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第583回 「築61年マンション。ついに建て替えへ」 [中古マンション]

日本で集合住宅というと江戸時代からあった「長屋」ですが、鉄筋コンクリ―ト造となると歴史は浅く、日本国内で最も古く、現存するものは、長崎県にある通称・軍艦島に残る複数の住宅のうち、7階建の30号棟と言われます。1916年(大正5年)の建設で、日本初の鉄筋コンクリート造の高層アパートとされています。

世界文化遺産に登録されたことでご存知の人も多いことと思いますが、軍艦島は明治時代から昭和時代にかけて海底炭鉱によって栄え、最盛期の1960年(昭和35年)には5,267人が居住、人口密度は東京特別区の9倍以上、83600人/km²と世界一に達したと言われます。

炭鉱施設・住宅のほか、小中学校・店舗・病院・寺院・映画館・理髪店・美容院・パチンコ屋・雀荘・社交場(スナック)などがあり、島内においてほぼ完結する都市機能を有していたそうです。

関東大震災の復興住宅として東京中心に23棟建てられた「同潤会アパート」も有名ですが、2015年を最後にすべて建て替えられました。最も有名な建て替え例は「表参道ヒルズ」です。

これらは、すべて賃貸住宅(同潤会は後に分譲された)でしたが、分譲マンションとしては、1955年に第一生命住宅(現、相互住宅)が「武蔵小杉アパートメンツ」を販売しています(後に建て替えられて「」武蔵小杉タワープレイス)等に生まれ変わった)。

翌年には、日本信販(現UFJニコス)の不動産部門である日本開発(株)が「四谷コーポラス」を分譲しました。28戸の小型マンションです。今となっては安アパート風ですが現存しています。これが最古の分譲マンションとして現存しています。築61年です。

この「四谷コーポラス」が、このたび建て替えられることが決まったと報じられました。マンションの建て替えは合意形成が難しく、事実上不可能な場合が多いのですが、ある要素が加わることで可能になるもののようです。

報道によれば、「四谷コーポラス」では28世帯が日ごろのコミュニケーションがよかったために合意形成がスムーズだったとあります(デベロッパーの旭化成不動産レジデンス談)。

筆者は、それだけではないと思うのです。何がポイントかというと、建て替え資金の捻出が比較的容易だったからです。

具体的な資金計画書を見たわけではないのですが、5階建て28戸が地下1階・地上6階の51戸に化けるようですから、もともと容積率に余裕があったか、容積率が割り増しになったかして建物のボリュームが増えたのです。増えた分を販売することで資金の大部分が賄えるからです。

建て替わる新築マンションのうち、28戸が所有者に渡されるか、金銭を受け取って他に移り住むかの選択になるわけですが、今回のケースは27戸が分譲対象とあるので、26戸が地権者に渡ることになったようです。

四谷コーポラス (2).jpg 四谷コーポラスその2 (2).jpg
                                


(写真は四谷コーポラス:三井健太撮影)


●マンションの寿命は百年?

この報に触れて、昔のマンションは寿命が短いのか長いのか、果たしてどっちなのだろうか?そんなことを思った人もあったのではないかと思うのです。

先に述べた軍艦島は居住者のいない住宅なので、荒れ放題、「朽ち果てる寸前」という印象ですが、四谷コーポラスはコンクリートの躯体はしっかりとしています。同潤会アパートも築80年過ぎて居住者があったのです。

つまり、マンションの寿命は、80年は優にある、石炭産業が今も健在だったら軍艦島の集合住宅には今も人が住んでいたとするなら、100年の耐久年数があるとも思えるのです。

では、なぜ「四谷コーポラス」は61年で寿命を終えることになったのでしょうか?

コンクリートの躯体は、外からの目視では、まだ当分住めるような感じがしました。しかし、もしかすると雨漏りが頻繁に起きていたのかもしれません。エレベーターのない5階建てなので、不便をかこっていたのかもしれません。オートロックも何もないマンションなので、外部から管理人室の前をすり抜けて各住戸の玄関前まで侵入できてしまう不用心さが、セキュリティの高い住まいを望んだのかもしれません。

居住者不満や願望を知る由もありませんが、住み心地が悪かったことは間違いないでしょう。

マンションは「鉄筋コンクリートの躯体」と「エレベーターや水道・ガス・電機などの設備」とに大別されます。寿命は、それぞれに異なります。躯体は百年であっても、設備は40年程度と言われます。エレベーターは長くても40年で交換しなければ危険と言われます。

いずれにせよ、何もしないで永久に存続するわけではなく、人間とお同じように、年齢を重ねればどこかに故障が起きますし、筋肉が減ったり、骨が弱くなったりもするのです。また、百歳まで生きる人がある一方、60歳くらいで死んでしまう人がいるように、マンションの寿命はばらつきがあります。


 マンションが短命で終わるもの、長持ちするものと差が出てくるのは、下記にあげる要素が大きく関係しています。

①劣化のしにくさ
②設備配管類の維持管理のしやすさ
③入居後の適切なメンテナンス
④地震などの外的要因

耐久性を知る方法として、「住宅性能表示制度」を利用する方法があります。
同制度を利用したマンションでは、そのマンションがどれだけ長持ち仕様で造られているかを、一般の人にもわかりやすく表示しています。それが「劣化対策等級」というものですが、 等級ごとに、以下の耐用年数が期待できるマンションであることを示しています。

■等級3……おおむね3世代(75年~90年) ■等級2……おおむね2世代(50~60年) ■等級1……建築基準法に定められた対策がなされている(最低基準)

新築マンションを調べていると、最近は半分以上が「等級3」の性能を有していると思います。

ということは、多くのマンションが75年以上の寿命があることになります。しかし、等級2以下でも、メンテナンスを適切にして行えば同じくらいは持つはずです。逆に、等級3のマンションでも設備を含めてメンテナンス・交換をきちんと実施しなければ寿命は50年くらいで尽きるかもしれません。

寿命の長さは「メンテナンス」の仕方がカギを握るということになりそうです。最近のマンションは分譲時から「長期修繕計画」を立案し、少なくとも30年間は計画的に大規模な修繕をして行きましょうと売主デベロッパーは提案してくれています。

購入後は売主との関係が薄れますが、居住者(オーナー)は管理会社の助言に従い、定期的(3~5年ごと)に計画書を見直し、30年後も、その後の10年なり20年なりの新計画書を策定してメンテナンスを適宜行うことが必須になります。


●中古マンション購入時の不安は余命か?

新築の方が中古より何となく安心と考える人が多い感じがします。感じがするというのは、購入予定者(ご相談者)との会話から筆者が心理分析した結果や具体的にヒヤリングした結果に基づいています。

「新築の方が、気持ちが良いから」と「中古は長く住めない気がするから」というのが最も多い理由です。

前者は理解できますが、後者の理由で中古マンションの検討を最初から諦めてしまうのは勿体ないと思うのです。なぜなら、中古の方が新築より良い物件が多いからです。

良い立地にある、良い間取りが多い、オープンスペースの樹木が育って無機質なマンションに彩を添え、マンション全体の印象が良い、管理状態も分かる(居住者のマナーの良し悪しが分かる・管理意識の高さが窺える)といった長所が中古マンションにはあるのです。もちろん例外もあるのですが、新築に劣るものは少ないのです。

「長く住めない気がする」というのも正しい認識ではありません。築75年がマンションの寿命だとして、築20年のマンションの余命は55年です。新築は余命75年です。この差を何と見るか、筆者は35歳のご相談者に聞くと、55年住めれば何も問題ないと答えが返ってきます。55年も住み続けるとは考えにくいとも仰います。

50歳の方は永住したいと言います。そして、「55年あれば百まで住み続けられるね」と答えます。

筆者は、「優良な中古」を探しましょうと進言することが最近は随分増えました。新築が少ない、高いばかりでろくなものがない。そんな思いが強いせいもあるのですが。

筆者が運営する別のブログ「三井健太の名作間取り選」
https://mituimadori.blogspot.com」をご高覧いただくと最近のマンションと古いマンションの間取りの違いが良く分かります。

古いマンションを買って、壁紙を張り替えるだけでも病院色の新築マンションよりずっと楽しいものです。

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


★★★「三井健太の住みたいマンション」はこちら
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旧耐震マンションの救世主現る [中古マンション]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています


2017年4月26日の報道によれば、東京都は旧耐震基準のマンション(単純には1981年5月以前に着工されたマンション)の建て替えを促進する究極の策を打ち出したようです。その策の内容は後述するとして、先ず旧耐震基準のマンションの問題点を整理しておきましょう。

勉強熱心な読者はご存知のことと思いますが、マンションの建て替えはとても難しく、これまで実現にこぎつけられたのは全国で230件足らず、そのほとんどが旧住宅公団と公社(各地の住宅供給公社)が分譲したもので、民間マンションの建て替え例は多くありません。

参考までに、最近の有名マンションを拾ってみると、次のようなものが見られます。

◆桜上水ガーデンズ:1965年(昭和40年)竣工の桜上水団地(日本住宅公団の分譲マンション)404戸が2015年(平成27年)8月、878戸の分譲マンションとして生まれ変わったのです。建て替えマンションの竣工から50年後でした。

◆Brillia多摩ニュータウン:1971年(昭和46年)に入居が始まった多摩ニュータウンで最も古い建物のひとつ「諏訪2丁目住宅640戸」が1249戸のマンションに生まれ変わり2013年(平成25年)10月竣工しました。建て替えマンションの竣工から42年後でした。

◆プラウドシティ阿佐ヶ谷:1958年(昭和33年)竣工の旧公団住宅350戸が、580戸のマンションに生まれ変わり2016年(平成28年)に竣工しました。建て替えマンションの竣工から58年後でした。


●建て替えの必要が起こる原因

上記3例は建て替えで生まれ変わるまでの時間は短いもので42年、長いものが58年でした。解体されるまでなら、40年~55年くらいでしょうし、建て替えの必要性を感じたのは、30年~45年くらいと短いと推察できます。

どうしてこんなに早いのでしょうか?もともと寿命の短いマンションだったのでしょうか?

