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傾斜マンション事件その後 [マンションの施工]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


大騒ぎになった「横浜の傾斜マンション事件」を忘れてしまった人が多いようです。マンション購入者から「このマンションは大丈夫か」という心配の声は聞かれなくなったのです。

業界の素早い対応が安心感を植え付けたのでしょうか? 新築マンションの販売現場では、顧客の不安に答えるべく、施工会社から適切な杭工事を実施した旨の文書を提出させたりしていましたが、最近はどうなったのか?あるデベロッパーの担当者によれば「もう要らない。責任をもって施工してくれれば」と施工会社に通告したとも聞きますし、別の情報では文書提出を恒常化したというものもあります。また、某大手は、品質管理体制を見直し、以前よりチェックを厳しくしていると聞きます。

一戸建ての注文建築と異なり、施工途中に現場を訪れて注文者(購入者)自身の目でチェックすることができないマンション工事は、基本的に施工会社と売主を信頼するしかありません。今後とも、買い手の信頼を裏切ることのないよう、自己管理を徹底してほしいと願うばかりです。

ところで、中古マンションの方はどうなったのでしょうか? 目視では知りようがない地中のこと、そうかと言って、全国に数万棟もあるマンションをひとつひとつ地中まで調査するという大掛かりな調査も簡単ではないはずです。

中古マンションを購入する人、今まさにマンション住まいの人の中には依然として心配が残ったままです。そんな人達を幾分か安心させる報道が、一昨日(2016年12月28日)ありました。

新聞によれば、杭打ち工事会社の業界団体である「コンクリートパイル建設技術協会」は、238件の杭打ちデータ改ざんがあったと発表しました。

しかし、いずれも杭は固い地盤に到達し、建物の傾きやひび割れは見つからず、安全性に問題はないと付け加えています。

現場でデータがうまく取れなかったなどの理由から他のデータを流用していた実態が分かったとしています。ただ、調査対象は過去5年の34,000件だそうです。

5年以前はどうなるのかについての言及はなく、果たしてこれで安心していいのかどうか報道だけでは不明です。また、この件でのテレビ報道もなかったようです。

傾斜問題は僅か1年で風化してしまうのでしょうか?

しかし、データ流用疑惑は残ったものの、流用=欠陥工事というわけでもないという一定の安心感は得られたと言えるかもしれません


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問われる施工監理体制 [マンションの施工]

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信頼していた下請け業者が最も重要な基礎工事において、でたらめな仕事をしていたことが発覚し、建物所有者のみならず、元請ゼネコン、そのゼネコンに発注したデベロッパーに衝撃を与えました。

今回の事件でマスコミが欠陥工事は他にもあるはずだと疑いを持ち、ニュースバリューのある事例を探しているようです。

つい3日前にも、あるTV番組が大手デベロッパーの分譲した建物の躯体工事に重大な欠陥があったとし、発覚から4年半を超えた今も解決に至っていないことを報道していました。

その欠陥は今回の杭工事同様、番組に出演した専門家の言によれば「あり得ない欠陥」だと言うのです。

筆者も同感でしたが、それはあるべき鉄筋を入れ忘れ、壁の一部が地震の揺れで崩落してしまったというのですから驚きです。

筆者も長くマンションを見て来ましたが、このような欠陥はこれまで聞いたことがないものでした。

そのとき同時に思いました。 「工事関係者の誰も気付かなかったのだろうか? 監理は設計事務所が担当だったのだろうか、それともゼネコン自らの監理だったか? 行政による配筋検査をどうやってすり抜けたのか?」

「性善説に基づいて仕事は進められるとはいうものの、やはり検査・監督・管理はしっかり行われるべきである。人間のやることにミスは付き物なのだから。検査体制に遺漏があったか、そもそも杜撰な検査しかしていなかったのか?」 様々な疑問が湧いて来ます。

コンクリート工事は終わってしまうと目視では分からなくなります。まして地中の杭工事など目では分かりようがないのです。

地震に揺られたときに発覚したり、長い時間(横浜のマンションは住友不動産も三井不動産も9年前後でした)を経て自重が傾斜を露見させたりします。

こうなってくると、マンションの売主たるデベロッパーもゼネコンの検査体制を疑い、自らの検査を厳しく見直す必要が叫ばれて来ます。また、監理をゼネコンでなく第三者(通常は設計を担当した事務所)に厳しく要求するべきです。

施工を担当する下請けの技術者を疑い、四六時中そばで監視するとか、監視カメラでチェックするといったことは事実上できない相談であるはずです。どのような対策を生み出すかは分かりませんが、今後の新築マンションはより安全な建物になって来ることでしょう。期待したいものです。


目下の緊急対策としては、各社とも現場ごと担当ゼネコンに再検査を要求し、かつ報告をさせているようです。多くの販売現場で、契約者には勿論のこと、検討客に対しても「当マンションの杭工事は適切に行われております」の通知をしています。

工事中の建物の場合は、敷地が分譲主の所有なので容易に検査に入ることができ、比較的迅速に実施できたということなのでしょう。問題なのが販売中の完成済みマンションと中古マンションです。

前回も書きましたが、中古マンションは管理組合(所有者)の承諾がなければ敷地内に検査機械を持ち込むことすらできません。その管理組合が簡単に承諾するかは不透明ですし、販売を終了した売主が傾斜などの疑念がないマンションに対して主体的に検査を行うことも考えにくいことです。

そうなると、中古を検討している買い手は自らの目で、もしくは専門家に費用を払って点検を委任しなければなりません。

チェックポイントは改めて書こうと思いますが、傾斜していないかどうかを見るには、少し遠くから隣の建物と壁同士の間隔を観察するのがひとつの方法です。外廊下を歩くときには、壁に亀裂がないかどうかを見るといいでしょう。

