれも似たような価格で販売されている」というのが実態です。そのことを踏まえながらマンション探しをすることが、結局は早道です。最後は購入者の好みや感性によって選しかないのかもしれません。

物件価値と価格の釣り合いを検証しながら比較して行くと、どれも大差がない。平たく言えば、どれも高い。その理由を理解していただくために、今日は新築マンションの価格の成り立ちについてお話ししようと思います。


●似たり寄ったりで決め手に欠ける

新築マンション価格は、【土地代+建築費+販売経費+利益】という構造になっていますが、互いに競争し合うデベロッパーは、何をもって差別化を図り販売促進を図ろうとしているのでしょうか? 

スケールの差ですか、間取りの違いですか、設備・仕様の違いですか、それとも共用施設の差ですか、デザインの差でしょうか?

同じ地域で、同時期に売り出しても、物件ごとに価格差が着くのは事実です。しかし、同じ地域と言っても、片方は駅から2分か3分、他方は駅から徒歩10分といった立地条件の差があるものですし、それが価格差となっています。

駅からの距離は同じでも、設備・仕様や間取りや共用施設などの違いがあったりするので、物件価値がその価格とマッチしているかは微妙ケースもあります。

住戸ごとの細部の比較を別にすると、右を向いても左を向いても同じような間取りで、設備・仕様も大差なく、デザインでも大きな差はなく、文字通り五十歩百歩。決め手に欠けるのが実態です。

つまり、どちらも一長一短があり、甲乙つけがたいのが現実です。譬えは適切でないかもしれませんが、スマートホンの機能はauもソフトバンクもdocomoも大差ないのと同じようなものです。


●規模と立地で勝負あり

デベロッパーから見たとき、差別化を図ろうにも最初から諦めざるを得ないのが「規模」と「立地」です。

同一エリアの(最寄り駅を同じにする)マンションでも、圧倒的な規模(高さ・戸数)を誇るという場合、たとえば唯一の超高層マンションであるとか、500戸以上の規模を誇り、敷地内ガーデンやキッズルーム・ゲストルーム・コミュニティルーム・カフェラウンジといった施設がふんだんに用意されているうえに24時間有人管理とコンシェルジュによる各種サービス付きなどと、いわゆる付加価値が豊富なマンションは中小型マンションに建物価値では大差をつけることが可能です。

立地についても、傘なしで玄関まで行ける駅直結型マンションは同じ駅に二つはないので、圧倒的な差別化をもたらすはずです。

マンション事業の成否は、条件が良いにしても悪いにしても、土地を取得した段階で決まってしまうと言われます。いかに良い立地条件の土地が取得できるか、いかに大きな規模の土地が買えるかで結果は見通せてしまうのです。

駅の近くに仕入れられても、それが徒歩5分というだけなら特別なものとは言えませんが、5000㎡の土地を取得できれば別です。1000㎡の土地では、500戸の建物は建てられませんし、30階建ての超高層マンションにもならないので、そこで勝負が決まってしまうのです。

もちろん、条件の良い土地は買収価格が高いことも事実です。しかし、規模が大きければ建築費が安くなる場合が多く、また圧倒的に条件の良い土地であれば高くても売れるものです。たまに見られる「優良物件だけど、いくら何でも高過ぎる」と評される、かけ離れた高値にさえしなければ買い手は集まってきます。


●ありきたりの土地条件で差をつけることは至難の業

このような圧倒的な差別化が図れる物件を買開発できればいいですが、多くを占める中規模以下のスケール、駅からの距離も「遠からず近からず」のありきたりの物件同士の競争では何が決め手になるのでしょうか?

差別化策、すなわち商品企画は簡単でないのですが、デベロッパーの力量は精鋭が揃っているかどうかで決まってくるようです。と言っても、大きな差ができるケースは少ないものです。

各社それぞれに知恵を絞りますが、ふたを開けると似たり寄ったりのマンションになるのです。「他社比」という概念がありますが、差別化とは少なくとも他社に負けないことでもあるのです。

中小規模のマンションの場合、細部を比較していくと一長一短があって決め手になるほどの差別化を創り出している事例には中々お目にかかれません。

最後は価格の安さでアピールするしかないのですが、実はこれも難しいのが現実です。

何故なら、他社より安く土地を仕入れることも他社より安く建設することも難しいからです。「あんたの会社にだけ特別安く売ってあげる」などという奇特な地主さんはいませんし、「貴社だけ特別に安く建ててあげましょう」という施工会社も存在しません。

地主は、少しでも高く売りたいと望みます。仲介業者は卑近な売買事例を持ち出して地主に提示するので、条件の差で多少の増減はあっても、格安に買うことは難しいのです。マンション用地を探しているデベロッパーは結局、他社並みの価格で買うのが精いっぱいとなり、安く買収することはできません。

デベロッパーの中には、崖地やバス便など条件の悪い土地を無競争で安く買収することを方針にしている企業もあります。

そのエリア内に同タイプの物件がなければ安値の物件が誕生し、それが成功をもたらしている場合もあるようですが、多くは競争によって用地の買収価格は高くなり、工夫された(差別化を図ったつもりの)建物も、その価格を超える価値を創り出すまでに至らず、結局は互いに足の引っ張り合いをしながら共倒れになって苦労しています。

マーケッティングの基本は、自社の製品だけが売れるようにすることですが、マンションは似たり寄ったりの企画となってしまうのが実態です。価格も滅多に差別感(割安感)を打ち出せず、「あちら立てればこちらが立たず」と、買い手を惑わすことになるのです。

では、買い手は何を優先して選べばいいのでしょうか? 何を決め手にして選ぶのが正しいのですか?この物件を選択しても大丈夫ですか?この答えは筆舌に尽くしがたく、抽象論で片づけるわけには行きません。

ここに筆者の使命があると考えています。こんな疑問・ご心配に個別にお答えするのが筆者の仕事です。

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中古をあきらめて新築を買うという選択も出始めたか? [マンションの資産価値]

新築は高いので中古をずっと追いかけて来ましたが、どれもこれも気に入るものに巡り会えないまま今日に至りました。最近、新築マンションをもう一度見てみようと検索していたら、思いがけず安い物件に遭遇したのです。この選択はありでしょうか?

こんなお便りが飛び込んで来ました。

普通は、「新築は高いから中古へ」という思考の流れになるものです。その反対もあることもあることを教えていただいた気がしました。とまれ、「中古は新築並みに高いし、リフォーム代もかかるから中古はかえって高くつくから新築へ」というケースですね。
そう云えば、以前も同様のケースは少なくなかったのです。単に読み飛ばして来ただけでした。新築志向が強い人は、中古を自ら否定する理屈が欲しかっただけと思ったものです。

初めから中古を探していた人が新築に鞍替えするというのは、それだけ中の取引が活発化し、値上がりも進んだことの証しなのでしょうか?

ともあれ、中古より安い新築とはどのようなものでしょうか?逆に、中古で新築より高い物件とはどのようなものでしょうか? ここをよく考えてみることが大事です。

今日は、新築・中古を問わず「価格の安さに惑わされないこと」についてお話ししたいと思います。

中古はリフォーム代が加算されるから高くつく、少なくとも新築並みになるというのは一理ありますが、それは大掛かりなリフォームをした場合です。やはり中古は新築より安いのです。

リフォーム代が壁紙の張り替え程度ですんだケース、それでも新築を上回る中古もあるのは事実です。千代田区の番町アドレスや港区麻布、青山、赤坂といったブランド地の高級マンションの中には、築20年になろうかという物件でも新築マンションと変わらない高額な事例もあるのは事実です。

しかし、それは別格というべきもので、一般のハカリでは測れば針が振り切れてしまう代物なのです。

そのような特殊な物件ではなく、普通のマンション、言い換えるとブランド地でないエリアの場合で、なぜ「中古も結構高いなあ」と買い手に思わせる原因はどこにあるのでしょうか?

答えは簡単、買い手は「より築浅」を狙うことや、その他の条件でも「より良い」物件を狙うためです。そのような優良中古は絶対戸数が少ないので、つまり稀少価値が高いので、中古といえども高いのです。近隣の新築に良いものがなければ、条件の良い中古は築年数のハンディキャップを軽々と乗り越えてしまうというわけです。

では、中古以下の価格で買える新築とはどのようなものでしょうか? これはお分かりの読者も多いことでしょう。そのマンションの中で最も条件が悪い住戸だからです。広告効果を高めるために「目玉商品」として極端な安値にする場合もあります。

また、立地条件で著しく劣るケースも同様です。都心から遠い、駅から遠い、都心から遠くはないが寂しすぎる駅、工場地帯の駅、駅には近いが鉄道と高速道路のW騒音がある、ビルとビルの狭間にあるロケーションなどです。

物件個別に価値判断を依頼される筆者の立場では、マクロデータでは分からないことも見えて来ます。新築マンションの広告・ホームページでは長所・魅力のポイントしか見せてくれないものですが、調べて行くと見えて来ます。

物を売るときにウソも欠点も隠せないものとはいえ、広告では隠したがります。マンション販売でも、所在地を隠すことはできないのですが、わざわざ「工場地帯です。環境は良くないですが、モデルルームにお越しください」などとは言わないものです。

欠点や弱点は見せず、または隅の方に小さく目立たないように追いやり、魅力のポイントを大きく目立たせて集客を図るのが常です。

価格を訴求したければ目玉住戸の価格を「3LDK〇〇万円~」からとします。上階の眺望が素晴らしければ、その眺望写真を大きく掲示します。大規模面開発でプライベートガーデンや子供の遊び場(キッズルーム)などが充実していれば、その完成予想図を描写します。交通便の良さをアピールしたいときは、「東京駅まで乗り換えなしで〇〇分」などと謳います。

しかし、実際に現地を見学に行くと、広告で植え付けられたイメージとは違って、検討者をしばしば失望させます。安いと思ったのに、欲しいと思う住戸は高いのです。予算内で再選択すると広さ・間取りが合わないのです。
眺望を期待して来たのに予算内では前の建物が邪魔であることが分かってがっかりしてしまったりします。

価格も中々教えてもらえないというケースも多いようです。
また、代表的な間取りを見て「良さそう」と思って来たのに、希望の階や向きの間取りは気に入らないというケースも少なくありません。

何より建設地の環境が悪く、期待は打ち砕かれて帰途に着くという人も少なくありません。

中古マンションの広告はどうでしょうか?