その答えはともかく、桜上水団地の場合では、➀エレベーターのない4~5階建のため、高齢者の居住継続が困難になると予想された、②建物及び給排水設備の老朽化(漏水・ガス漏れ事故の頻発)、③防災(耐震性など)や防犯に対する不安、④居住性の改善(天井高さ、遮音・断熱性能等)などが理由として挙がっていたそうです。

同団地は、竣工から僅か20年で「建て替え」を念頭に動き始めたようです。建て替え完了までの経緯を調べてみました。

●建て替えの難しさ
桜上水団地の場合

平成元年 6月 「桜上水団地の将来を考える会」発足
平成6年 10月 「桜上水団地の将来計画推進委員会」設置
平成10年 7月 「建替基本計画委員会」発足
平成11年 6月 ㈱日建設計を事業コンサルタントに選定
平成13年 6月 「建替検討委員会」設置
平成14年 5月 野村不動産㈱・三井不動産㈱を事業協力企業に選定・二社の要請により、㈱大林組・清水建設㈱が参加
平成18年 4月 建替え決議不成立 (同意率:全体4/5達成、各棟2/3未達成)
平成19年 12月 建替え決議不成立 (同上)
平成21年 9月 一括建替え決議成立
平成22年 7月 建替組合設立認可
平成25年 6月 解体工事着工
平成25年 9月 本体工事着工
平成27年 8月 竣工

平成6年の「将来計画推進委員」の設置から、建て替え決議が成立するまで14年を要しています。そして建て替え工事が完了するまでは27年の長い時間を経過していたことになります。

分譲マンションの場合、地権者が多数にのぼるため、協議が整うまで長い時間がかかることが多く、他の事例も10年、15年という時間を要しています。

マンションの建て替えが難しいのは、合意形成の壁が高いことです。


●旧耐震基準マンションの危険度

建て替えの必要性は、上記4つのどれかに該当するに違いありませんが、中でも耐震性能に関する不安が一番の問題と考えられます。そもそも1981年以前のマンションは建築基準法に定めた耐震基準が現基準より低いのです。

旧・耐震基準のマンションに住む人たちは、巨大地震が来たときの不安を抱えているはずです。古いマンションの全てで耐震性能が劣っているわけではないはずですが、どの程度の耐震性があるかは専門機関に「診断」を依頼してみるほかありません。「多分大丈夫だろう」では不安は消えません。

ところが、診断すら行っていないマンションが全国で70%もあるのだそうです(国土交通省調べ)。

東京都も独自に「マンション実態調査」と称するアンケート調査を実施しました。
アンケートは震災の余韻がまだ覚めない2011年8月で、実際のアンケート回答率は25.6%でした。
アンケートに回答したマンションのうち旧耐震基準の分譲マンションからは2322棟から回答があったそうで、耐震診断の実施状況を見ると、実施済が17.1%、実に残り82.9%が未実施と分かりました。

未実施の82.9%の物件について耐震診断の検討状況を確認すると、「今後実施予定」のマンションが11.7%。「検討中」が29.5%、そして「検討していない」が58.9%だったのです

8割以上のマンションで耐震診断すら行っていない。しかも、あのような震災があった直後に、耐震診断すら行っていない・あるいは行わないとしたマンションが多数を占めるという実態がこの調査によって明らかになりました。

何故、診断を受けないのでしょうか? 巨大地震が来てからでは遅いのです。危機感が薄いのでしょうか? 


●耐震性能を知るのが怖い所有者たち

実はそうでなく、診断結果を知るのが怖いのです。

ちなみに、実際に耐震診断を行った物件の結果を見ると震度6〜7程度の規模の地震がきたときに「倒壊の可能性がある」と診断されたマンションが約40%、「倒壊する可能性が高い」と診断されたマンションが約20%あり、調査したマンションのうち過半数にあたる約60%のマンションでは「耐震補強の必要あり」という結果が出ているとの情報があります。

やはり旧耐震基準のマンションで耐震診断を行った場合、大半の物件で強度不足という調査結果が出るようです。

耐震診断には数百万円の費用がかかります。

数百万円かけて耐震診断を行った結果、もし性能不足という判定が出たならば、そこで耐震改修工事を行わなくてはなりません。

しかし、その工事はどのような内容になり、費用はどのくらいになるかが全く想定できないのです。数千万円かける大工事になるかもしれません。

その費用の捻出に困ることになるでしょう。一般のマンションの積立金では数千万単位の補強工事を行うことは、現実的には不可能に近いものです。

しかも、すでに居住中のマンションですから、当然工事中の住環境は悪化します。窓に補強用の筋交いを入れた不細工な公共建物をご覧になったことがあると思いますが、窓が半分ふさがれた格好です。

あのような工事になるかどうか、それすらも分かりませんが、果たしてその工事を実施するのが適切な事かどうかすら疑問が生じます。さらに、可能性としては「補強工事自体が不可能」のケースもあり得ます。

抜本的な補強が必要だという結論、つまり、解体して建て替えるしか方法はないかもしれません。

つまり、数百万円かけて耐震診断はできても、その先の「耐震工事」が費用負担の問題で頓挫する可能性が高いのです。

また、耐震診断を行った場合、売買時に交付される重要事項説明書に「耐震診断実施済み」である旨を明記しなければなりません。さらに、「耐震補強工事が必要」と記載する法的義務が生じるのです。耐震診断を行ってしまうと、診断はしなかったことにはできないのです。

重要事項説明書に耐震補強工事を要すると明記されてしまったマンションを買う人はいないでしょう。そうなれば、価格は極端なレベルまで下がってしまうかもしれませんん。耐震診断自体を行わなければ、目に見える資産価値の低下は発生せず、工事費用も全く発生しないわけですから、耐震診断を行わないでおこうと判断するマンションが多いわけが分かろうというものです。


●東京都の建て替え促進策とは

長くなりましたが、東京都が発表した「建て替え促進策」とは、一定の条件を満たせば容積率を割り増ししてあげますというものです。

都が対象地区を指定。指定地区内の旧耐震マンションは、周辺の住宅などとの共同建て替えを条件に容積率の上限の緩和を受けられる。集約する敷地数などに応じて、割増容積率を算定する・・・というものです。

建て替えしやすくする条件緩和策によってサポートするというわけです。容積率の緩和とは、敷地面積の200%の建物を建ててよいとする容積率200%区域の中に建つ旧耐震基準マンションの敷地を、例えば容積率400%まで増やしてくれるというわけです。

100戸のマンションが200戸に増やすことになるので、100戸分を販売すれば多額の資金が生まれます。その金で建て替え費用を捻出できる理屈です。

先に紹介した建て替え実例は、もともと容積率に余裕があったのです。つまり、200%の容積率の土地に150%程度しか建物を建てていなかったので、最初から50%分の余裕があったうえ、様々な開発手法を絡めることでプラスの容積を生み出し、結果的に150%の建物が300%の建物に生まれ変わっているのです。建て替え前の戸数と建て替え後の戸数の差がそれを表しています。

容積率に余裕がある建物は公団・公社のマンションに多く、民間マンションには容積率の余裕が殆んどありません。建て替えが進まない最大の原因はここにあるのです。

50戸のマンションを50戸のまま単に建て替えるというのでは、各オーナーの建築費用の負担が大きく、合意形成は不可能と言って過言でありません。

容積率の割り増し策は目新しいものではありません。再開発プロジェクトでは、公開空地を設けるなどの条件付きで容積ボーナスを事業者に提供しています。容積率は、建蔽率とともに、都市計画上の必須アイテムで、地区ごとに線引きをして決められています。

今回の策は、都市防災の観点から旧耐震建物の性能強化が進まない現状(ちなみに、公共施設や百貨店やホテルなど不特定多数の人が集まる大規模施設に耐震診断を義務付けていますが、私有財産である分譲マンションは義務化されていません)を打破するために苦肉の策として登場したものと考えられるのです。


●資金が要らないというなら話に乗るよと

資金がなくても建て替えられるとしても、解体費を含む工事費の支払い条件や工事期間中の仮住まいの費用など先行する資金をどう調達すればいいのか、第一、販売をどのようにすればいいのかなど、素人には難しいことばかりです。

そこでデベロッパーを協力企業として担ぎ出す必要があります。デベロッパーとしても、土地代を寝かすことなく事業用地を確保できるので、渡りに船のような話です。

マンション用地は交通、環境、広さなどの要件が難しく、簡単に入手できるものではありません。このため争奪戦は激しく、デベロッパー各社は日ごろから条件の良い土地を何とか無競争で入手できるよう努力を続けています。

先述のとおり、建て替えプロジェクトは短時日に走り出せるものではないのですが、早い段階から参画しておけば、確実にものにできると考えるのでしょう、大手デベロッパーは横並びで今日も取り組んでいるはずです。

ともかく、建て替えを希望するマンション管理組合はデベロッパーを指名し、資金から何から依存して行くわけです。逆に言えば、資金を出してくれる企業があるからこそ、建て替え計画が進むとも言えるわけです。

建て替え希望のマンション管理組合とマンションデベロッパーは「持ちつ持たれつ」の関係になるわけですが、鍵を握るのはプラスの容積率です。


●デベロッパーがメリットを感じる緩和策

用地不足がデベロッパーの事業意欲を萎えさせていると聞きました。

人口減少が予期され、空家問題が日常的な論議となる中、新築住宅の建設はもはや必要ないなどという暴論まで飛び出す昨今、新築マンションの開発より中古(ストック)ビジネスが主力にすると発言するデベロッパーも増えています。

すなわち、リフォーム・リノベーション事業、管理受託事業、仲介業、建て替え事業に力を入れると方針転換したデベロッパーが目立つようになって来ました。

しかし、新築マンションの需要がなくなったわけではありません。東京圏には、先行きも一定量の需要ボリュームが存在することをデベロッパーも感じ取っています。然るに方針転換したかのごとくストックビジネスを標榜するのは、実は用地難という壁にぶつかっているためです。

たまに良い土地が売りに出ても入札で競り負けることが多く、購入できても採算ラインを超える高値になってしまうことが多い。また、確実に取得できる土地があっても、あまり積極的に取り組みたいと思わない交通条件の良くない土地であったりもします。

容積率緩和によって古いマンションの建て替えが進むことになれば、デベロッパーにとっては、それこそ宝の山を掘りあてることになるのかもしれません。

築40年を超えるマンションは都内で3700棟もあるのです。これが全て東京都の指定地域に入るかは分かりませんが、デベロッパー各社がシェアしながら案件に取り組むことができるかもしれません。

スタートまでには多少時間はかかりますが、回り出せば、次々と建て替え案件が実現するかもしれません。

また、過去の建て替え案件は、建築内容(プランニング)に優れたものが多いこと、古いマンションは大体において好立地であるものが多いことなどに鑑みると、優良マンションが多数供給できるのではないか。そんな期待も膨らむのです。

都の策は、耐震性能で劣る古いマンションの救世主というだけでなく、デベロッパー用地難を救う一石二鳥の策になるかもしれません。


・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://www.syuppanservice.com)までお気軽にどうぞ。


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ご検討マンションの価値はどの程度のものか、また価格は適正かを客観的に評価し、レポートします。
 評価項目:①立地条件(最寄駅までの距離・都心へのアクセス・生活利便性)②全体計画(配棟計画・駐車場・空間利用計画・共用施設・外観デザイン・セキュリティ)  ③建物の基本構造(耐震性・耐久性・遮音性能・将来の更新性) ④管理内容(管理体制・管理費・修繕積立金・管理会社) ⑤専有部分の計画(間取り・設備・仕様)⑥売主 ⑦施工会社
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「手数料はゼロです」の広告に注意 [中古マンション]

このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


中古物件の中に手数料ゼロというケースがあります。中古物件を探してみたことのある読者ならご存知のことと思います。

今日は「手数料ゼロ」の甘いキャッチコピーの裏側を覗いてみたいと思います。

●買主側から見た手数料ゼロ物件

仲介手数料は物件価格の3%+60,000円と上限が法で決まっています。買主と売主、それぞれの支払う限度額です。

この料率は上限であって、例えば1%でもいいわけですが、殆どの取引で限度いっぱいを要求するのが実態ですし、何故か手数料を値切る買い手もあまりいないようです。

ともあれ、3%という数値は5000万円の取引なら156万円(+消費税)なので、買い手にとっても売り手にとっても大きな金額になっています。それがゼロでいいと書いてある広告を見れば、つい目が行きがちです。

メリットがあればデメリットがあるもので、何か裏があるのではないか、ただより高いものはないと言うではないかなどと疑り深い人もあるでしょうが、本当に手数料はゼロなのです。

しかし、仲介業者にとって手数料ゼロではビジネスが成り立たないので、別のどこかで利益を確保するはずです。そこが問題なのです。

利益確保策は次のようなものです。

※自社所有物件である・・・中古物件を個人オーナーから買い取って自社物にしたケース。この場合は、業者自身が売主なので、言い換えると仲介業務ではなくなるので手数料は取ることができないのです。

利益は、個人(とは限りませんが)オーナーから100で買い取って120で販売することによって得るのです。買い取り転売というビジネスです。

安く手放す個人オーナーなどあるのでしょうか?それが現実にあるのです。早期の売却を望んでいる人、何かの事情で売却の期限が迫っている人などです。築40年など、高経年マンションで買い手が中々つかず、半ば焼け気味に叩き売ってしまう人もあるのです。

安く買って、そのまま売却する業者はなく、大抵リノベーションすることによってバリューアップした商品として売り出します。3000万円で仕入れた商品がリフォーム代に500万円かけたとしても4000万円でも売れるということに味を占めた業者は、これを繰り返すのです。

実質価値が4000万円もあるか、ここが問題です。しばしば価値以上の高値になっているので気を付けなければなりません。手数料ゼロは得な取引のようで、実はそうでもないというのが実態です。

リノベーション物件は、室内を新築同様にしてあるわけですから、その価値を錯覚しやすいものです。

業者所有物件で例外があるとしたら、人気物件を何年か前に購入し、機を見て転売するというビジネスモデルを持つ仲介業者の物件です。

※利益確保策の二つ目・・・売主から手数料が入るから買い手はゼロでもいいというケースです。これは、手数料3%+60,000円だけで採算が取れる小規模な仲介業者の場合です。ただし、取引額が大きな物件を狙うようです。

つまり、1億円を超える高級・高額マンションの売り依頼を取れれば、3%でも十分にペイするのでしょう。

高額なマンションは手数料も数百万円になるわけですから、買い手から見たら手数料ゼロというキャッチコピーには強く惹かれることでしょうが、このような物件は実は少ないのです。

売主の大半は、依頼先に大手業者の三井のリハウスや住友のステップ、東急リバブルといった企業を選択するからです。


●売り手が業者選びで気を付けるべきこと

自宅マンションを売るに当たり、少しでも高く売ってくれそうな業者が良いが、「手数料が半額でいいというなら、その分が実質的に安くなるのだから、売りやすくなるのではないかと思うのだが、このようなチラシをポスティングして来た業者についてどう思うか」というご質問メールをいただきました。

お答えします。

ご質問にあるような業者が頑張って高く売ってくれるかというと、一概にはそうと言えません。仲介業者は、所有者と直接媒介契約を結んだ会社が経営的には有利なので、常に売却希望者を探しています。

 手数料は、売り手から3%+6万円、買い手からも3%+6万円を取ってよいことになっていますが、間に入る業者が2社なら、それぞれ3%+6万円の収入となります。通常は、売り手から委任された業者が、不動産情報ネットワークに物件を登録すると、別の業者が買い手を紹介してきます。

そこで買い手と売り手が合意に達すると、仲介業者2社による売買が成立するという形になり、これが多いのです。
勿論、売り手だけでなく買い手も自ら探した業者は、手数料は両取りの6%+12万円(両手取引と言います)となります。

 売り手から直接委任された物件を自家物件というのですが、それさえ手に入れられれば、買い手探しは他社に任せても黙って手数料が入って来るので、そうした物件を多く抱えることは、業者の命題になっているのです。

大手業者は、この両手取引を常に狙っていると言います。片手では経営が成り立たないのでしょう。

 多くの仲介業者は、自家物件は販売努力をしなくても不動産流通機構(REINS=業者間の情報ネットワーク)に登録さえしておけば左うちわなので、手数料は少しくらい下げてもメリットはあるというわけです。

ただし、半額にしても経営が成り立つようにしなければならないので、狙いをつける物件は高額物件が中心となるわけです。

 売り手にとっても手数料が安いことはメリットですので、手数料は半分でいいという業者に依頼するのは悪くないのですが、値段が下がったら意味がないことになります。

ここが落とし穴です。売り依頼を契約で縛っておき、買い手が中々決まらないとい、売り値を下げてくれと要求して来るのです。

売り手にとっては、高く売ってくれる業者、おまけに手数料も安い業者が良いわけですが、そんな業者はないでしょう。大手は集客力においては中小業者をはるかに凌駕するので、大手に依頼した方がよい場合が多いかもしれません。

しかし、大手も営業マンの全てが優秀なわけではありません。また、優秀か優秀でないかの基準も、仲介業では買い手に向けられるものだけではないのです。 営業力があると言われる業者は、買い手の要求を聞いて、売り手に値段を下げさせるような交渉力にも秀でているということでもあるのです。

売り手にとって、業者選びは結構難しいのです。

 強いて言えば、売り手のマンションをよく知っていて、買い手に対し売りマンションの利点や長所などを強くアピ―ルしてくれる可能性のある業者または営業マンということになるでしょう。まあ、営業マンと売り手の人間関係や、営業マンの熱心さなどが決め手になるとも言えますね。


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[黒ハート]その価格は適正か?ズバリ買っても問題ない物件か?「マンション無料評価サービス」はこれらにお答えしています(唯一無二!!)

※ご検討中マンションの価値を客観的に評価し、適正価格かどうかの判定を含めてレポートにしお届けしています。詳細は上記URLで。

「買ってよかった」を再確認したい方もどうぞ。物件サイトが閉鎖されている場合は、建築概要・住戸専有面積・階・向き・価格・管理費・修繕積立金などの情報をご提供いただくことが必要になります。
※中古物件の場合は、物件の掲載WEBサイトのURLをご記入ください。
※その他のご注意事項はHPでご確認をお願いいたします。無料には条件があります。ご注意ください。尚、価格情報のないご依頼はお引き受け致しかねます。














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リノベーション済みマンションが増えている [中古マンション]

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物件の評価のご依頼を新築と中古とに分類すると、このサービスを開始した当初は新築が圧倒的に多かったのですが、最近は中古マンションの評価をご依頼くださる人が増えて新築に肩を並べるくらいになりました。

最近(今年になってから)気付く点は、中古物件のご依頼の中に「リノベーション」済みのが随分増えて来たことです。何割に達したかはカウントしていないのではっきりしませんが、多くなったなあと感じる昨今です。

今日は、その要因と背景について述べようと思います。

●新築マンションが減っている

先ず、その背景は新築が減っていることを挙げなければなりません。

※供給(発売)戸数の推移

2005年(約10年前)・・・84,118戸
2006年(約10年前)・・・74,463戸
    (2007年~2011年の平均:46,033戸)
2012年・・・・・45,602戸(2006年比▲39%)
2013年・・・・・56,478戸(2006年比▲25%)
2014年・・・・・44,913戸(2006年比▲40%)
2015年・・・・・40,449戸(2006年比▲46%)
2016年(上半期)14,545戸(前年同期:18,018戸▲19%)

※2008年以降、新規発売戸数は激減し、停滞が続いています。2016年も年末までに35,000戸前後と低迷することでしょう。

新築マンションの停滞は、中古マンション市場を活性化させることとなりました。そのことを次に見て行くことにしましょう。
  

2011年~2015年の成約件数を計算してみたところ、2011年が28,871戸、以後→31,397件→36,432件→33,798件→34,776件となっています。

2016年も1~9月の累計で27,872件に「達しており、このペースで行けば年間トータルで37,000件に達すると見込まれます。

中古市場が、このように成約件数が増え、実は価格が上昇傾向にあるのですが、その原因を辿って行くと、新築市場が影響を与えていることに気付きます。

 「新築を探しても条件に合うものがないので、仕方なく中古も視野に入れています」このように考えている人が着実に増えています。その結果として、中古マンションの人気は高まり、価格上昇を招いているというわけです。

 中古は、売り出しても買い手が現れなければ、「売却を諦める」か「価格を下げる」しかないのですが、売り出してすぐに買いたいとする人が多数現れれば、売主は強気になって価格交渉には一切応じないといった姿勢を見せます。そうして、価格は徐々に上方へ振れて行くのです。
 
●中古の在庫量は常に過大

新築マンションの在庫は2016年9月末で6,120戸となっています。異様に新築が少ないとお感じになるかもしれませんが、発売済みの売れ残り戸数であって、いわば氷山の一角みたいなものです。

つまり、隠れ在庫が大量にあるのです。その数を把握したデータはありませんが、一定期間(例えば1年間)で見れば、市場に出る、つまり発売された数の中でしか購入することはできないので、隠れ在庫の数を知ったところで無意味です。

今年も年間に売り出される新築戸数は40,000戸(35,000戸前後)には達しない見込みです。

他方、2016年9月末現在、市場に出ている中古マンションの戸数は首都圏全体で42,704戸もあります。これだけの数が毎月平均3,000戸前後の成約によって瞬間的に減るのですが、同時に新規の売り出し(REINSへの新規登録)が毎月3,000戸前後あるので、ほぼ常に40,000戸以上の在庫となります。

新築マンションの発売戸数は毎月平均3,000戸以上ですが、物件数で見ると150件前後しかありません(ちなみに、2016年9月の発売戸数は3,424戸ですが、1物件当たりの売り出し戸数は20戸もありません。従って、物件数は170戸強でした)

中古も同じマンションの中から同時に複数売り出しというときもありますが、多くは1戸のみです。従って、中古は40,000物件、40,000戸以上の在庫の中から検討することができるのに対し、新築は170物件の中の数戸、仮に5戸としたら850戸の少数の中から選ぶしかないことになるとも言えるのです。

こんな比較はナンセンスとご批判を受けるかもしれませんが、言いたいことは、中古の方が品数は多いということなのです。玉石混淆であって、玉は少ないという人もあるでしょうが、数が多いからこそ玉も隠れていると言えます。

●中古の成約数が増えれば、高経年マンションも増えるのは当然

中古マンションを検討する人の多くは築浅を望みます。ところが、近年は古く汚い中古を買ってスケルトン状態にしてから好みの間取りと好みのインテリアに改造したいという、いわゆる「リノベーション」志向の買い手が若い人を中心に増えて来ました。