完成済みで販売中マンションの場合は、微妙な気がします。既に多くの入居者があり、土地建物の所有者は分譲主単独所有ではないからです。機械を持ち込んで検査することはしないでしょう。

工事が終わったばかりなので、ゼネコンも下請けの杭工事業者の所在もつかめるはずです。そこに対し、適切な工事を行った旨の報告を改めて求めるという形になるはずです。


筆者が見た書式は、施工図面とデータを添付したゼネコンによる報告書に押印したものでした。
工事を外注した先は〇〇社で、杭は支持層まで間違いなく到達していると説明されていました。

マンション購入を検討中の方は、売主に対し、一担当営業マンの口頭ではなく、ゼネコンから書面による回答を求めるべきかもしれません。

こういう事件が起こると、それを教訓に政府も対策を練り、規制を強めます。いずれ、杜撰な工事、杜撰な検査を許さない体制ができて来ることでしょう。命を預けるマンションだけに、より安全で安心して住める建物となることを願ってやみません。


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マンションの安全性を確認する方法を教えて? [マンションの施工]

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13日以来、テレビも新聞も欠陥マンションに関する報道で喧しい毎日です。欠陥マンション誕生の大元は下請けの杭工事に係るデータ改ざんにあったと判明しましたが、直接手を下した担当者は何と軽はずみなことをしてしまったのかと今さらながら悔いていることでしょう。

元請ゼネコンの三井住友建設にしても、分譲主の三井不動産レジデンシャルにしても、信頼を裏切られた想いから「何ということをやってくれたのだ」と怒り心頭に発しているはずです。

それ以上に怒りに震えているのはマンション住人でしょう。「大手だから安心」と信じて購入したはずです。命を預ける箱が安全とは言えないものだったと知ったとき、そのショックは想像に余りあります。

同時に、「早く不安を払しょくして欲しい」と、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設に強く望みたい心境にあると思われます。
報道によれば、全4棟700戸余をすべて建て替えることまで視野に入れてマンション住人との協議に臨むそうです。 無論、それ以前に正確な杭の状態を調査し、危険度がどれほどなのかを知らせて欲しいと願っているに違いありません。

三井住友建設は、19日からマンションの敷地に入り調査を開始したとのことです。

今回の事件はマンション業界を大きく揺るがすものとなりました。

一般勤労者にとっては一生に一度か二度の大きな買い物だけに、品質の確かさを一番望んでいるはずです。

こんな事件が起きる前から、「あまり聞かないゼネコンまたは売主だが品物は大丈夫か」や「耐震性に不安がある。耐震等級1で大丈夫か」といった不安の声が日常的に筆者に届きますが、その割合は多くありません。基本的に、日本の建築技術の確かさとゼネコンやマンションデベロッパーに対する信頼感があるからです。

まさか地震で倒壊してしまうようなことはあるまい、心配するとしたら上下左右の住戸から届く生活騒音がどの程度かとか、日当たりと風通しはどうかといった面に限られるといって過言ではありません。

漠然とした不安を抱く人も、大手だから大丈夫だろうと自分に言い聞かせて高額な買い物を決断しているわけです。

今回の事件で「大手の安心神話」は崩れてしまうのでしょうか? 「大手といえども万全ではない」と自ら証明してしまったのは確かです。「氷山の一角」と疑心暗鬼になってしまった人にとっては、大手も中小も区別なく「マンションは怖い」となったことでしょう。

しかし、家は欲しいし、東京圏では一戸建ては無理だから、結局マンションを検討するしかないのです。どうしたら安心・安全なマンションを手に入れることができるのでしょうか?

一般に、製造方法等に関する自己検査体制や行政の関わり方(規制・検査等)は事件や事故が発生することによって変わって来ました。 泥縄式と批判されつつも、「二度とこのような事故が起きないように作業手順・検査体制・ガバナンスを見直します」と謝罪し、企業は一段と品質管理に努力して来たのです。

マンション製造(建築)についても、今回のような大問題が起こらないような現場監理や検査システムなどの見直しと企業間(元請と下請け、下請けと孫請け)の信頼関係を再構築する自助努力を強く迫られることになるのでしょう。

買い手は今後のマンション探しにおいて、どのように安全性を確認して行ったらいいのでしょうか? 筆者に対しても、そんな質問がこの数日急増しました。

しかし、残念ながら完璧な方法はないのです。マンションの次に高価なクルマでも命を預けるという意味では同じですが、買い手は日産やトヨタを信頼して購入しているはずです。

製造過程を工場で買い手自らチェックすることはありません。仮に見学しても、「これなら安心」と分かる道理もありません。

マンションで偶にみられる現場見学会でも、地中深くにある杭の先端の状況が見えるわけではありませんし、地上のコンクリート壁と柱、梁を見ても「イメージしていたより太い・厚い」と感想を持つ程度で、耐震性がどのくらいあるのか、耐久性はどうなのかは全く分かりません。

結局のところ、理論上あるいは計算上、安全な構造物を悪意なく、ミスなく、正確に造ってあるはずだと信頼するほかないのです。

当面、新築を購入する予定の人は、事件を起こした杭工事の会社を起用していないかどうかを問いただすくらいしか安全確認の方法はありません。

中古マンションの場合は、築後10年も経ていたら、欠陥があれば既に表面化しているはずなので心配は少ないという気がします。もっとも、今回の事件マンションのように複数の棟をつないだ形状でなく、単棟のマンションでは傾きを発見するのは難しいのかもしれません。