中古は広告(仲介業者のWEBサイト)の段階で、築年数も当然のごとく明記されていますし、価格も階数も間取りも表記されています。よく見ると所有者が居住中であるとか、空室である、リフォーム済みであるといったことも分かります。眺望写真も掲載されています。


新築にせよ中古にせよ、価値ある物件は高いものです。反対に安いと感じる物件は何か悪条件があるものです。一見安いマンションを「なぜ安いのですか?」と質問すると「グループ会社から安く譲り受けたので」とか「安い時期に買っておいた土地なので」などともっともらしく説明しますが、どこまで本当かは怪しいもので、よく調べると安い理由は別の所にあったりします。

中古では、人の良い・欲のないオーナーが仲介業者の安値査定を鵜呑みにして売り出した場合などの例外的なケースや売り急ぎの理由があって安値で売り出したケースもありますが、普通は安い物件は安い理由がちゃんとあるものです。

中古を諦めて新築へという潮流が来ているとは思いませんが、新築と中古を行きつ戻りつしている買い手が増えているのかもしれません


新築にせよ中古にせよ、条件の悪い物件を価格の安さに魅かれて取得してしまったときは、売却のとき、より安い価格になることを覚悟しておくことが必要です。もともと安く販売されていても、「高い家は高く、安い家はさらに安く」という法則が不動産取引にはあるのです。つまり、「安さに惚れてはいけない」のです。

マンションに「掘り出し物」はないこともないのですが、滅多にあるものではないことも真理です。「良いものを安く買いたい」買い手心理は痛いほど理解しているつもりなので、掘り出し物ではなくても「より価値ある物件」、特にリセールバリューの高い物件を選ばれるよう、いつも祈っています。

しかし、見極めが難しいことも確かです。勉強すればするほど知識と情報が豊富になるが、情報洪水に巻き込まれてしまう人や、方針が定まらない人もあるようです。つまり、知り過ぎて混迷を深めてしまうのです。

誰かが言いました。「世間を知らないのは怖いことだが、知らないままの方が幸せな場合もある」と。

後悔しないためのマンション探し。そのコツやハウツーをたくさんの角度からお送りして来ましたが、最近感じることは「歴史は繰り返す」です。このブログを始めた2010年頃は新築価格のピークでしたが、その後は一旦下落したものの、2013年からは再び上昇トレンドへ、そして、間もなくピークアウトし、下落に向かいます。

今はまだ高い時です。それだけ悩ましいことばかりですが、筆者でもお役に立てることは少なくないと思っています。


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老朽化マンション・負のスパイラル [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


タイトルは2017年4月6日のTBSテレビが朝の報道番組で取り上げた話題からいただいたものです。

番組では、札幌市で起きたベランダ崩落事故や、天井から雨漏りするマンション、バルコニーの軒裏に穴が開き、鉄筋がむき出しになったマンション、鉄製のバルコニー手すりが錆びてぼろぼろになったマンションなどを紹介していました。

これら問題マンションのひとつは、45年間、一度も大規模修繕をして来なかったというのです。修繕積立金すらないということでした。賃貸マンションでなく、分譲マンションでのことなので俄かには信じられない報道でした。

 番組では、1.老朽化して危険なマンションまたは雨漏りなどによる不快なマンションからは転居者が続出し、居住者が減る。2.居住者が減ると管理費・修繕費が集まらない。3.管理費等が集まらないと老朽化は更に進む。1~2~3~1と負のスパイラルに陥ると結んでいました。

適時・適切な修繕をしなければ、コンクリ―といえども建物は必ず劣化します。筆者がマンション業界に飛び込んだとき、最初に教わったことは、新築マンションは完成したその瞬間から老朽化の道を歩み始めるということでした。何故か、そのときの上司の言葉が忘れられないのです。

そのせいでもないのですが、私たちが住んでいるマンションは何年の寿命があるのだろうかという疑問を長いこと持ち続けています。最後の姿をこの目で見たい、そんな悪趣味な(?)思いを抱いているのです。

このブログで、何年か前に「人間の寿命・マンションの寿命」というタイトルで記事を書いたことがありました。日本人の寿命がもうすぐ90歳になろうかという現在、マンションの寿命の方が短いなどということはあって欲しくないという思いから、筆者は常に注目しているテーマです。

さて、今日はマンションに何年住み続けられるかという問題について書いてみようと思います。

このテーマは、新築マンションの供給が低迷し、マンション探しをするうえで中古の選択は避けられなくなっているからです。築浅のマンションなら心配は少ないものの、予算の関係で築20年、30年と古いマンションを検討せざるを得ない人が増えている現状に鑑み、取り上げることとしました。

●新築マンションなら永住は可能?

先ず、マンションってそもそも耐久性はどのくらいあるのかについて考えてみましょう。

業界人になったばかりの頃、先輩から教わったのは「60年」でした。しかし、実際に住人がいるマンション(鉄筋コンクリート造の集合住宅)で最も長く生きた(耐えた)マンションは同潤会アパートの上野稲荷町ではないかと思います。

建築された時期は確認できませんが、同潤会アパートが各地に建設されたのは1921年~1945年と記録されているので、およそ70~90年で姿を消したことになります。

住まいではなかったけれど、使用されていたものでは「同潤会青山アパート」が続くのではなかったでしょうか?「同潤会青山アパート」は、ご存知の「表参道ヒルズ」に形を変えています。

ついでに言えば、上野稲荷町は三菱地所レジデンスによって「ザ・パークハウス上野(全128戸)」という名の分譲マンションに生まれ変わって2015年3月に竣工しています。

同潤会アパートは大正時代に起こった関東大震災の復興住宅として東京・横浜の23か所に建てられたもので、鉄筋コンクリート造3階建ての賃貸アパートでした。何年か後に同アパートは居住者を中心に払い下げとなり、役目を終えた同潤会(財団法人)は解散したと伝えられています。

同潤会アパートの建て替え前の姿を記憶している人は少ないと思います。所有者と建て替えについて長きに渡り協議を続けたデベロッパー各社の開発や企画、建設部門の担当者や設計家、研究者、建築家など、ごく少数の人たちです。

筆者も脳裏にはっきり残っているのは、原宿と青山通りを結ぶ表参道沿いにあった「青山アパート」ですが、先に述べたように、ここに居住者はなく、3階まで店舗でした。殆んどブティックか雑貨店だったと思います。

少し前まで住まいだった名残りを感じるのは、屋上に突き出たテレビアンテナでした。世界的にも有名な原宿、ファッションの街として外国のブランドショップが建ち並ぶ表参道。その道沿いの年輪を重ねた森に隠れるように建ち並ぶ低層の店舗群は不思議な光景でした。

ともあれ、「青山アパート」晩年、住宅としては生きられなかったのです。

コンクリート構造は、メンテナンスをきちんと行えば、100年くらい持ちこたえるのかもしれません。メンテナンスを適宜行わなければ冒頭で述べたTV報道のような危険な状態に至りますが、同潤会アパートの例からも80年くらいは住み続けることができた、すなわち雨露をしのぐことだけは可能だったのですから、やりようによっては100年の寿命はオーバーではないのです。

最近の新築マンションは理論上200年マンションもたまに見かけますし、100年コンクリートを謳うマンションや「劣化等級3」を表示した高耐久マンションも増えています。

しかし、住まいはコンクリートの箱があれば足りるわけではありません。エレベーターも必須ですし、電気設備、給排水・衛生設備、電波受信システムといったものが不可欠です。

簡単に言うと、マンションは構造と設備に分類され、構造は60年~100年、あるいは200年の耐用年数があっても、設備は15年程度しかないもの、長くても40年程度のもの(エレベーターなど)、と部位によって寿命は大きく異なります。

コンクリートの構造部はしっかりしていても、設備が寿命に達してしまうと、様々な不具合が発生し、生活が困難になります。不具合は居住者のストレスを溜めこむことでしょう。

快適であるはずのマンションが不快なマンションとなって耐え難くなって行きます。そうなると脱出者が次第に増えて行きます。売却という道を選択する人、賃貸に付す人に分かれるにしても、オーナーは老朽化マンションから去っていくのです。

売却によって新オーナーとなった人はともかくも、賃貸したオーナーからは愛着も薄らぐのか、メンテナンスが適切に行われないだけでなく、修繕積立金の増額も決議に至らず、やがてはメンテナンス放棄状態に陥るのです。

そうなると、売却額も二束三文です。

ところが、中には築50年に達していても、メンテナンスがきちんと行われているマンションは、「Vintage」の称号をもらうほどで、外形的にも状態は良く、住み心地も良いマンションとして定評があるようです。

オーナーは宝物でも愛でるように大切に扱い、売りに出す人も少ないのです。売り出せば、今も結構な高値で買い手がつくと言います。

Vintageと呼ばれるようなマンションは都心の一等地に立っていて、それだけでも価値ある物件なので、買い手も富裕層であるケースが多く、メンテナンス費用の支出や積立金の増額決議もスムーズに運ぶのでしょう。

その結果、建物の劣化は進まず、大規模改修のたびに何度も若返って、今に至っているのです。

結局、マンションは新築であろうと既に30年を経過している中古マンションであろうと、余命はメンテナンス次第ということだと分かって来ます。

●築30年の中古を買った場合は何年住めるか?