この現象が、高経年マンションにも一定の人気が集まる傾向を生み出しているのです。

ここに業者は目をつけました。業者とは主に不動産業者ですが、建売業者もリフォーム業者も加わって来ました。

そもそも、古いマンションをリノベーション前提で個人が買うというのはたやすいことではないからです。

中古マンションを買ってリフォームするのは、プランニング、工事費の見積もり、業者選定、発注などの各段階において、打ち合わせを繰り返し行う必要があるため、その時間とエネルギーは膨大で、中々大変です。

それらが不要で、代金決済後すぐに入居できることが「売り」のリノベーションは、多忙な買い手にとっては有り難いシステムと言えます。

リノベーションしてから内覧会(オープンハウス)を挙行すれば、少しくらい高くても売れるはずだと確信した業者が実行に踏み切りました。そして成功します。そうなると追随する同業者が増えます。リスクはあるが、うまくいけば仲介手数料だけのビジネスより妙味があるぞということになったわけです。

仲介の場合、その大半はオーナーが入居中の期間に内覧するわけです。売却して得た資金がないと買い替え先のローンを組めないことが多いので(つなぎ資金という方法もあるが)、転居できないからです。

この状態では、見学者を感動させることは難しく、何組、何十組と案内があっても簡単に決まらないのが仲介営業の実態です。まして、築年数40年などと黎明期の古~いマンションは耐震性の問題もあって、売ることはとても難しく、価格を思い切って下げないと買い手を見つけるのが困難です。

売れずに困っているところへ、買い取り業者が現われます。安いけど確実に買ってくれる相手がいるとなれば、最後は観念して安く手放すというのです。

ちなみに、買い取ってリフォーム後に転売する「買い取り転売」の実績はどのくらいに達しているかという調査が矢野経済研究所によって行われ、先ごろ発表されましたが、それによれば2016年~9月の3か月間に全国で1,811件(月平均600戸余)が成約されたと推計しています。

中古マンションを業者に売却するということは、安く叩かれることを意味していますから、業者から見て仕入れは簡単ではないはずです。しかし、築年数が古くなればなるほど、共用部の老朽化、デザインの陳腐化なども重なるので、売れないものです。勿論、築30年、40年ともなれば途中で設備の交換もしたでしょうが、売却時には使い古されているのが普通です。

売れない中古は、業者の手に渡る。これは自然の成り行きかもしれません。そうした物件が業者によってお化粧直しされると、たちまち売れてしまうといいます。

見た目がいかに大事かのエピソードでもあるのですが、買い手の立場では、新築のモデルルームと見まがうほどの美しさに、つい舞い上がってしまう人も少なくないようです。

●業者の新しいビジネスモデルに定着しかけている

リノベーションはおいしいぞと業界内で噂が広がり、大手マンション業者も進出して来ました。5件に1件は損することもあるらしいのですが、リノベ―ションは儲かるビジネスだというわけです。

三菱地所レジデンス、東急不動産、大京、住友林業など、思い浮かぶだけでも有名どころが実績を重ねています。

リノベーションという用語も広く流布して来ました。新聞、週刊誌、業界誌、WEBサイトで頻繁に登場して来ます。業者自身が「買い取ります」のPRを盛んに行うようにもなりました。

この結果、個人オーナーも仲介以外に買い手を探すチャネルの存在を知るところとなりました。そうして、単に売れないから焼け気味に安く売却するオーナーだけではなく、居住中に内覧者が何人もやって来てプライバシーを覗かれるのがいや、近隣の人に知られる噂されるのがいやなどといった動機で業者に売り渡す例が増えているというのです。

買い手が付きにくい旧・耐震マンションだけでなく、新耐震の築15~25年マンションも業者に売却する人が増えているようです

●割高なリノベーション済みマンション

このような背景と理由によってリノベーション済みのマンションは増えて来ましたが、買い手から見て分かりにくいのが適正価格です。高いのか高くないのか判断に迷うのです。

一般に、リノベーション物件は割高なものが多いことは明らかです。業者が大きな利益を目論むためです。

 中古マンションを仲介しても手数料は最高で6%少々、3%程度にと留まることが多いのですが、個人の所有者から安く買い取り、フルリフォームして付加価値を高めれば儲かると考えての事業化、それがリノベーションだからです。

今のところ、リノベーション済み中古とリフォームなしの中古を峻別した市場データは存在しません。このため、筆者の「評価サービス」も適正価格の判断のための調査時間が増えています。とまれ、できるだけご期待に応えて行きたいと考えています。


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高くつく中古マンション。「やっぱり新築」の声に思う [中古マンション]

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「中古マンションを購入してリノベーションする事も考えましたが、築年数がたっている物件は修繕費が高い事もあり、毎月の支払い総額を考えると、中古で購入するリーズナブル感があまり無さそうなので新築がいい」――このような考え方をする方にネット上で遭遇しました。

「新築と中古、どちらがいか」、その経済性のみを検証してみます。


1)物件代金:言うまでもなく新築の方が高いわけですが、稀に中古でも新築並みというケースがあります。しかし、ここでは平均像で比較して行くことにします。

※平均像を設定した方がよいので、70㎡の新築が6000万円、70㎡の中古が4500万円とします。 (これは、新築なら6000万円の予算が組めることは組めるが、先行きの不安から予算をもっと減らしたいと考えて中古物件を探してみたところ、築年数が新しいものは中々見つからないので15年までと妥協した結果の4500万円の物件を発見するに至ったという設定)


2)物件代金以外の購入時におけるイニシャル費用(登記料・不動産取得税・ローン保証料など):新築には修繕積立基金(一時金)が必要ですが、一方、中古には仲介手数料がかかります。

新築は修繕積立基金を除くと約200万円、中古はローンの利用額(後述)を減らせるので、約170万円で足りるとします。

これに修繕積立基金として50万円を加えて新築のトータルは250万円とします。中古は物件代金の3%+6万円(+消費税)の仲介手数料が必要なので、約150万円を加えてトータル約320万円の諸費用が必要となります。

築15年では、リフォーム費用がかかる中古も多いですが、設備はまだ交換の必要がないので、壁紙の張り替え・洗面所とトイレの床材の交換程度とし、費用は50万円とします。

中古はトータルで370万円


※物件代金を加えたトータルの購入費用は、新築が6250万円、中古は4870万円となります。


※頭金が1000万円出せる買い手だとした場合、住宅ローンの利用額は新築なら5000万円、中古は3500万円ですが、35年返済の10年固定金利0.8%で融資を受けたとすると、10年間の金利負担は次のようになります。

(10年としたのは、10年後に売却することを想定=後述=しているためです)

10年間の金利は、新築は350万円、中古は240万円となります。しかし、ここから住宅ローン控除を差し引くと、5000万円の借入が可能な買い手の所得は500万円以上であることは確かなので、10年間の金利負担は、新築も中古も実質ゼロとみてよいでしょう。

3)毎年かかる固定資産税(土地+建物):新築マンションの場合、建物部分の課税は5年間に限り半分に軽減されます。尚、建物は完成後に課税されるので引き渡しの翌年からの納税となります。中古の場合は、軽減措置がない代わりに建物の課税価格が安いので、トータルでは大差ないものとします。


4)毎月の修繕積立金:新築の場合、初年度の設定は安く、5年か10年ごとに増額される計画になっています。70㎡の標準的な物件では、初年度が6000円、6年目7500円程度です。中古は、築15年クラスの標準的な積立金が12,000円なので、それぞれの10年間で比較してみます。  新築は81万円、中古はその後の増額がないもとすると10年で144万円となります。その差は中古が63万円多いだけです。

※ここまでの総費用(10年合計)で新築が6331万円、中古は5014万円となりました。中古は約1200万円少ない費用で住むことができるというわけです。


5)10年後に売却するとしたときの損失額:ここまでの試算で、10年間の総費用は中古の方が1200万円も少ないわけですが、問題は資産価値の差です。 

新築は10年後に築10年となります。築15年の中古は築25年となります。 どのくらいで売れるのかは、市況や物件の立地条件と建物価値などによって大きく変わるのですが、平均的なデータを用いて比較してみます。

23区の平均では、築10年マンションは新築相場の80%程度になっています。築15年マンションは同75%程度です。25年マンションは同55%程度です。

新築は10年で100から80へ20%ダウンし、中古は10年後に75から55へ27%ダウンするという理屈です。

ただし、これは10年後の新築相場が購入時とレベルだった場合です。新築相場が上がれば中古も連動します。 過去のデータは新築相場が10年で20%以上上がったために、上記のような値下がりは起こっていません。しかし、ここでは10年後も相場が変わらないもとして試算します。

6000万円の新築は×80%で4800万円となります。中古は4500万円×27%ダウンなので3285万円に値下がりします。損失額は、新築が1200万円、中古も約1200万円です。つまり差はありません。

ここまでの計算で欠落しているのは住宅ローンの元本返済金です。借入額に1500万円の差がありますから、毎月の返済額で13万6千円と9万5千円、差額4万1千円の120か月分、合計で約490万円が中古の負担軽減額となります。

一方、中古は25年に達する間に設備の交換が必要になるかもしれません。その分を200万円と見積ったら、負担軽減額は290万円になります。

以上から、10年間の総費用の差は、1200万円+290万円、計1490万円となり、中古の方が明らかに少ない負担で居住することができると分かります。冒頭に掲げた「中古で購入するリーズナブル感」は十分にあるわけです。

しかし、購入物件が築15年でなく、築30年を超える物であった場合、全面的なリフォーム、つまりリノベーションを要することでしょう。その場合は数字が変わって来ます。

リフォーム費用を当初の50万円と後の200万円を計上していましたが、ここがプラス500万円としたら、それでも中古は約1000万円もの負担軽減になるのです。さらに、購入時のイニシャル費用も大きく減るはずです。

中古購入にはやはり「リーズナブル感」はあるのではないでしょうか?