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欠陥マンション騒ぎ再び [マンションの施工]

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2014年に大きなニュースになった欠陥マンションは、港区南青山7丁目に建設中だった高級マンション「ザ・パークハウス グラン南青山高樹町(地上7階、地下1階、総戸数86戸)」でした。

「平均専有面積:約102㎡、平均価格:約1億4000万円」が、工事の不具合により販売中止・契約解除だけではなく、ほぼ完成していた建物の解体という事態に追い込まれたのです。

事業主の三菱地所レジデンスは契約解除に際して購入者に手付金を返し、迷惑料を支払うなどの対応をとりました。

工事の不具合とは、配管や配線を通すための「スリーブ」といわれる貫通孔が、設計図が示す通りに入っていなかったこと。まさに前代未聞の大失態でした。施工を担当したのは、何とスーパーゼネコンの鹿島建設です。


●前代未聞の欠陥が2件も

昨年は、この他にも何件か施工ミス事件が発覚しました。このブログでも2014年6月10日に「施工ミス相次ぐ」というタイトルで紹介しましたが、その中に欠陥が入居後10年近く経過してから分かったという事件もありました。

デベロッパーは住友不動産、施工は熊谷組。 杭の一部が地中の堅固な支持層に届いていなかったため、建物が傾いて来たというものです。

同社は「安全とは言い切れない」として、住民向けに転居を勧め、仮の住居を無償で用意。「売り主の責任を痛感している。修繕や建て替え、買い取りなどあらゆる手段を検討する」と説明しています。

その後の報道でも、傾斜しているB南棟とB東棟に加えて、A棟住民の希望者にも買い取り(契約解除)に応じることを決定した。支払い内容は現在、管理組合理事会と協議中だが、住友不動産は購入価格の返還や登記費用などの損害賠償、100万円の慰謝料などを提案している。
 住民説明会で同社は今後の補償のロードマップを提示した。これによると、2014年10月中に主要なボーリング調査を完了。11月中に構造検証を終えて、12月に全体の是正方針を示す予定だ。現在、設計・施工者の熊谷組とともに調査している、杭未達の詳細な原因については、11月頃に予定している住民説明会で報告するとあります。


そして、昨日再び住友不動産のケースと同種の欠陥がトップニュースで流れました。

2006年に三井不動産レジデンシャル他が販売した横浜市都筑区の4棟・700戸余の大型マンション「パークシティLaLa横浜」というJR横浜線鴨居駅徒歩11分、商業施設「ららぽーと横浜」に隣接する人気マンションですが、約50本の杭(くい)のうち計8本の杭が強固な地盤(支持層)まで届いていないことが判明したというのです。

住民が建物の高さに約2cmのズレがあることを発見し、売主・三井不動産レジデンシャルと施工した三井住友建設に通報、これを受けた両社は8月から調査。その結果、杭が短いと分かったというのです。

建築の専門家は巨大地震が来たら、建物は大きく傾くかもしれないと報道番組でコメントしています。住民は怒り、不安におびえています。 

早急な対応が待たれますが、報道では、「三井不動産レジは建て替えも視野に検討を始めた」とあります。



万に一つも起こりえない欠陥が、しかも大手デベロッパー2社が開発・販売したマンションから相次いだことは大きな衝撃です。


このような事件に触れていつも思うのは、信用保持のために企業が多額の経済的負担を強いられること、それが可能なのは大手に限られるだろうという点です。


ある日突然マンションが倒壊するなどということは万に一つもないと信じたいですが、巨大地震が来たときなどに、想定外のことが起こらないとは誰も断言できません。

このようなことを想像するとき、ブランドマンションに傾く買い手が多いのは当然のこととも思うのです。

分譲マンションの歴史は、まだ50年あるかなしかです。この長いとは言えない時間の中で積んだデベロッパーの経験の中には高い授業料を払ったこともあるのです。それが今日の企業活動につながり、今日の地位とブランド価値を高めて来たとも言えます。

しかし、今回のようなことが発生すると、せっかくのブランド価値も大きく揺らいでしまいそうです。


●それでもブランドマンションは安心?

今回の報道に限らず、欠陥騒ぎを見聞きした人は、自分だけはそのような住宅・マンションを掴まないようにしなければとの思いを強く抱きます。

しかし、素人にとって欠陥かどうかの見極めは簡単なことではありません。 実は専門家でも蓋をされてしまうと見抜けないものです。

10年前に鉄筋不足の「耐震偽装事件」が全国各地で起こりましたが、これは悪意に満ちた一人の人間が起こした事件とも言えるものでした。

普通、取引する当事者間には信頼関係が成立し、まさか悪意に満ちた欠陥商品の製造などはないと考えます。

注文者と受注者の関係で言えば、性善説(せいぜんせつ。人間の本性は善であるとの孟子の説)に従い、注文者は受注者(作り手)の良心を信じて発注するのです。マンションで言えば、発注するデベロッパーは長年の経験と実績、技術力を持つゼネコンを信頼して施工を任せるのです。

買主も売主も、それぞれの立場で取引相手を信じ、雨漏りするようなマンション、地震ですぐに倒壊するようなマンションを売っているのではない、建てるわけはないと考えるのです。

しかしながら、悪意はなくてもスキル不足や管理ミスなどで粗悪なマンションができてしまうことが万にひとつできてしまうのも事実です。

そこで買い手は「より安全な製品」を選択するための物差しとして、「大手マンション業者」や「大手ゼネコン」などの看板を用います。

大手なら、しっかりと品質管理、すなわち施工過程をチェックし、欠陥マンションの発生をゼロにしてくれるだろうと、漠然としたイメージではあるものの、期待と信頼感によって商品を選択しているというわけです。