築30年のマンションを買いましたが、それから5年も経たないうちに不具合が頻発し、とても居心地が悪いのです。ストレスも溜まる一方ですーー先日、このようなお便りを頂きました。

ご依頼の内容は、買い替え先のマンションについてのものでしたが、今度は失敗しない買い物をしたいという祈りのような心情が伝わって来ました。

普通に考えると、築35年程度ではどんなに短くとも20年以上は住めるはずですが、管理組合の運営がうまく行っていないらしく、小さな修繕ですらスムーズに行かないため、気持ちよく暮らせないというのです。

別のマンションは、組合運営の活動が讃えられ、模範的なマンションとしてたびたび雑誌や新聞のコラムに登場しています。

筆者の知る(かつて短期間住んでいた)マンションは、今年で築34年になるのですが、とても34年を経過しているとは信じられないものがあります。

こうしたメンテナンスが適切に行われるマンションの共通点は、資産価値の維持に関すして、オーナー全員が理解と協力を惜しまないことにあるようです

大規模な修繕は勿論のこと、美観を損ねる行為の禁止ルールを厳守すること、当初はなかった衛星放送受信設備の新設も組合として実施し、つまり、居住者が勝手きままにバルコニーの手すりに据え付ける行為を禁じたことなどが代表的です。

時代とともに新たな設備が登場するので、その更新や新設、つまり「改良」もしっかり実行しているのですね。

また、年代を感じさせない大きな要因は「植栽」にもありそうです。築30年を超えて年を感じさせないのは敷地内の樹木が高く大きく生長して建物の古びた印象を消してしまうからではないかと思います。

●築50年のマンションにはあと何年住める?

カギは、手入れにかかる費用にあるのではないかと思うのです。老朽化が進むに連れて修繕費は嵩み、積立金不足に陥るのではないか? そうなれば、老朽化の進行を止めることができなくなって住みにくい状態になる。

そうならないようにするには、財政的な裏付けが必須です。

マンションは、寿命が近づくに従い、不具合があちらこちらで露呈してきます。排水不良や水勢の低下、壁面の劣化・タイルの剥離・崩落、サッシ周りに隙間が発生して風が入り込む、換気装置の機能不全などが目立ってきます。

とりわけ、コンクリートのひび割れが雨水の浸透を許し、鉄筋の錆び、そして膨張、爆裂といった症状は、耐震性の劣化にも重なります。そして、雨漏り、結露、ジメジメ感といった住み心地を悪化させる現象が増えて来ます。

何十年も経つと、それまで応急措置を繰り返して来たものの、たび重なる修繕に根本的な対策の必要度が増して行きます。

不具合があまりにも頻繁になると、修繕の意欲も薄れ、劣化した箇所を放置したまま、すなわちメンテナンス放棄という事態もあり得ます。管理費の滞納や修繕積立金の枯渇などが、これに拍車をかけます。

日常管理もおろそかになり、共用部分にゴミが溜まり、自転車置き場が雑然としたまま、壊れた機械式駐車場は使用不能、メールボックスの投函扉は半分開いたまま。エレベーター内部は傷だらけで汚れもひどい。

入居者の中には、あまりにも住み心地が悪いので、やがて賃貸するか売却して住み替える道を選ぶ人が出てきます。

賃貸戸数が増えますが、賃料が高くないため、入居者の質が問題になったりします。それが更に住み心地を悪くさせます。

すべてのマンションがそうなるわけではありませんが、入居者が足並みを揃えて維持管理に関心を持ち、お金(修繕費)をかけて改修を適切に行ないながら、また管理規約をしっかり守って共同生活を営み、共用部分も我が家の一部としてみんなで慈しんで行けば、50年先も快適な住まいであり続けることでしょう。

しかし、現実はそうならず、50年も経ったマンションは見かけ上は「まだ住める」と見えても、内実はスラム一歩手前に陥っているかもしれません。そのため、50年を買った場合、入居してから5年も経たないうちに様々な障害・問題が表面化して来るかもしれません。

今日は詳しく述べませんが、チェックポイントを定めてしっかり調査しなければ、高経年マンションは危険です。

何をするにも管理組合としての財政に余裕がなければなりません。その意味で、第一のチェックポイントは積立金の残高が1軒当たりでいくらあるかです

また、長期修繕計画書(収支計画表)を見せてもらい、赤字になる年がないか、積立金増額計画の実績と予定の両方を見ることです。そこから見えて来るものがあるからです。勿論、修繕履歴を辿って見ることも大事です。

マンションは人間の体と異なり、健康診断を行いながら手入れをし、ときに手術をするなどのメンテナンスを適切に行って行けば、必ず長生きできるものです。

●これまでの50年マンションとこれからの50年マンション

昔のマンションは後々のメンテナンスや給排水管の交換を想定していなかったものが多いのです。仕方なく、下の写真のように外壁を這わす格好で新しい配管を設置している例が見られます。

ご存知の読者も多いと思いますが、給排水管の横引き管は専有分に当たるので、リフォームの際に自分の意思で交換することができます。しかし、コンクリートの中に埋め込まれてあれば、交換は不可能です。

また、上下を貫通する竪管(たてかん)は個人ではどうにもなりません。管理組合全体として工事をするかしないかを決めることになります。

しかし、水流が弱いとか、排水管が詰まり気味であるといった不具合が出て来ます。また、昔の水道管は鉄製である場合が多くこれが赤水発生の原因になっているマンションもあります。これらを直すために交換が必要となったとき、その工事のための余裕のスペースがない場合もあるようです。



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既に50年になったマンションは、やがて上の写真(築60年の某分譲マンションです)のような姿になるかもしれません。

しかし、最近のマンションの多くは長期的なメンテナンスに配慮した設計になっているものも多いので、見かけ上も美麗で、長く快適に住んで行くことが可能かもしれません。とはいえ、技術的に可能ではあっても、財政の裏付けがなければ適切なメンテナンスはできません。

また、オーナーの大半が理解と協力を惜しまない管理組合でなければ、これまた実現は困難です。

●修繕積立金を最初に沢山集金してしまおう!

このタイトルは最近のデベロッパー各社の合言葉のようです。このブログでも少し前にご紹介しましたが、修繕積立金は分譲時から多額に徴求する例が増えています。

専有面積1㎡当たりで、初期に100円(70㎡なら7000円)程度とし、5年後には1.5倍に上げる、引き渡し時に一時金として毎月の設定額の80倍~100倍(50~70万円)といったケースですが、少し前までは毎月80円/㎡ 以下、一時金は60倍というのが標準的でした。

最近、このような増額傾向を見せる業界ですが、これにはどのような意図があるのでしょうか?

かつて、マンション分譲という商売は手離れの良いビジネスだと語ったデベロッパーの社長がありました。売ったらあとは管理会社に任せておけばいい、悪く言えば「売り放し」でよい商売でした。

建築上の問題でクレームが来たら施工会社が処理してくれる、という思いもあったようです。

一面これは今も真理ですから、修繕積立金を多額に取るというのは、販売の足かせになる恐れもあるだけに、デベロッパー(売主)としては積極的に取り組みたい方策ではないはずです。

にも拘わらず、増額策は何によるものでしょうか?

管理会社の要請でしょうか?値上げを提案しても、管理組合が賛成しないと財政が欠乏して維持管理がやりにくいので、最初からならべく資金的な余裕を作りたいとでも売主に要望しているのでしょうか?

それとも、建て替えが殆んど不可能な分譲マンションは将来、社会的なストックとして残るだけに、老朽化したマンションが増えて街までがスラム化するようなことがあってはならない、分譲した当事者としても「我関せず」というわけにも行かない。こんな企業の良識がそうさせているのでしょうか?

あるいは、国の指導によるものでしょうか?

おそらく、要因はいくつかが交じり合っているのでしょう。都区内には築40年を超えるマンションが既に2000棟以上もあるのです。あと10年すると50年マンションが2000棟となります。

老朽化マンションは、放置すれば社会問題として無視できないものになる。官民ともに、解決案を見い出そうと日々考えているのです。そんな中、メンテナンスをしっかりやって行こう。そのための財政的な裏付けをしっかり作って行こう。こんな空気が生まれていると見るべきでしょう。

こうした動きは、20年くらい前から始まっていたと思います。それが波及し、時代の潮流として目立ってきたのがこの3年くらいと感じます。

高経年の中古マンションを検討するときは、耐震性能とともに「修繕積立金の残高(総額ではなく1戸当たり)」を聞く、修繕履歴を見る、長期修繕計画書を見るといったチェックポイントを持ちましょう。


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隠れ持ち家族。家を買う [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。



将来は親所有の家に入るので、それまでは賃貸マンションでいいと、結婚して以来ずっと思って来ましたが、家賃が勿体ないなと感じてマンション探しを始めました。

このような買い手さんは少なくないと思うのですが、読者の皆様はいかがですか?

ご承知のように、少子化の影響で相続する家は長男長女が一人で相続するケースが増えています。東京近辺に親が住むケースでは、いずれは住む家があるので買わなくてもよいという賃貸マンション族があっても不思議ではありません。

筆者は、これを昔から「隠れ持家族」と呼んで来ました。筆者の子供も、その一人ですが、それでもマンションを買いました。筆者も妻も長生きしそうだからというわけでもないでしょうが、購入したのです。しばらくして転居したので、今そのマンションを賃貸に出しています。

マンション需要を予測する研究をしているとき、外せないのは人口・世帯数の増減と持ち家比率です。10年ほど前は「団塊2世」と言われる大きな塊の世代が30代前半にあって、マンション購入へ向かったと推定されました。

一方、単身世帯の増加によって1世帯当たりの家族数が減るとともに、人口の伸び以上に世帯数が伸びました。単身世帯の増加は単身の高齢者世帯もありますが、他方、晩婚化と非婚化によって親元を離れて暮らす若い世帯の増加も要因です。

単身世帯には「独身女性」も多く、かつ所得の高い階層も着実に増えて来たのです。

この結果、単身者がマンションを購入するという、かつては少数派であった需要層が高いシェアを持つに至りました。

話を戻しましょう。結婚した二人のどちらも一人っ子というケースはどのくらあるのでしょうか? もし、二人とも一人っ子で、親はどちらも東京圏に家があったら、若夫婦には相続で住むことのきる家は2軒あるということになります。

こんな夫婦は滅多にないのかもしれませんが、少なくとも片方の親は東京圏に住んでいる確率は低くないかもしれません。

しかし、一方では世界一の長寿命を誇る日本のこと、長生きする人は多く、特に女性は90歳まで生きるのが普通です。としたら、相続なんて随分先のことになるでしょう。

しかし、その親の世話をするときがやって来るかもしれません。そのとき、そのまま実家に同居する、実家を改修する、2世帯住宅に建て替える、新たな家を購入するといった選択肢が生まれます。

どちらにしても、お金はかかるはずです。そのお金は貯金を崩し、住宅ローンを借りたらすむと簡単に考えてしまう人もあるかもしれませんが、家賃を払い続けるより、購入によって資産を残すという道を探ってもいいはずです。

このように考えてマンション購入を検討しているのかどうかは確信がないのですが、少なくとも「賃貸はもったいない」と思っている人は多数あるようです。

しかし、賃貸は何も残らない、購入は資産が残せる。本当にそう言えるでしょうか?購入したマンションが住宅ローンを利用していた場合、完済の前に売り出したら購入額の半値になり、住宅ローンを清算するために手元預金を崩すことになったとしたら、資産形成にはならないのでは?