鍵は、売却額が握りそうです。 この試算では新築も中古も約1200万円の損失としましたが、ここに差が出るほど「リーズナブル感」は変動します。

詳しくは割愛しますが、筆者が提供する「将来価格の予測サービス」の経験値から言えることは、新築も中古も物件次第で損得の数字は大きく変わって来ます。 新築であっても、選択を誤れば総費用は無論のこと、売却損も大きくなるのです。




 
中古は到底考えられないという人もありますし、反対に積極的に中古から選ぼうとする人もあります。 

新築がいいと思っているが中々見つからないので、次善の策として築浅の中古を検討している人もある一方、築年数にこだわらずに中古を探している人もあるのです。


 新築にこだわるか、中古も検討するか、あるいは中古に絞って探すか、どれにするかは個人の価値観になるのでしょう。その意味では中々微妙な問題です。

購入時のイニシャル費用は中古の方が負担感が軽いとしても、また毎月の負担感も同様としても、売却時に大きな損失が出るようなら、元も子もないということになります。

とはいえ、筆者は新築にこだわるべきでないと考えています。


関連記事:「基本の新築VS.中古」http://mituikenta.blog.so-net.ne.jp/archive/20160320

「築30年のマンションに10年住んで売却の構想」http://mituikenta.blog.so-net.ne.jp/2015-04-25


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中古マンション見学。管理状態はこうしてチェックする [中古マンション]

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ご相談者からいただくメールの中には、中古マンション見学時の感想が含まれていることが少なくありません。

その感想のひとつに、「清掃が行き届いており、管理状態も良さそうだ」というものがあります。

そのコメントを読むとき、いつも「どこまで観察しての所感だろうか?」という疑問を禁じ得ません。

マンション管理という業務の実態は、管理会社に勤務したか、管理組合の役員にでもなって管理会社の担当者などと接するまでは、本当のところよく分からないものです。

そもそも「マンション管理」とは何をするものか、どこが重要なのか、分かっているようで分かっていない人の方が多いのではないでしょうか?

管理人さんがいて、管理人室に詰めていること、ときどき館内を巡回しているらしいこと、ゴミ収集車が来たときは、ゴミ置き場付近で見かけること、ときどき掲示板に何か張り紙をしていること、管理人さんとは別に清掃員が来て掃除をしていることなどです。

一言で表せば、「マンション管理とは綺麗に保つこと」ですが、綺麗に保つためには、日常管理において清掃をするだけでは足りません。

植栽の手入れ、床や共用トイレの清掃、キッズルーム・ゲストルームなど共用室の清掃、共用部分の壁や玄関ドアのガラス、エレベーター内外の拭き掃除と磨き、共用電灯の交換、、共用室の備品等の補充・交換、といった作業・管理項目が実にキリなくあります。

建物は完成したその日から劣化の道を歩み始めるので、それを踏み留め、寿命を長く維持することが管理という仕事の目的です。清掃だけで見た目を新築同様に保つことはできないので、新品と交換することによって若返りを図ることも必須です。

外壁や鉄柵などの塗装、破損した郵便受けの全面交換、機械式駐車場の交換、ロビーに置かれたソファの交換、共用室の畳の表替え、共用廊下の蛍光灯・白熱灯のLED電球への交換、共用廊下の床の表面材の張り替え、バルコニーの床の防水工事、屋上の防水工事、バルコニー天井(軒裏)の塗装などの工事を実施することによって、めざましく綺麗になるとともに若返るのです。

しかし、中古マンションを見学したとき、管理状態の良し悪しを一目で判断するなどということは可能なものでしょうか?

たまたま大規模修繕が行なわれた直後に訪問した場合なら、築〇〇年も経たマンションとは思えないという感想を抱くことでしょうが、工事が始まる前に行けば「古ぼけているなあ」とか「汚いなあ」などと感じるかもしれません。

清掃は行き届いているが、メールボックスにチラシがたくさん投げ込まれ、はみ出しているものもあって見栄えが悪いとか、自転車が所定の場所にきちんと置かれていないということもあるはずです。

また、壁に地震でできた亀裂があって、補修(埋め)の跡が太いミミズのような形で残っているが、内覧時には気付かなかったという場合もあることでしょう。補修してあれば問題はないものの、見栄えが悪ければ資産価値は下がるのです。

では、中古マンションの管理状態の良し悪しを見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?そのヒントとなるものをご紹介しましょう。


➀管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「整理・整頓・清掃状態」

先ず誰でも気付くこととして清掃状態を挙げることができます。

多言を要しない問題ですが、床が綺麗に磨かれているというだけでなく、集合郵便受けの周囲にごみが落ちていないか、ゴミステーションはきちんと分別され整頓ができているか、自転車が指定通りに置かれているか、植栽周りの落ち葉などが片付いているか、掲示板の張り紙がめくれていたりしていないかといった点検は内覧時でも可能です。

これらの細々とした作業はマンションの見てくれを悪化させないための必須の管理員業務(一部清掃員)ですが、これは1週間に1回か2回の巡回方式で完璧にこなすことは困難なものです。


②管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「管理費の滞納」

中古マンションを検討するとき、仲介業者から「管理に関する重要事項説明書」が交付されます。これは、管理会社から発行されるもので、そこには管理費の金額、修繕積立金の残高、大規模修繕の履歴といったもののほかに、管理費・修繕積立金の滞納状況(滞納期間や滞納額など)が記載されています。

管理費を滞納する人には、のっぴきならない事情があると考えられますが、ルールはルールなので納めてもらうことが不可欠です。

管理会社は何度も督促するなど、納めてもらう努力を続けますが、それでも未納が続けば管理組合に報告することに加えて、「管理に関する重要事項説明書」にその旨を記載しなければなりません。


国交省のマンション総合調査(調査対象地域:全国。平成25年度。以下「同調査」という)によれば、築年数に比例して滞納者の発生率も上昇する傾向がはっきりと見て取れます。

管理費・修繕積立金を3ヶ月以上滞納している住戸が1世帯でも「有り」という管理組合は37.0%もあるのですが、完成年次が古くなるほど、また戸数規模が大きくなるほど、滞納住戸のある管理組合の割合が高くなる傾向にあるようです。

また、6ヶ月以上滞納している住戸がある管理組合は22.7%であり、1年以上滞納している住戸がある管理組合は15.9%もあるのだそうです。

特に築30年以上のマンションにおいては、5割以上の管理組合で3ヶ月以上の滞納者が、3割以上のマンションで6ヶ月以上の長期滞納者がいる、と回答しています。

管理費の滞納者が多ければ多いほど管理費が不足し、日常管理はおぼつかなくなります。管理会社は、清掃回数を少なくするなどの対策を提案して来ることでしょう。

その提案に管理組合が従わなければ、他の方法で管理費用の節減を図ることとなります。その内容次第では、長い間に資産価値の下落につながらないとも限らないのです。


③管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「賃貸比率の高さ」

同調査によれば、賃貸比率0%のマンションは約10%、20%以下は約18%、20%以上が約60%もあるのだそうです。

一方、管理組合が抱えるトラブルの第1位は、①「居住者間の行為・マナーをめぐるもの」が55.9%と最も多く、次いで②「建物の不具合に係るもの」が31.0%、③「費用負担に係るものが28.0%」となっています。

「賃貸比率の高さ」と「居住者間の行為・マナーをめぐるトラブル」との関連は同調査にはないのですが、想像に難くありません。

モラルの低い居住者が賃貸住戸に多いという分析も出ていません。しかし、大いに関連があると管理の専門家は言います。

とするなら、「このマンションの賃貸比率は?」と尋ねてみることも有効になるはずです。賃貸比率は、マンションの立地条件、住戸面積の大小、さらには築年数などにょって異なります。

これらを掛け合わせて、比率が高いと思えたら、トラブルが多いマンションと想像できますし、それが管理の悪さとも結びつく危険を内在するマンションと言えるかもしれません。


④管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「エントランス前の自転車」

マンションのアプローチ部分(玄関前)に何台も自転車が置いたままになっている光景にぶつかることがあります。

その状態が何時間も続いており、いつも同じ自転車が置いてあることもあるのだとか。
誰も注意しないのを良いことに、1台が2台になって、とうとう10台に増え、常態化してしまったマンションもあるというのです。

別のマンションでは、各住戸のエントランス前、つまり玄関ポーチにベビーカーとともに置いてある例を見たこともあります。

こうした光景を見ると、「管理がよくないマンション」と感じざるを得ません。


➄管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「長期修繕計画書の作成日」

仲介業者を通じ、管理会社から「長期修繕計画書」を取り寄せることができますが、その書面で注目すべきポイントは、「作成日」です。

一般に、長期修繕計画は3年ごとに見直すことになっていますが、入手した計画書は何と15年前の新築分譲時に策定したものだったという例があります。確認したところ、一度も見直しを行っていないというのです。

管理組合が見直しを管理会社に依頼していなかったのか、計画書は目安に過ぎないから最初のものでも問題ないと管理会社が作業を嫌ったのか、理由は不明ですが、考えられないことだと、管理会社の知人は言いました。

何にしても管理組合の関心が薄い証拠なのです。


⑥管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「大規模修繕の履歴」

仲介業者に頼んで管理会社から「修繕履歴」を取り寄せましょう。小修繕から大規模修繕まで、できるだけ細部に渡っての記録を欲しいと言ってみましょう。それが何を意味するかはお分かりいただけることと思います。


⑦管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「管理組合役員会の開催頻度」

同調査では、「月に1回程度開催している」が48.5%と最も多く、次いで「2ヶ月に1回程度開催している」が20.7%となっているとあります。

「月に1回程度開催している」の割合は、完成年次が古くなるほど、また、総戸数規模が大きくなるほど高くなる傾向にあると分析しています。

古くなればなるほど老朽化に伴い、大規模修繕以外の応急措置的な部分改修も必要になるからです。ルール違反者の対応策を話し合う回数も増えるのかもしれません。

開催頻度を知るのは難しい場合もあるのですが、頻度が少ないと分かったとするなら、管理に関する当事者意識の弱さが疑われるマンションだということになるでしょう。



⑧管理状態の良し悪しを見分ける糸口―「修繕積立金の残高」

積立金残高が潤沢にあれば、着実に必要な改修工事を実行できるわけですが、潤沢かどうかの判断は簡単ではありません。過去に何もしなかったために多額に残ったのかもしれないからです。

大事なことは、適切な時期に適切な修繕を実施して来たかどうかにあります。⑥番の履歴のチェックの方が大事です。しかし、その上で潤沢な残高があるとすれば、良い管理を成し得ることは確かです。

残高を聞いたら、それを総戸数で割って1戸当たりの残高を算出します。その金額が毎月の積立金の何十倍(何か月分)になるかを見ます。それが10年分(120か月)と出れば、潤沢と見てよいでしょうが、1年分しかないとしたら、とても少ないとなるでしょう。

ただし、12年目、24年目などに行われる大規模改修工事が終わったばかりの年に当たれば底をつく状態もあり得るのです。

もっと正確に知るには、やはり「長期修繕計画書」の「収支計画表」に実績を入力したものが必要ですが、上述のような方法でも大まかには分かるものです。


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バリアフリーに改造できない中古もある [中古マンション]


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30年以上前の中古マンションには、バリアフリーになっていない建物が多数あります。

玄関の靴脱ぎ(三和土=たたき)と玄関ホール・廊下のレベルが最近のマンションなら数センチ(cm)ですが、古いマンションの中には階段一段分(約15cm)廊下の高いものが普通です。

廊下は靴脱ぎ部分と数センチと抑えられているものでも、廊下から洗面所に入るときには15cmの高さを上る形になっているのです。

洗面所の床を高くしなければならない理由はどこにあるのでしょうか? 配管の床転がし(床の上を通すこと)が必要だからです。

細かな説明は割愛しますが、浴室の排水を考えてみてください。浴槽の水を全部きれいに排水しようとすれば、排水口は底に設けなくてはなりません。どこの浴槽でも実際にそうなっているはずです。

底にある排水口から浴室(ユニットバス)の床下に設けた排水管をつたって排水竪管(たてかん)にジョイントされるのですが、床下の排水管はL字型になっています。一旦、浴槽の真下に水は落ち、そこから次は横引き管を通って共用の排水管(竪管)から地下の下水管へ向かいます。

この横引き管を通す空間がどうしても必要になるので床を上げるのです。 横引き管は勾配も必要なので、床の上げ寸法も排水パイプの口径分では足りません。

洗面室の床を上げずに竪管につなぐことは不可能ではありませんが、その場合でもバスユニットの床下の空間だけは不可欠なので、洗面所と浴室の段差は解消できません。

本題から少し遠ざかってしまいますが、最近のバリアフリーマンションは排水問題をどのように解決しているのでしょうか? 廊下と洗面所間、洗面所と浴室間、どちらもレベルはゼロになっています。その構造はいったいどうなっているのでしょうか?