マンション業者の多くは、基本的にゼネコンに工事を一任していますが、万一の施工ミスを防止するため、設計事務所に「監理(監督と管理)業務」を依頼し、自社の企画・建設部門の担当者とともに定期的な現場訪問を行うのが普通です。

また、住宅性能評価を依頼してあれば、国が指定した第三者機関が施工中の現場へ赴いて数次の検査を行います。

マンションの品質管理は、このようにして二重三重にチェックされていますが、人間のやることです。手抜かりは万に1回にせよ起きてしまうものです。

そのとき、売主と施工会社は信用保持のために多額の経済的負担をしてでも補修や改善、あるいは建て替えを実行します。

しかし、それが可能なのは大手に限られるのかもしれません。中小企業では負担に耐えられない場合が多いからで、根本的な原因追及に応じない可能性が高いのです。おそらくは対症療法でお茶を濁すに留めるでしょう。

構造的な部分の瑕疵は法的に担保されています。中小業者でも「保険加入」が義務付けられているので一定程度は補償されます。ただ、竣工から10年を超えてしまったら、法的には業者に補償責任はなくなるのです。

ある日突然マンションが倒壊するなどということは万に一つもないと信じたいですが、巨大地震が来たときなどに想定外のことが起こらないとは誰も断言できません。

このようなことを想像するとき、改めてブランドマンションに傾く買い手が多くなるかもしれないとも思うのです。

昨年の欠陥騒ぎで三菱地所レジデンスと住友不動産が信用を失墜し、マンション販売が伸び悩んでいるという話はどこからも聞こえて来ないからです。 短絡的ですが、責任を認め最善の対策を早めに取ったからと言って過言ではありません。

意図して欠陥マンションを建てたわけではないし、買い手に対しては、お気の毒ですが不運だったとしか言いいようがありません。 ただ、不幸中の幸いは、売主が大手デベロッパーだったということです。


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マンション購入のご相談を始めてから5年経ち、住み替えを考える相談者も出て来たようです。
 住み替えの理由はいろいろですが、より高く売りたいと考えるのは自然なことで皆さん共通しています。 

購入時のご縁で、売却のご相談も最近ぼつぼつ届き始めたので、本格的にご相談を承る(無料)こととしました。 「不動産の売却は不動産業者へ」という常識は変わらないにしても、不動産業者に任せっきりにするのは少々問題があります。 そこで、まずは筆者にご相談なさることをお勧めしようと思います。

売却するか賃貸するか迷っている。不動産業者はどこがいいか? 査定を依頼したが、期待外れの価格だったので、どうしようかと悩んでいる。住み替え先の入居が来年3月だが、売り出し時期はいつ頃がいいか? 手数料の3%を下げられないか? 入居したまま売り出すより空室にしてから売る方がいいのか? リフォームはどこまで実施すべきか etc. 

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目立つ長谷工。その意味を考える [マンションの施工]

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最近の新築マンションの施工ゼネコンを見ていると、どこもかしこも長谷工コーポレーション。そんな印象が深まっています。 そう言えば、工事中マンションの25%くらいは同社が担当していると、どこかで宣伝していたのを思い出しました。

もの凄いシェアです。独占とは言えないまでも、考えられない数値です。過去にこんな寡占状況はなかったはずで、大多数のゼネコンは何をしているのでしょうか? まるでマンション業界を見限ったかのようです。

どうしてこんなことになったのでしょうか? 

ともあれ、今日は長谷工マンション急増の裏側を覗いてみようと思います。


●バス便・郊外マンションは長谷工だらけと予測していたが・・・

このブログで「バス便マンション・郊外マンションは長谷工だらけ?」と書いたことがありました。調べてみると、投稿したのは2012年11月25日のことなので、もう2年半になるのですが、筆者の予想を超える展開になっています。

理由は、建築費の高騰が廉価版(規格)マンションを増やすであろうとの予測に基づいていました。

その後も2度、長谷工関連の記事を書きましたが、いずれも長谷工の施工する建物の品質にかかる記事でしたが、今日は角度を変えてお話ししようと思います。


●長谷工の強みは土地情報とセットの受注にある

長谷工は、昔から用地情報を集める専門部隊を充実させ、売地情報とセットで工事を受注するという手法で業績を伸ばして来た特異なゼネコンです。

ほかのゼネコンも土地情報を収集していないわけではないのですが、長谷工ほど担当者も多くないので、情報数も少ないのです。

長谷工の場合は、不動産会社以上に多くの人員を配し、積極的に売り地を探して歩くといいます。 さらに大きな違いは、売地として表面化している土地だけでなく、近い将来、売地になりそうな予備軍情報を集めている点にあるようです。

つまり、誰も知らない売地情報を早くからキャッチし、持ち主(法人)へ食い込み、買収を狙うのです。

ときには、自社で一旦購入し、しかる後にマンションメーカー(デベロッパー)に転売すると言います。かつては、長谷工自身が子会社を設立して(長谷工都市開発やファミリーといった企業が存在していた)グループとしてマンション分譲事業に乗り出した時期もあったのですが、最近は止めています。

ときどき、共同事業主(売主)として長谷工も参画している例が見られますが、これは案件を持ち込んだ相手デベロッパーの都合によるらしく、基本は施工に特化している企業です。

さて、マンション工事にしろ、商業ビルやショッピングセンターなどのビル工事にしろ、建設業界の受注競争は常に激しく、見積り金額を安くして応札しなければ工事は取れないものです。