逆に、銀行との清算後に売却代金が何千万円も手残りしたら、つまり購入価格以上で売れたら資産形成になるのでは?

半分の頭金を入れて購入したらどうなるのか?半分に下がっても大丈夫なのでは?いいえ、やっぱり値下がりしたら意味がないのでは? 分岐点はどの辺にあるのだろうか?

このような疑問の「解」を求めながら購入マンションの物色を続けている人も多いのです。

本稿では、その解を割愛しますが、「物件の選択を誤らなければ購入に価値がある・資産形成は可能」とだけお伝えしておきましょう。

次に、万一購入したマンションが値下がりし、売却するとき手出しが必要になるとしたらどうすべきでしょうか?

親の家に入るときに建て替え費用や改修費用が必要になるので、預金は崩したくないとしたら、所有マンションを売りたくても売れないという状況になるのではないでしょうか?

しかし、建て替え費用・改修費用をローンにすれば解決するかもしれません。

いずれにせよ、しばらく賃貸しながら保有を続けるという選択肢も考えられます。賃貸料で毎月のローンをまかなえればいいですね。そうしておいて売却のタイミングを測り、適当な時期に処分すればいいわけです。

また、処分しないで持ち続けるという選択肢も考えられます。これはどんなものでしょうか?

いずれ、ローン返済は終了します。そうなれば返済に回っていた賃貸料はそっくり残ります。それが第二の年金のように安定収入となりそうです。ただし、長い間にはマンションの老朽化が進み、お荷物になる危険があります。としたら、そうなる前に処分することを考えた方がいいかもしれません。

ローンは残っていないのですから、極端なことを言えば二束三文で処分しても問題はありません。しかし、できたら良い値段で売りたいですね。
持ち続けるにしても、売り抜けるにしても「維持管理」がカギを握りそうです。

根本的なところでは、立地条件をはじめとして価値あるマンションを持つことが大切になって来るのです。言い換えれば、最初が肝心ということになりましょう。想定外の何かが起こり、自宅マンションを処分しなければならないとき、もしくは賃貸中のマンションを処分したいというとき、少しでも高く現金化できるマンションを選ぶようにしなければなりません。その知恵を手にしたいものです。



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買ってはいけないマンションあれこれ [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。

2年くらい前に書いた「マンション選びの法則 12か条」で述べたことに関連して、「できたら避けたいマンション」についてお話ししようと思います。

先ずは「マンション選びの法則 12か条」をおさらいします。

●マンション選びの法則 12か条

1)高い物は高く、安い物はより安く

「安く買えば、それだけお得になる」この一見正しそうな論理は反対の結果になることがあります。

都心のマンションは、新築も高く、中古も旺盛な需要に支えられて価格は強含み、つまり、都心のマンションは中古になっても値下がりしにくいのです。

これに対し、郊外マンションは、比較的安い価格で供給ができますが、中古マンションも都心ほどの需要がないために、価格は常に弱含みとなります。

都心のマンションは150で買っても20年後に100くらいに留まり、郊外マンションは100で買っても20年後は50になってしまうといったことが起こります。


2)バス便物件が値上がりすることはない

「高い物件はより高く、安い物件はより安く」という法則は、そのまま駅近マンションとバス便マンションとの差にも当てはまります。

バス便マンションは、多くの場合で環境の良さと価格の安さを「売り」に販売されます。
しかし、通勤を犠牲にしてバス便を選択する人の絶対数は少ないので、販売に苦労するケースが多く見られます。

バス便マンションは需要が少ないので、中古になっても同様に買い手を見つけるのに苦労することになります。そのために価格は下方圧力を受けることになります。


3)利便性と環境の良さは両立しにくいものだ

数万坪の大規模な再開発が駅前で行われると、道が綺麗になり、公園が整備され、街並みががらりと変わります。マンションと商業施設が誘致され、便利で環境も良い理想的な住宅街が完成します。

武蔵小杉が最も有名ですが、このような街は稀有です。

また、環境の良い住宅街を縫うように走る私鉄沿線がありますが、このような場所で駅前にマンション用地を確保することは極めて難しく、これまでの実績では、旧・住宅公団アパート(分譲)の建て替え例(京王線「桜上水」駅前に広がる「桜上水ガーデンズ」)くらいしか浮かんで来ません。

結局、駅に近いマンションは、喧騒の中にあるか、既存のビルに囲まれたような位置になるので、良い環境条件を併せ持つことはないと思った方が正解というわけです。


4)再開発で誕生の人気マンション。その価格は10年後のもの?

再開発エリアのマンションの中には、分譲価格が現状とマッチしない高値のものが少なくありません。再開発のグランドデザインがほぼ固まっているケースは、完成後の価格を織り込んだレベルになっているのです。

開発業者は、「再開発のグランドデザインはとても魅力がある。これなら高値でも売れる」そう踏んで、用地争奪戦で高い札を入れて行くからです。

再開発で街の魅力は倍加し、従って値上がりすると期待して多くの購入者が集まるのですが、価格は言わば10年後の価格が設定されているので、中古価格は期待ほどにはならないのです。


5)枝線より幹線・支線より本線

幹線鉄道とは主要鉄道のことで、枝線鉄道とは主要鉄道から枝分かれしている鉄道のことと定義しておきます。一方、幹線鉄道は東京都心とダイレクトにつながる鉄道ということです。

駅近マンションは、高くても人気があるものです。首都圏住民は利便性を優先する多忙な人が多いからです。

しかし、幹線鉄道の駅前は既に建物が密集していてマンションが新しくできそうな空地はなかなかないもので、販売物件は待てど暮らせど出て来ません。たまに売り出されると手が出ないほどの価格であったりします。

そこで、仕方なく1回乗り替えを覚悟し枝線の物件に目を向けるという選択をする人も出て来るわけですが、幹線・本線鉄道の駅のマンションの人気には敵いません。


6)「駅から近い」は徒歩5分までのこと

駅に近いとか遠いとかいうときの基準には個人差があります。

しかし、新築マンションの売れ行きを見ていると、「10分を超えると人気がなく、5分以内は人気を博する」という傾向があります。

中古マンションとして売り出すときも同様で、駅に近いという印象は5分前後までと認識しなければなりません。

7)マンションの価値は立地で決まる

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件です。立地さえ良ければ建物はどんなものでも構わないというほど単純ではないものの、マンションの価値は立地がすべてと言ってよいほど比重が大きいのです。

立地が良いとは、駅に近いこと、その駅が都心や都心に近い駅であること、その駅から都心へのアクセスが良いことなどを意味しますが、先に述べたように「駅から近いとは徒歩5分以内」ですし、「鉄道は幹線・本線の駅」が条件になるのです。


8)中古マンションは新築より安いとは限らない

一般に中古マンションは新築より安いと言われます。事実そうです。しかし、中には新築を上回る高値の取引が行われている中古マンションもあるのです。

新築は高いので最初から中古に狙いをつけて探す人もいますが、中古の中で「より条件」の良い物件を求めて行くと、新築と大差がない価格であることに気付くはずです。

都心や人気の街にある優良な中古は、新築並みの結構な値段と思わなくてはなりません。マンションの価値を左右する比重が高いのは立地だからです。


9)業者が売主のリノベーション物件は割高

中古マンションは、築40年近いものになると、レトロな印象の中に味のある建物もないことはないですが、多くは見映えが悪く見学しても購買意欲が湧かないものです。

そこで販売促進のために、専有部分だけでも新品同様にしようという策が自然に登場して来ます。つまり「リフォーム」です。

所有者が居住したままでリフォームするのは難しいですが、移転してからなら思い切った工事が可能になります。

思い切った工事、すなわち設備機器の交換をはじめ、間仕切りも換える「リノベーション」です。

リノベーションは、玄関ドアや窓のサッシなどを除けば、新築マンションのモデルルームにも劣らない、むしろ斬新な印象を放つマンションを誕生させます。

その綺麗でお洒落で、賃貸マンションでは見られない先進の設備を備えたリノベーションマンションは、見学者の購買意欲を高めるのに威力を発揮します。

リノベーション物件は、ほぼ例外なく売主が個人ではなく業者です。中には大手仲介業者も含まれますが、大半は無名の不動産業者で、本業はリフォーム事業だったりします。

築40年を超えるような物件は中々買い手が付かないので、個人売主は業者に買い取ってもらう道を選択します。買い取り業者は安く仕入れ、リノベーションを施して販売するわけです。、そのとき信じられないような利潤を加えたものが見られます。