答えは簡単です。コンクリートの床をつくる段階で、洗面所と浴室部分の床レベル自体を下げてしまうのです。廊下より洗面所の方を低く作るので、廊下とレベルを同じにする形で木質系の床を張ると、丁度その下に配管を通す空間が出来上がります。

施工の順番は違いますが、こうしてできた床下に排水横引き管がやすやすと通せるというわけです。

ついでに紹介してしまいましょう。リビングルームや寝室の天井高は2500ミリあっても、洗面所の天井高は2200ミリなどとなっていることをご存知かと思いますが、その理由は上階のコンクリートスラブが下がっているためです。

超高級マンションの場合は、コンクリートスラブもオールフラットで、かつバリアフリーになっています。これは、階高(かいだか。上下階の寸法)が一般マンションより高いので、室内全体の床を自由に上げ下げして高さ調整ができるからです。


話を本筋に戻します。

古いマンションでリノベーションを検討する際、バリアフリーは諦めた方がよいと思った方がよさそうです。 全体の床を上げれば可能ですが、超高級マンションのように階高に余裕がなければ全体が天井の低い家になってしまいます。

どうしてもバリアフリー化したい人の究極の策は、天井を張らず、コンクリートむき出し、せいぜい塗装仕上げにすることです。

天井裏は電気配線があり梁が通っているので、見映えはとても悪くなります。飲食店によく見られる内装を思い浮かべてみればお分かりいただけるでしょう。マンションの場合、お勧めできるマンションは殆どないはずです。

中古物件を内覧したとき、注目したいのは床段差です。
基本的に竪管の近くにある水回りの位置は大きく変えられないのですが、向きを少し変えることは可能なはずです。

しかし、バリアフリーになっていたら、コンクリートスラブが落ち込んでいる部分の範囲でしか浴室が設けられないですし、キッチンの排水にも影響する場合があります。

バリアフリーでない(段差のある)物件をバリアフリーに改造することは諦めなければならないのです。

古いマンションの場合、床段差は、?玄関の靴脱ぎ部分と廊下、②廊下と洗面所、③洗面所と浴室、④稀に廊下とリビング・ダイニング(リビング・ダイニングの方が低い)の4か所、そのどこかにあるのです。

段差がないように見えても、リノベーションが思う存分できるわけでもないということを覚えておかれるといいでしょう。


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15年経た中古。分譲価格の2割高と聞いて [中古マンション]

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中古物件を購入すべく検討中の物件を調べているうちに、新築時の価格から500万円も高値で売り出しているという話を聞いて複雑な想いに駆られる買い手があります。

「いまいましさ」のような感情が湧いて来るというのです。

「15年も経っているのだから分譲価格より下がるのは当然なのに、どうしてこんなに高いの?強気過ぎでは?」と思うらしいのです。昨今の値上がり急な市況に嫌気しての腹立たしさのような心境から出た言葉とも受け取れます。

一方、自分が買うマンションの将来価格については値上がりしてくれることを望みます。

立場が変われば当然とも言えるのですが、この相反する願望は人間本来の通弊なのです。



●仲介業者のお節介

冒頭の「500万円も高値」という情報はどのように入手したのでしょうか?答えは簡単です。仲介業者の担当営業マンが、提携している調査会社に問い合わせて買い手に伝えたのです。

買い手が調べてくれと依頼して調べる場合もあるのですが、多くは営業マンが能動的に提供していると言われます。

営業マンいわく、「築〇〇年経っても価値が下がらない。素晴らしいマンションです」。そう言いたいらしいのです。

続けて、「だから、貴方が将来これを売却するときも価値が下がらない」とセールスしたかったと。

しかし、冒頭の感想は、逆効果になったことを指しているようです。余計なお節介だと言った買い手さんもありました。


●分譲時の価格を上回る価格になったのは、分譲時が安かっただけかも

買い手の中には、「本物件は分譲価格を上回る売り値がついた。それだけ価値あるマンションということを聞いて、そんな物件をわが手にできるのは誇らしいことかもしれません。しかし、その上乗せ額が妥当なものか」という質問を寄せて来た読者もあります。

次は、都区内のあるマンションでの疑念でした。買おうとしているマンションに関し、「価値がある」と聞いて悪い気はしませんが、「築12年の物件が分譲価格の3割高なんて、過大評価なのではないか」というお尋ねでした。
その質問者は、「この1年、中古は安いはずだと信じ、新築を諦めて中古を探して来ました。、ようやく辿り着いた物件なので、分譲時から30%も上がった」と聞いて、複雑な心境になったようです。
その事実をどう捉えたらよいのか分からなくなったのかも。筆者はそう感じました。

筆者は次のように答えました。

本物件が販売されたのは、2002年か2003年のことかと思いますが、その頃はバブル崩壊後の値下がりが止まった底値圏、つまり最も安い時期でした。

現状は、ご存知のように、価格急騰期(新築に連動して中古相場も急上昇)にあるので、中古の経年劣化分を勘案しても分譲価格より上の値が付く中古物件は多いのです。

ちなみに、2002年の23区の分譲坪単価は@211万円(70㎡換算4467万円)でしたが、2015年の坪単価は@326万円(同、6903万円)でした。新築マンションの値上がり率は実に54%です。 

一方、築10年超の中古は、調査会社の統計によれば新築対比で約80%です。新築と10年超えの中古を比べたら2割程度の差ができるというわけです。

新築が6903万円に上昇した現在、築10年超の中古は2割安が平均なので、5522万円(6903×0.8)になるというわけです。

5522万円は、分譲時の4467万円から見れば23%の値上がりです。新築が54%も値上がりしたので、中古も連動して値上がりし、結果的に分譲価格を上回ったという理屈です。

しかし、これはあくまで統計分析に過ぎません。どのマンションも同じ比率で値上がりするとは限らないのです。

築12年のマンションは、新築相場が12年後の現在も12年前と同じであるなら、2割ダウンとなるのです。しかし、物件によって1割ダウンに留まっている物件もありますし、中には新築相場を超える中古価値を持つ物件もあるのです。

マンション・不動産は個別の条件を無視して語ることはできません。ご検討マンションは分譲時の価格から30%も上がったそうですが、30%は平均を上回っているわけで、それが妥当かどうかは具体の物件をお知らせ頂き、調査をしてみなければ分かりません。どうぞ、「物件評価サービス」をご依頼下さい。

ご質問に対する筆者の答えは、ここで終わっています。


●マンション固有の条件で大きく結果が変わる

統計データというものは、あくまで平均値です。平均で10%下がったというような場合でも、その平均値には、30%下がったものもあり、30%上がった物件もあったという事実が隠れているのです。

仕事がら、よくデータをチェックします。統計的なものから、物件個別のデータまでの幅があるのですが、いつも驚かされるのは、同じ時期に分譲時の50%高になった物件がある一方、50%も値下がりした物件が存在する事実です。

立地条件の差と建物価値の差、ブランド価値の差などによるのですが、50%の値上がり、50%の値下がりは稀有なものですが、同じ最寄り駅の物件で、分譲時の価格から30%も値上がりした物件と30%ダウンの物件は現実にたくさん存在するのです。


築後20年マンションが、新築相場の半値に相当する相場のエリアであっても、その中には半値以下の、例えば30%もの低いレベルの物件もあれば、80%相当に評価される優良物件に分かれるという事実を知っておかなければなりません。

物件固有の条件によって差が大きく出てしまうというわけです。もう一度説明しましょう。


◆新築時に相場の100で購入。20年後、新築相場が200に上昇したとします。 そのときの中古(築20年)相場が、新築の価格に対して半値とするなら100です。 100は、新築購入の価格とイコールです。


◆20年後の新築相場が50%アップの150ならどうでしょうか? 20年中古は半値の75評価になるわけですから、購入価格の100から見れば25%の値下がりということになりますね。


◆では、仮に新築時に相場の2割高という高値掴み(120で購入)してしまったらどうでしょうか? 20年後に新築相場が150になったとするなら、相場の半値となるような平均的な中古物件は75となり、これは購入価格120から見ると、38%の値下がりになってしまいます。


◆次に、この中古物件が20年後に新築相場に対して80%くらいに高く評価されるような優良なものだったとしたらどうでしょうか?

新築相場150×0.8=120ですから、購入価格120と同じです。結果から説明すると、120で買っても、高値掴みとは言えないわけです。ただ、買い値を超えないのですから、値上がりを期待していたとしたら、裏切られるということでもあるのです。


最近3年間は建築費上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっています。

ざっくりと言えば、どれを買っても高いのです。しかし、将来の価値を考えると、結果的に「高値掴み」にならない買い物ができるケースもあります。

「高値の中のマンション選び」という難題を突き付けられている買い手。大事なことは「快適な住まいと資産価値の高いマンション」の双方を見る目にあります。


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基本の「新築VS.中古」 [中古マンション]

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新築マンションか中古マンションかと考えずに、良いものがあればどちらも検討するというスタンスが今は良さそうに思います。しかし、中古マンションの選択肢は全くなかったという人も少なくありません。

中古マンションは、一般的に価格は安いかもしれないけれど、それでも何千万も払うのだから、やっぱり買うなら新築がいいよね、こんなふうに思う人が多いようです。 「新築の方が気持ちよく新生活をスタートできるから」という理由があるのでしょうか?