一時期は「談合」によって、順番に受注できるようにしていたこともありましたが、相次ぐ摘発で今はそれが困難になっています。

また、高度経済成長時代は国・地方自治体からの公共工事が次々に発注されたので、さほど熾烈(しれつ)な競争をしなくても業界全体で潤えたのですが、工事量が減少したため、仕事を取るのは至難の業になってしまいました。

安くすれば当然ながら利益の確保が困難になるので、各社各様の生き残り策を模索してきました。

一時期は「造注」と言い、請負体質ではダメだとばかりに自ら仕事を造り出して施工する道を選んだこともありました。

そのひとつが、自らマンション業者になって土地を買い、その工事もするという一石二鳥の戦略でしたが、餅は餅屋とでも言えばよいか、失敗をたくさん重ねて撤退の憂き目を見たゼネコンは少なくないのです。 長谷工コーポレーションもその一社です。

長谷工は、生き残り策に上述の「土地持ち込み・セット受注」という得意の戦略で今日に至っているのです。


●広がった提携企業

その昔、長谷工が土地情報を持ち込みつつ工事請負を伸ばすという戦略を取る中で、協力したマンションメーカーは多くありませんでした。

名鉄不動産、総合地所などは今も続いている提携先ですが、その昔は日商岩井(現・双日)、近鉄不動産、カネボウ不動産なども長谷工と深い取引があったと記憶しています。

長谷工の持ち込む土地情報には、そこに乗せる建物の計画図がラフながら添えられ、かつ収支計算書(工事見積もり額から広告費、販売経費、利益までを独自に試算)とともに提供するので、持ち込まれたデベロッパーは手間がかからず大助かりと歓迎したのです。

マンションの開発計画でデベロッパーが恐れるのは、計画段階と販売時期とでタイムラグがあるため、市況の悪化や最も金額の大きい建築コストが計画時から大きく変わってしまうことです。

市況は仕方ないとしても、建築費が土地買収時の見込みと建築許可が下りる段階で取った見積り額とでは99%異なってしまうという現実が悩みの種でしたから、工事費を予め約束してくれる長谷工コーポレーションは何より有り難い存在なのでした。

しかし、約束する工事費は、長谷工のプランであり、設備・仕様によるものですから、デベロッパーが細部においてこうしたい、ああしたいと言えば金額は加算されて行きます。

長谷工の提案するプランと持ち込み先デベロッパーの商品イメージのギャップが大きければ、詰まるところ販売価格は跳ね上がってしまいます。そのために、商品づくりに独自性やこだわりを持つデベロッパーは、長谷工案件を取り上げることはなかったのです。

ところが最近はすっかり様変わりしてしまいました。過去2~3年の提携先を調べてみると、かつては全く及びでなかった大手までが長谷工と組み(すべて土地持ち込み案件かどうかは定かではないのですが)、信じられないスペックで分譲中という例も散見されるのです。



●情けないデベロッパー

「長谷工コーポレーションに発注しているデベロッパーはどこだ」 こんな注目を筆者がし出したのは3年前でしたが、今では数えきれないほど多数にのぼっています。

野村不動産、住友不動産、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル、東急不動産、大京などの大手も多数発注していますし、大成有楽不動産や清水総合開発、東レ建設などのゼネコン系も親会社でなく長谷工と提携しているのです。

ダイワハウス工業や積水ハウスなどの住宅メーカー、相鉄不動産、三交不動産、東急電鉄などの鉄道系、その他には伊藤忠都市開発、新日鉄興和不動産、ゴールドクレスト、コスモスイニシア、フージャーズコーポレーション、タカラレーベン、アートプランニング、サンケイビルなど、まだまだあります。


この状況をどう見るべきでしょうか? ひとつは、いかに土地の取得にデベロッパー各社が難儀しているかの姿を想像することができます。

しかし、「なかなか良い土地がない」という嘆き節は昔からのことで、今に始まったことではないのです。

バブル後、企業の「含み経営(土地の簿価と時価の差を資金調達その他に利用する経営)」が終焉し、企業・団体が構造転換を図る過程で放出した所有地(社宅・運動場・工場・倉庫など)を比較的容易に取得できた時期もありましたが、それらの放出が一巡してしまったのです。

それが用地取得難の背景にあるのは確かですが、含み経営の時代、すなわち持ったら手放さない法人が多かった時代にもマンション用地は取得して来られたのです。

マンション用地の情報は、個人の中古住宅のように公平に買い手に伝わる仕組みにはなっていません。それぞれの土地が任意の相手に極秘裏に売却されるか、信託銀行などを通じて指名した複数の買い手にによる競争入札で売り先が決まって行くのです。

従って、指名されないマンションデベロッパーは、いくら待ってもマンション開発に向く売地に出会うことはありません。そこで、様々なチャネルを使って売地を探すのですが、中心は日ごろから付き合っているブローカー(仲介業者)です。

彼らから毎日持ち込まれる多数の情報を机上で取捨し、候補物件は現地調査を行い、採算をはじき、可能なものについては「買付証明書」という名の「購入意思」を伝え、売主とネゴシエーションを行って売買契約へと至ります。

こうした一連の活動を通じて用地を買収して行くのですが、売り上げ確保に必要な土地が買えないというとき、長谷工コーポレーションが有力な土地情報を持って来てくれたら、将に渡りに船ということになります。

長谷工案件でない土地ももちろん取得するデベロッパー各社ですが、一番頭の痛い問題は、期待する金額で工事を請け負ってくれるゼネコンが見つからないことです。

それだけに、工事金額が半ば約束される長谷工案件は魅力的なのかもしれません。

しかし、マンションデベロッパーにとって土地は生命線です。それがあってこそ、商品開発・企画の実力を発揮できるのです。 そもそも土地がなければデベロッパーにはなれないのです。