リノベーション物件は割高なものが多いと思った方が当たっています。


10)直貼り床はローコストマンションの象徴

直貼り床のどこがいけないのでしょうか? 二重床にしないと階下に生活音を響かせるのでしょうか? いいえ、必ずそうなるとも言えないのです。

遮音性は、コンクリートの厚さや梁から梁までの長方形面積、施工方法、施工精度など様々な要素が絡み合って差ができるものです。

直床構造の最大の問題は、将来のリフォームが制約を受けやすいということです。大掛かりな間仕切り変更を計画したときに初めて気づくという問題点なのです。

ローコストマンションは、規格型の設計にして特別な材料も部品も極力使わないこと、作業工程を減らして時間と手間をかけずに労務費を抑えることによってローコストとしていることが特徴です。直貼り構造も、コストダウン策のひとつに位置づけらるものです。

あるマンションの広告でこんな文言(コピー)を見つけました。

洋服のように簡単に替えのきかないのが住まいであろう。貴方の人生を纏う(まとう)住まいだからこそ、選び抜かれた生地で、仕立てにこだわり、着心地がいい、そんな住まいであって欲しい」

ローコストマンションは、この対極にあるマンションと言えます。ローコストマンションの象徴、それが直貼り工法です。  


11)ブランドマンションには安心料が含まれている

欠陥住宅・欠陥マンション騒ぎが何年おきかに発生します。 その報道を見聞きした人は、自分だけはそのような住宅・マンションを掴まないようにしなければとの思いを強く抱きます。

しかし、素人にとって欠陥かどうかの見極めは簡単なことではありません。 実は専門家でも蓋をされてしまうと見抜けないのです。

悪意はなくてもスキル不足や管理ミスなどで粗悪なマンションができてしまうのも事実です。

そこで買い手は「より安全な製品」を選択するための物差しとして、「大手マンション業者」や「大手ゼネコン」などの看板を頼りとします。

ブランドマンションは高いが、しばしば 「安心料だと割り切って買いました」という声を聞きます。

大手なら、しっかりと品質管理、すなわち施工過程をチェックし、欠陥マンションの発生をゼロにしてくれるだろうと、漠然としたイメージではあるものの、期待と信頼感によって商品を選択しているというわけです。

構造的な部分の瑕疵は法的に担保されています。中小業者でも「保険加入」が義務付けられているので一定程度は補償されます。ただ、竣工から10年を超えてしまったら、法的には業者に補償責任はなくなるのです。

ある日突然マンションが倒壊するなどということは万に一つもないと信じたいですが、巨大地震が来たときなどに、想定外のことが起こらないとは誰も断言できません。

分譲マンションの歴史は、まだ50年あるかなしかです。この長いとは言えない時間の中で経験を積んだデベロッパーの中には高い授業料を払ったこともあるのです。それが今日の企業活動につながり、今日の地位とブランド価値を高めて来たとも言えます。

大手マンション業者、大手ゼネコンのブランド価値は、安心という付加価値を生んでマンションの資産価値の向上に直結しています。付け加えると、売却時に次の買い手を安心させる要素として大きな意味を持つことになるのです。


12)大規模マンションは小規模マンションに優る

単棟のタワー型マンションにせよ、中高層の多棟型マンションにせよ、大規模マンションはスケールメリットがもたらす付加価値が豊富です。

共用施設が充実しており、その恩恵にあずかれるからです。

タワー型なら、絶景を楽しむことができる展望ラウンジ、両親を呼んで歓待することが可能なゲストルームなどが定番の施設です。

広大な敷地に複数の棟を配置した大規模マンションでは、敷地内公園や散策路・遊歩道、人工の親水公園などが併設されています。

子育て世代が多いエリアでは、雨の日も子供が走り回れるキッズルームや保育所を併設したものも見られます。

エントランスホールやロビーの大きさも違います。広いだけでも立派に見えるものですが、中には2階に設けたロビーへエスカレーターで移動する形式の大規模タワーマンションも少なくありません。

これらの施設は、小規模マンションでは造りえないものです。

管理サービスの面では、コンシェルジュを置き、入居者の様々な利便に答える体制を整えているのも大型ならではです。


●理想を追うと買えない

以上の12か条を全部満たすマンションはほぼ存在しないと言えるでしょう。「ないものねだり」、「理想主義」という批判を受けるようなものです。

従って、12か条の内のどれかを優先し、どれかを無視または下位の選択条件にすることが必須です。

マンション探しの旅に出た人の中には、「青い鳥症候群」に陥る人がいます。

理想と現実とのギャップに不満を感じるあまり、理想を求めて次々に新しいものを手に入れようとするような動きを指す言葉と思いますが、沢山の物件見学を行ない、沢山の知識と情報を詰め込み、それが仇となって迷走してしまう人のことです。

研究をすることは良いことですが、理想像を捨てきれず、何か月経っても購入に至らない人が現実に少なくないと聞きます。

仕事の合間にマイホーム探し、実は簡単ではないのかもしれません。それを効率よく、ひどく遠回りせずに購入に至るコツは、条件に優先順位をつけること、枝葉末節を思い切って切り落とすこと、妥協すべき条件と妥協できない条件を整理して選ぶことです。

優先すべき条件は「立地」です。駅から近いこと、都心に近いこと、都心にダイレクトアクセスの鉄道利用であることなどです。

しかし、その条件に当てはまっていたら建物条件は軽視していいわけでもないのです。次は、できるだけ大きいもの、ブランド力のあるものなどが続きます。


住み心地の視点で避けたいマンション

こうしたことを意識しながら選別をして行く過程で、つい選択してはいけないマンションに惹かれてしまうことがあります。そのとき何を第一条件にするべきでしょうか?

住まいの基本は、居心地がいいことです。ストレスを感じることが少ない住まいであることが重要と言えます。一言で表せば「快適」なことです。

快適な住まいは、言い換えればストレスのない住まいということです。

快適と言えない住まい、ストレスになりそうな住まいとは、例えば次のようなものです。

駅から遠い:遠ければ最寄りの駅まで真夏は汗だくになって不快な気分を味わうことでしょう。買い物のために重い荷物を抱えて駅前と家を往復しなければならないかもしれません。マイカーを使って買い物をしているが、駐車場の前で長く待たされるなど・・・

寝室の隣のトイレの排水音が響く:遮音性の低い造りだったのです。神経質な妻は愚痴をこぼします。

バルコニーの先が隣家の壁:プライバシーが侵害される気がする。うっとうしいなどの印象を持つことっでしょう。

子供が騒ぐので1階住戸を買ったが、冬は寒い:床下に断熱材を入れているという説明だったが、底冷えするような感じがしてしまう。2階の住民に尋ねたが暖かいという。床暖房も効果が低い気がして後悔している

このような例を挙げるとキリがありませんが、「住み心地」という観点は何よりも優先するのです。


資産価値の視点で避けたいマンション

次は、マンションの資産価値という観点から「買ってはいけないマンション・なるべく避けたいマンション」について整理して行きましょう。これは、先の12か条の裏返しでもあるのですが、ずばり直截的な言葉でお伝えしようと思います。


1)管理人不在マンション

いわゆる「巡回方式」の管理は、清掃人は毎日来てくれるものの、管理人は1週間か2週間に1回しか来ないという管理体制のものです。

管理人の業務は多岐に渡りますから、それを巡回でこなすということは、言ってみれば「間引き管理」です。誤解を恐れずに言うなら「手抜き管理」なのです。

管理人を置かないのは、管理費が高くなるからです。管理費が高いと販売がしにくいので、好ましくないと知っていながら、分譲主は「巡回管理」の設定で販売してしまいます。

管理費が高くなるのは、戸数が少な過ぎるからにほかなりません。

高級・高額マンションの場合は、管理費の負担をさほど気にしない高給取りが住むので、管理人を少なくとも1日8時間以上の勤務で、きめ細やかな管理業務に当たらせるものです。

管理人不在マンションは、ルール違反者を取り締まることもできないので、美観を損ねるマンションとなってしまったり、長い間に建物劣化を進ませてしまったりと、良いことは何もありません。

12か条の12番目に掲げた「大規模マンションは小規模に優る」という根拠の一部は、この管理体制の差でもあるのです。

2)小さ過ぎるマンション

管理人不在マンションは小型マンションであると断定していいのですが、小型の基準については書きませんでした。多少の幅があるためです。イメージ的には、50戸未満と言えます。

この項では「小さ過ぎる」と表現しましたので、戸数規模では30戸未満と定義しておきます。1フロア当たりの戸数では2戸か3戸のイメージです。

3戸で10階建てなら27戸(1階に住戸はないので9層)です。14階建てなら39戸となりますが、小型の高層マンションで、戸数より1フロアの面積が狭いという条件が加わることになります。

小さ過ぎると、差別化が図りづらいのです。高層の場合では、ひょろひょろとした恰好、あるいはペンシル型のフォルムとなります。中低層でも同じですが、建物価値を高く見せるには、ある程度の大きさが必要です。

例えば、エントランスを豪華にしたいと思っても小さいマンションでは自ずと限界があります。建物全体に風格を持たせたいとしても、周囲の建物に囲まれてしまうと存在すら否定されてしまうかのようです。

しかし、一戸建ての住宅が長く続く街並みの中なら20戸の低層マンションでも目立つ存在になることでしょう。

結局、大きい、小さいは相対的なものです。500戸級のメガTowerマンションが並ぶエリアでは100戸程度の高層マンションなら霞んでしまうことでしょう。


3)直貼り床構造のマンション

直貼りマンションは、リノベーションがしにくいという欠点があります。間仕切り変更をしないなら問題はありませんが、水回りの移動をしようとすると、床を転がす配管スペースが取れず、断念しなければなりません。

その程度なら別に大したことではないとと思われるかもしれません。ここで「避けたいマンション」に掲げるのは何故でしょうか?