潔癖症の人は、他人の手垢が着いた家は嫌だと思うらしいとも聞いたことがあります。

筆者も、実は中古マンションを買った経験は一度もありません。しかし、賃貸マンションやアパート住まいだった頃を思い出すと、転居5回のうち新築は1回だけで、あとは全部古い家だったのです。

妻は潔癖症だったので、ハウスクリーニングの済んだ転居先なのに、入居すると直ぐに隅から隅までゴシゴシ磨いていたものです。

日本人の大半が可能なら新築の家を買いたいと思っているらしいのですが、最近は中古マンションを購入して自分好みの家に大胆に改造する動きも増えて来たと聞きます。

また、リノベーションという新たな中古マンションの分野が成長しています。不動産業者を中心に、築30年以上の中古マンションを買い取って大胆な改造工事を(設備から仕上げ材まで全て更新。間仕切り変更も)施し、新築マンションのモデルルームのような空間演出をして販売しています。

しかし、そのリノベーション物件の品数は全体としては少なく、欲しい場所・地域内では中々見つからないのが実態です。

結局、マンション探しは一品限定ではなく、多くのメニューの中から選択することが必要になっていると考えなければならないのです。




●中古マンションが買いにくい5つの理由

買い手の立場で考えてみると、中古マンションが買いにくい理由は5つ挙げられそうです。詳細は、以前(2014年11月15日)書いたので、ここでは要点のみとします。

理由(1)室内の見た目が悪い 理由(2)外観や共用部分が古ぼけていたり汚れていたりする 理由(3)設備が古い・ないものも多い 理由(4)バリアフリーになっていないものが多い 理由(5)建物に対する不安が拭えない

中古マンションが買いにくい最大の理由は5番にありそうです。先に挙げた4つの理由は、むしろ付け足しと言ってもよいほどです。耐震性に関する不安、耐久性に対する不安、瑕疵担保責任の問題などが、漠然と、ときには重くのしかかって来ます。



●積極的に中古を研究しましょう

購入の注意点などに関しては次の機会にしますが、中古なんて到底考えられないという人は別として、ある種の割り切り方を取り入れれば、中古も選択肢のひとつにはなるはずです。

今は、積極的に中古を検討するべきときなのです。上記の問題を抱えながらも、それをクリアできるならば、予算を下げて購入することができるかもしれません。または、広い家を手にすることが可能かもしれませんし、より都心の立地の物件と遭遇する可能性も高くなるでしょう。

予算を下げなくてよいなら、リフォームに思い切って投下することも可能です。少なくとも室内だけは手垢が消え、見違えるように綺麗な住まいを手に入れることが可能になるはずです。

とまれ、今日は新築と中古の違いを整理してみました。お役に立てれば幸甚です。


●新築マンションと中古マンション比較23

1)価格 

新築・・・高いのが普通です。安ければどこかに欠点・弱点があるものです。

中古・・・安いのは築年数が長いものに限られます。築浅の物件は新築並み思った方がよいでしょう。築20年を超えた物件の中に、新築時から住み続けた人が一度もリフォームしないまま売り出しているケースもあり、そのようなものは購入後のリフォーム代を計算するとお買い得とは言えないので、「安いから」だけで探しても当てが外れると思った方が良さそうです。

2)価格交渉

新築・・・売れ残り物件以外は受け付けてもらえない

中古・・・買主が指値をするのは普通のことで、売主も当然と受け止めるものと考えてよいでしょう。売り出し価格を決める際には、「値引きしろ」を5%程度は乗せていると思って間違いありません。


3)物件代金以外の諸費用(登記料・不動産取得税・ローン保証料など)

新築・・・修繕積立基金(一時金)が必要。

中古・・・仲介手数料がかかる。リフォーム費用がかかる物も多い。中古の方がトータルでは高くなると思って間違いありません。


4)固定資産税(土地+建物)

新築・・・新築マンションの場合、建物部分の課税は5年間に限り半分に軽減されます。尚、建物は完成後に課税されるので引き渡しの翌年からの納税となります。

中古・・・築年数によるが、新築より安いこともある。


5)修繕積立金

新築・・・初年度の設定は安く、5年か10年ごとに増額される計画になっている例が多い。

中古・・・築年数が長いほど高額に設定されるのが普通。


6)住宅ローン

新築・・・低利で物件価格の100%まで可能。金利は融資実行時になるので、完成時期が1年後、1年半後などと長いケースは金利上昇のリスクを負う。尚、基本的に優良な建物(長期優良住宅など)は金利も安くなるものです。

中古・・・物件価格の100%まで可能な場合もあるが、あくまで銀行の査定による。引き渡しまでの時間が短い場合が多いので、金利上昇によって生活設計を大きく狂わされることはない。


7)住宅ローン減税

新築・・・期間10年以上の住宅ローン利用者は、年末借入残高の1%以内で最高40万円を、10年間、合計で400万円を最高額として所得税・住民税から控除される。優良マンションは50万円・500万円となる例も。

中古・・・毎年40万円は同じですが、期間は築後25年までの建物という規定があるので、例えば築20年のマンションでは、控除期間は5年のみとなる。ただし、省エネ改修工事やバリアフリー改修工事を施したリノベーション物件は年数制限が外れ、年額20~25万円を限度に所得税から控除される場合がある。


8)建物外観・共用部のきれい度/管理状態

新築・・・建物の美観は優る。モデルルームの演出も感動的。一気に購買意欲が掻き立てられる。 管理状態に関しては、言うまでもなく、売れ残りマンション以外、確認することはできません。

中古・・・外観やエントランス、廊下等が古ぼけていたり、室内も汚かったりというケースが多く、感動が薄い。ただし、室内からの眺望が感動的という場合はある。また、建物は古くても敷地内の植栽が大きく育ち、緑豊かな空間が感動を呼ぶ例もある。

※レトロ好きな人もあるのでしょうが、日本人の多くは古い物より新しい物を好む傾向が強いとされます。新しいものは良いものという先入観もあるのでしょうか、一目で古いと分かると購買意欲は落ちるものです。こうしたものを先に見てしまうと、部屋に到着する前に気持ちが萎えてしまいます。

室内の見学前に必ず目にするのが外観であり、エントランスやロビー、エレベーター、共用廊下です。定期的に清掃や改修を実施していても、新築と同じようには決してなりません。

管理状態に関しては、実際の管理状態を目視で確認できるほか、修繕履歴や修繕積立金の残高、管理費等の滞納状況などを知ることもできます。

尚、新築マンションでは100%が「長期修繕計画」を立案してから販売に当たりますが、中古では計画自体が存在しない例も30%くらいはあるとされます。


9)室内のきれい度

新築・・・実際以上に綺麗・素敵に見えてしまいます。家具・調度品、インテリア備品で飾り立てて見学者(買い手)を迎えるからです。

中古・・・中古マンションの多くが、壁が黄ばみ、浴槽に湯あかが着き、ガスコンロは油まみれになっていたりします。こうした光景を目にすると、見学者の購買意欲が高まることはないでしょう。

これらを補って余りあるもの、例えばバルコニーから見える景色が感動的であったようなときは印象が薄らぐはずですが、そのような幸運には滅多に出会えないものです。

中古マンションでも、リフォームやリノベーションを施すことによって新築マンションに劣らない感動を呼ぶ例が最近は増えています。


10)設備

新築・・・便利で省エネ効果の高い最新設備が期待できる。共用部も防災関連の設備などが定番に。ディスポーザーは新築でも付かないものは少なくないが、食器洗浄乾燥機や浄水器は大半のマンションで装備されている。

中古・・・後付けできなディスポーザーなど、新築に比べると見劣りする物件が多い。浴槽のまたぎ高は、新築マンションなら450ミリ前後が定番だが、中古マンションは600ミリタイプが多いことに加えて、浴室内のデザインも「お洒落感」はかなり異なる。

※テレビモニター付きのインターホンが100%近くまで普及したマンションですが、モニターの画像がカラーか白黒かというと、築30年クラスは殆んど白黒です。

また、結露ができにくいことで知られる断熱効果の高い複層ガラスのサッシは、築10年未満の比較的新しいものを除くと中古マンションには見られないものです。


11)間取り

新築・・・平凡な田の字型が多い昨今ですが、工事の進捗状況によっては無料の変更プランを選択できる。カラーやキッチンの高さを選択できるケースも。

中古・・・最近少ない優れた間取りにお目にかかることもある。 バルコニーの出幅は最近の定番である2mはなく、中には1m~1.2mという狭い物件も多い。


12)天井高・サッシ高

新築・・・リビングルームや寝室の天井高は2500ミリ以上が普通。ただし、部分的にできてしまう「下がり天井」の圧迫感を想像できず、完成内覧会で落胆させられることも多い。リビングルームのサッシは、2m高、2.2m高が一般的になっており、開放感が大きい。

中古・・・古いマンションは2400ミリ以下が普通。リビングルームのサッシ高も1.8mしかないというケースが多い。

13)バリアフリー

新築・・・室内の床段差は殆どないので、つまずいて転倒などという事故は起こらないのが今は当たり前になっている。

中古・・・築20年以上のマンションでは、廊下から洗面所に入る所で100ミリ~200ミリの段差があるケースが多数見られる。


14)耐震性

新築・・・建築基準法の耐震基準は、震度6強の巨大地震に襲われても倒壊・破壊せず、人命が守られる強度を指定している。従って、ほぼすべての新築マンションは心配ないことになる。より優れる耐震性を誇る「免震構造」や「制震(振)構造」もある。

中古・・・新しいマンションは対策がしっかりなされているが、古いマンションは十分ではないという先入観を抱く人もある.
1981年(昭和56年)以前に建築確認(許可)を受けた古いマンションは、旧・耐震基準で建設されたため、耐震性能が十分ではない例が多いので、注意しなければならない。

※1981年以前の古い中古を検討するときは、専門家の診断を受け、「耐震性合格」となっているかどうかの確認は必須です。

尚、リノベーション物件には、旧耐震基準の時代に建てられた物件が多いので、見た目の綺麗さに目を奪われない冷静さも大事です。


15)耐久性

新築・・・適切なメンテナンスをしながら住めば、コンクリート寿命は60年以上とされますが、最近は100年コンクリ―トが誕生し、施工上の工夫もあって、より長寿命のマンションが増えている。 住宅性能評価を受けている物件では、「劣化対策等級」の項目で最高ランクの「3」を取得しているマンションも珍しくない。

中古・・・築20年以上の古いものを検討する人が抱くことに、「あと何年ここに住めるのだろうか」という不安が消えないことと思います。マンションの耐久性はコンクリートの寿命だけで論じることはできません。 給排水管やエレベーター等の設備の寿命は短いからです。そこで、何十年か経てば交換工事は不可欠です。その計画が、費用とともに適切に立案されているかを確認することが重要になります。


16)遮音性

新築・・・寝室の隣にトイレや浴室がる場合、使用のたびに目が覚めるなどということがないよう、遮音性を高める設計になっているのが普通。

中古・・・築30年以上の古いマンションには遮音性の低いものが存在する。排水音の防音対策が不十分。しかし、そのレベルを内覧時に確認することも、詳細な図面を見ることも困難なものです。そこで、2回目の内覧のときには思い切って水を流すなどして確認させてもらいたいですね。
また、一般に水回り部分が接している側の壁のお隣は、同じく水周り接しているものです。つまり背中合わせになっているのですが、稀に寝室の壁の向こうがお隣の水回りという例があります。このような関係にある住まいはリスクが大きいと思った方がよいでしょう。