長谷工がやたらと目立つ状況から見て、適地を取得する体制を再構築するなど、土地情報入手の強化策を改めて考えるべきべきではないか。そんなふうに思います。



●長谷工案件ももはや安値ではない

筆者が提供する「マンション評価サービス(無料)」で気付くことのひとつは、「最近の長谷工案件も安くないなあ」ということです。

大量受注により廉価な部材の大量仕入れを実現させ、規格型の設計とローコスト工法などによって建築費を安くすることができる長谷工案件も、決して安いとは言えない例がが増えて来たからです。

マンションに限らず、ビル建築は機械化が難しく多分に手作業なので、いわゆる建設労働者の人件費が工事費の中で高い比重を占めますが、重機運転士、とび職、鉄筋工、配管工、タイル職人、内装工などの専門職の人手不足が深刻になっています。

このため、彼らの日当がいずれも高騰していると伝え聞きます。 専門職はすべて下請け企業が抱える人員なので、長谷工といえども抑えきれないということなのでしょう。

土地を少しくらい高く買っても建築費の安さでカバーし、分譲価格を抑えることができたという長谷工の強みが発揮できなくなっているのです。

用地はデベロッパーが独自に取得し、設計と施工のみ長谷工に発注しているマンションもあるはずです。それがどの程度あるかは把握できませんが、「他のゼネコンより安いのは確かであるとしてもプランに魅力がないなら長谷工に発注するメリットは小さい。見直そう」という動きが今後は広まるかもしれない。 そんなことも思う近頃です。

それにしても、最近のマンション価格の上昇は異常です。


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建築費高騰が招く危険なマンション施工 [マンションの施工]

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建築費の上昇がマンション業界で大きな問題になっています。無論、マンション価格に影響を与えるからです。

建築費は3年前に比べて25~30%も上昇しているそうです。

建築費上昇の要因は、建設労働者や技術者など人件費の高騰にあるとされます。背景には、東北地方の復興需要があるのだそうです。

さて、建築費の上昇は足元ではっきりと見えていますが、今後を展望したとき、もう一段、二段と上昇する懸念もあります。

そこで、既に着工したマンションに及ぼす影響について書くことにします。マンション建築は1年、2年と長い時間を要します。その間に人件費が一段と上がったとき、どうなるのか、その観点で考えてみました。

●建築業界と建築費の構造

建設業界は、元請けから下請け、下請けから孫請けといったピラミッド構造になっています。
マンションの場合、杭工事から始まって基礎工事、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事、配管工事、電気工事、電話工事、インターネット回線工事、テレビ受信設備工事、タイル工事、造園工事、機械駐車設置工事、室内設備工事、内装工事といった各種工事は、段階的に元請ゼネコンから、それぞれの専門業者へと回っていきます。

下請け業者は、さらに一部の工事を下請けに、元請から見れば孫請け業者に発注されます。

元請ゼネコンは、言わずと知れた鹿島や清水、大林、竹中、大成といったスーパーゼネコンから準大手の前田や西松、さらには中堅ゼネコンまで多数ありますが、下請けや孫請けクラスになると、一般の人は聞いたことない中小企業が全国に何万社もあります。
従業員50人未満の零細な企業、個人業まで入れると、建設業は50万社もあるのです。

建築費は、生コンや鉄筋などの材料費も無論ありますが、45%もの比重を占めているのが人件費と言われます。人件費は正社員としてのものだけでなく、「日当いくら」で期間雇用する労務費も含みます。

受注量が増えて職人さんが足りないとなったとき、この日当はうなぎ上りに挙がることもあります。バブル期に、確か東京ドーム建設で日当が4万円になったこともあったと記憶しています。

マンションに限らず、建築工事は配管工、鉄筋工、型枠大工といった専門職を使って行うものであり、「受注が増えるのは有り難いものの、人手の確保が大変なのだ」と、ある工務店の社長は言いました。


●1年先のコストや費用を予約できない

マンションデベロッパーは、建築費の上昇という局面にあって、分譲価格の抑制に懸命に努めているようです。

それでも予算を上げざるを得ないのが昨今の実情です。それはともかく、ゼネコンと契約を締結してしまえば、途中で工事費が上がる心配はありません。

工事期間中に材料が上がろうと人件費が上昇しようと、建築費が工事期間中に契約額を変更するなどということはないのです。

問題は、デベロッパーと契約をした元請ゼネコンにあります。先に見たように、各段階でそれぞれの専門業者に下請けさせていきますが、マンション工事は長いもので2年、10階建て程度でも1年の期間を要しますから、例えば基礎工事は直ちに始まりますが、室内のフローリングを張る工事などは1年先になります。

各段階・各部門、すべての工事契約を1年も前に結んでしまうわけではないので、いざ契約をというとき、下請け業者は見積り額から増額して契約したいのがホンネです。

しかし、力関係から当初の見積り額で契約せざるを得ません。下請け業者は、仕方なく利益確保のために、孫請け企業にしわ寄せすることにします。

零細な下請け・孫請け企業ほど1年先の分まで材料を大量にキープしておいたり、一定の労務費で人手を確保しておいたりするといった余裕がありません。

このため、工事期間中に材料費が上がったり、労務費が上がったりすれば工事採算は当然悪化します。

材料を粗悪なものに変えるといった策は無理ですが、高い人件費を回避するには、少ない人手で複数の現場を掛け持ちさせるような方法を採ることが可能です。

例えば、7日かかる工事を6日で仕上げれば、別の工事現場へ1日だけでも人を回せます。重機でも同じです。回転率を上げれば新たに購入またはリースしなくてもよい理屈になるわけです。