それは、直貼り構造がローコストマンションの象徴と考えると、他にも何かあると疑わざるを得ないからです。住んで行くうちに、何かしら不都合が出て来るのではないか? 粗悪品でもないし、危険な建物でもないはずですが、住み心地に不満を感じるときが来るに違いないと、は疑った方がいいのです。

後悔したくない人は避けておくべきです。

4)半地下・地下のマンション

半地下・地下住戸を設けたマンションをときどき見ます。とても売りづらい住戸です。価格を少し下げたくらいでは解決できない難しい販売課題を背負う住戸です。

そんなものを何故わざわざ作るのかと思われるでしょうが、髙い土地を法的制限いっぱいまで有効に活用したいからです。ひとつの土地に100戸建てるか90戸建てるかでは採算性が全く違ったものになります。法的に許されるなら、100戸まで建てる方が、1戸当たりの土地原価は下がります。それだけ販売価格を抑えられます。

逆に言えば、100戸建てないと販売価格が高過ぎて売れない、すなわち儲からないからです。

半地下・地下住戸が多いのは、第1種低層住居専用地域に線引きされた一戸建て住宅街の中の低層マンションです。

半地下・地下住戸は売りにくいので、価格を安くしたほかに上階にはない付加価値をいろいろ考えて商品化します。

例えば、敷地境界線一杯まで広いテラスまたは庭を作ります。このテラスは隣の敷地または道路レベルから見ると深さ1メートルから2.5メートルの穴状となります。建築用語では「ドライエリア=空堀からぼり」と言います。

このテラスまたは庭の先が公道である場合は、通行人からの視線を遮断するために密集した植栽を施すなどの工夫をしますが、それでも売れないケースが少なくありません。

人間心理は、隠されるとよけいに見ようとするものです。樹木の間には隙間があるので、ついつい先を見ようとしてしまうのです。

庭では夏なら子供がビニールプールで水遊びをしたりしているのでしょうし、大人はゴルフのスイングを練習したりするのかもしれませんが、視線を奥へと移せばリビングルームまで見えてしまわないかと他人事ながら心配になってしまいます。

まあ、立ち止まって中を覗く通行人はいないでしょうが、購入者心理としては抵抗が小さくないはずです。

(地下住戸に限らず、例えば1階住戸でもプライバシーを侵害されそうな位置の住戸は少なくありません)

本来、家は無防備にリラックスして過ごせるような造りが必要条件です。

そのほかにも、洪水に遭わないか、湿気対策はどうなっているのか、セキュリティは大丈夫かなどと買い手に去来する地下住戸への心配事は少なくありません。

地下住戸が価値を持たない(低い)の理由の一番は、人は低い所より高い所に住みたがるからです。

売却時、このような買い手に不安・疑問を持たれる半地下・地下住戸は避けておきたいマンションの最たるものかもしれません。


5)販社は一流でも零細企業が売主のマンション

無名なデベロッパーは、一流企業や有名企業のネームバリューを利用しようとします。その方法は事業提携です。提携の形態はいくつかあります。ひとつは、共同事業です。販売提携という方法もあります。

前者は、売主としての共同責任があるので、大手と組んでくれれば、買い手にとっては安心です。ところが、販売だけの提携は買い手にとって何の意味も持ちません。

売主にとっては、大手の販売力(知名度を生かした集客力)に一定の期待をかけて事業を推進することができるでしょうが、買い手はアフターサービスも10年間の瑕疵担保責任も大手販売会社に求めることはできないのです。

ところが、販売広告・販売ツールに有名企業が掲載されてあると、さも有名企業の売り物と錯覚してしまう買い手も少なくないのです。

冷静に考えれば分かることではあるのですが、錯覚は人を思わぬ方向へ誘導してしまうものです。

とまれ、大事なことは売主がどんな企業であるかです。マンションメーカー(デベロッパー)としての経験・実績はどうなのか、大手と比べて引けを取らない品質の建物を提供してくれるのか、アフターサービスは大丈夫か、万一のことがあったとき、満足すべき対応をしてくれるのか、財務基盤は堅固であるか、経営危機に陥ったときはどうなるのかといったことも考えて行くと、零細なマンションデベロッパーから購入するのはハイリスクです。


7)価格が高過ぎるマンション

資産価値の観点から、避けたいマンションというテーマで書いてきましたが、価格が高いマンションの大半は実は資産価値が高いのです。しかし、資産価値を売却価値と置き換えると、思ったほど(期待したほど)高い値が付かなかったと落胆する場合があるのです。

それは相場が急上昇したような時期に買ったマンションで見られる特有の現象です。

赤信号みんなで渡れば怖くないという交通標語がありました。それと同じで、高いと感じながらもよく売れている、人気があると思われるマンションは価値あるものと思い込む人間心理があって、怖がらずに買ってしまうのです。

しかし、相場は動くのです。高いときに買ってしまうと、タイミングによっては売却時に損失が大きく出る場合が多いのです。値上り前の低相場のときに買ったマンションは、売却価格が期待した以上になったりします。

これと同じで、相場が低位で推移しているような時期に買っても、それが突出して高いマンション(住戸)だったりすれば、売却価格は期待を裏切るのです。

例えば、東南の角の最上階のルーフテラス付き住戸が1戸だけあって、そこだけ飛び抜けて高いことを知っていたが、希少価値が高いのでリセール価格も大いに期待できると信じ買った。しかし、全く期待外れということがあります。

稀少価値がある、最も価値ある住戸であることは間違いなかったものの、価格がその価値以上に高く設定されたためです。いくら価値があると言っても、限度はあるのです。

タワーマンションの上下格差も同様です。眺望価値が高いので価格は下層階に比べて大きな金額を乗せるのが普通ですが、中古市場では新築時の価格差ほどの差にはならないのが実態です。




例外もある

世の中には、何事も例外はあるものです。小さ過ぎるマンションであっても、平均100㎡で15戸ののマンションは全体で1500㎡となるので、半径300メートル四方が一戸建て住宅街のマンションなら、その辺りで一番大きなお屋敷を凌駕する規模となりましょう。

マンションは100㎡の平面を買うのではなく、1500㎡全体の価値を買うのです。全体が相対的に大きく、上質または高級なマンションなら、たとえメガマンションの10分の1しかない小型マンションでも価値あるマンションとなるのです。

また、そのような高級なお屋敷街なら、規模が小さかろうが、駅から10分かかろうが、買いたい人が現われます。

住みたくても提供されることが滅多にない立地ゆえです。そして、価格もそれなりのものとなるのです。


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大規模修繕でマンションは何年若返るの? [マンションの資産価値]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。



マンションは何年住めますかというお尋ねをよく頂きます。
コンクリートの箱は、100年持つとか60年が限度だとか、あるいは税法上の耐久年数を持ち出して来て47年だなどという的外れな答えもネット上には飛び交っています。

一体どれが正しいのでしょうか? 実はズバリ何年と答えることはできません。コンクリートの質、かぶり厚の差、修繕の仕方、地震被害の頻度などで差ができるのです。

最初から概ね100年は持つマンションなどが建てられている昨今ですが、これとて何もしないで放置しても100年持つということではないのです。

木造住宅に比べれば長持ちするマンションではありますが、いつかは建て替えなければならない時が来るのは間違いありません。しかし、建て替え費用をどうするのかを筆頭に、問題はたくさんあって建て替えが決まるまでには長い時間がかかってしまうものです。殆んど不可能に近いケースさえもあります。

そこで、少しでも長生きさせようという動きが起こります。小修繕と大規模修繕を適切に行うことで延命を図ろうという動きです。

マンションはコンクリートの「構造体(躯体)」と給排水管、電気・ガスなどの「設備」で構成されています。躯体の寿命は比較的長いですが、設備ははるかに短いのです。

設備の寿命は15年から、長いもので30年程度とされます。給排水管を人間の血管や内臓に例えると、コレステロールなど不要なものがこびりついてしまったり、がん細胞が道を塞いだりするので、除去手術移植(交換)することが必要になってしまうのです。

水が出ない、出ても赤水である、排水が不調である、エレベーターがよく故障する、ガス漏れが起きる、駐車場の機械が稼働しなくなるなどといった状態は未然に防がなければ危険極まりない家ということになります。

話を戻して、躯体も雨漏りが起こらないように屋上の防水工事は定期的に行いますし、外壁の塗装、タイル貼りであっても剥離があれば補修をしなければなりません。放置すれば雨水が浸透して鉄筋を錆びさせ、コンクリートがボロボロになってしまうのです。

非常階段が鉄骨であれば、錆びを取って塗装し直すことが必要です。共用廊下が外廊下式なら、バルコニーとともに床の定期的な防水工事を必要とします。

こうした工事を適切に行うことで寿命が延び、長く快適に住んで行けるわけですが、完璧に実施したとしたら、寿命は永久に伸びて行くのでしょうか?

寿命30年か40年と言われるエレベーター設備一式を30年目にそっくり新品と交換したら、寿命は30年延びるでしょう。排水管が40年で排水不良を理由に交換したら、40年の延命ということになりますね。同様に、ありとあらゆる設備を新品と交換し続ければ、いつも新築と同じ状態となる理屈です。

大規模修繕は共用部分が対象ですが、築30年も経つと専有部分の漏水なども出て来ますから、
専有部分の配管(横引き管)も交換しなければ完璧とは言えません。

リフォーム工事のついでに専有部分の配管を個人負担でリニューアルすることは可能です。
しかし、躯体は交換ができません。表面は化粧をすれば新品と同じに見えることでしょう。しかし、築40年経たマンションが化粧直しだけで新築と変わりませんと言えるほど完璧に若返ることは不可能なはずです。

手入れを怠らずにして来たと自信を持っているマンションであっても、完璧はあり得ないことです。どこかに見落としがあって、小さな傷が致命的な傷に発展しないとも限りません。コンクリートの壁の中までは見えないのです。地震に何度も見舞われれば、隠れたどこかに小さな傷を負っているかもしれません。

原因箇所が特定できない漏水や異音などに悩まされるマンションなども出て来ます。

いずれにせよ、費用の問題もあって、こことここは大手術をするが、他は応急措置だけ、表面処理だけといった方法を取るのが現実です。

結局、いつかは手の施しようのない状態に陥ります。場当たり的な修繕、応急措置的な修繕を頻繁に繰り返すようになるのです。化粧しても、もはや年齢を隠しようのない状態に至ります。費用も続かなくなるケースも増えて来ることでしょう。