17)見学範囲と建物の確認

新築・・・モデルルームと建設地の外回りのみ。実物を見られるのは完成してからも販売中という物件になるわけで、どちらかと言えば例外的です。 多くは、図面から完成形態を想像して購入することになるわけです。 それが、完成後に「あれっ?」という違和感を覚えることに繋がっています。
聞いていた説明、あるいは勝手に思い込んでいた姿との相違を発見するためです。担当者の説明不足や過失・故意がトラブルに発展することもよくある話です。

中古・・・中古取引は「現状有姿(ゆうし)」が原則となっています。後で知らなかったと言っても手遅れなので、目視ですべてを確認することが不可欠なのです。室内も共用部も、可能な限り時間をかけて検査しましょう。


18)取引の安全性(アフターサービス・瑕疵担保責任)

新築・・・売主が一定期間のアフターサービスを行う。半年・1年・2年といった定期的な点検を実施するのも定着している。
躯体・構造に関する重大な瑕疵(雨漏りなど)については、10年間の瑕疵担保負担に応じてくれる。

※10年間の瑕疵担保責任は、2000年の法律制定により、売主に義務付けられました。売主が倒産したようなときには、瑕疵担保履行保険がカバーすることにもなっています。

中古・・・個人の売主が圧倒的に多く、瑕疵担保責任は免責されます。見たまま(現状有姿)の取引が原則ですが、ガスコンロや電気設備等に関しては、3~6か月程度の短期間ですが、売主または大手仲介業者が負担に応じるのが一般化しています。

なお、築10年未満の物件でも、分譲主の「躯体・構造に関する重大な瑕疵の10年責任」は最初の購入者までが対象であり、転売先までは責任が及ばないとするのが原則です。


19)検討スピード

新築・・・発売の数か月前から予告広告を開始するので、余裕を持って検討できることが多いのですが、売れ残り物件の「先着順受付中」のタイミングにあれば検討時間は少なくあります。

中古・・・内覧の順に商談の優先権が与えられますが、内覧前の段階では先着順なので、たちまち「売れ切れ御免」になってしまうことも。 広告を見て興味を覚えたら、直ぐにでも内覧希望を仲介業者に申し入れるといったスピードが要求されます。


20)物件の詳細な内容の把握

新築・・・担当物件に精通した専任営業マンが詳細な資料を携えて物件の情報と関連知識を提供してくれる。模型や映像の販売ツールも用意され、安心感が与えてくれる。

中古・・・古い物件ほど資料が散逸していたり、最低限度のものしか残っていなかったりするので担当者も詳細を知らないことが多い。とりわけ、見えない部分の品質がわからないことも多いので不安が残るもの。


21)流通物件数

新築・・・中古に比べると圧倒的に少ない。ただし、1物件内での選択肢は広い(階・間取り・方位など)

中古・・・物件数は新築より断然多い。ただし、同一マンションから一定期間に何戸も売り出されることは少ない。


22)住み心地

新築・・・何もかも新しいので快適に過ごせる部分が多いものの、未完成の段階で出来上がりを想像しながら購入することになるので、気づかないまま引き渡しを受け、入居後の快適差が減ってしまうことも。

中古・・・管理状態から、眺望・日当たり・環境・上下階と両隣の騒音の有無などを確認して購入するので、新築に劣らない快適な暮らしを送れるとも言えます。


23)近所付き合い

新築・・・全員同時スタートの同級生気分でお付き合いがしやすい

中古・・・転校生気分なので、しばらくの間、疎外感を味わうことになるかもしれない

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中古マンション購入後のまさかの支出に注意 [中古マンション]

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中古マンション購入の際にすぐ気にかかる問題は、古い設備機器の故障です。
もうひとつは、管理費や修繕積立金の値上がりです。

今日は、この二大不安についてお話ししましょう。

●設備機器の瑕疵担保責任

先ず、設備機器の故障に関してですが、中古住宅の売主は新築と違い多くが個人なので瑕疵担保責任は免責されるのが普通です。

中古住宅の取引は、一般に現状有姿(ゆうし)の取引のため、瑕疵担保は免責されると契約書に明記されます。

現状有姿(ゆうし)の取引とは、物件は現状のままで引渡すという意味で、排水、柱、など見えない所の不具合があっても責任は無いというわけです。取引後に不具合・傷等を発見しても売主は責任を負わないのです。

そういうリスクがある旨を契約前の段階で説明しているので、上記リスクが顕在化したとしても、売主には責任はないという意味になるのです。

個人売主には、不動産を売ってしまった後で長期間にわたり、契約解除も含めた担保責任を負わなければならないというのは事実上無理だからです。

そこで、責任範囲はガスや電気機器などまでと明記した契約が一般的です。この場合でも、個人間の場合は引渡し後3ヶ月以内を限度とする取り決めが多いようです。

最近は、売主に代わって仲介業者が責任を負うケースが増えています。「売却は当社にお任せ下さい」と言ったところで、売却依頼者を多数確保することは難しいので、同業者との差別化策として「後のトラブルが及ばないシステムを持つ当社へ」とアピールしているわけです。


野村不動産傘下の野村アーバンネット社は「ホンキの補修保証サービス」と銘打って2015年から新サービスを展開しています。「ホンキの補修保証」は、売買対象の中古住宅について、あらかじめ建物検査、住宅設備機器の検査を行い、同社負担にて補修・保証を行うサービスとなっています。

東急リバブル社も野村不動産アーバンネット社と類似のサービスを展開中ですが、いずれもいくつかの条件付きで5年間の保証を買い手に付けています。

2社のほかにも、三井不動産、大和ハウス工業、大京、東京建物、などの傘下にある仲介業者各社は、住宅設備機器の3~6か月保証を実施しており、拡大する傾向が窺えます。

 保証内容に差はあっても、買い手を安心させ、かつ個人売主に責任が及ばないサービスが誕生したことは、中古売買の活性化を促進するという意味で歓迎すべきことと言えましょう。



●管理費・修繕積立金の値上げ

 しかし、もうひとつの問題である「管理費等の値上がり」については、誰も保証をしてくれない中古マンション購入の盲点になっているのかもしれません。

中古マンションを購入してから1年も経たないうちに、修繕積立金の不足分を一時金として徴収するという管理組合決議に運悪く遭遇するかもしれないからです。

管理費の値上げも起こり得ることですが、物価上昇(電気代、人件費、機械の保守点検料などの日常経費の増額)によるものなので、家計を圧迫するほどの値上がりはないと見てよいでしょう。

ただし、管理組合が銀行から借入を行い、その返済を毎月の管理費にONするといったイレギュラーな決議をした場合は別です。

管理組合の借金とは何でしょう。それは次で説明する修繕費の不足を賄うためです。

修繕積立金は資産価値を維持して行くために不可欠な貯金と分かっていても、当初の計画がずさんであったり、販売上の都合で故意に低く抑えられていたりし、必要な時期に必要な貯蓄残高を満たしていないことがあります。これは、古いマンションほど多いことが分かっています。

積立金が不足すれば、必要な大規模修繕の着手が遅れ、建物の劣化が進んでしまいます。修繕が遅れると、修繕費は適切な時期に行った場合に比べて大幅に増額したりもするのです。

管理組合では、不足額を一時的に銀行からの調達で賄うという方法と、一時金徴収という方法などを協議します。

この問題は簡単に決まりません。一時金でとりあえず間に合わせたとしても、大規模修繕は周期的に必要なものなので、次回分をどうするかという課題も残ります。

長期修繕計画を立案し、初期は毎月5000円でも、5~10年ごとに1.5~2倍ずつ上げて各支出時期にマイナスが生じないような積立金額を設定するのが新築では当たり前になっていますが、中古マンションでは長期修繕計画それ自体が存在しない管理組合もあるのです。

計画があっても、修繕の対象範囲を絞り込んでいるため資産価値の維持にどれだけ効果があるのか、建物劣化をどの範囲まで食い止めることができるのか甚だ疑問と思われる例も少なくないのが実態なのです。

そんな問題物件で、管理組合の役員が解決のために奮闘するというケースがあります。その結果、修繕積立金の増額と一時金徴収決議に至るのです。

この決議は、組合員個々の所有年数が勘案されることはありません。貴方は新築当初から住んでいるから30万円、貴方は最近越して来たから3万円などとはならないのです。

うまく説明できないのですが、区分所有法(マンション法)では、1階住民はエレベーターを使用しないからといって管理費が安いことはないのと同じようなものかもしれません。

積立金の増額や一時金徴収が、自分の住むマンションのメンテナンス、すなわち資産価値の維持に必須としても、購入したばかりの新住民にしてみれば、何となく割切れないものが残るのではないかと思います。

新築購入の場合、契約前に「修繕積立基金」として50万円なり100万円なりをご用意いただきますと説明され、それが購入の条件であるとあらかじめ承知しているわけですが、中古売買では協議中の段階にある場合と長期修繕計画書に明記された「増額予定金額・一時徴収予定時期と金額」以外は説明されません。

おそらく、仲介業者に尋ねても明確な回答は得られないはずです。

マンションの分譲が開始されてから50年を超えて来た現在、マンションの老朽化は社会問題になりつつあります。簡単に建て替えができないこともあって、長く住んで行けるマンションつくりと長く快適に住むための維持管理の課題に取り組むことが焦眉の急と言われるようになって来ました。

この意識変化が、修繕計画の立案と財政的な裏付けを要求する背景になっているのです。新築はあらかじめセットされていますが、中古はあっても不十分と思っておいた方がよいのかもしれません。

中古マンションを購入する場合は、新築のように契約時に支払うことがない代わり、後日の支払いがあるかもしれないと。


●修繕計画書の確認は必須

中古マンションの購入の際には、誰も保証してくれない「修繕費の一時金支払い」というリスクがあると覚悟して購入するとして、可能な限り事前に予定したい心理が働くことでしょう。 そこで、最低限のチェック事項をご紹介しておきましょう。

先ずは「長期修繕計画書」の有無を確認しましょう。

計画書は管理会社が提案という形で作成したもので、その通りに実行するかどうかは管理組合が決めることですが、望ましいものか、最低限度の計画かは別としても、専門家が策定したものがあれば、概ねいつからいくらに増え、またはいつ頃いくらの一時金徴収があるかを知ることができるからです。

中古マンションの売買の世界では、「管理に関する重要事項説明書」なる書類が出て来ます。

これは管理会社から買主に提示されるもので、仲介業者が手配します。

そこには、管理費等の滞納明細や大規模修繕の履歴(大項目のみ)と修繕積立金の残高が記載されていますが、長期修繕計画の細部はありません。管理組合で決議されていなければ「増額予定」も「一時金徴収予定」も掲載されていないのが普通です。

従って、必ず「長期修繕計画書」のコピーを下さいと仲介業者に依頼することが大事になります。


また、管理組合議事録も可能な限り事前に目を通しておきたいものですが、この件は次の機会にお話しします。


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