●手抜き工事や雑な工事が増える危険

採算の悪化を実際どのようにして食い止めようとしているかは正確に把握できませんが、下請け業者なりに知恵を働かせることになります。

それが雑な工事を生まなければいいのですが、施工現場の隅々まで付きっ切りで見張るような真似は現実問題として不可能なことです。

しかし、作業目標が高いところにあればあるほど、また直截的な表現を使えば雇い主からの圧力が強ければ強いほど、手抜き工事・雑な工事になる確率は高いと言えます。

昔のことですが、完成内覧会に行って驚いたことがあります。
平らなはずの外壁のタイル面が波を打っていたのです。また、別の現場では、観音開きの扉の左右で高さが微妙に違っていたり、クロスの張り方も天井の一部に皺があったりと、プロの仕事とは思えない雑なものでした。

こうした現場を見せられると、確かめようのない床や壁の内側まで疑いたくなってきます。

躯体工事の部分は、広く見渡せる状態で行われるので、手抜きや危険な工事が行われる確率は低いと考えられるものの、怖い実話は過去にたくさんあっただけに、今後は施工の信頼性を疑ってみる必要がありそうです。


●工期を聞いてみよう

人手不足は、工事期間の遅延につながるかもしれません。契約はしたものの、職人の確保ができず、例えば3人で1週間かけて仕上げる工事が、2人しか確保できなかったために10日を要してしまったというような事態が発生する可能性があるのです。

工事スケジュールが遅れると、契約を守れないことになり、元請ゼネコンへ、引いては施主であるマンションデベロッパーへ、最終的にはマンション購入者へと波及することになり、影響は極めて大きいものがあります。

末端の業者は、工期を守ろうとして無理な作業、雑な作業を自ら強いて行きます。結果的には、上述の利益確保策と変わらない粗雑な建物ができてしまうのです。

このような事態を恐れる真面目な業者は、契約前に工期の延長を条件に出しているようです。その結果、マンション全体の工期は過去の実績から3~6か月も余裕を見るケースが増えていると聞きます。

こうした実情から考えると、買い手としては「工期を聞く」ことで危険を察知することができそうです。

普通の時期なら、マンションの工期は「階数+2~3か月」が常識です。例えば10階建てなら12~13か月で竣工となります。(超高層は当てはまりません)

それより長くなっていれば安心して良し、逆は少し心配と言えるかもしれません。

完成予定日はパンフレットや広告で知ることができますが、着工日は記載がありません。そこで、「着工日はいつですか?」をぜひ聞いてみましょう。


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バス便マンション・郊外マンションは長谷工だらけ? [マンションの施工]

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長谷工コーポレーションというゼネコンを知らない人は少ないでしょう。ゼネコン業界の中では準大手ですが、マンション施工に限ると最大手です。
数あるゼネコンの中で、マンション(しかも分譲)に特化して成長してきた稀有な存在の企業だということは知らない人も多いのではないかと思います。
今日は、長谷工とデベロッパーとの関係について述べようと思います。

●かつての長谷工
長谷工コーポレーション(以下、長谷工)は、かつて長谷川工務店という社名でした。20年以上前に現社名に改称しています。
長谷工には、とかく批判的な噂が多いのですが、真偽はよく分からないというのも確かです。ともあれ、長谷工は自ら売主になることもありますが、原則は工事の請負、つまり施工会社という立場でマンション事業に関与する企業です。

バブル経済勃興のはるか以前、1970年代だったでしょうか、規格型の格安マンションを施工することで一世を風靡したときがありました。格安に造るということは、どこかに居住性の悪化につながる工事の方法を実践していたのです。
設計の単純化、規格化、施工の単純化、短縮化、同一製品の大量仕入れ、こうした方法がローコストマンションを造り出しました。
その結果、数年しないうちに粗悪なマンションのレッテルを貼られることになり、すっかり評判を落とします。業界人だけでなく、一般の人が欠陥マンションの長谷工というイメージを持つに至ったのです。

●現在の長谷工
ネガティブな企業イメージを払拭するまで一体どれほどの時間を要したことでしょう。年配者は、今でも長谷工アレルギーを持っているほどです。
同社の企業努力はいかほどであったか想像を超えるはずです。ともあれ、同社はコストを抑えながらも良質のマンションを施工するスキル着々と蓄積して来ました。現在、マンション施工において、長谷工ほどコストダウンのノウハウと技術を有しているゼネコンはないと言われます。

しかし、マンションは、安いだけでは売れません。場所が良いことや売主のブランド力、建設地にふさわしい高級感ある建物を企画することにより、価格が高くなっても売れる物件は少なくありません。従って、そのような場所で用地が取得できたときは、ローコストを売りにする長谷工を起用する必要はありません。
東京都区部を活躍の舞台とするマンションメーカー(デベロッパ―)は、長谷工に発注することは殆んどないですが、郊外マンションや都内でも最寄り駅から離れた場所などは価格の安さが必須の条件になるため、どこよりも安く請け負うことができる長谷工を頼むデベロッパ―も現われます。

マンション用地が中々買えないとき、大手が敬遠した不便な土地を買ってでも売り上げを確保しなければならないデベロッパ―は、低価格を前提にしなければならないため最後は長谷工さん頼むという構図になるのです。マンション業界の長谷工ニーズは小さくないのです。

ちなみに、2012年11月13日号のスーモに掲載された新築マンションの内、「これから発売される物件」の中で長谷工の施工になる件数を数えてみたところ、何と15物件もありました。