今日のテーマは「大規模修繕したら何歳くらい若返るか」でした。最初の大規模修繕工事は12~15年目に行います。対象は、防水工事や外壁塗装、給排水・電気設備工事となっています。

これらが適切に行われれば、築12~15年のマンションは新築同様になるでしょうか?答えはノーであると見当が付くことと思います。

長く使っていると、機能は衰えなくても美観的な衰えの目立つ部分もあるわけです。つまり新品と交換しなくて支障はないとされる部分は残っているはずです。それらが、一目で12~15年を経過したマンションだと感じさせます。中古マンションの見学に行くと、それが良く分かります。ある部分は年齢を感じさせないが、別の部分を見ると年相応に見えるのです。

予算に余裕があれば、ここも化粧しようとか、交換しようということになるかもしれませんが、大抵は「まだいい」と見送られます。その結果、完全リニューアルにはならないのです。40年ほど経た古いマンションを訪ねたとき、各住戸の玄関ドアが新品と交換されていることに出会ったことがありますが、集合郵便受けは15年前に交換したのだとかで、一部ですが壊れかかっていました。

築15年のマンションが大規模修繕を終えたばかりというとき、その内容によっては全体としては10歳くらい若返るということはあるかもしれません。しかし、残念ながら裏付けるデータはないのです。

新築と大差がない価格で取引された築15年マンションがあったとしても、髙い価格の売買が成立したのは、大規模修繕をしたかしなかったかの差であるとは言えないのです。多くは、立地条件や建物が元から持っていたグレード感のようなものによって価格が決まってしまうからです。

購入者は、築何年かという数値で品質の高さを量ります。その一方で、見た目の美しさ(新しさ)も加えます。さらには、類似物件との差によって価格の妥当性を量ろうともします。
新しい5000万円のマンション、こちらは築年数で20年も古いのに4000万円、1000万円しか変わらないなどと不満顔を見せたりします。

価格を決めるのは、駅からの距離や環境、建物全体のグレード感や存在感、管理状態、室内の設備と綺麗度、眺望、日当たり、天井高など多数の要素が絡み合っての結果なので、大規模修繕前の取引事例と、同マンションの修繕後の取引事例を比較するという方法でしか「大規模修繕効果」を明快に説明することはできません。

残念ながら、そのデータを入手することは叶いませんでした。たまたま遭遇した事例は僅かに一例だけあるのですが、ビフォー・アフターの間が1年近く、その間に市場変化もあったようで、確証を持てるデータとなり得ません。 

また、近所の築14年マンションが大規模修繕を最近完了しましたが、工事中をずっと観察していたので、どこをどう修繕したかは知っているものの、完工した姿は見違えるように変わったふうには見えないのです。これでは、中古取引の価格を押し上げる効果は殆んどないだろうと思わざるを得ないのでした。

一方、共用エントランスのタイル張りの床をそっくり天然石の石張りに変え、壁の素材を天然石と木質系の素材のコンビネーションなどで上質感を打ち出したり、天井から下がる照明を高級なシャンデリアに変更したりすれば、バリューアップは間違いないでしょう。

ただ、そこまでお金をかけてリニューアルする例は極めて少なく、実施することがあるとしても、築30年、40年を経たような古いマンションに限られるはずです。

引っ越しのたびに傷がついたエレベーターなどは、新品と交換するまで、30年以上使い続けます。籠の中の表面材と外枠だけ化粧をし直すとしたらできるのでしょうが、実行した例はあるでしょうか?

見えないところで劣化防止の修繕工事を実施しても、目立つ場所の見映えが古いままでは効果は高くないのが実態です。ところが、そこから更に10年、20年と経過した後に行う大規模修繕工事の効果は確実に現われます。

旧・耐震の築40年マンションで耐震補強工事を施し、壁や床の亀裂を完璧に埋めて、かつ化粧もやり替えた「本格的リノベーション」物件なら、室内のリノベーションとともに、施工完了後に売り出せば築20年マンションと変わらない価格で売買が成立します。そのような事例は散見されます。つまり、20歳も若返ることになります。

結局、今日のテーマに明快な答えは出せずじまいとなりましたが、価格押し上げ効果は、やはり「〇〇年も経っているとは信じられない」という感動を買い手に与えられるような表面的な美しさがカギを握ることになりそうです。

忍び寄る病魔から救うための地味な修繕工事ももちろん重要であり、かつ優先することですが、それだけでは価格の底上げにはつながらないのです。マンションを10年以上も若返らせるには、躯体構造部分の修繕と美貌を取り戻すための若見え化粧の双方が必須なのです。

最近、築年数で30年以上の中古マンションを検討なさる人が増えています。購入したマンションに何年住めるのかと、資産価値はどうなってしまうのか、このような不安を持つのは当然ですが、今日述べたことを念頭に、管理組合の討議に参加する機会があれば、その主張をなさると良いでしょう。購入以前には、修繕積立金が長く潤沢に維持できる計画になっているかどうかのチェックも必要です。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


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タワーマンションのお買い得な低層階住戸 [マンションの資産価値]

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眺望の良いタワーマンション。「30階辺りを買いたいが、予算と広さのバランスが合致せず、低層階を選ぶほかない」という人は少なくありません。

そんな人が、タワーの下層階ってどうなの?と疑問を抱く。これは、皆さん共通の疑問のようです。このブログで、その疑問に対するお答えを前に書いたことがありますが、今日はリセールバリューについて低層階の有利な一面をお話ししたいと思います。

●低層階、実はリセールバリューが高い

タワーマンションにおける新築時の販売価格と中古の販売価格とを比較すると、低層階の方が値上り率は高く、上層階が意外にも値上がり率が低いという事実をお知らせしようと思います。

価格が激しく上がった最近のデータは、多分にバブル的要素が加わったと思われる取引が多いせいで、資産価値に関する理論に当てはまらない取引ばかりです。異常事例が多過ぎるのです。

今日、このテーマを取り上げたのは、市場が安定期にあった某マンションの2011年・2012年における取引事例をたまたま入手できたからです。

以下は、個人情報の問題があるので、物件名を明かすことはできませんが、23区内のJR駅前にある44階建て大規模タワーマンションの中古売買の事例です。

販売されたのは2005年のことですが、竣工(2006年)から5~6年後の売買事例ということになります。全部で14件の取引の中から低層階、中層階、高層階とに分けて7例をピックアップしました。

階数順に分譲価格、転売価格、値上がり率を表示します。
4階:3598万円→4380万円(22%)
6階:3098万円→3580万円(16%)
6階:3408万円→4800万円(41%)
17階:5738万円→6600万円(15%)
17階:3418万円→4600万円(35%)
40階:7678万円→8380万円(9%)
40階:6738万円→6800万円(1%)

分譲価格からの値上がり率が最も高いのは6階の41%高、次いで17階の35%高です。40階の2例はどちらも、値上がり率は一桁に留まっていますね。

具体のマンション名を明かせないのは残念ですが、ブランドマンションですし、販売時に注目率の高いマンションでした。都心5区ではありませんが、JR駅、徒歩5分以内、公園の前という恵まれたロケーションでした。

●低層階のリセールバリューが高いのは何故?

様々な中古マンションの紹介サイトを覗いて気付くのは、バルコニーから、または部屋からの眺望写真を掲載していることです。前が開けていますよ、眺めがいいですよと言いたいのですね。

眺望と日当りは見学者の購買意欲を大いに高めてくれる要素であることを仲介業者はよく知っているのでしょう。

タワーマンションの上層階は、ご存知のように遠くまで見通せる眺望が売り物です。都心や湾岸エリアのマンションのWEBサイトは、東京タワーの夜景などをくっきりとした美しい写真でアピールしていますね。

低層階の住戸には、この「売り」がありません。実際に見学しても少し距離を置いた所に隣のタワーマンションの公開空地(歩道上の庭園など)が見えたり、低層住宅街が見えたりはしますが、高層階ほどの感動はありません。視界の半分は何かが邪魔していることが多いのです。方位も「北」が多いと言えます。

然るに、なぜ低層階住戸のリセールバリューは髙いのでしょうか?
(上記の事例の下層階が北向きということではありません)

一般的なリセールの法則は、「価格の高いマンションは“より高く”、安いマンション“より安く”なる」のですが、タワーマンションの場合はしばしば当てはまらないものが多いのです。その理由を探すと、分譲時の価格にあることが分かります。

つまり、高層階は高過ぎ・低層階は割安という、「戦略的な値付け」が行なわれることに理由があるのです。早い話が、高層階住戸はその値打ち以上に高値を付け、その分が低層階住戸の割安につながっているというわけです。

戦略的値付けとは、営業の都合上そうした方が売りやすいという観点から行われるもので、タワーマンションの眺望を期待して来たモデルルーム訪問者の中で、低い予算の人を失望させない、言い換えると逃がさないための策なのです。

価格を聞いて、予算から遠く及ばないと分かれば諦めも早く、次善の住戸へと心を移動することができるものですが、僅かな差では諦めきれずに眺望の良い高層階住戸に執着する買い手も少なくありません。それを断ち切らせるには、思い切った価格差を設けることが必要だ。売り手はそう考えます。

そうしておけば、売りにくい住戸も「お買い得ですよ」と営業マンはアピールすることができます。

例えば1億円の住戸と5000万円の住戸といった具合に、圧倒的な差があれば最初から比較対象にすらなりませんが、低層階と中間階との比較になると差が縮むので、単価を出して比較をして見せます。

「10階の●タイプでしたら、坪単価は@300万円ですが、3階の●タイプは@250万円と格安です。向きは北ですが、前が開けていますし、かえってお買い得ですよ。お台場やレインボウブリッジビューは、展望ラウンジにときどき行かれたら楽しむことができますから」
営業マンは、こんなふうに説得をこころみ、買い手も「それもそうね」と納得するのです。

つまり、売りにくい住戸は、価格勝負を最初から仕掛けているということになるのです。

●高層階を購入する人は高く売りつけられわけか?

そうとも言えますね。程度問題ではあるのですが、ペントハウスのような特別な住戸にその
傾向が強くにじみ出ているのは確かです。

平均坪単価が500万円を超える高級マンションの最上階に設けられた3億円とか5億円といった特別な住戸は、坪当たり1000万円といった、とんでもない単価で値付けされた住戸が当たり前にように登場します。

●中古市場に戦略的な値付けはない

話を戻します。

新築マンションの場合、買い手は同複数の住戸を比較しながら品定めしますね。その購買行動があるからこそ、上記のような大きな価格差を設ける意味があるのです。

タワーマンションに限らず、売りにくいとされる1階住戸、日当たりに問題がある住戸、幹線道路向きの住戸、間取りが極端によろしくない住戸なども同様の戦略的値付けが行われ、「格安目玉住戸」を生み出します。

しかし、中古市場では鼻から住戸間の比較という発想がありません。稀に同じマンションの似通った2住戸が売り出されることはありますが、滅多にありません。


中古マンションは新築と異なり、それぞれの住戸が、そのときの相場感から、その価値なりの価格に収斂して行くのです。新築時の意図的なゆがんだ値付けは、中古の流通市場の中で自然な形に修正されると言ったら分かりやすいかもしれません。

安過ぎた低層階住戸は修正されて高値に、高過ぎた高層階住戸は修正されて安値になるのです。ペントハウスのような別格の少数住戸は、かけ離れた別世界の階層同士で取引されるので、この説明が当てはまりませんが・・・

*********************

このような戦略的な値付けによって生まれた割安な低層階住戸は、将来のリセールに良い結果を与えることは間違いないでしょう。果たして、検討中マンションの中で割安な住戸はどれだろうか? それを見つけることも楽しみとなることでしょう。坪(3.3㎡)または、1㎡当たりの単価を計算して比較してみるといいですね。

低層階住戸、北向き住戸、眺望に難のある住戸、間取りに難のある住戸、プライバシー確保に問題がありそうな住戸などに注目して見たら意外な発見があるかもしれません。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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「買ってよかった」を再確認したい方もどうぞ。物件サイトが閉鎖されている場合は、建築概要・住戸専有面積・階・向き・価格・管理費・修繕積立金などの情報をご提供いただくことが必要になります。
※中古物件の場合は、物件の掲載WEBサイトのURLをご記入ください。
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駅から5分でも近いと言えない都心部・あなたのマンションの差別化は? [マンションの資産価値]

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クレヴィア日本橋浜町(都営地下鉄「浜町」1分)、プラウド日本橋人形町ディアージュ(日比谷線「人形町」1分)、ブラントン日本橋小伝馬町(日比谷線「小伝馬町」1分)、レフィール日本橋馬喰町(JR総武線「馬喰町」1分)、グリーンパーク日本橋馬喰町(JR総武線「馬喰町」1分)、オープンレジデンシア日本橋横山町(JR総武線「馬喰町」1分)、サンウッド東日本橋フラッツ(JR総武線「馬喰町」1分)、プレシス東日本橋(都営浅草線「東日本橋」1分


上記8物件は2016年秋の商戦で同時に販売されている日本橋エリアの物件です。実は、このほかにも5物件が同時に販売中なのです。異常なほどの過当競争状態になっています。

この辺りのマンションは、中小ビルの売却が集中して分譲マンションに建て替えられるという一種の流行のようになっています。直径1kmもない円の中に13物件も売り出されるという例は記憶にありません。

 ただ、いずれも小規模マンションばかりで「ペンシル型」が多くなっています。総戸数50戸を超える物件は6つしかありません。

こうした激戦の中で選択するとき、何を基準にしたらよいのか、悩み深い買い手さんも多いことでしょう。

そこで、今日は「競争力」のキーワードで考えてみることをお勧めしようと思います


●競争力という指標

マンションに限らず、あらゆる商品は作り手同士の競争によって、一層磨きをかけられます。その結果、大同小異の商品となることが多いものです。

マーケティングの基本は、「自分の商品だけが売れるようにすること」ですが、ふたを開けてみると、どれも基本的には大きな差がなく、過剰装備になっていたりするものです。スマートフォンなどを思い浮かべていただければ納得の行く話ではないかと思います。

商品に差がないとき、売れ行きに影響を与えるのは販売力となります。販売力は広告宣伝の仕方と営業力(マンパワー)などに分けられます。

また、商品の品質に差がなくてもブランドイメージの差が付加価値となる例もよく見られます。ブランド価値は、品質に対する信頼感の代名詞とも言えます。

マンションの場合、ブランド価値は売れ行きを左右する重要な指標です。新築マンションでは、とりわけ重要度が増します。建物が未完成の段階で販売されるため、見えないものを買うという感覚になるためでしょうか、安心感を与えてくれる大手のブランド力は、ブランド力の乏しい売主がどう頑張っても勝てない大きさがあります。

しかし、いくらブランド力があっても、商品の企画がお粗末では売れないでしょうし、市場に失望感を与えることでしょう。

もうお分かりのように、マンションは一般商品とは性格を異にします。仮に建物をそっくり同じに建てたとしても「立地条件」という商品価値を大きく左右する要素、二つとして同じものがないという特殊なものです。しかも、建物より場所の価値が重んじられるのです。

従って、立地条件がよく、一定規模の、また容貌のよい敷地を取得できれば、マンションの価値は大手であろうとなかろうと高いものとなるのです。つまり、立地条件の良さ、その姿が良ければ、品質が多少劣っても高い競争力を持ち、売れ行きを決するというわけです。

勿論、建物の企画と設計の良し悪しが軽視されるわけではありません。同じような価値のある立地条件を持つ競合商品が同時期にひとつか二つ、ときには三つも販売されて買い手の比較にさらされるからです。


●競争力の視点は、売却のときに生きて来る

髙い競争力を持ち、髙い人気を得て短期間に完売したようなマンションは、中古市場に出たときには一層大きな力を発揮します。

先に述べたように、売れ行きを左右する要素には広告宣伝と営業力があるわけですが、新築と中古の販売方法は根本的なところで大きな差があり、中古市場では販売力の差は大きな比重になりません。

ブランド力の高い大手マンション業界者の系列仲介業者には、売却依頼が多数集まるので、結果的に多数の取り引きを成功させていますが、個々の物件の取り引き(営業)においては大手の力はブランド力ほどではないのです。

新築マンション事業は、大きな投資額が不良在庫になるかもしれないというリスクを抱えながらも大きな売り上げと利益を得られます。これに対し、中古を扱う仲介業は商品仕入れのリスクはなく、小資本で参入できる代わりに得る果実も少ないという業態の違いがあります。

中古ビジネスは、少ない費用で効率的に行いながら薄利多売を狙いとします。従って、売り上げを左右するのは、いかに条件の良い中古物件の販売を受託できるかに成否がかかって来ます。
つまり、競争力の高い物件をたくさん仕入れ(媒介契約数の最大化)ができるかにあるのです。

現在の中古販売は、インターネット上で紹介する方法が中心なので、反響が大きい物件を扱えば、勝手に見学希望者が多数集まり、短期間で買い手は決まり、売り手の個人オーナーを喜ばせるのです。言い換えると、成否を決めるのは仲介業者のブランドではなく、物件のブランドを含むマンションの競争力なのです。

●競争力の高い物件かどうかの判定に必要な物差し

マンションを購入するときは、競争力の高い物件かどうかという視点が大切です。

では、売れる・売れないの判断はどのような物差しで考えたらいいのでしょうか?このテーマで書くと本1冊にもなりますので、ここでは要点のみお伝えしておきたいと思います。

1)立地条件(マクロ的な視点)
(広域に買い手候補を集められる立地条件を備えているマンションかどうか)

2)立地条件(ミクロの視点)
(同一エリア=同一駅圏で高く評価される立地かどうか。駅からの距離、直近環境など)

3)建物規模
(少なくとも50戸以上。小さいと存在感に欠けるきらいがある。立地とも関連するが、ランドマーク的な建物規模が理想。また、小さ過ぎると管理費が割高になるか、管理内容が悪くなる。さらに、一定の規模がないと共用スペース・共用設備も貧弱になりがち)

4)外観・玄関・空間のデザイン

(外から見て他人が羨むようなものであること。外廊下より内廊下、天井が高く広いエントランスホールやロビーなど、ハイグレードな印象、上質感・高級感など雰囲気の良い設計・デザインは価値が高く売りやすい。外構デザインでは植栽のあり方にも注目したい。高木がシンボル的にあって訪問者を迎え、庭園が癒しの空間として設けられているものが望ましい。大規模物件では、駐車場で埋め尽くされた空間ではなく緑地ゾーンとシェアされたものが良い。最上級マンションなら、駐車場を地下に納めた形式)

5)間取りや内装、設備など専有部分、及び共用部分のプラン

(共用施設・共用設備の装備内容や耐震性の高い構造かどうか等で価値が変わる。専有部分に関しては、向き、階数、間取り、設備・仕様などを総合的に見て判断する。眺望は良い方がいいが、眺望は普通でも、また北向きでも明るく開放的な住戸が価値は高く、将来の売りやすさにつながる。共用施設はほどほどが良い。無用の長物になるような施設があると、維持管理コストの無駄を招くからである)

6)ブランド

(有名業者が売主、または大手ゼネコン施工の物件がベター)

7)管理体制
(建物規模と密接な関係になるのが管理人の勤務態勢で、最も懸念されるのが巡回管理という管理人不在マンションである。小規模マンションに多い管理方式。マンションは管理を買えといわれるほど重要な管理は、管理人がいればそれで良しといった単純なものではないものの、少なくとも週5日以上、1日5時間以上はマンションに勤務・滞在し、目配りをすることが必須)

・・・・・・・・・・・以上のような物差しを持って、客観的に検討マンションを眺めてみましょう。自分にとって価値あるマンションでも、売却のとき他人が見たら魅力のないマンションではないのあ? そんなネガティブで冷めた見方は悪くないものです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。

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