長谷工の施工マンションは、ローコストであっても粗悪なマンションというわけではありません。そのような物を造れば再び轍を踏むことになるため、最低限のラインをキープすることになります。
早く言えば、「品質はそこそこで価格が激安のユニクロ製品」のようなマンションを建てることになります。

●大手も長谷工に発注する時代に?
「大規模・郊外マンションは長谷工に」――まるで合言葉のようです。今では、大手財閥系の三菱も三井も住友も、また野村も大京も、大成建設系や清水建設系のデベロッパーまでが長谷工に発注しているのです。
これは驚くべきことですが、何かを暗示しています。そのことについて考察してみましょう。

景気低迷の折り、分譲価格を抑制することが至上命題になっているからでしょうか?それも確かにあります。
都心の優良な土地の取得が困難になって、やむをえず販売が懸念される郊外の土地も取得する必要に迫られているため、分譲価格を抑制することが重要な課題になった。これも要因です。

実は、一定の売り上げを確保しなければならないデベロッパー各社は、単なる工事請負だけでなく、マンション用地情報の収集に強みを持つ長谷工を頼りにしている側面が強いのです。
これまで長谷工案件の多かったデベロッパーを紹介すると、総合地所、名鉄不動産、三交不動産などですが、ここに割り込んで来たのが既に述べた三井、三菱、住友、野村、大成有楽、大京などのほか、新日鉄都市開発、東武鉄道、東急電鉄、相鉄不動産、伊藤忠都市開発などが挙げられます。

デベロッパー各社は日々、優良な土地情報を探索していますが、マンション用地はオープン情報ばかりではないため、実際は水面下で獲得競争に動いている方が多いのです。
長谷工コーポレーションは、デベロッパーより多いと言われるほど土地情報を常に有していると言われます。専門の収集部隊を抱えているとされ、採算に乗りそうな土地を探し当てる力量が高いのです。その中には、用地争奪戦に巻き込まれないよう、自社で一時的な仮取得(その後、分譲主になるデベロッパーに転売)に踏み切ることもあるのです。
同社の強みは、土地を少し高く買っても建築費の安さで採算ラインをキープすることができる点にあります。

●郊外の大型物件は長谷工の独壇場か?
野村不動産が2012年初頭から開始した新シリーズOHANAブランドのマンションは、これまで「八坂萩山141戸」と「平塚桃浜134戸」で成功を収めました。この次は「玉川上水322戸」と「豊田多摩平の森151戸」ですが、いずれも郊外型の大型物件です。これらはすべて長谷工の施工になる物件です。

大京が間もなく販売を開始する埼玉県越谷市の「グランアルト越谷381戸」も長谷工です。積水ハウスが販売中の「グランドメゾン狛江(東京都狛江市)524戸」、三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ矢向センターフォレスト(川崎市)347戸」など、例を挙げるといくらでも出て来る印象です。

共通点は、大型マンションが多いこと、郊外物件か都区内でもバス便や最寄り駅から徒歩15分以上歩く不便な場所にあることです。工場跡地の開発という事例も目立ちます。

●長谷工のどこが問題なの?
このブログで長谷工を何故取り上げるのかという疑念が飛び出して来そうなので、最後にその答えを付言しておきましょう。
コストダウンの手法にいささか疑問を感じるからです。表面に現われるコストダウン設計の欠点はいくつかありますが、最も特徴的なのは、普通なら14階建てに留まる所に15階建てを建築していることです。それに伴い、各住戸の天井高を確保するため、床の二重構造を取りやめて直貼りにしているのです。

直貼り床のどこがいけないのでしょうか? 二重床にしないと階下に生活音を響かせるのでしょうか?いいえ、必ずそうなるとも言えないのです。二重床の方が直床より遮音性は高いことを証明するデータはありません。むしろ、直床の方が遮音性は高いというのが一般的です。実際、二重床で遮音性の低いマンションはいくらでもあるからです。

最大の問題は、将来のリフォームが制約を受けやすいということです。つまり、10年以上も先に行ってから問題に気付くというわけです。しかも、大掛かりな間仕切り変更を計画したときに初めて気づくというレベルなのです。従って、直床は粗悪品というレッテルは貼られずに済みます。
また、直張りのフローリング材は、遮音性を高めるためにクッション材の付いたタイプが用いられるため、歩行すると柔らかくて沈み込む感じがあり、何となく頼りない印象を受けます。実際に施工の仕方が悪いと壁際に置いた家具が重みで沈むのです。
その点、二重床は遮音性を高めるためのコストが増えますが、沈み込むようなフローリング材を採用せずに済みます。床材の選択の幅も広がるメリットが多いようです。

上記以外に、直床は本当に問題ないのでしょうか? 残念ながら、客観的な答えはありません。直(じか)よりは二重にした方が良さそうだというイメージが先行するだけとも言えます。

いずれにせよ、経験豊富な大手マンションメーカーが敢えて長谷工の起用に踏み切るのは、ユニクロ的商品を供給する姿勢の表われです。一般に、コストダウンの方法は、気付きにくい所で量や質を落とすことです。エレベーターの数を減らす、構造を単純にして工程数を減らす(直床工法が典型。他には建物全体の形状をシンプルにするなど)、安価な建築材料を採用するといった例が見られます。
問題は、そのことが居住性の低下やグレード感の低さに、すなわちマンションの質の低下につながってしまうことにあります。

初めから「ユニクロ的なマンション」と承知して買うのか、高級ブランドのはずが中身はユニクロだったと後で知って落胆するか――ここも問題かもしれませんね。

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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